第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 会社の経営の基本方針

 当社グループは、企業経営に関する書籍・雑誌の出版を通して社会活動に参画し、その発展に貢献することを基本理念としております。1948年の創業以来、この理念に根ざした真摯な姿勢は高く評価され、出版物は広く世に受け入れられてきました。今後も経営、経済、法律、会計、税務、情報など広範にわたる企業実務のすべてを取り扱う専門出版社としての社会的役割を十分に認識しながら、読者からの信頼を拠り所にして企業価値を一層高めてまいります。
 社会が必要とする知識や技術は常に変化し一様ではありません。とくに出版情報に対するニーズは極めて個性的であり、その1つひとつに対して的確に応答することが出版の使命であります。当社グループが経営活動の基本方針として「市場への適正対応」を掲げる所以であります。
 この基本方針を確固たるものとするため、当社は2016年1月1日をもって持株会社体制に移行し、企画、編集部門及び制作、販売部門はそれぞれの事業に特化し、読者が求める多様なニーズに応えるための体制を整えました。

 

(2) 目標とする経営指標

 当社グループは、安定した経営基盤を維持・構築し、もって良質な出版を継続し、かつ、安定した株主還元を行うことを目標としております。そのため、1株当たり純資産価額を重視し、その増大を絶えず意識して経営をしております。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

 当社グループの事業領域であります出版業界では、長年市場規模の縮小が続いております。また、出版市場では、書店数の減少や売り場面積の縮小が相次ぐとともに、物流コストや原材料費のコストアップなどの影響が懸念されており、この傾向は今後も継続するものと想定しております。一方、高度に成熟した経済社会においては、専門化を1つの方途として追求する方々が存在しており、この層に属する方々の絶対数は少ないものの、知識に対する欲求が高く、熱心な読者層として確実に存在しております。
 このため当社グループでは、法律・会計制度等の変更や企業活動の変化に対応して、読者のニーズにいち早く応えるような書籍・雑誌の出版に努めるとともに、寿命の長い良質でスタンダードな書籍の出版を追求してまいります。また一方では、良質で専門性の高い書籍の出版を目指します。販売の側面からは、書店からの返品の早期化に対応し、一層適正な配本に努めてまいります。

 

(4) 経営環境及び対処すべき課題等

 わが国の出版市場は、長期的な縮小傾向に歯止めがかかっておらず、また当社グループが属する社会科学分野の出版領域についても、近年大きな制度改正がないことや人口減少・高齢化など、引き続き厳しい環境が続くものと考えております。

 一方で、「企業の経営問題とその対処」、「時代によって移り変わる企業経営の実務」を主要な出版テーマとする当社グループにとって、変化が絶え間なく起こる昨今の経済環境は、求められる社会的使命をますます果たす好機とも捉えております。

 以上を踏まえ、このような環境下において、当社グループが持続的な成長を実現し、企業価値の最大化を図るために、以下の課題に取り組みます。

 第一に、人材の確保・育成です。無から有を生み出す出版業で何より大切なものは、人材に尽きます。常に新たな視点、感性をもって企画開発をしていくために、人材の確保・育成に力を注ぎます。

 第二に、本づくりのための基本の徹底です。ものが売れない時代の企画立案、マーケティング、販売の基本は、読者ニーズを的確に捉え、必要とする読者へ確実にお届けすることが何より重要となります。そのための情報収集のあり方、変化する出版流通への対応など、きめ細かな日々の活動を見直してまいります。

 第三に、既刊本の販売強化です。これまでの出版業界では、新刊本の販売に多くの力を注いでおりました。そのため、一部の売れ行き良好書を除いて書店店頭に並ぶ期間が短く、読者の目に届かぬまま返品されることも少なからずありました。当社の主力商品である専門書群の場合、長く市場に供給し続けることでそれを必要とする読者の手に届くことが多いことから、既刊本の販売にこれまで以上の促進活動を展開してまいります。

 第四に、資産の効率化です。出版業界の返品問題を正面から捉え、返品の改装・再出荷に既刊本の販売強化を加え、在庫の回転率をさらに高め、棚卸資産を縮減しながら売上を伸ばすビジネスモデルの構築に挑戦いたします。

 以上、当社グループがこれまで培ってきたブランドとノウハウを活かし、これらの試みをさらに積極的に行い、「所有する価値ある専門書づくり」、「社会の変化に敏感に対応した本づくり」を1冊1冊丁寧に行いながら今後も対応してまいります。

