第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

Communication Agent for Market Driven
  「市場起点で社会的価値の実現とひとづくり」

 

(2)目標とする経営指標

当社は、生産性の向上と経費削減を推進することにより、経常利益を高め、売上高経常利益率を向上させることを目標とし、企業価値の増大に努めていく所存であります。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

当社は情報発信のパートナーとして、「コミュニケーション エイジェント」という新しいビジネスモデルを目指しています。その中で次の4分野を事業領域として追求しています。これはお客さまとの継続的な取引のなかで、福島印刷の考える顧客密着スタイルの帰結でもあります。

 

・BF(ビジネスフォーム)複合サービス

コンピュータ出力帳票に代表される機械加工を伴った帳票印刷分野です。ニーズを的確に形にする能力と高い工場運営能力によって、ビジネス活動の黒子としての供給責任に応え続けています。

 

・企画商印サービス

パンフレットやカタログに代表されるビジュアル印刷物の分野です。業態理解力と表現者としての高いスキルが問われます。カラーマッチング技術からコンセプトメイク、イメージ生成能力を伴ったビジュアル表現技術が駆使されます。

 

・IPDP(インフォメーション プロセッシング データプリント)サービス

企業が定期的に発送する請求書や官公庁が住民に発送する各種通知書など、事務通知書類のデータプリントから、封入封緘などの後処理、メール発送までを代行するサービスです。コア業務以外をアウトソーシングすることで省人化・スリム化を図るお客様が増え、当社の活躍の場が広がってきています。

 

・DMDP(ダイレクトメール データプリント)サービス

ダイレクトメール(DM)は顧客データベースの進化のなかで有力な販促ツールへと発展しました。DMは、ダイレクトマーケティングでもあり費用対効果の問いかけの世界です。また、この分野はデータ加工とプリント出力のデータプリントサービス(DPサービス)と不可分のシナジーを形成いたします。デザイン制作からデータ加工出力のアウトソーシングまで一貫したサービスが可能です。

 

(4)会社の対処すべき課題

  今後の見通しにつきましては、わが国経済は景気の回復基調が続き、個人消費が持ち直すことが期待されますが、海外の政治動向などを背景に、景気の先行きは予断を許しません。

 印刷業界におきましても、Web化等による印刷需要の減少傾向が継続しており、価格競争の激化や原材料の値上げも懸念されるなど、引き続き取り巻く環境は厳しいものと予想されます。

 このような状況を踏まえ、当社としては、引き続き最新鋭の印刷機等設備導入により生産体制の強化を図るとともに、一昨年2月稼働を開始した「さいたまサテライト」の有効活用や、独自技術によるDP(データプリント)を中心としたサービスを強化し、さらなる差別化を推進してまいります。当社サービスの充実・拡大のための技術開発とその市場創造に注力し、顧客のBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)ニーズのさらなる取り込みを目指します。受注のベースとなる品質保証と情報セキュリティ体制についても、より一層の強化を図っていきます。

 営業部門では引き続き大都市圏での販売力強化とともに、強力な商品サービスの創造、販売マネジメントと顧客管理技術の高度化に取り組みます。

 設計部門では、生産前部門の生産性向上を図ると同時に、より一層のコストダウンと顧客サービス向上のための情報設計力、運用力強化の取り組みを継続いたします。

 また、人材育成が重要課題の一つであるとの認識に基づき、メーリングサービスの拡大に不可欠なIT系知識を蓄えるための資格取得支援制度を全社展開するなど、市場の要求に応える人材の育成に努めてまいります。 

 

 

 

2 【事業等のリスク】

当社の事業等に係るリスク要因になる可能性のある重要事項を以下のとおり記載しております。

なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、実際の結果と異なる可能性があります。また、以下の記載は当社の事業等及び当社株式への投資に係るリスクを全て網羅するものではありません。

 

(1) 国内景気と消費動向

当社は幅広い業種の多くの顧客と取引を行っており、特定の顧客に偏らない事業活動を展開しています。しかしながら、日本国内を市場としていることから、日本国内の景気変動により受注量の減少や受注単価の低下などにより当社の業績に影響が生じる可能性があります。

 

