第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(経営方針)

広済堂グループは、1949年に印刷会社として創業以来、社名にある「広済」(広く社会に貢献する)を経営理念として、印刷、ITサービス、人材サービス、葬祭サービスなどの各事業を通じ、“人生100年を様々な場面でサポートする広済堂グループ”となることを目指しております

また、お客さまに必要とされる商品やサービスを提供すべく、お客さまや生活者のニーズの一歩先を読みながら、常に新しいものに挑戦する「進取の精神」で事業展開を進めてまいりました。

当社グループは、社会環境の変化、ライフスタイルや価値観の変化の中で、お客さまに真に必要とされる商品やサービスは何かを探り、提供していく「お客さま第一主義」を今後も追求し、社会から必要とされ、また社会的責任を果たせる企業集団となるよう努めてまいります。

 

(経営環境及び事業の内容)

当連結会計年度のわが国経済は、ロシアのウクライナ侵攻の長期化や日米金融政策の相違を背景とした燃料資源高騰や円安が続き、依然として予断を許さない状況が続いております。一方、新型コロナウイルス対策を目的とする経済活動の制限が概ね撤廃されたことで、観光業や飲食業等のサービス業を中心に業況の改善の動きが見受けられました。また、外国人観光客の来日条件緩和によるインバウンド需要も徐々に拡大するなど当社事業を取り巻く市場環境は良化方向に転じております。

 

このような状況のもと、当社グループは新たに「中期経営計画2.0」を策定し“シニア・エンディングナンバー1企業”の目標を掲げると共に、2025年3月期における売上目標444億円、営業利益目標62億円を達成すべく、葬祭、情報、人材の各セグメントにおいて、事業機会の発見と事業領域の拡大に努めて参りました。

葬祭セグメントでは、燦ホールディングス株式会社との合弁会社である株式会社グランセレモ東京が事業を開始し、株式会社広済堂ライフウェルとともに本格的に葬儀事業への進出をいたしました。また、東京博善株式会社におきましては今後の成長戦略の柱である葬儀式場の増設に着手し、東京博善あんしんサポート株式会社は金融・法務サービスを提供する事業を開始するなど、既存事業と並行しながら来期以降の事業拡大に向けた準備を続けてまいりました。

情報セグメントでは、印刷に次ぐ収益の柱であるBPOサービスの拡大と効率化を企図し、第3四半期より人材セグメントのBPO部門を株式会社広済堂ネクストに移管いたしました。

人材セグメントでは、2つの地方都市と地域包括連携協定を締結するなど、地方都市におけるさまざまな課題を人材ソリューションで解決する「地域創生HR」を継続推進いたしました。

 

当社グループのセグメントごとの経営環境の認識は、次のとおりであります。

・葬祭セグメント

葬祭セグメントは、エンディング関連事業で構成されております。

当社子会社の東京博善株式会社において、火葬炉併設の総合斎場を都内6カ所で運営しております他、株式会社広済堂ライフウェルならびに株式会社グランセレモ東京にて葬儀事業を展開しております。また2023年2月より金融・法務サービスの提供を行う東京博善あんしんサポート株式会社が事業を開始いたしました。

東京博善株式会社の総合斎場運営事業において、葬儀の簡素化傾向は依然継続するも、新型コロナウイルス感染症への懸念が一段と後退したことから葬儀参列者が大幅に増加し、式場や休憩室の利用や、飲食等の周辺事業が回復いたしました。一方、火葬に関しては燃料費高騰の影響を受けるも2022年6月からサーチャージ型の変動料金を導入し、収益への影響は軽微なものにとどまりました

 

 

・情報セグメント

情報セグメントは、情報ソリューション事業で構成されております。

出版・商業印刷を始めとする印刷関連ソリューションと、IT受託開発を中心としたデジタルソリューション、データ入力代行やコールセンター業務などお客様の事業をサポートするBPOサービスといった事業を展開しております。

情報セグメントの事業では、出版印刷にて一部タイトルで好調案件があるも、印刷関連事業では需要後退が依然として継続しました。BPOサービスについてもコロナ関連の公共事業縮小、競争激化を受け減収となりました。一方収益面については印刷関連事業ならびにBPOサービスにおいて、通期で利益を確保することができ、情報セグメントは前年同期比で減収増益となりました。