 

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2019年9月30日)現在において、当社グループが判断したものであります。

 

2 【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のある主な事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2019年9月30日)現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 再販制度について

 当社グループの制作、販売する書籍、雑誌の著作物は、「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下「独占禁止法」という)」第23条の規定により、再販売価格維持契約制度(以下「再販制度」という)が認められております。
 独占禁止法は、再販制度を不公正な取引方法の1つであるとして原則禁止しておりますが、著作物については再販制度が認められております。
 公正取引委員会の「著作物再販制度の取扱い」(2001年3月28日公表)によると、「競争政策の観点からは同制度を廃止し…」としながらも、「同制度の廃止について国民的合意が形成されるに至っていない」として、当面この再販制度が維持されることとなっております。この再販制度が廃止された場合、業界全体への影響も含め、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 委託販売制度について

 著作物再販制度のもとに、出版業界には委託販売制度があります。取次会社及び書店に委託販売した書籍、雑誌等の出版物について、一定期間内に限り、返品を受け入れることを条件とするこの販売制度を当社グループも採用しております。
 当社グループは、近時、「返品減少」を重点政策の1つに掲げ、適量送本を徹底し、大きな成果を得てきました。
 また、返品による損失に備えるため、会計上、出版物に係る期末の売掛債権を基礎として、過去の返品実績率を勘案した所要額を返品調整引当金として計上しております。そのため、返品率の増加は当社グループの経営成績に影響を及ぼします。

 

(3) 個人情報の管理について

 当社グループは、出版業の特性から多くの著作者や一般顧客の個人情報を有しております。当社グループでは、個人情報の保護に関して万全を期しておりますが、予期せぬ事態により個人情報が流出するような事態が生じ損害賠償責任を問われた場合、当社グループのブランド価値を著しく毀損するとともに多額の費用が発生する可能性があります。

 

(4) 人材の確保及び育成について

 当社グループにおいては、人材を最も重要な資産と位置づけております。当社グループの事業運営には、企画、編集能力をはじめ、マネジメント能力やコミュニケーション能力など、多岐にわたる専門的な技能や職務経験が求められることから、これら人材の確保及び育成が不可欠となっております。

 当社グループでは、社員の技能向上のための各種研修等を行うとともに福利厚生の充実を図っております。また、人材の採用に関しては、定期的な新卒採用活動を行うとともに、必要に応じて中途採用を実施することで人材の確保に努めております。しかしながら、人材の確保及び育成に支障が生じた場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 知的財産権について

 当社グループでは、自社が管理する知的財産権を保護するとともに、第三者の知的財産権を侵害しないよう努めております。しかしながら、予期せぬ事態により知的財産権に関する訴訟を提起され、あるいは自社が管理する知的財産権を保全するために訴訟を提起せざるを得なくなった場合には多大な時間と労力を費やすことになり、場合によっては多額の損害賠償責任を負う可能性があります。

 

(6) 係争・訴訟について

 当連結会計年度において当社グループの業績に重要な影響を及ぼす係争・訴訟は提起されておりません。しかしながら、業績に影響を及ぼす訴訟や社会的影響の大きな訴訟等が発生し、当社グループに不利な判断がなされた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 大規模災害等の発生について

 当社グループの事業所、倉庫施設の周辺地域において大地震や台風等の災害あるいは予期せぬ事故等が発生し、事業所、倉庫施設、情報システム等に損害が生じ、当社グループの生産・販売活動や流通・仕入活動が阻害された場合、さらに人的被害があった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
 また、近年、全国各地で発生する記録的な猛暑、豪雨、台風や地震などの自然災害により被災地域の書店・販売店やインフラ等に被害が及んだ場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(業績等の概要)

 当社グループの事業は、出版事業及び出版付帯事業の単一のセグメントであるため、事業別に記載しております。

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続く中で、各種政策の効果もあり緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、個人消費は持ち直しの動きが出ているものの、消費増税を控えた消費者の節約志向の強まりや自然災害による消費マインドの低下などにより、力強い回復には至っておりません。また、米中貿易摩擦問題の長期化に伴う中国経済の減速や英国のEU離脱問題などにより、景気の先行きについては不透明な状況が続いております。