(2) 印刷用紙の価格変動について

当社製品の主要材料の大部分は印刷用紙が占めており、安定的な量の確保と最適な価格の維持に努めております。しかしながら、急激な市況の変動等により仕入価格が上昇し、製造コストの削減で補えない場合や、販売価格に転嫁できない場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) ビジネスフォームの市場変化

事務用帳票類などのビジネスフォーム市場は、ペーパーレス化、デジタル化の進行に伴い、市場規模は縮小傾向にあります。しかしながら、当社の売上高に占める従来型ビジネスフォームの割合はいまだに高く、ビジネスフォームの減少が想定を著しく上回った場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 売上債権の回収について

当社は与信管理の強化に努めておりますが、得意先の倒産などによる貸倒れが生じた場合、当社の業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(5) 法的規制等について

当社は法令の遵守を基本として事業を展開していますが、製造物責任、私的独占の禁止等、環境・リサイクル、特許等関連の法的規制を受けています。今後規制の強化が実施された場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 製品の品質

当社は製品及びサービスの品質保証体制の確立、運用について第三者機関による認証(QMS)を取得し、品質管理の徹底を図っております。しかしながら、何らかの理由で製品納入の遅れや製品の欠陥等製造上の問題が発生した場合、損害賠償等の負担により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 情報セキュリティについて

当社は個人情報及び顧客情報、情報システムを取り扱う際の運用管理については、プライバシーマーク及び情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の認証を取得し、関連規程を整備運用して厳重に取り扱うこととしています。機密情報漏洩の可能性は極めて低いと考えておりますが、不測の事態により個人情報等の流出事故が発生した場合、損害賠償の負担等当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 災害の発生について

製造設備等の主要設備には防火、耐震、停電対策等を実施しております。また、本社工場に生産設備が集中していたため、一昨年2月さいたま市に「さいたまサテライト」を開設し、生産設備の複数化を図りました。しかしながら、大地震などにより予想を超える被害が発生し生産活動が停止した場合、当社の業務に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)(業績等の概要)

① 経営成績等の状況

当事業年度におけるわが国経済は、政府の経済政策および日銀の金融緩和策等により、企業収益や雇用・所得環境が改善するなど、景気は緩やかな回復基調で推移してまいりましたが、米国の保護貿易政策や新興国通貨への不安が高まっているなど、依然として先行き不透明な状況が続いております。

印刷業界におきましては、Web化等による印刷需要の減少、競争激化による受注価格下落の影響を受け、引き続き厳しい状況が続いております。 

このような状況のもと、当社は引続き最新鋭の印刷機等設備導入により生産体制の強化を図るとともに、DP(データプリント)サービスの製品開発やサービスの充実、販売マネジメントの強化による創注や原価構造改善に積極的に取り組んでまいりました。

この結果、当事業年度の売上高は前事業年度を2億71百万円(3.9%)上回る71億59百万円となりました。また、利益面においては、営業利益が3億18百万円(前事業年度比22.6%減)、経常利益が3億24百万円(前事業年度比22.1%減)、当期純利益が2億15百万円(前事業年度比27.8%減)となりました。

 

  品目別売上高の概況は次のとおりであります。

「BF複合サービス」

ビジネスフォーム関連は、Web化に伴うペーパーレス化が進み、市場全体での需要量の減少傾向が続いていることから、売上高は前事業年度を61百万円(5.0%)下回る11億76百万円となりました。

「企画商印サービス」

商業印刷分野は、主要DPサービスとの相乗効果が見込めない頁・文字物印刷からの撤退影響もあり、売上高は前事業年度を44百万円(10.1%)下回る3億95百万円となりました。

「IPDPサービス」

臨時給付金事業やマイナンバー関連等の特需反動による減収があったものの、自治体の健康増進事業や金融機関、SIerからの受注が堅調に推移したため、売上高は前事業年度を17百万円(1.1%)上回る16億48百万円となりました。

「DMDPサービス」

IPDPサービス同様徹底したセキュリティ環境のもと、お客様目線での企画提案により大口顧客でのポジションアップが進み、売上高は前事業年度を3億59百万円(10.0%)上回る39億40百万円となりました。

 

品目別売上高につきましては、以下のとおりであります。

 

