Communication Agent for Market Driven
「市場起点で社会的価値の実現とひとづくり」
当社事業は印刷業の単一事業に特化しており、基本的な経営目標として、事業の状況を的確かつ容易に把握する上で全体の収益状況を表す経常利益率をベンチマークとし、3%を最低ラインとした上で、安定的な5%以上を当面の経営目標としております。加えて、当社の規模や不透明な事業領域での事業活動においては、バッファーとしての自己資本の充実は欠かせないものと考えており、自己資本比率65%以上の確保を目標としております。また、業容の拡大における売上目標については、受注産業として過度な拡販目標は設定せず、事業活動の結果指標として上記2項目の達成を経営目標の基本としております。
今期は、経常利益率5.1%、自己資本比率67.2%と目標値を達成しておりますが、積極的な設備投資が継続していることなどを踏まえると、未だ安定的な収益構造構築の途上であるものと認識しております。
当社は情報発信のパートナーとして、「コミュニケーション エイジェント」という新しいビジネスモデルを目指しています。その中で次の4分野を事業領域として追求しています。これはお客さまとの継続的な取引のなかで、福島印刷の考える顧客密着スタイルの帰結でもあります。
・BF(ビジネスフォーム)複合サービス
コンピュータ出力帳票に代表される機械加工を伴った帳票印刷分野です。ニーズを的確に形にする能力と高い工場運営能力によって、ビジネス活動の黒子としての供給責任に応え続けています。
・企画商印サービス
パンフレットやカタログに代表されるビジュアル印刷物の分野です。業態理解力と表現者としての高いスキルが問われます。カラーマッチング技術からコンセプトメイク、イメージ生成能力を伴ったビジュアル表現技術が駆使されます。
・IPDP(インフォメーション プロセッシング データプリント)サービス
企業が定期的に発送する請求書や官公庁が住民に発送する各種通知書など、事務通知書類のデータプリントから、封入封緘などの後処理、メール発送までを代行するサービスです。コア業務以外をアウトソーシングすることで省人化・スリム化を図るお客様が増え、当社の活躍の場が広がってきています。
・DMDP(ダイレクトメール データプリント)サービス
ダイレクトメール(DM)は顧客データベースの進化のなかで有力な販促ツールへと発展しました。DMは、ダイレクトマーケティングでもあり費用対効果の問いかけの世界です。また、この分野はデータ加工とプリント出力のデータプリントサービス(DPサービス)と不可分のシナジーを形成いたします。デザイン制作からデータ加工出力のアウトソーシングまで一貫したサービスが可能です。
今後の見通しにつきましては、わが国経済は景気の回復基調が続き、個人消費が持ち直すことが期待されますが、海外の政治動向などを背景に、景気の先行きは予断を許しません。
印刷業界におきましても、Web化等による印刷需要の減少傾向が継続しており、価格競争の激化や原材料の値上げも懸念されるなど、引き続き取り巻く環境は厳しいものと予想されます。
このような状況を踏まえ、当社としては、引き続き最新鋭の印刷機等設備導入により生産体制の強化を図るとともに、「さいたまサテライト」の有効活用や、独自技術によるDP(データプリント)を中心としたサービスを強化し、さらなる差別化を推進してまいります。当社サービスの充実・拡大のための技術開発とその市場創造に注力し、顧客のBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)ニーズのさらなる取り込みを目指します。また、受注のベースとなる品質保証と情報セキュリティ体制についても、より一層の強化を図っていきます。
営業部門では引き続き大都市圏での販売力強化とともに、強力な商品サービスの創造、販売マネジメントと顧客管理技術の高度化に取り組みます。
設計部門では、生産前部門の生産性向上を図ると同時に、より一層のコストダウンと顧客サービス向上のための情報設計力、運用力強化の取り組みを継続いたします。
また、人材育成が重要課題の一つであるとの認識に基づき、メーリングサービスの拡大に不可欠なIT系知識を蓄えるための資格取得支援制度を全社展開するなど、市場の要求に応える人材の育成に努めてまいります。
当社の事業等に係るリスク要因になる可能性のある重要事項を以下のとおり記載しております。
なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、実際の結果と異なる可能性があります。また、以下の記載は当社の事業等及び当社株式への投資に係るリスクを全て網羅するものではありません。
(1) 国内景気と消費動向
当社は幅広い業種の多くの顧客と取引を行っており、特定の顧客に偏らない事業活動を展開しています。しかしながら、日本国内を市場としていることから、日本国内の景気変動により受注量の減少や受注単価の低下などにより当社の業績に影響が生じる可能性があります。
(2) 印刷用紙の価格変動について
当社製品の主要材料の大部分は印刷用紙が占めており、安定的な量の確保と最適な価格の維持に努めております。しかしながら、急激な市況の変動等により仕入価格が上昇し、製造コストの削減で補えない場合や、販売価格に転嫁できない場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) ビジネスフォームの市場変化
事務用帳票類などのビジネスフォーム市場は、ペーパーレス化、デジタル化の進行に伴い、市場規模は縮小傾向にあります。しかしながら、当社の売上高に占める従来型ビジネスフォームの割合はいまだに高く、ビジネスフォームの減少が想定を著しく上回った場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 売上債権の回収について
当社は与信管理の強化に努めておりますが、得意先の倒産などによる貸倒れが生じた場合、当社の業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(5) 法的規制等について