 当社グループの事業領域であります出版業界は、依然として市場規模の縮小が続く中、撤退する企業も増加傾向を示し、頻発する自然災害の影響も重なり、改善・回復の兆しが見えない状況です。出版科学研究所によりますと、出版物の推定販売金額は、当連結会計年度も書籍、雑誌ともに前年を下回り、合計で前期比マイナス3.5%となりました。

 このような状況の中、当社グループは、前期に引き続き新しい顧客層の開拓に挑戦し、顧客ニーズを満たすコンテンツ開発、返品減少対策を主要なテーマに活動を行いました。しかしながら、書店の店舗閉鎖や売り場の縮小が相次ぐとともに、常備寄託取引の中止や低回転商品の選別などによる返品の増加が顕著となり、また大型連休による大都市圏の大型書店の売上減少、さらに物流コストや原材料コストの上昇なども影響し、業績を圧迫いたしました。

 以上により、当連結会計年度の業績は、売上高3,077,359千円(前年同期比2.9%減)、営業利益69,660千円(前年同期比34.0%減)、経常利益82,715千円(前年同期比28.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益49,587千円(前年同期比31.0%減)となりました。

 事業別の概況は次のとおりであります。

(出版事業)

 分野別の書籍の状況については、次のとおりであります。

 会計分野では、任意適用企業が増加傾向にあるIFRSに関して、わが国唯一の公式翻訳書『IFRS基準〈注釈付き〉2019』をはじめとして『IFRS「固定資産」プラクティス・ガイド』『IFRS「金融商品の分類・測定」プラクティス・ガイド』など、関連実務書の開発を行ってきました。さらに、収益認識基準の公表に伴い『新収益認識の業務・システム対応』『図解 収益認識基準のしくみ』を投入いたしました。さらに、「現場の疑問に答える会計シリーズ」全10巻のうち8巻を刊行し、いずれも好評でした。また、良質な研究書として『会計社会学』『簿記と帳簿組織の機能』『日本・税務会計形成史』、スタンダードな大学のテキストとして『ビジネスセンスが身につく会計学』『企業評価論入門』『基礎管理会計』なども刊行いたしました。

 経営・経済分野では、約30年ぶりの改訂となる『新版 経済学辞典』を刊行したほか、『金融資本市場のフロンティア』『インフラを科学する』『入門アメリカ経済Q&A100』『飛躍するチャイナ・イノベーション』『ものがたりで学ぶ経済学入門』などが好調な売れ行きでした。また、最近の大学教育に相応しいテキストとして好評の「ベーシック+(プラス)」シリーズでは『組織行動論』を刊行し、全19点のラインアップとなりました。全国の各大学へとテキスト採用が広がり、順調に重版を重ねています。そのほかにも、データサイエンスやAI、機械学習、FinTechといった新しい領域のテーマに取り組むとともに、英語教育やアクティブラーニングなどの新しい学習スタイルに対応した教材の開発など、積極的な挑戦を続けています。

 税務分野では、昨年刊行された『法人税ハンドブック』に加え、『所得税ハンドブック』『相続税ハンドブック』を刊行し、姉妹シリーズの「重要計算ハンドブック」の参照項目と頁数を明示するなど、新たなハンドブックの形を提案しています。また、毎年好評の『図解・表解 確定申告書の記載チェックポイント』の姉妹書である『図解・表解 相続税申告書の記載チェックポイント』の第3版を刊行するとともに、ここ数年で内容が細かく改正されたテーマをスピンアウトし、『図解・表解 小規模宅地等の特例判定チェックポイント』を刊行いたしました。さらに、法人税基本通達の抜本的な改正に携わった著者が当時のエピソードを綴った『通達のこころ』や前著に引き続き税法条文を扱った『そうだったのか!組織再編条文の読み方』が好評を博したことは、税法書の基本が再認識されているように思われます。なお、『消費税軽減税率の直前チェック』は、書名どおり直前に売上を伸ばしました。

 法律分野では、働き方改革など労務の最新動向に対応した『同一労働同一賃金の法律と実務』『改正労働基準法の基本と実務』『改正入管法で大きく変わる外国人労働者の雇用と労務管理』を刊行し部数を伸ばしました。また、急速に増加する企業内弁護士を対象にした「Q&Aでわかる業種別法務」シリーズを立ち上げ、『銀行』『不動産』の2点から刊行を開始いたしました。さらに、司法書士向け『商業登記実務から見た合同会社の運営と理論』、企業の法務担当者向け『海外子会社リーガルリスク管理の実務』『インターネットにおける誹謗中傷法的対策マニュアル〈第3版〉』『AIIoT・ビッグデータの法務最前線』が好調でした。