 

・人材セグメント

人材セグメントは、人材サービス事業で構成されております。

人材事業は、HRテック・求人媒体事業を始めとして、人材紹介・人材派遣、海外(ベトナム等)における、人材紹介、人材育成・研修、日本語教育、留学サポート等の事業を手掛けており、人材の発掘から採用、教育・研修までトータルな人材ソリューションを提供しております。

人材セグメントの事業では、社会経済活動が回復し採用需要が増えたことにより、求人媒体・人材派遣・人材紹介事業ともに堅調に推移いたしました。そのなかでも求人媒体領域においては地方における飲食・観光業の回復を受け増収増益となりました。一方、前年度好調だったBPO事業を第3四半期より情報セグメントに移管した影響もあり、人材セグメント全体としましては前年同期比で減収減益となりました。

 

(対処すべき課題)

今後のわが国経済の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行したことにより、感染状況による経済活動の制約がほぼ解消され、国内消費の回復並びに外国人観光客の来日によるインバウンド需要も拡大し、緩やかな経済の持ち直しが予想されます。また人手不足を背景とする賃金上昇や、デジタル化・脱炭素などを踏まえた設備投資など、中長期的な投資が拡大するとみられます。

一方で円安・資源高を背景とする、輸入コストの急増、価格転嫁の拡大により、消費者物価は想定を上回るペースで上昇をしており、2023年度も物価高の影響は継続することが予測されます。

このような状況のもと、当社グループは2022年度に「中期経営計画2.0」を公表し、「シニア・エンディング ナンバー1企業」を目指すことを宣言しました。その計画に基づき、既存事業を着実に成長させながら、今後収益の柱となる事業立ち上げおよび推進をしてまいりました。その結果、2023年度目標としていた営業利益38億円を達成し、復配を実現し株主の皆さまへ還元することができました。加えて新たな事業の成長戦略も明確になった事から中期経営計画をアップデートした「中期経営計画3.0」を策定し、2023年5月12日に詳細を公表しております。

 

(中期経営計画)

新中期経営計画「中期経営計画3.0」について

 

1.基本方針

(1)業績の更なる向上

(2)長期的成長へ投資

(3)株主還元の更なる充実

 

2.定量目標

  当社グループ

 

2023年度

計画

2024年度

計画

2025年度

計画

売上高

40,000

42,100

43,800

営業利益

6,360

7,970

8,710

 

 

3.各事業セグメントでは、以下の取り組みを実施

(1)葬祭公益セグメント

 社会的使命を果たし、東京都民の利便性を向上させます。

 

(2)葬祭収益セグメント

 葬儀式場を増設し、収益アップを図ります。

 

(3)資産コンサルティングセグメント

 営業利益10億円の事業に育て、長期的には中心事業にできるよう推進いたします。

 

(4)情報セグメント

 広告代理事業・BPO事業の推進、経費圧縮を行いながら印刷業界再編も視野に入れていきます。

 

(5)人材セグメント

 HRテック事業から撤退し、手堅い従来の人材サービス事業に注力いたします。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社はこれまでも当社グループのサステナビリティ向上のため様々な取組みを実施してきました。とりわけ環境への配慮・取組みにつきましては、「環境方針」を定め、ISO14001の取得や国民運動「COOL CHOICE」の推進による温室効果ガス削減への取組み等環境負荷の低減や環境保全に取組んでまいりました。

そして、2021年10月1日に持株会社体制の移行に合わせ、「広済堂グループ SDGs宣言」を策定し、以下の4つのマテリアリティ(重要課題)を定めました。この「広済堂グループSDGs宣言」を推進するため、2022年1月に「サステナビリティ推進委員会」と「サステナビリティ推進室」を社内に設置し活動を推進しております。

 

「広済堂グループ SDGs宣言」4つのマテリアリティ

1.経済-広くささえる サステナブルな経済活動への価値創造

2.社会-ともに生きる 公平で多様性のある地域社会の発展

3.環境‐未来をまもる 環境負荷軽減による美しい地球の継承

4.企業文化‐笑顔でつながる 透明性と対話のある健全な企業経営

 

