第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

フジシールグループは、「包んで価値を、日々新たなこころで創造します。」を経営理念に掲げ、お客様と共に成長することにより、企業価値の向上を図ってまいります。

「お客様のパッケージへのニーズを理解し、差別化した商品・サービスを提供することでお客様に一番に指名され続けるパートナーになる」ことを経営の基本方針とし、さらに従業員、取引先、株主、社会の皆様からも選ばれる、グローバルNo.1パッケージングカンパニーであり続けることを目指しています。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは、事業の継続的な成長を通じて企業価値を向上させていくことを経営の目標としております。

中期経営計画(2019年3月期から2021年3月期までの3ヶ年計画)においては、連結売上高1,800億円、営業利益率10%、ROE二桁を、目標とする経営指標として掲げてまいりました。また同時に、2025年度に向けて、グループ全体の地域別及び事業別ポートフォリオのバランスを考慮し、海外売上比率60%(2020年3月期:39.4%)、非シュリンク率(売上高に占めるシュリンク事業以外の構成比)50%(2020年3月期:43.7%)とすることを目指しています。なお、2021年3月期はこの中期経営計画の最終年度となりますが、上記の連結売上高及び営業利益率の目標については、現時点で達成することが困難となっております。

また、ESGに関するターゲットとして、「産業廃棄物量(2017年度比5%削減)」と「GAM(特定のグローバル顧客)の売上伸長率(> 全社売上伸長率)」を設定し、取り組みを進めています。産業廃棄物は、当社グループのみならず、お客様及び取引先の皆様とともに、その削減に取り組む必要があると考えています。また、当社のお客様の中でも特にグローバルに事業を展開されているお客様は、例えば3R(Reduce:リデュース、Reuse:リユース、Recycle:リサイクル)を強力に推進するなど、それぞれ独自に明確な目標を掲げてグローバルにESGをリードされています。こうしたお客様とのビジネスの継続的な売上伸長が、全体の伸長率を上回ることを目標とすることで、より一層ESGに貢献することができると考えています。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

・変化するお客様の課題への解決力を強化し、ビジネス拡大を目指す。

・たゆまない成長の基盤づくり。

-ものづくり力

-開発力

-人財力

-リスクマネジメント力

-財務力

 

(4)優先的に対処すべき課題と対応方針

当社グループは、グローバルな成長をし続けるために、多様化する経済情勢や加速する市場、お客様の変化のスピード、さらには近年著しく問題意識が高まり全世界的にも解決が求められている「環境問題」や「プラスチック問題」、「気候変動問題」などに、いち早く対応・適応することがますます重要になってきているものと認識しており、以下の対応方針に則り、事業運営を行ってまいります。

-変化するお客様の課題に対しスピードを持って解決し、更なるサービスを提供できるグローバルなものづくり体制を構築、維持、発展させる。

-お客様により近い現場で、お客様のパッケージの課題をお聞きする。課題解決のスピード、質を上げる。同時に明日の課題の開発ができる体制を強化する。

-フジシールグループの価値観を共有し、成長をリードする人財の育成を加速する。

-市場の変化、自然災害、感染症の拡大等々増加するリスクを常に意識し、変化に適合するリスクマネジメント体制を構築し、確実な運用を行う。

-財務体制の強化とグローバル資金の有効活用及び管理の強化を推進し、財務基盤を強化するとともに、変化するリスクに対応した規程体系の整備を進め、法務基盤の強化を図る。

 

さらに、新型コロナウイルス感染拡大等に伴い、今後、社会経済情勢・国際情勢など経営環境の急激かつ大幅な変化が予想されます。当社グループは、このような変化の激しい時代にあっても、お客様、従業員、取引先、株主、社会をはじめとするすべてのステークホルダーから一番に指名され続けることを目指すとともに、引き続きESG経営を推進してまいります。

-環境問題が人類共通の重要課題であることを認識し、環境側面を考慮したものづくりを目指した創造とチャレンジを続ける。環境負荷低減に加え、環境に優しい製品の開発・生産を目指し、事業活動を通じた環境問題の解決を図る。