 企業実務分野では、激変する経営環境に対応すべく『実践CVC』『M&A戦略の立案プロセス』『買い手の視点からみた中小企業M&AマニュアルQ&A』を刊行し部数を伸ばしました。さらに、実務担当者向け『図解&ストーリー「資本コスト」入門』『内部統制の仕組みと実務がわかる本』『業種別不正パターンと実務対応』『監査報告の変革』『税理士の未来』『3時間でわかる同一労働同一賃金入門』が好評でした。

 資格試験分野では、司法試験予備試験対策本として『司法試験予備試験 短答式に最速合格する方法』『司法試験予備試験 論文式で合格答案を書く方法』『司法試験予備試験 この勉強法がすごい!』、日商検定試験対策本として『スカッと!解ける日商簿記3級』『パブロフくんと学ぶはじめてのプログラミング』が部数を伸ばしました。さらに、公務員試験や中小企業診断士などの受験者に好評な『速習!マクロ経済学2nd edition』『速習!ミクロ経済学2nd edition』を読者の利便性を高めて刊行し,早々に増刷となりました。また、新たな資格として立ち上げた『ブランド・マネージャー資格試験公式テキスト』や各種資格試験受験用として『ビジネスマネジャー検定試験公式問題集〈2019年度版〉』『中小企業BANTO認定試験公式テキスト』『宅建士 出るとこ集中プログラム』が好評でした。

 高水準の研究成果の書籍として、『損益の区分シフト』が日本会計研究学会太田・黒澤賞を、『組織を創るマネジメント・コントロール』が日本管理会計学会賞を、『会計情報と資本市場』が日本公認会計士協会学術賞を、『非営利組織会計の実証分析』が非営利法人研究学会賞を、『何がベンチャーを急成長させるのか』『小さな会社の大きな力』が商工総合研究所中小企業研究奨励賞を、『老舗企業の存続メカニズム』が日本地域学会著作賞とファミリービジネス学会賞を、『中小企業買収の法務』がM&AフォーラムRECOF賞を、『ERMは進化する』が日本リスクマネジメント学会優秀著作賞を受賞するなど、多くの書籍が表彰されました。

 生活実用分野では、フランスで人気を博したハーバリストのための翻訳本『ラルース 美しいハーブの図鑑』、これからの書籍販売チャネルであるコンビニエンスストアのプライベートブランド商品『図解 社会保障オールガイド〈最新版〉』『マジ 会社に行きたくないんですけど…』、毎年好評を博している愛犬家、愛猫家からの投稿を集めた日めくりカレンダー「犬めくり」「猫めくり」などに加え、新たに「自衛隊日めくりカレンダー」「ハリめくり」など5点のカレンダーを投入したものの、編集受託を受けていた雑誌の廃刊や契約終了、受託頁の削減や編集受託料の値下げなどの影響を受け、一時的に厳しい状況となりました。

 

 なお、上記各分野にまたがる書籍として、『消費税「増税」の政治過程』『福井の幸福を語ろう』が好評でした。

 雑誌については、次のとおりであります。

 「企業会計」は新たな視点から会計問題を取り上げ、読者の知識欲を満たす企画づくりを行っておりますが、少し長めのスパンでみた会計実務関連の情報を提供するとともに、会計実務と会計学会での主要テーマを中心に据えつつ、ファイナンスなどの周辺領域の内容も取り上げていきます。

 「税務弘報」は税務に関する専門誌ですが、税務に携わる方々のニーズに応えるべく、テーマを税務の周辺領域まで広げ、インタビューや対談などを多用し、旬な記事構成に努めております。今後はさらにこの傾向を推し進め、税+αのオリジナリティの高いテーマに焦点を絞ります。

 「旬刊経理情報」は経理・税務・金融・証券・法務に関するニュースと解説を掲載しておりますが、幅広い分野の中でも読者ニーズを的確に捉えた企画を貪欲に追求・提供しております。2019年1月1日号より誌面の刷新を図りましたが、収益認識基準の個別論点に関する特集や「経理パーソンの勉強法」といった新機軸なども好評です。