■気候変動対応関連 

当社は、2022年にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同するとともに、国際社会の重要な課題となっている温室効果ガスの排出量の増加や地球環境温暖化の影響による極端気象に対し、サステナビリティ経営を推進する「広済堂グループSDGs宣言」において、「環境」をテーマとした以下のマテリアリティを設定しました。

・未来を守る―環境負荷低減による美しい地球の継承

次世代を生きる子どもたちや生き物が共存できるよう、地球のライフセーバーとなり、温暖効果ガスの削減や生態系の保全に努め、パートナーとの連携で更なる環境リスク軽減を目指します。

 

(1)ガバナンス

サステナビリティ推進委員会(委員長 広済堂HD上席執行役員)において、サステナビリティ推進者会議のガバナンスグループから気候関連のリスク及び機会についての報告を受け、重要事項について取締役会への報告と削減施策の監督を行います。

そして、グループ全体の気候温暖化ガスの排出量の算定、具体的な削減方法については、サステナビリティ推進者会議(主催 サステナビリティ推進室)が主体となり、グループ全体での進捗管理を行っています。

 

 

(2)戦略

サステナビリティ推進委員会のもとに設置されたサステナビリティ推進者会議「サステナビリティ・サービス化グループ」による各事業に対しての気候変動に関する重要リスク・機会の分析を行い、将来のビジネスシナリオの経済価値と社会価値のインパクト評価を行いました。その結果、サプライチェーン全体におけるGHG排出量の削減、またはカーボンニュートラルが強力に推進され、事業における重要なファクターとなりました。そして、環境に配慮しない事業は淘汰されていく可能性が高いと推測しています。今後も継続的に外部環境変化の分析を実施することで、シナリオの精度を高め、経営戦略への統合をさらに推し進め、不確実な将来に向けたレジリエンス(強靭さ)を高めていきます。

 

インパクト評価における基本シナリオ

脱炭素社会へのシフト

大気、水質、土壌の汚染防止と

資源の再利用にシフト

① 日本政府の「2050年カーボンニュートラル」を宣言により、サプライチェーンにおける資材・生産工程の見直しが図られる。

② CO2削減に向けた企業投資がこれまで以上に積極的に推進されている。

③ サプライチェーン全体で環境に配慮できていない事業者は淘汰されていく可能性が高い。

① 2030年までに、汚染の減少、投棄の廃絶と有害な化学物・物質の放出の最小化、未処理の排水の割合半減及び再生利用と安全な再利用の世界的規模で大幅に増加させることにより、水質を改善する。

② ノンVOCは元より、水処理(廃液)、廃棄物処理など、取引先との協働で循環型のサプライチェーンを構築し、産業公害を解消する。

 

 

(3)リスク管理

気候変動による組織への影響は、大きく気候関連リスクと気候関連機会に分けることができ、また、リスクについては低炭素社会への「移行」に関するリスクと気候変動による「物理的」なリスクに分けることができます。

さらに、リスクと機会それぞれが、政策・法規制、技術、急性リスクやエネルギー源、市場といった側面まで細分化して考えることができます。

その上で、シナリオ分析としては、下記2つのシナリオを採用しました。

① 1.5℃以下シナリオ(地球の平均気温が産業革命前と比較し、1.5℃上昇以内に抑えられるシナリオ)

=【移行リスク、機会】参考:SSP1-1.9、IPCC「1.5℃特別報告書」

② 4.0℃以上シナリオ(現時点を超える追加的な温暖化対策を取らなかったシナリオ)

=【物理リスク】参考:RCP 8.5、SSP5

当社グループは、下記リスクを踏まえた今回のシナリオ分析や将来の見直しを通して、リスク把握のみならず、機会の創出に向けたレジリエントな事業戦略の策定を行っていきます。

 

シナリオ

参考シナリオ

リスク

【1.5℃】

持続可能な発展の下で、気候政策を導入して21世紀までの気温上昇(工業化前基準)を1.5℃以下に抑えるシナリオ。

SSP1-1.9

IPCC

「1.5℃特別報告書」

移行リスク

政策・

法規制リスク

炭素税導入など、GHG排出抑制の政策強化

技術リスク

低炭素技術の設備導入

市場リスク

サプライチェーンからの排除

評判リスク

株主、顧客による脱炭素目線の意見

【4℃】

化石燃料依存型の発展の下で、気候政策を導入せずに21世紀までの気温上昇(工業化前基準)を4℃程度上昇させるシナリオ。

SSP5

RCP8.5

物理リスク

急性リスク

激甚災害による事業所の営業停止リスク

慢性リスク

平均気温上昇によるサプライチェーン全体への影響

 

