第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 経営成績の分析

当事業年度におけるわが国経済は、政府の経済政策および日銀の金融緩和策等により、企業収益や雇用環境が改善するなど、景気は緩やかな回復基調で推移してまいりましたが、海外の政治動向などを背景に、依然として先行き不透明な状況が続いております。

印刷業界におきましては、Web化等による印刷需要の減少、競争激化による受注価格下落の影響を受け、引き続き厳しい状況が続いております。 

このような状況のもと、当社は引続き最新鋭の印刷機等設備導入により生産体制の強化を図るとともに、DP(データプリント)サービスの製品開発やサービスの充実、販売マネジメントの強化による創注や原価構造改善に積極的に取り組んでまいりました。

この結果、当事業年度の売上高は前事業年度を2億91百万円(4.4%)上回る68億88百万円となりました。また、利益面においては、営業利益が4億11百万円(前事業年度比20.3%増)、経常利益が4億16百万円(前事業年度比20.0%増)、当期純利益が2億98百万円(前事業年度比85.9%増)となりました。

  品目別売上高の概況は次のとおりであります。

「BF複合サービス」

ビジネスフォーム関連は、Web化に伴うペーパーレス化が進み、市場全体での需要量の減少傾向が続いていることから、売上高は前事業年度を28百万円(2.2%)下回る12億37百万円となりました。

「企画商印サービス」

商業印刷分野は、企業の経費抑制が継続するなか、同業者間での価格競争が激しさを増すなど厳しい受注環境が続いておりますが、流通業界を中心に大型キャンペーン関連企画商材の受注が好調に推移、売上高は前事業年度を15百万円(3.7%)上回る4億39百万円となりました。

「IPDPサービス」

地方自治体や金融機関に加え、SIer、一般企業からの受注が順調に推移し、売上高は前事業年度を95百万円(6.2%)上回る16億31百万円となりました。

「DMDPサービス」

IPDPサービス同様徹底したセキュリティ環境のもと、お客様目線での企画提案により大口顧客でのポジションアップが進み、売上高は前事業年度を2億8百万円(6.2%)上回る35億80百万円となりました。

 

品目別売上高につきましては、以下のとおりであります。

 

期 別

品 目 別

第64期

第65期

金  額

構成比

金  額

構成比

 

百万円

百万円

BF複合サービス

1,265

 

19.2

1,237

 

17.9

企画商印サービス

423

 

6.4

439

 

6.4

IPDPサービス

1,535

 

23.3

1,631

 

23.7

DMDPサービス

3,371

 

51.1

3,580

 

52.0

合      計

6,597

 

100.0

6,888

 

100.0

 

 

 

 (2) キャッシュ・フロー

当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ2億30百万円減少し、4億25百万円となりました。また、当事業年度中における各キャッシュ・フローは次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において営業活動によって得られた資金は、前事業年度比27百万円増加し、8億60百万円となりました。これは前事業年度と比較して、税引前当期純利益が1億69百万円増加したこと等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において投資活動によって支出した資金は、前事業年度比5億33百万円増加し、10億59百万円となりました。これは前事業年度と比較して、有形固定資産の取得による支出が5億55百万円増加したこと等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において財務活動によって支出した資金は、前事業年度に比べて3億26百万円減少し、31百万円となりました。これは前事業年度と比較して、短期借入金の純増減額が1億円、長期借入れによる収入が2億円それぞれ増加したこと等によるものであります。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

以下の各項目の記載金額には消費税等は含まれておりません。

(1) 生産実績

 

品目別

第65期
自  平成28年8月21日
至  平成29年8月20日

金額(千円)

前年同期比(%)

BF複合サービス

1,315,126

111.4

企画商印サービス

428,027

103.0

IPDPサービス

1,912,166

107.3

DMDPサービス

3,440,333

101.2

7,095,653

104.7

 

(注)  金額は販売価格で表示しております。

 

(2) 受注状況

 

品目別

第65期
自  平成28年8月21日
至  平成29年8月20日

受注高

受注残高

金額(千円)

前年同期比(%)

金額(千円)

前年同期比(%)