 「ビジネス法務」は、ますます高まる企業法務のニーズを背景に、企業の法務部員や若手法律家向けに法令改正をいち早く提供するとともに、契約や不祥事対応など企業に欠かせない実務を旺盛に取り上げ、読者を拡大しております。

 「会計人コース」は税理士・会計士・簿記検定受験者のための月刊誌として1966年に創刊いたしましたが、受験をめぐる社会情勢や雑誌を取り巻く環境の変化などにより、2020年8月号(2020年7月3日発売予定)をもって休刊することになりました。

 その結果、当社グループの出版事業では売上高2,972,790千円(前年同期比3.0%減)、営業利益48,815千円(前年同期比60.1%減)となりました。

(出版付帯事業)

 当社グループの専門雑誌を中心とする広告宣伝の請負代理が主である出版付帯事業は、広告媒体が多様化し紙媒体への広告が大幅に減少する中で、いくつかの新規顧客を開拓いたしました。

 その結果、売上高104,569千円(前年同期比2.8%増)、営業利益22,204千円(前年同期比22.8%増)となりました。

 

(2) 財政状態及び経営成績等の状況

 (資産)

 流動資産につきましては、未収還付法人税等の増加11,823千円、商品及び製品の増加8,921千円があったものの、現金及び預金の減少269,102千円、受取手形及び売掛金の減少161,488千円などにより前連結会計年度末に比べ410,563千円減少して、3,647,114千円となりました。

 固定資産につきましては、投資有価証券の減少7,994千円があったものの、土地の増加417,317千円などにより前連結会計年度末に比べ402,013千円増加して、1,474,229千円となりました。

 以上の結果、当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ8,550千円減少して、5,121,343千円となりました。

 (負債)

 流動負債につきましては、支払手形及び買掛金の増加17,975千円があったものの、未払法人税等の減少23,699千円、返品調整引当金の減少7,953千円などにより前連結会計年度末に比べ26,587千円減少して、779,580千円となりました。

 固定負債につきましては、退職給付に係る負債の増加22,287千円などにより前連結会計年度末から22,287千円増加して、339,455千円となりました。

 以上の結果、当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ4,300千円減少して、1,119,036千円となりました。

 (純資産)

 純資産につきましては、利益剰余金の増加12,281千円があったものの、その他有価証券評価差額金の減少16,565千円などにより前連結会計年度末に比べ4,249千円減少して、4,002,306千円となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は205,586千円(前年同期比170,189千円増)となりました。これは主に、法人税等の支払65,948千円があったものの、売上債権の減少161,488千円、税金等調整前当期純利益82,715千円、減価償却費15,232千円などがあったことによるものです。

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は433,137千円(前年同期比382,057千円増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出420,868千円、無形固定資産の取得による支出11,000千円などがあったことによるものです。

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は37,080千円(前年同期比32千円減)となりました。これは主に、配当金の支払額37,080千円があったことによるものです。

 

 以上の結果、当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の期末残高は1,813,132千円となり、前連結会計年度末に比べて264,971千円の減少となりました。

 

(生産、受注及び販売の実績)

    当社グループの事業は、出版事業及び出版付帯事業の単一セグメントであるため、事業別に記載しております。

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績は、次のとおりであります。

 

事   業

当連結会計年度

(自 2018年10月1日

至 2019年9月30日)

(千円)

前年同期比(%)

出版事業

2,973,482

98.8

出版付帯事業

106,304

104.5

合計

3,079,786

99.0

 

(注) 1 事業間取引については、相殺消去しております。

2 金額は、販売価格によっております。

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注状況

当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。

 

事   業

当連結会計年度

(自 2018年10月1日

至 2019年9月30日)

(千円)

前年同期比(%)

出版事業

2,971,055

96.9

出版付帯事業

106,304

104.5

合計

3,077,359

97.1

 

(注) 1 事業間取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3 総販売実績に対する割合が、100分の10以上の相手先別の販売実績及びその割合は、次のとおりであります。

 

前連結会計年度

日本出版販売㈱

866,703千円

27.4%

 

㈱トーハン

618,090千円

19.5%

当連結会計年度

日本出版販売㈱

886,835千円

28.8%

 

㈱トーハン

613,303千円

19.9%

 