 

 

(4)指標および管理

当社グループは、SDGs宣言「未来を守る - 環境負荷軽減による美しい地球の継承」を目指し、気候変動にともなう機会の最大化とリスクの最小化に向けて、当社グループ全体におけるScope1~3の排出量を算定し、実績に基づく戦略策定を進め、2050年までにはカーボンニュートラルを目指します。

自社拠点での事業活動にともなうGHG排出量(Scope1、2)については、2030年までの中期目標を掲げて削減活動を進めています。また、Scope3については、サプライヤ及び販売先におけるGHG排出量の管理状況の調査などを進めています。

 

項 目

Scope1+2削減目標

Scope3削減目標

2050年目標

カーボンニュートラル

カーボンニュートラル

2030年目標

CO2総排出量34%削減

サプライヤ及び販売先の

状況を踏まえて策定

排出係数

環境省「算定・報告・公表制度における算定方法・排出 係数一覧 」

基準年

2020年

 

 

■人的資本関連

当社は、フィロソフィーとして掲げる「進取の精神」をもとに積極的に変革に挑戦し、広く社会への貢献に向けて活躍する人材を育成することをグループ成長の重要な要素と位置付けております。

サステナビリティ経営を推進する「広済堂グループSDGs宣言」においても、目指すべく「企業文化」として以下のマテリアリティを設定しました。

・企業文化‐笑顔でつながる 透明性と対話のある健全な企業経営

法令遵守はもとより、誰ひとり取り残さないSDGsの普遍的価値に基づく「人権尊重」「ジェンダー平等」「女性のエンパワーメント」推進によって、一人ひとりがムードメーカーとなり、働きがいある職場づくりとコミュニケーションにあふれる企業文化を守り続けます。

また、当社の全事業領域において持続的な企業価値向上には変革に挑戦する人材の育成と確保が欠かせないため、次の2点に重点的に取り組んでおります。

・人材育成方針として「事業拡大・新規事業促進に向けた視野の拡大を促進する」観点で、個人事業主型副業の認定や新規事業への公募等を促進し、2024年3月期まで新規事業への公募申請2件以上を目標として取り組みます。

・社内環境整備方針として「働きやすく、働き続けられる環境を整備し、事業運営に資する人材の定着を促進する」観点で、採用後の定期面談やリモート勤務の組み合わせなどを促進し、直近2年で平均40名の水準にある主要4社の社員依願退職者を年間20名以下に半減することを目標に取り組みます。

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性のあると認識している主要なリスクは、以下のものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 価格競争

当社グループの競合会社の中には相当の製造販売の資源を有している会社が存在しております。このような事から急激な景気後退やそれに伴う需要の縮小による価格競争激化等により、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 市場の変化

当社グループの印刷事業は一定の需要が維持されるものの、ペーパーレス化などの進展により、印刷需要が大きく変化した場合に、また、人材サービス事業においては、雇用の情勢ならびに顧客需要の状況が急激に変化した場合には、業績等に影響を及ぼす可能性があります

 

(3) 原材料費の変動

当社グループは、安定的な原材料の確保と価格の維持に努めております。しかしながら、その価格が市場により変動するものがあります。それら原材料の価格が高騰し、原材料以外のコスト削減でカバーできない場合や、販売価格に転嫁できない場合、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 製品の品質について

当社グループは、徹底した品質管理のもとで製品を製造しておりますが、製造工程上の不備により製品の欠陥が生じた場合、損害賠償や信用の失墜等により、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 法的規制について

当社グループの葬祭事業において、火葬場を運営しているため「墓地、埋葬等に関する法律」により、法的規制を受けております。また、人材サービス事業においては、労働関連法令における規制等の影響を受けます。今後、新たに法的規制が設けられる場合、業績等に影響を及ぼす可能性があります

 