BF複合サービス

1,205,718

90.4

90,199

73.7

企画商印サービス

444,559

103.9

64,614

108.9

IPDPサービス

1,568,535

95.6

196,952

75.9

DMDPサービス

3,613,359

103.0

443,512

108.0

6,832,172

98.9

795,279

93.4

 

(注)  金額は販売価格で表示しております。

 

(3) 販売実績

 

品目別

第65期
自  平成28年8月21日
至  平成29年8月20日

金額(千円)

前年同期比(%)

BF複合サービス

1,237,824

97.8

企画商印サービス

439,270

103.7

IPDPサービス

1,631,038

106.2

DMDPサービス

3,580,475

106.2

6,888,607

104.4

 

 

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針

Communication Agent for Market Driven
  「市場起点で社会的価値の実現とひとづくり」

 

(2)目標とする経営指標

当社は、生産性の向上と経費削減を推進することにより、経常利益を高め、売上高経常利益率を向上させることを目標とし、企業価値の増大に努めていく所存であります。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

当社は情報発信のパートナーとして、「コミュニケーション エイジェント」という新しいビジネスモデルを目指しています。その中で次の4分野を事業領域として追求しています。これはお客さまとの継続的な取引のなかで、福島印刷の考える顧客密着スタイルの帰結でもあります。

 

・BF(ビジネスフォーム)複合サービス

コンピュータ出力帳票に代表される機械加工を伴った帳票印刷分野です。ニーズを的確に形にする能力と高い工場運営能力によって、ビジネス活動の黒子としての供給責任に応え続けています。

 

・企画商印サービス

パンフレットやカタログに代表されるビジュアル印刷物の分野です。業態理解力と表現者としての高いスキルが問われます。カラーマッチング技術からコンセプトメイク、イメージ生成能力を伴ったビジュアル表現技術が駆使されます。

 

・IPDP(インフォメーション プロセッシング データプリント)サービス

企業が定期的に発送する請求書や官公庁が住民に発送する各種通知書など、事務通知書類のデータプリントから、封入封緘などの後処理、メール発送までを代行するサービスです。コア業務以外をアウトソーシングすることで省人化・スリム化を図るお客様が増え、当社の活躍の場が広がってきています。

 

・DMDP(ダイレクトメール データプリント)サービス

ダイレクトメール(DM)は顧客データベースの進化のなかで有力な販促ツールへと発展しました。DMは、ダイレクトマーケティングでもあり費用対効果の問いかけの世界です。また、この分野はデータ加工とプリント出力のデータプリントサービス(DPサービス)と不可分のシナジーを形成いたします。デザイン制作からデータ加工出力のアウトソーシングまで一貫したサービスが可能です。

 

(4)会社の対処すべき課題

  今後の見通しにつきましては、わが国経済は景気の回復基調が続き、個人消費が持ち直すことが期待されますが、海外の政治動向などを背景に、景気の先行きは予断を許しません。

 印刷業界におきましても、Web化等による印刷需要の減少傾向が継続しており、価格競争の激化や原材料の値上げも懸念されるなど、引き続き取り巻く環境は厳しいものと予想されます。

 このような状況を踏まえ、当社としては、引き続き最新鋭の印刷機等設備導入により生産体制の強化を図るとともに、昨年2月稼働を開始した「さいたまサテライト」の有効活用や、独自技術によるDP(データプリント)を中心としたサービスを強化し、さらなる差別化を推進してまいります。当社サービスの充実・拡大のための技術開発とその市場創造に注力し、顧客のBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)ニーズのさらなる取り込みを目指します。受注のベースとなる品質保証と情報セキュリティ体制についても、より一層の強化を図っていきます。

 営業部門では引き続き大都市圏での販売力強化とともに、強力な商品サービスの創造、販売マネジメントと顧客管理技術の高度化に取り組みます。

 設計部門では、生産前部門の生産性向上を図ると同時に、より一層のコストダウンと顧客サービス向上のための情報設計力、運用力強化の取り組みを継続いたします。

 また、人材育成が重要課題の一つであるとの認識に基づき、メーリングサービスの拡大に不可欠なIT系知識を蓄えるための資格取得支援制度を全社展開するなど、市場の要求に応える人材の育成に努めてまいります。 