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2019年9月30日)現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や取引状況等を勘案し、会計基準の範囲内かつ合理的と考えられる見積り及び判断を行っている部分があり、その結果を資産・負債及び収益・費用の数値に反映しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当連結会計年度は、新刊書籍の出版点数・部数及び増刷点数が前年を上回ったものの、増刷部数が前年を下回りました。また、書店の店舗閉鎖や売り場の縮小が相次ぐとともに、全国各地で発生した自然災害の影響、さらに物流コストの上昇なども重なり、売上高は当初予想を下回りました。これにより、経営成績は以下のとおりとなりました。

(売上高)

 当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ90,451千円減少し、3,077,359千円(2.9%減)となりました。これは主に、注文書籍売上の減少と注文書籍返品の増加によるものです。

(売上原価・販売費及び一般管理費)

 売上原価は、前連結会計年度に比べ33,908千円減少し、2,057,625千円(1.6%減)となりました。これは主に、売上が減少したことによるものであり、結果、売上総利益は56,543千円減少し、1,019,733千円となりました。

 販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ10,747千円減少し、958,026千円(1.1%減)となりました。

(営業利益)

 営業利益は、上記理由により前連結会計年度に比べ35,931千円減少し、69,660千円(34.0%減)となりました。

(営業外損益・特別損益)

 経常利益は、営業外収益16,882千円、営業外費用3,827千円を計上した結果、前連結会計年度に比べ32,517千円減少し、82,715千円(28.2%減)となりました。

 税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ33,117千円減少し、82,715千円(28.6%減)となりました。

(法人税、住民税及び事業税)

  親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ22,287千円減少し、49,587千円(31.0%減)となりました。これは、法人税、住民税及び事業税25,237千円、法人税等調整額7,856千円を計上したことによるものです。

 

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。

 当社グループの事業運営上必要な運転資金は、原則として自己資金で賄うこととしております。今後も、所要資金は「営業活動によるキャッシュ・フロー」を源泉とした自己資金調達を原則とする方針であります。なお、多額の資金が必要となった場合は、必要資金の性格に応じて金融機関からの借入、資本市場からの直接調達も検討する方針でありますが、相当程度の資金需要にも自己資金にて十分に対応することが可能であると考えております。

 

 経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。

 そのため、当社グループは、外部環境の変化に留意しつつ、人材の確保・育成、リスク分散、社内の統制を維持・向上させることなどにより、経営成績に重要な影響を与える可能性のあるリスクを分散、回避し、リスクの発生を抑え、適切に対応していく所存であります。

 経営戦略の現状と見通しについては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

 当社グループの経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、次のとおりであります。

 当社グループは、安定した経営基盤を維持・構築し、もって良質な出版を継続し、かつ、安定した株主還元を行うことを目標としており、そのため1株当たり純資産額を重視し、その増大を意識しながら経営を行っております。

 当連結会計年度の1株当たり純資産額は1,072.23円となり、前連結会計年度に比べ1.15円(0.1ポイント)減少いたしましたが、第77期を基準として5会計年度を比較すると、増加傾向で推移しているものと認識しております。

 

 

78

79

80

81

82

1株当たり純資産額(円)

1,043.03

1,048.50

1,064.74

1,073.38

1,072.23

77期を基準とした増減率(%)

101.7

102.3

103.9

104.7

104.6

(参考)東証市場第一部の増減率(%)

98.9

88.1

77.4

71.0

69.5

 

(注) 東京証券取引所市場第一部のデータ算出にあたっては、同取引所の資料によっております。なお、同取引所のデータ算出については2018年9月までは1単元1,000株を前提としており、2018年10月以降は1単元100株を前提として算出していることから、2018年9月以前のデータにつきましては当社において1単元100株として計算し直しております。

 

 なお、売上及び利益に関する当初予想と当期実績の差異につきましては、次のとおりであります。

 

 

当初予想

当期実績

当初予想差異

差異率(%)

売上高          (千円)

3,085,000

3,077,359

7,641

0.2

営業利益         (千円)

63,000

69,660

6,660

10.6

経常利益        (千円)

73,000

82,715

9,715

13.3

親会社株主に帰属する

当期純利益       (千円)

42,000

49,587

7,587

18.1

1株当たり当期純利益  (円)

11.26

13.29

2.03

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

特記すべき事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

特記すべき事項はありません。