(6) 情報セキュリティ

当社グループは、厳重な情報セキュリティ管理体制において自社内の機密情報を管理するとともに、得意先等から預託された機密情報や個人情報の管理には万全な方策を講じておりますが、万一情報を漏洩もしくは誤用した場合、企業としての信頼を失い、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 減損会計

当社グループが保有する土地などの不動産、その他の棚卸資産及び有形固定資産、のれんなどの無形固定資産、投資有価証券等のその他の資産についても、市場環境や経営環境等の変化により減損処理が必要となる場合、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 財務体質

当社グループは、投資及び設備投資の一部を、主として金融機関からの借入金及び社債の発行により調達しており、有利子負債への依存度が高い水準にあります。今後、現行の金利水準が変動した場合、業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(9) 災害発生による影響

当社グループは、製造設備等の主要設備に対する防火や耐震対策等を実施しておりますが、地震、台風等の自然災害や火災等の事故災害及び疫病等が発生した場合、業績等に影響を及ぼす可能性があります。なお、先般発生した新型コロナウイルス感染症のような感染症のパンデミック等の影響により、当社の財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度の財政状態及び経営成績は次のとおりとなりました。

 

(a) 財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べて26億1百万円減少し、711億34百万円となりました。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べて65億15百万円減少し、296億99百万円となりました。

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べて39億13百万円増加し、414億34百万円となりました。

 

(b) 経営成績

経営成績の概要は、次のとおりであります。

当連結会計年度の経営成績は、前年同期比で増収増益を達成いたしました。営業利益につきましては中期経営計画「中期経営計画2.0」の2022年度の目標38億円を超過達成したほか、すべての連結対象会社の資本金が1億円以下になったことに伴い税務上の優遇措置が適用され法人税等が抑制され、「中期経営計画2.0」の2023年度目標であった親会社株主に帰属する当期純利益37億50百万円を前倒しで達成しております。その結果、連結売上高は366億68百万円(前年同期比3.7%増)、連結営業利益は42億80百万円(同14.8%増)、連結経常利益は41億85百万円(同15.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は40億42百万円(同11.0%増)となりました。

 

(売上高)

新型コロナウイルス対策を目的とする「飲食」「移動」「イベント」などの経済活動の制限が緩やかに解消されたことに伴い、葬祭セグメントにおいては、東京博善が運営する総合斎場への来場者数が増加し、休憩室の利用や菓子飲料の需要が増加いたしました。また人材セグメントにおいては採用需要が増えたことにより、求人媒体・人材派遣・人材紹介事業ともに堅調に推移しました。一方、情報セグメントにおいては、前期好調であったコロナ関連の自治体BPO案件が年度末にかけ減少したことに加え、印刷全般の需要縮小が影響いたしました。情報・人材セグメントで減収となったものの、葬祭セグメントの増収が補い、全体としては、前連結会計年度に比べ増収となりました。その結果、連結売上高は366億68百万円(前年同期比3.7%増)となりました。

(営業利益)

葬祭セグメントにおける来場者数増に伴う増収が、グループ全体の増益に大きく貢献しました。情報セグメントにおいても印刷・BPO案件の受注減少が続くも、通期では利益を確保し、連結営業利益は42億80百万円(同14.8%増)となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度は、売上高及び営業利益が増加したことに加え、すべての連結対象会社の資本金が1億円以下になったことに伴い税務上の優遇措置が適用され法人税等が抑制された結果、親会社株主に帰属する当期純利益が増加しました。その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は40億42百万円(同11.0%増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

(イ) 葬祭セグメント

葬祭セグメントは、エンディング関連事業で構成されており、当社子会社の東京博善株式会社において、火葬炉併設の総合斎場を都内6カ所で運営しております他、株式会社広済堂ライフウェルならびに株式会社グランセレモ東京にて葬儀事業を展開しております。また2023年2月より金融・法務サービスの提供を行う東京博善あんしんサポート株式会社が事業を開始いたしました。

東京博善株式会社の総合斎場運営事業において、葬儀の簡素化傾向は依然継続するも、新型コロナウイルス感染症への懸念が一段と後退したことから葬儀参列者が大幅に増加し、式場や休憩室の利用や、飲食等の周辺事業が回復いたしました。一方、火葬に関しては燃料費高騰の影響を受けるも2022年6月からサーチャージ型の変動料金を導入し、収益への影響は軽微なものにとどまりました