-人に優しいパッケージで社会に貢献することを目指し、そのための研究開発に従事する人財の育成や研究開発の奨励・助成等を推進・支援する。

-透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行う仕組みとして、コーポレート・ガバナンスを強化する。

 

2【事業等のリスク】

当社グループは、2020年3月31日現在、当社、子会社26社(連結子会社)により構成されており、国内外において、食品、飲料及び日用品等のブランドオーナーを主要顧客として、シュリンクラベル、タックラベル及びソフトパウチを中心としたパッケージングシステムの企画、提案、開発、製造及び販売等の事業展開をしております。また、米州、欧州及びアセアン諸国にも現地生産の関係会社を有し、海外の現地メーカーとも直接取引を行っております。

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであり、当社グループに係るすべてのリスクを網羅したものではありません。

 

(1)環境問題・海洋プラスチック問題・気候変動問題について

環境問題や海洋プラスチック問題、気候変動問題などに対する問題意識は、近年世界的にも著しく高まってきており、当社も、これらの問題の解決が事業運営上の重要な課題であると考えています。

世界各国では、資源循環社会の実現に向けてプラスチック資源循環戦略が制定されており、日本においても、「食品ロス削減」や「エネルギー効率改善」などの社会課題の解決に貢献するプラスチックが、海に廃棄されることなく、有効利用されるように、「3R(リデュース・リユース・リサイクル)+Renewable(リニューアブル:再生可能資源への代替)」を基本原則としたプラスチック資源循環戦略が策定されました。

当社グループでは、以前より「3R+Renewable」及びCO削減に取り組んできました。ラベルやパウチのフィルムの厚みを薄くすること、ラベルの機能拡大により、容器の共通化を行い、容器の廃棄を減らすことなどによる「リデュース」、スパウト付きパウチやボトルライクパウチにより容器のつけかえホルダーの利用を促進することなどによる「リユース」の支援、ラベルにミシン目を入れ、容器の分別回収、リサイクル率向上を促進すること、ラベルの遮光機能により、容器の無地化を促し、容器のリサイクルを促進することなどによる「リサイクル」の支援、ラベルやパウチに再生素材や植物由来の素材を活用することなどによる「リニューアブル」、そして、ラベルの装着機械の生産性向上、ラベルやパウチの輸送効率向上によるCO排出量削減などが、課題解決に向けた当社グループの取組事例です。これまで、容器のリサイクルに貢献してきたラベルですが、今後さらにラベルそのものも「Recyclable(再生可能)」を推進するなど、環境負荷低減を通じて資源循環社会の実現に貢献してまいります。

 

(2)事故や自然災害等について

当社グループは、火災等の事故あるいは大地震や水害等の自然災害又は新型インフルエンザ・新型コロナウイルス等の伝染病災害等の発生に伴う従業員・地域住民の健康・安全や生産面・営業面等における損害を最小限にするため、予防や発生時の対応に対する体制づくりなど対策を講じておりますが、これらの発生によって、当社グループの生産拠点等の設備又は従業員が被害を被った場合、また、当社取引先が被害を被り、当社グループの操業の一部が中断し、生産及び出荷が遅延することによる売上の低下や、生産拠点等の修復のための費用を要することとなった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

その他、犯罪、暴動、テロ活動の発生及び大規模停電等、当社グループの仕入並びに生産活動に影響する何らかの事象が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)情報の流出等について

当社グループは、お客様のパッケージングシステムの企画や開発に取り組み、お客様の新製品等の情報を保有することがあります。当社グループはこれらの情報の秘密保持に細心の注意を払っており、情報の流出が生じないように最大限の対策を講じておりますが、当社グループの社員や業務の委託会社等が得意先より受け取った情報を漏洩もしくは誤用した場合には、企業としての信頼やイメージに悪影響を受け、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