期 別

品 目 別

第65期

第66期

金  額

構成比

金  額

構成比

 

百万円

百万円

BF複合サービス

1,237

 

17.9

1,176

 

16.4

企画商印サービス

439

 

6.4

395

 

5.5

IPDPサービス

1,631

 

23.7

1,648

 

23.0

DMDPサービス

3,580

 

52.0

3,940

 

55.1

合      計

6,888

 

100.0

7,159

 

100.0

 

 

 

 ② キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ1億36百万円増加し、5億62百万円となりました。また、当事業年度中における各キャッシュ・フローは次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において営業活動によって得られた資金は、前事業年度比2億1百万円増加し、10億61百万円となりま

 した。これは前事業年度と比較して、売上債権が3億29百万円増加したこと等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において投資活動によって支出した資金は、前事業年度比6億4百万円減少し、4億54百万円となりました。これは前事業年度と比較して、有形固定資産の取得による支出が6億38百万円減少したこと等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において財務活動によって支出した資金は、前事業年度に比べて4億38百万円増加し、4億70百万円となりました。これは前事業年度と比較して、短期借入金の純増減額が3億80百万円、長期借入れによる収入が1億円それぞれ減少したこと等によるものであります。

 

 

 

③生産、受注及び販売の状況

以下の各項目の記載金額には消費税等は含まれておりません。

a. 生産実績

 

品目別

第66期
自  平成29年8月21日
至  平成30年8月20日

金額(千円)

前年同期比(%)

BF複合サービス

1,466,054

111.5

企画商印サービス

381,842

89.2

IPDPサービス

1,943,192

101.6

DMDPサービス

3,558,033

103.4

7,349,123

103.6

 

(注)  金額は販売価格で表示しております。

 

b. 受注状況

 

品目別

第66期
自  平成29年8月21日
至  平成30年8月20日

受注高

受注残高

金額(千円)

前年同期比(%)

金額(千円)

前年同期比(%)

BF複合サービス

1,239,087

102.8

153,023

169.7

企画商印サービス

388,221

87.3

57,737

89.4

IPDPサービス

1,693,428

108.0

241,560

122.6

DMDPサービス

3,928,524

108.7

431,300

97.2

7,249,261

106.1

883,622

111.1

 

(注)  金額は販売価格で表示しております。

 

c. 販売実績

 

品目別

第66期
自  平成29年8月21日
至  平成30年8月20日

金額(千円)

前年同期比(%)

BF複合サービス

1,176,080

95.0

企画商印サービス

395,036

89.9

IPDPサービス

1,648,564

101.1

DMDPサービス

3,940,123

110.0

7,159,805

103.9

 

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

  なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。

この財務諸表の作成にあたり、事業年度末における資産・負債の報告数値、事業年度における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り、判断は、主に貸倒引当金、賞与引当金及び退職給付引当金等であり、継続して評価を行っております。

なお、見積り、判断及び評価については、過去における実績や状況に応じ、合理的と考えられる要因等に基づいて行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果とは異なる場合があります。

 

 ② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a. 財政状態の分析

(流動資産)

当事業年度末における流動資産は、前事業年度末比52百万円(2.1%)減少し24億19百万円となりました。減少の主な要因は、現金預金が1億38百万円、電子記録債権が55百万円、それぞれ増加したものの、売掛金が1億55百万円、受取手形が73百万円、それぞれ減少したこと等によるものであります。

(固定資産)

当事業年度末における固定資産は、前事業年度末比2億65百万円(5.6%)減少し44億52百万円となりました。減少の主な要因は、有形固定資産の機械装置が1億90百万円増加したものの、建設仮勘定が2億25百万円、リース資産(有形)が1億60百万円、それぞれ減少したこと等によるものであります。

(流動負債)

当事業年度末における流動負債は、前事業年度末比3億91百万円(21.7%)減少し14億16百万円となりました。減少の主な要因は、短期借入金が2億80百万円、買掛金が75百万円、それぞれ減少したこと等によるものであります。

(固定負債)

当事業年度末における固定負債は、前事業年度末比66百万円(7.5%)減少し8億28百万円となりました。減少の主な要因は、長期借入金が74百万円増加したものの、リース債務が1億51百万円減少したこと等によるものであります。