以上の結果、売上高は119億43百万円(前年同期比27.3%増)、セグメント利益は42億円(同29.9%増)となりました。

 

(売上高)

葬儀参列者の大幅な増加等により、前年同期比27.3%増119億43百万円となりました。

(セグメント利益)

燃料費高騰の影響を受けるも、増収の影響もあり前年同期比29.9%増42億円となりました。

(セグメント資産)

当連結会年度の当期純利益等による現預金の増加等により、前連結会計年度に比べ22億68百万円増加の419億7百万円となりました。

 

(ロ) 情報セグメント

情報セグメントは、情報ソリューション事業で構成されており、出版・商業印刷を始めとする印刷関連ソリューションと、IT受託開発を中心としたデジタルソリューション、データ入力代行やコールセンター業務などお客様の事業をサポートするBPOサービスといった事業を展開しております。

情報セグメントの事業では、出版印刷にて一部タイトルで好調案件があるも、印刷関連事業では需要後退が依然として継続しました。BPOサービスについてもコロナ関連の公共事業縮小、競争激化を受け減収となりました。一方収益面については印刷関連事業ならびにBPOサービスにおいて、通期で利益を確保することができ、情報セグメントは前年同期比で減収増益となりました

以上の結果、売上高は180億47百万円(前年同期比5.6%減)、セグメント利益は8億33百万円(前年同期比14.2%増)となりました。

 

(売上高)

出版印刷及び新聞印刷が依然として厳しい事業環境にあることに加え、コロナ関連の自治体BPO案件が縮小した結果前年同期比5.6%減180億47百万円となりました。

(セグメント利益)

人員の葬祭セグメントへの配置転換等による固定費削減や印刷工場の内製化率向上に向けた取り組みの効果により前年同期比14.2%増8億33百万円となりました。

(セグメント資産)

売掛金及び仕掛品が減少し、現金及び預金が増加した結果、前連結会計年度に比べ3億39百万円増加の158億84百万円となりました。

 

(ハ) 人材セグメント

人材セグメントは、人材サービス事業で構成されております。

人材事業は、HRテック・求人媒体事業を始めとして、人材紹介・人材派遣、海外(ベトナム等)における、人材紹介、人材育成・研修、日本語教育、留学サポート等の事業を手掛けており、人材の発掘から採用、教育・研修までトータルな人材ソリューションを提供しております。

人材セグメントの事業では、社会経済活動が回復し採用需要が増えたことにより、求人媒体・人材派遣・人材紹介事業ともに堅調に推移いたしました。そのなかでも求人媒体領域においては地方における飲食・観光業の回復を受け増収増益となりました。一方、前年度好調だったBPO事業を第3四半期より情報セグメントに移管した影響もあり、人材セグメント全体としましては前年同期比で減収減益となりました

以上の結果、売上高は66億77百万円(前年同期比2.6%減)、セグメント利益は1億33百万円(前年同期比72.2%減)となりました。

 

(売上高)

社会経済活動が回復し採用需要が増えたことにより、求人媒体・人材派遣・人材紹介事業ともに堅調に推移しましたが、前年度好調だったBPO事業を第3四半期より情報セグメントに移管した影響もあり、前年同期比2.6%減66億77百万円となりました。

(セグメント利益)

売上高の減収の影響により、前連結会計年度に比べ347百万円減少セグメント利益1億33百万円となりました。

(セグメント資産)

主に現預金の減少により、前年連結会計年度に比べ6億32百万円減少の36億20百万円となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、186億35百万円と、前連結会計年度末に比べて29億62百万円(13.7%)の減少となりました。

 

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、62億93百万円の資金の増加となり、前連結会計年度が36億60百万円の増加であったことに比べて、26億32百万円の増加となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、39億36百万円の資金の減少となり、前連結会計年度が7億円の資金の減少であったことに比べて、32億35百万円の減少となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、54億円の資金の減少となり、前連結会計年度が55億40百万円の資金の増加であったことに比べて、109億41百万円の減少となりました。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

(a) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

情報

13,934

△0.2

合計

13,934

△0.2

 