なお、「個人情報の保護に関する法律」に基づき、個人の権利利益を保護するため、「個人情報保護方針及び個人情報保護規則」を制定し、連結子会社である株式会社フジシールにおいて、「プライバシーマーク」の付与の認定を受けております。

 

(4)製品クレームについて

当社グループは、日本、米州、欧州及びアセアン諸国で現地生産体制を有し、品質管理体制のもと最適な品質を確保できるようグループ全体を挙げて取り組んでおりますが、予期せぬ事情によりお客様の製品にまで影響を与えるクレーム等の品質問題が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)知的財産権について

当社は、当社グループ全体のシュリンクラベル等のラベル、ソフトパウチ等のフレキシブルパッケージ及び包装関連機器に関する技術・ノウハウについて特許権、実用新案権等を所有し、また出願・登録を行っております。また、第三者の知的財産権を侵害しないよう調査し、社内のチェック体制の強化にも努めております。

従来より、当社の知的財産をはじめとした社内機密情報が漏洩することのないよう、情報管理を徹底しております。

なお、今後、知的財産権の侵害を理由とする訴訟やクレームが提起された場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)グローバルな事業展開について

グローバルな事業展開にあたっては、現地の政情や経済、文化や慣習など調査・検討を行っておりますが、これらの国及び地域において、事業や投資に係る許認可、税制、通商制限、及び移転価格税制等の国際税務リスク又は政治・経済、その他の要因による社会的混乱並びに予期せぬカントリーリスク等が顕在化した場合には、当社グループの事業活動等に影響を及ぼし、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)法的規制等について

当社グループは、法令の遵守を基本として事業を進めておりますが、たとえば国内における「容器包装リサイクル法」、「化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)」及び「大気汚染防止法」など、国内・海外を問わず製造物責任や環境・リサイクル関連、税制、輸出入関連などにおいてさまざまな法的規制等を受けております。これらの法的規制等が改正及び強化された場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における当社グループを取り巻く環境は、日本では夏場の天候不順や台風の影響、欧州では景気後退によりやや厳しい事業環境となりました。

2020年に入ってからは新型コロナウイルス感染症の影響が世界全体に拡がり、企業の活動や外出の制限を受けて、わが国経済にも大きな影響をもたらしてきています。足元の景気は世界的に急速な悪化の傾向を示していますが、当社のグループの事業においては、地域や事業分野によりその影響に大きなばらつきが生じています。

このような環境のなかで引き続き、当社グループでは「包んで価値を、日々新たなこころで創造します。」を経営理念に掲げ、お客様と共に成長することにより、企業価値の向上を図っております。また「お客様のパッケージへのニーズを理解し、差別化した商品・サービスを提供し、お客様に一番に指名され続けるパートナーになる」ことを経営の基本方針とし、更に従業員、取引先、株主、社会の皆様からも選ばれる、グローバルNo.1パッケージングカンパニーであり続けることを目指しております。

この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

(財政状態)

当連結会計年度末における総資産は1,526億94百万円となり、前連結会計年度末と比べ5億62百万円の増加となりました。

その主な要因は、現金及び預金が14億39百万円増加したこと、受取手形及び売掛金(電子記録債権を含む)が売上高の増加などにより17億39百万円増加したこと、たな卸資産が2億23百万円減少したこと、有形固定資産が22億47百万円増加したこと、投資有価証券が37億63百万円減少したことなどによるものであります。

なお上記には、Fuji Seal Packaging (Thailand) Co., Ltd.(従来、当社の持分法適用関連会社であったFuji Ace Co., Ltd.)を連結子会社化したことに伴う、流動資産の増加63億47百万円、有形固定資産の増加46億96百万円、投資有価証券の減少36億48百万円が含まれております。

負債合計は550億54百万円で、前連結会計年度末と比べ11億80百万円の減少となりました。これは支払手形及び買掛金(電子記録債務を含む)が8億72百万円増加したこと、退職給付に係る債務が4億64百万円増加したこと、借入金が28億81百万円減少したことなどによるものであります。