(純資産)

当事業年度末における純資産は、前事業年度末比1億40百万円(3.1%)増加し46億27百万円となりました。増加の主な要因は、利益剰余金が1億43百万円増加したこと等によるものであります。

 

b. 経営成績の分析

(売上高)

当事業年度における売上高は、前事業年度比2億71百万円(3.9%)増加し、71億59百万円となりました。これは、前事業年度比でBF複合サービスが61百万円(5.0%)、企画商印サービスが44百万円(10.1%)、それぞれ減少したものの、IPDPサービスが17百万円(1.1%)、DMDPサービスが3億59百万円(10.0%)、それぞれ増加したことによるものであります。

(売上総利益)

当事業年度における売上総利益は、前事業年度比62百万円(3.5%)減少し、17億21百万円となりました。また、売上総利益率は前事業年度1.9ポイント下回る24.0%となりました。

(販売費及び一般管理費)

当事業年度における販売費及び一般管理費は、前事業年度比30百万円増加し、14億3百万円となりました。これは、荷造運送費が10百万円(7.8%)、修繕費が9百万円(88.5%)それぞれ増加したこと等が主な要因であります。

 

 

 

(営業利益)

当事業年度における営業利益は、前事業年度比93百万円減少し、3億18百万円となりました。また、売上高営業利益率は前事業年度を1.5ポイント下回る4.4%となりました。

(営業外損益)

当事業年度における営業外収益から営業外費用を差し引いた純額は、前事業年度に比べ0百万円収益が増加し、6百万円の収益となりました。

(経常利益)

当事業年度における経常利益は、前事業年度に比べ92百万円減少し、3億24百万円となりました。また、売上高経常利益率は前事業年度を1.5ポイント下回る4.5%となりました。

(特別損益)

特別利益から特別損失を差し引いた純額は、前事業年度に比べ5百万円損失が減少し、1百万円の損失となりました。

(当期純利益)

当事業年度における当期純利益は、前事業年度に比べ82百万円減少し、2億15百万円となりました。また、売上高当期純利益率は前事業年度を1.3ポイント下回る3.0%となりました。

 

 

c. キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの分析については、「(1)業績等の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

 ③ 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」に記載の通りです。

 

 ④ 資本の財源及び資金の流動性について

当社における資金需要の主なものは、製造費用、販売費および一般管理費の営業費用による運転資金および設備投資資金であります。

   資金調達については、主に内部資金及び金融機関からの借入金により調達しております。

 

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

当社は紙加工技術、データハンドリング技術、表現技術の3つのスキル分野をコア技術としてとらえております。
 研究開発活動としては、この3つの分野で新しいタイプのサービス開発につながる活動とユーザーニーズに対応す
るための応用開発の両面の活動を、生産本部生産技術部を中心に実施しております。
 当事業年度における研究開発費の総額は、104,565千円となっております。
 なお、上記金額には消費税等は含まれておりません。
 
当事業年度における主な研究開発成果は次のとおりです。
「提携設備シェアの立ち上げ」、「定形IndexBの開発・投入」
 圧着はがき・封書・メール便の少部数・複数企画連結・随時発行のBPOメーリングサービスとして、当社オリジ
ナルの「パックサービス」が順調に拡大しています。
 当サービス強化の為に、設備の増強・キャパシティアップ・BCP対応を進めています。今期は、「提携設備シェアの立ち上げ」として、関東圏提携先インクジェットプリンタ設備を利用してのパック生産の仕組を作り稼動を行いました。提携先連携・生産管理・セキュリティの確保を中心に開発を行い稼動している状態です。
 又、郵便媒体として、従来から有る、定型Indexを改良した「定型IndexB」を開発・投入しました。こちらは、最適な形状の追求、利用用紙の拡大、版面面積の確保、加工方法、糊の剥離強度の最適化を行いました。又、インクジェット出力にて細部の再現性と美粧性を追求し、「明視の距離でのオフセット印刷同等品質」を実現できるようにしました。
 パック生産キャパシティの確保、媒体選択の幅が広がった事により、67期の市場開拓、売上高拡大に貢献すると考えております。