 

 

 

4 【事業等のリスク】

当社の事業等に係るリスク要因になる可能性のある重要事項を以下のとおり記載しております。

なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、実際の結果と異なる可能性があります。また、以下の記載は当社の事業等及び当社株式への投資に係るリスクを全て網羅するものではありません。

 

(1) 国内景気と消費動向

当社は幅広い業種の多くの顧客と取引を行っており、特定の顧客に偏らない事業活動を展開しています。しかしながら、日本国内を市場としていることから、日本国内の景気変動により受注量の減少や受注単価の低下などにより当社の業績に影響が生じる可能性があります。

 

(2) 印刷用紙の価格変動について

当社製品の主要材料の大部分は印刷用紙が占めており、安定的な量の確保と最適な価格の維持に努めております。しかしながら、急激な市況の変動等により仕入価格が上昇し、製造コストの削減で補えない場合や、販売価格に転嫁できない場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) ビジネスフォームの市場変化

事務用帳票類などのビジネスフォーム市場は、ペーパーレス化、デジタル化の進行に伴い、市場規模は縮小傾向にあります。しかしながら、当社の売上高に占める従来型ビジネスフォームの割合はいまだに高く、ビジネスフォームの減少が想定を著しく上回った場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 売上債権の回収について

当社は与信管理の強化に努めておりますが、得意先の倒産などによる貸倒れが生じた場合、当社の業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(5) 法的規制等について

当社は法令の遵守を基本として事業を展開していますが、製造物責任、私的独占の禁止等、環境・リサイクル、特許等関連の法的規制を受けています。今後規制の強化が実施された場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 製品の品質

当社は製品及びサービスの品質保証体制の確立、運用について第三者機関による認証(QMS)を取得し、品質管理の徹底を図っております。しかしながら、何らかの理由で製品納入の遅れや製品の欠陥等製造上の問題が発生した場合、損害賠償等の負担により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 情報セキュリティについて

当社は個人情報及び顧客情報、情報システムを取り扱う際の運用管理については、プライバシーマーク及び情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の認証を取得し、関連規程を整備運用して厳重に取り扱うこととしています。機密情報漏洩の可能性は極めて低いと考えておりますが、不測の事態により個人情報等の流出事故が発生した場合、損害賠償の負担等当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 災害の発生について

製造設備等の主要設備には防火、耐震、停電対策等を実施しております。また、本社工場に生産設備が集中していたため、昨年2月さいたま市に「さいたまサテライト」を開設し、生産設備の複数化を図りました。しかしながら、大地震などにより予想を超える被害が発生し生産活動が停止した場合、当社の業務に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社は紙加工技術、データハンドリング技術、表現技術の3つのスキル分野をコア技術としてとらえております。

研究開発活動としては、この3つの分野で新しいタイプのサービス開発につながる活動とユーザーニーズに対応するための応用開発の両面の活動を、生産本部生産技術部を中心に実施しております。

当事業年度における研究開発費の総額は、107,296千円となっております。

なお、上記金額には消費税等は含まれておりません。

 

当事業年度における主な研究開発成果は次のとおりです。

「LGWANデータ転送の立上げ」、「高速封入封緘機の立ち上げ」、「パックサービス強化」
 圧着はがき・封書・メール便の少部数・複数企画連結・随時発行のBPOメーリングサービスとして、当社オリジ
ナルの「パックサービス」が順調に拡大しています。
 当サービスをさらに強化するために、お客様との間でセキュアでタイムリーに個人情報を授受し自動データ処理を実行するSDサービスを強化してきていますが、よりセキュアな転送が要求される地方公共団体様との転送の為、LGWAN(総合行政ネットワーク)上のサービスを通じてのデータ転送を実現しました。又、高速封入封緘機(2万通/h)の導入・立上げを行い、それに合わせ、封書パックB(既存の封書パックの出力明細を2列化・各別業務を停止せずに連続して封入封緘できるようにし高速化した封書のパック)、封書パックBL(インクジェット出力にて細部の再現性と美粧性を追求し、「明視の距離でのオフセット印刷同等品質」を実現した封書のパック)をリリースし、これらパックサービスの周辺でさまざまな研究開発を行い、強化を進めました。
 地方公共団体様とのセキュアなデータ転送、封書処理を拡大し媒体選択の幅が広がった事により、66期の市場開拓、売上高拡大に貢献すると考えております。
 