なお上記には、Fuji Seal Packaging (Thailand) Co., Ltd.を連結子会社化したことに伴う、流動負債の増加23億6百万円、固定負債の増加4億74百万円が含まれております。

純資産合計は976億39百万円で、前連結会計年度末と比べ17億42百万円の増加となりました。これは利益剰余金が69億90百万円増加したこと、自己株式取得及び処分により35億3百万円減少したこと、為替換算調整勘定が13億43百万円減少したことなどによるものであります。

 

(経営成績)

当連結会計年度における経営成績は、売上高1,609億25百万円(前期比0.8%減)、営業利益126億34百万円(前期比2.7%減)、経常利益129億1百万円(前期比2.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益88億8百万円(前期比6.7%増)となりました。

セグメントごとの経営成績は、以下のとおりであります。

 

(日本)

上期は天候不順の影響により売上が伸び悩みましたが、下期はシュリンクラベル、ソフトパウチ、機械が堅調に推移いたしました。特に第4四半期においては、衛生関連商品を中心としたホームパーソナルケア分野の売上が伸長いたしました。

シュリンクラベルは売上高489億71百万円(前期比0.9%増)、タックラベルは売上高112億83百万円(前期比5.8%減)、ソフトパウチは売上高159億91百万円(前期比7.4%増)、機械は売上高84億37百万円(前期比3.6%増)、医薬等受託包装は売上高78億5百万円(前期比1.0%減)、その他は売上高62億18百万円(前期比5.6%増)、その結果、日本全体の売上高は987億7百万円(前期比1.4%増)となりました。

損益面は、材料費の低減や経費削減に取り組んだものの、機械事業における開発機に関わる費用の増加、減価償却費の増加及び火災事故に関わる費用などにより、営業利益94億82百万円(前期比4.3%減)となりました。

(米州)

シュリンクラベル及び機械の売上が堅調に推移いたしましたが、顧客の内製化によりソフトパウチの売上は減少しました。シュリンクラベルは売上高269億8百万円(前期比0.5%減、現地通貨ベース0.8%増)、その他ラベルは売上高11億99百万円(前期比23.4%減、現地通貨ベース22.4%減)、タックラベルは売上高11億18百万円(前期比9.5%減、現地通貨ベース8.4%減)、ソフトパウチは売上高15億68百万円(前期比10.4%減、現地通貨ベース9.3%減)、機械は売上高33億38百万円(前期比1.5%増、現地通貨ベース2.8%増)、その結果、米州全体の売上高は341億34百万円(前期比2.1%減、現地通貨ベース0.9%減)となりました。

損益面は、人件費や物流費の継続的な増加、ソフトパウチ事業の減益があったものの、シュリンクラベル事業と機械事業の増収効果や材料費の削減、減価償却費の減少などにより、営業利益30億84百万円(前期比0.1%増、現地通貨ベース1.3%増)となりました。

 

(欧州)

タックラベルが大きく伸長しましたが、シュリンクラベルは低採算商品の整理や環境対応商品の投入遅れにより前年を下回り、ソフトパウチは顧客の容器変更により売上が減少しました。シュリンクラベルは売上高115億円(前期比12.3%減、現地通貨ベース6.3%減)、タックラベルは売上高15億29百万円(前期比10.9%増、現地通貨ベース18.5%増)、ソフトパウチは売上高5億8百万円(前期比41.7%減、現地通貨ベース37.8%減)、機械は売上高47億73百万円(前期比2.4%減、現地通貨ベース4.2%増)、その結果、欧州全体の売上高は183億11百万円(前期比9.6%減、現地通貨ベース3.5%減)となりました。

損益面は機械事業とタックラベル事業の収益が改善し、前期より大きく利益が伸長したものの、シュリンクラベル事業とソフトパウチ事業が減収となったため、営業利益1億86百万円(前期比381.6%増、現地通貨ベース414.4%増)となりました。

 

(PAGO)