当社は法令の遵守を基本として事業を展開していますが、製造物責任、私的独占の禁止等、環境・リサイクル、特許等関連の法的規制を受けています。今後規制の強化が実施された場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 製品の品質
当社は製品及びサービスの品質保証体制の確立、運用について第三者機関による認証(QMS)を取得し、品質管理の徹底を図っております。しかしながら、何らかの理由で製品納入の遅れや製品の欠陥等製造上の問題が発生した場合、損害賠償等の負担により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 情報セキュリティについて
当社は個人情報及び顧客情報、情報システムを取り扱う際の運用管理については、プライバシーマーク及び情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の認証を取得し、関連規程を整備運用して厳重に取り扱うこととしています。機密情報漏洩の可能性は極めて低いと考えておりますが、不測の事態により個人情報等の流出事故が発生した場合、損害賠償の負担等当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 災害の発生について
製造設備等の主要設備には防火、耐震、停電対策等を実施しております。また、本社工場に生産設備が集中していたため、2016年3月さいたま市に「さいたまサテライト」を開設し、生産設備の複数化を図りました。しかしながら、大地震などにより予想を超える被害が発生し生産活動が停止した場合、当社の業務に影響を及ぼす可能性があります。
(1)(業績等の概要)
文中の将来に関する事項は、当事業年度の末日現在において判断したものであります。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当事業年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前事業年度との比較・分析を行っております。
① 経営成績等の状況
当事業年度におけるわが国経済は、雇用情勢や所得環境の緩やかな改善傾向が続き、景気は回復基調で推移してまいりましたが、米中貿易摩擦などにより海外経済に影響が出てくるなど、依然として先行き不透明な状況が続いております。
印刷業界におきましては、依然としてWeb化等による印刷需要の減少が続くなか、競争激化による受注価格下落の影響が顕在化するなど、引き続き厳しい状況が続いております。
このような状況のもと、当社は引続き最新鋭の印刷機等設備導入により生産体制の強化を図るとともに、DP(データプリント)サービスの製品開発やサービスの充実、販売マネジメントの強化による創注や原価構造改善に積極的に取り組んでまいりました。
この結果、当事業年度の売上高は前事業年度を6億19百万円(8.7%)上回る77億79百万円となりました。また、利益面においては、営業利益が3億90百万円(前事業年度比22.6%増)、経常利益が4億円(前事業年度比23.3%増)、当期純利益が2億66百万円(前事業年度比23.8%増)となりました。
品目別売上高の概況は次のとおりであります。
「BF複合サービス」
ビジネスフォーム関連は、Web化に伴うペーパーレス化が進み、市場全体での需要量の減少傾向が続いていることから、売上高は前事業年度を77百万円(6.6%)下回る10億98百万円となりました。
「企画商印サービス」
商業印刷分野は、主要DPサービスとの相乗効果が見込めない頁・文字物印刷からの撤退影響もあり、売上高は前事業年度を17百万円(4.5%)下回る3億77百万円となりました。
「IPDPサービス」
通知物関連では、自治体の健康増進事業や金融機関、SIer等からの受注が堅調に推移したため、売上高は前事業年度を3億67百万円(22.3%)上回る20億16百万円となりました。
「DMDPサービス」
販促分野では、ペーパーレスの潮流においてもデジタル印刷技術を駆使した次世代の紙メディアの開発価値を評価され、売上高は前事業年度を3億48百万円(8.8%)上回る42億88百万円となりました。
品目別売上高につきましては、以下のとおりであります。
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ20百万円減少し、5億41百万円となりました。また、当事業年度中における各キャッシュ・フローは次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動によって得られた資金は、前事業年度比1億80百万円減少し、8億80百万円となりま
した。これは前事業年度と比較して、主に売上債権の増減額が4億18百万円減少、仕入債務の増減額が1億94百万
円減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動によって支出した資金は、前事業年度比2億86百万円増加し、7億41百万円となりました。これは前事業年度と比較して、主に有形固定資産の取得による支出が3億42百万円増加したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動によって支出した資金は、前事業年度に比べて3億10百万円減少し、1億59百万円となりました。これは前事業年度と比較して、主に短期借入金の純増減額が3億80百万円増加、長期借入れによる収入が1億円減少したことによるものであります。
③生産、受注及び販売の状況
以下の各項目の記載金額には消費税等は含まれておりません。
(注) 金額は販売価格で表示しております。
(注) 金額は販売価格で表示しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。
この財務諸表の作成にあたり、事業年度末における資産・負債の報告数値、事業年度における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り、判断は、主に貸倒引当金、賞与引当金及び退職給付引当金等であり、継続して評価を行っております。