 

 

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。

この財務諸表の作成にあたり、事業年度末における資産・負債の報告数値、事業年度における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り、判断は、主に貸倒引当金、賞与引当金及び退職給付引当金等であり、継続して評価を行っております。

なお、見積り、判断及び評価については、過去における実績や状況に応じ、合理的と考えられる要因等に基づいて行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果とは異なる場合があります。

 

(2) 財政状態の分析

(流動資産)

当事業年度末における流動資産は、前事業年度末比46百万円(1.8%)減少の24億72百万円となりました。減少の主な要因は、売掛金が91百万円、電子記録債権が85百万円それぞれ増加したものの、現金預金が2億32百万円減少したこと等によるものであります。

(固定資産)

当事業年度末における固定資産は、前事業年度末比5億24百万円(12.5%)増加の47億17百万円となりました。増加の主な要因は、有形固定資産の機械装置が3億97百万円、建設仮勘定が1億81百万円、それぞれ増加したこと等によるものであります。

(流動負債)

当事業年度末における流動負債は、前事業年度末比1億6百万円(6.3%)増加の18億8百万円となりました。増加の主な要因は、リース債務が43百万円減少したものの、短期借入金が1億円増加したこと等によるものであります。

(固定負債)

当事業年度末における固定負債は、前事業年度末比98百万円(12.3%)増加の8億94百万円となりました。増加の主な要因は、リース債務が37百万円、長期未払金が37百万円、それぞれ減少したものの、長期借入金が1億71百万円増加したこと等によるものであります。

(純資産)

当事業年度末における純資産は、前事業年度末比2億73百万円(6.5%)増加の44億86百万円となりました。増加の主な要因は、利益剰余金が2億32百万円増加したこと等によるものであります。

 

(3) 経営成績の分析

(売上高)

当事業年度における売上高は、前事業年度比2億91百万円(4.4%)増加し、68億88百万円となりました。これは、前事業年度比でBF複合サービスが28百万円(2.2%)減少したものの、企画商印サービスが15百万円(3.7%)、IPDPサービスが95百万円(6.2%)、DMDPサービスが2億8百万円(6.2%)増加したことによるものであります。

(売上総利益)

当事業年度における売上総利益は、前事業年度比42百万円(2.5%)増加し17億84百万円となりました。また、売上総利益率は前事業年度0.5ポイント下回る25.9%となりました。

(販売費及び一般管理費)

当事業年度における販売費及び一般管理費は、前事業年度比26百万円減少し、13億72百万円となりました。これは、荷造運送費が20百万円(16.5%)増加したものの、人件費が46百万円(5.9%)減少したこと等が主な要因であります。

(営業利益)

当事業年度における営業利益は、前事業年度比69百万円増加し、4億11百万円となりました。また、売上高営業利益率は前事業年度を0.8ポイント上回る6.0%となりました。

(営業外損益)

当事業年度における営業外収益から営業外費用を差し引いた純額は、前事業年度に比べ0百万円収益が増加し、5百万円の収益となりました。

 

(経常利益)

当事業年度における経常利益は、前事業年度に比べ69百万円増加し、4億16百万円となりました。また、売上高経常利益率は前事業年度を0.8ポイント上回る6.0%となりました。

(特別損益)

特別利益から特別損失を差し引いた純額は、前事業年度に比べ1億円損失が減少し、7百万円の損失となりました。

(当期純利益)

当事業年度における当期純利益は、前事業年度に比べ1億37百万円増加し、2億98百万円となりました。また、売上高当期純利益率は前事業年度を1.9ポイント上回る4.3%となりました。

 

 

(4) キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの分析については、「第2  事業の状況」「1 業績等の概要」「(2)キャッシュ・フロー」に記載しております。