欧州の景気後退の影響やスイス市場での競争激化などにより、タックラベルは売上高97億1百万円(前期比12.6%減、現地通貨ベース6.6%減)となりました。損益面は継続的に費用削減に取り組んでいるものの、スイスのラベル市場の激化など想定以上に売上が減少したこと、タック機械事業は拡販体制を整えたものの、開発機の投入が遅れた影響もあり、計画通りに売上が伸長しなかったため、営業損失2億65百万円(前期は営業損失87百万円)となりました。

 

(アセアン)

グローバル顧客向けにシュリンクラベルなどの販売が増加し売上高は46億23百万円(前期比6.4%増、現地通貨ベース7.7%増)となりました。損益面は増収効果により利益が伸長したことや工場の生産性向上などが寄与し、営業利益2億5百万円(前期比786.4%増、現地通貨ベース797.9%増)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ33億76百万円増加し113億42百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、190億86百万円の収入(前連結会計年度は104億70百万円の収入)となりました。これは税金等調整前当期純利益125億73百万円、減価償却費81億60百万円を計上したこと、たな卸資産の減少額12億58百万円などによる収入と、法人税等の支払額(又は還付額)39億51百万円などの支出によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、93億16百万円の支出(前連結会計年度は74億49百万円の支出)となりました。これは有形固定資産の取得による支出64億20百万円、Fuji Seal Packaging (Thailand) Co., Ltd.を連結子会社化したことに伴う、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出25億89百万円などによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、64億円の支出(前連結会計年度は27億15百万円の支出)となりました。これは借入金の減少7億31百万円、自己株式の取得による支出35億23百万円、配当金の支払額18億18百万円などによるものであります。

なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは次のとおりであります。

 

前連結会計年度

(2019年3月31日)

当連結会計年度

(2020年3月31日)

自己資本比率(%)

63.0

63.9

時価ベースの自己資本比率(%)

150.0

69.6

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

1.3

0.6

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

78.8

288.8

・自己資本比率:自己資本/総資産

・時価ベ-スの自己資本比率:株式時価総額/総資産

・キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

・インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

(注)1.いずれも連結ベ-スの財務数値により計算しております。

2.株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。

3.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。

4.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

(生産実績及び受注実績)

当社グループの生産・販売品目は多種多様であり、同種の製品であっても、その容量等が一様ではなく、また単一事業であるため、報告セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。

 

(販売実績)

当連結会計年度の報告セグメントの売上高を品目別に示すと、次のとおりであります。

(単位:千円)

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

前期比(%)

日 本

シュリンクラベル

48,971,425

100.9%

 

タックラベル

11,283,869

94.2%

 

ソフトパウチ

15,991,789

107.4%

 

機械

8,437,333

103.6%

 

医薬等受託包装

7,805,118

(注)2  99.0%

 

その他

6,218,146

(注)2 105.6%

 

日本合計

98,707,684

101.4%

米 州

シュリンクラベル

26,908,704

99.5%

 

その他ラベル

1,199,518

76.6%

 

タックラベル

1,118,840

90.5%

 

ソフトパウチ

1,568,113

89.6%

 

機械

3,338,908

101.5%

 

米州合計

34,134,085

97.9%

欧 州

シュリンクラベル

11,500,464

87.7%

 

タックラベル

1,529,201

110.9%

 

ソフトパウチ

508,547

58.3%

 

機械

4,773,373

97.6%

 

欧州合計

18,311,586

90.4%

PAGO

タックラベル

9,701,842

87.4%

 

PAGO合計

9,701,842

87.4%

アセアン

シュリンクラベル他

4,623,490

106.4%

 

アセアン合計

4,623,490

106.4%

セグメント間取引消去

△4,553,351

合計

160,925,339

99.2%

(注)1.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.当連結会計年度より、品目別売上区分を変更しており、前期比は変更後の品目別売上区分に基づき算出しております。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。この連結財務諸表作成のための重要な会計方針等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりでありますが、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りは、主に税効果会計、貸倒引当金、減損会計であり、継続して評価を行っております。

なお、見積り及び判断・評価につきましては、過去実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。

 