なお、見積り、判断及び評価については、過去における実績や状況に応じ、合理的と考えられる要因等に基づいて行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果とは異なる場合があります。
② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 財政状態の分析
(流動資産)
当事業年度末における流動資産は、前事業年度末比1億76百万円(7.5%)増加し25億28百万円となりました。増加の主な要因は、現金預金が55百万円、受取手形が61百万円、それぞれ減少したものの、売掛金が2億85百万円増加したこと等によるものであります。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産は、前事業年度末比78百万円(1.7%)増加し45億99百万円となりました。増加の主な要因は、リース資産(有形)が1億19百万円減少したものの、有形固定資産の機械装置が2億74百万円増加したこと等によるものであります。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債は、前事業年度末比2億13百万円(15.0%)増加し16億30百万円となりました。減少の主な要因は、買掛金が1億19百万円、短期借入金が1億円、それぞれ増加したこと等によるものであります。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債は、前事業年度末比1億21百万円(14.6%)減少し7億6百万円となりました。減少の主な要因は、リース債務が1億12百万円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産は、前事業年度末比1億63百万円(3.5%)増加し47億90百万円となりました。増加の主な要因は、利益剰余金が1億88百万円増加したこと等によるものであり、自己資本比率67.2%は経営目標としている65%台となりました。当社の事業規模・特性や、不透明な事業活動における財務の安全性は、確保されているものと判断しております。
b. 経営成績の分析
(売上高)
当事業年度における売上高は、前事業年度比6億19百万円(8.7%)増加し、77億79百万円となりました。これは、前事業年度比でBF複合サービスが77百万円(6.6%)、企画商印サービスが17百万円(4.5%)、それぞれ減少したものの、IPDPサービスが3億67百万円(22.3%)、DMDPサービスが3億48百万円(8.8%)、それぞれ増加したことによるものであります。
(売上総利益)
当事業年度における売上総利益は、前事業年度比84百万円(4.9%)増加し、18億6百万円となりました。また、売上総利益率は前事業年度0.8ポイント下回る23.2%となりました。
(販売費及び一般管理費)
当事業年度における販売費及び一般管理費は、前事業年度比13百万円(0.9%)増加し、14億16百万円となりました。これは、荷造運送費が15百万円(9.9%)、修繕費が10百万円(54.2%)それぞれ増加したこと等が主な要因であります。
(営業利益)
当事業年度における営業利益は、前事業年度比71百万円増加し、3億90百万円となりました。また、売上高営業利益率は前事業年度を0.6ポイント上回る5.0%となりました。
(営業外損益)
当事業年度における営業外収益から営業外費用を差し引いた純額は、前事業年度に比べ3百万円収益が増加し、9百万円の収益となりました。
(経常利益)
当事業年度における経常利益は、前事業年度に比べ75百万円増加し、4億円となりました。また、売上高経常利益率は前事業年度を0.6ポイント上回る5.1%となりました。増益の要因としては、堅調な売上の増加に加え生産性の向上が寄与し、経常利益率は経営目標の5%台となりました。安定的な5%以上の収益体質確立に向け生産性の向上を図ります。
(特別損益)
特別利益から特別損失を差し引いた純額は、前事業年度に比べ10百万円損失が増加し、11百万円の損失となりました。
(当期純利益)
当事業年度における当期純利益は、前事業年度に比べ51百万円増加し、2億66百万円となりました。また、売上高当期純利益率は前事業年度を0.4ポイント上回る3.4%となりました。
c. キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析については、「(1)業績等の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」に記載の通りです。
④ 資本の財源及び資金の流動性について
当社における資金需要の主なものは、製造費用、販売費および一般管理費の営業費用による運転資金および設備投資資金であります。
資金調達については、主に内部資金及び金融機関からの借入金により調達しております。
該当事項はありません。
当社は紙加工技術、データハンドリング技術、表現技術の3つのスキル分野をコア技術としてとらえております。
研究開発活動としては、この3つの分野で新しいタイプのサービス開発につながる活動とユーザーニーズに対応するための応用開発の両面の活動を、生産本部生産技術部を中心に実施しております。当事業年度における研究開発費の総額は、
なお、上記金額には消費税等は含まれておりません。
当事業年度における主な研究開発活動は、「あと糊設備の改良」と「ハイブリッドMSL増設と機能拡張」になります。「あと糊設備の改良」は機長1名体制での生産を目標に、メーカー協力のもと稼働中におけるオートテンション・自動見当機能の開発を行いました。省人化により既存人員でのシフト運営の安定化効果に加え、1名生産体制への変更を機にオペレーションを再検証するよい場となりました。
まずは、さいたまサテライト工場への設備導入を皮切りに、今後は本社への導入も検討してまいります。宛名出力と圧着加工の同時作業を実現する「ハイブリッドMSLの増強」も行いました。受注好調な大判メール・定型Indexの生産対応に向け、既存圧着加工機に宛名出力部を追加し、今回の導入タイミングで、はがき圧着加工も可能にいたしました。ハイブリッド生産(出力・圧着の同時作業)における納期短縮効果は大きく、はがき加工業務の取り込みも含め稼働率向上を推進してまいります。