(注) 1.葬祭及び人材は、生産実績の記載が困難であるため、省略しております。

2.セグメント間取引は消去しております。

 

 

(b) 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

情報

16,131

△14.9

1,212

△61.2

人材

6,677

△10.5

合計

22,809

△13.7

1,212

△61.2

 

(注) 1.葬祭は、受注の記載が困難であるため記載を省略しております。

2.セグメント間取引は消去しております。

 

(c) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

葬祭

11,943

27.3

情報

18,047

△5.6

人材

6,677

△2.6

合計

36,668

3.7

 

(注) 1.セグメント間取引は消去しております。

2.相手先別販売実績については、総販売実績に対する割合が10%以上の販売先はないため、記載を省略しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(a) 経営成績等

(イ) 財政状態

(資産合計)

当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて26億1百万円減少しております。主な要因は、借入金の返済による現金及び預金の減少や売掛金の減少等によるものであります

(負債合計)

当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて65億15百万円減少しております。主な要因は、借入金等の返済等によるものであります

(純資産合計)

当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べて39億13百万円増加しております。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益40億42百万円を計上したことによるものであります。

 

 

(ロ) 経営成績

当連結会計年度の経営成績につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 (b)経営成績」に記載のとおりであります。

 

経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況」の「3.事業等のリスク」をご参照ください。

 

(ハ) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ29億62百万円(前年同期比13.7%減)減少し、当連結会計年度末には186億35百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、62億93百万円の資金の増加となり、前連結会計年度が36億60百万円の増加であったことに比べて、26億32百万円の増加となりました。これは主に、減少要因である売上債権及び棚卸資産が減少、増加要因である税金等調整前当期純利益によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、39億36百万円の資金の減少となり、前連結会計年度が7億円の資金の減少であったことに比べて、32億35百万円の減少となりました。これは主に、減少要因である有形及び無形固定資産の取得による支出及び貸付けによる支出等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、54億円の資金の減少となり、前連結会計年度が55億40百万円の資金の増加であったことに比べて、109億41百万円の減少となりました。これは主に、短期借入金の返済等によるものであります。

 

(b) 資本の財源及び資金の流動性

(イ) 資金需要

当社グループの資金需要のうち主なものは、製品製造やシステム開発に関わる原材料等の仕入れ及び外注費等の経費、各事業についての一般管理費等の運転資金需要、印刷事業と葬祭事業における設備投資等の設備資金需要、事業成長のためのM&Aやアライアンス等の事業投資を目的とした資金需要であります。

 

(ロ) 財政政策

当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入等により資金調達を行っており、資金調達コストの低減に努める一方、過度に金利変動リスクに晒されないよう、金利スワップなどの手段を活用しております。また、国内金融機関と総額55億円のコミットメントラインを締結することで、流動性の補完にも対応可能とし、グループ全体の借入金等の削減も図っております

 

 

② 中期経営計画「中期経営計画2.0」1年目の総括

当社グループは中期経営計画(2022~2024年度)「中期経営計画2.0」に基づき、「シニア・エンディング ナンバー1企業」になることを目標に掲げ、「1.葬儀業に進出します」「2.「超高齢化社会」銘柄への脱皮」「3.復配し、株主還元の向上を実現します」の基本方針の下、中期経営計画の実現に取り組んでまいりました。当計画において、連結売上高444億円、連結営業利益62億円を達成目標としておりました。

中期経営計画1年目において実行した重点施策は以下のとおりです。

・葬儀業への進出

・斎場における新規サービスの企画・推進

・印刷案件受注の安定化および内製化率の向上

・BPOサービスの受注拡大

・求人媒体におけるWebサイト改善、HRテックの推進

これらの施策を推進した結果、当連結会計年度において、連結売上高366億円、連結営業利益42億円、親会社株主に帰属する当期純利益40億円となり、親会社株主に帰属する当期純利益については、2023年度目標を前倒し達成いたしました。また、斎場における新規サービスの推進から「相続にまつわるコンサルティングサービスの可能性」および「式場を増設することによる事業成長の伸びしろ」を見出したことから「中期経営計画3.0」へのバージョンアップに至ることとなりました

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りを用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

5 【経営上の重要な契約等】

特記すべき事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

特記すべき事項はありません。