② 経営成績等に重要な影響を与える要因について

当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金(設備投資・研究開発・人財育成に関わる費用を含む)の財源につきましては、主に営業活動によるキャッシュ・フローから得られる自己資金及び金融機関からの短期借入金にて充当しております。

また、大規模な設備投資並びにM&Aなどの事業投資の長期資金需要につきましては、資金需要が発生した時点で自己資金、金融機関からの長期借入金及び社債発行など、金利等のコストの最小化を図れるような調達方法を検討し対応しております。そのための取り組みの一環として、毎年第三者機関による格付を取得しております。

当連結会計年度末の格付の状況は以下のとおりであります。

格付機関

格付

格付の方向性

格付投資情報センター(R&I)

A

安定的

また、新型コロナウイルス感染症が経済・金融等に影響を与えるリスクに備え、当社グループが安定した経営を行うため、金融機関とのコミットメントライン契約を締結するなど機動的かつ安定的な資金調達手段を確保しております。

なお、配当に関する考え方は、「第一部 企業情報 第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載しております。

その結果、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は、116億36百万円で、主に金融機関からの借入となっております。

また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は113億42百万円であります。

 

④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、事業の継続的な成長を通じて企業価値を向上させていくことを経営の目標としております。

中期経営計画(2019年3月期から2021年3月期までの3ヶ年計画)においては、連結売上高1,800億円、営業利益率10%、ROE二桁を、目標とする経営指標として掲げてまいりました。また同時に、2025年度に向けて、グループ全体の地域別及び事業別ポートフォリオのバランスを考慮し、海外売上比率60%(2020年3月期:39.4%)、非シュリンク率(売上高に占めるシュリンク事業以外の構成比)50%(2020年3月期:43.7%)とすることを目指しています。なお、2021年3月期はこの中期経営計画の最終年度となりますが、連結売上高及び営業利益率の目標については、現時点で達成することが困難となっております。

また、ESGに関するターゲットとして、「産業廃棄物量(2017年度比5%削減)」と「GAM(特定のグローバル顧客)の売上伸長率(> 全社売上伸長率)」を設定し、取り組みを進めています。産業廃棄物は、当社グループのみならず、お客様及び取引先の皆様とともに、その削減に取り組む必要があると考えています。また、当社のお客様の中でも特にグローバルに事業を展開されているお客様は、例えば3R(Reduce:リデュース、Reuse:リユース、Recycle:リサイクル)を強力に推進するなど、それぞれ独自に明確な目標を掲げてグローバルにESGをリードされています。こうしたお客様とのビジネスの継続的な売上伸長が、全体の伸長率を上回ることを目標とすることで、より一層ESGに貢献することができると考えています。

なお、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、当社グループを取り巻く経営環境は極めて不透明な状態が続くことが予想されます。しかしながら、現在のような社会情勢が概ね半年程度継続するという前提の下、各地域における受注状況等を踏まえ、2021年3月期の連結業績予想を作成しております。

 

前連結会計年度(実績)

2019年3月31日

当連結会計年度(実績)

2020年3月31日

次連結会計年度(予想)

2021年3月31日

ターゲット

2021年3月31日

売上高

1,621億円

1,609億円

1,652億円

1,800億円

営業利益率

8.0%

7.9%

7.0%

10.0%

ROE

8.9%

9.1%

7.9%

2桁

 

⑤ 2021年3月期の見通し(新型コロナウイルスが経営に与える影響)

2021年3月期には、2020年3月6日に連結子会社化したFuji Seal Packaging (Thailand) Co., Ltd.による増収増益効果があるものの、以下のような新型コロナウイルス感染拡大の影響などにより、全体としては増収減益を見込んでおります。

現下の新型コロナウイルス感染拡大に伴い、当社グループを取り巻く経営環境は極めて不透明な状態が続くことが予想され、現時点においてその収束の時期や世界各国の対応などを予測することはできません。しかしながら、当社グループでは、現在のような社会情勢が概ね半年程度継続するという前提の下、各地域における受注状況等を踏まえ、2020年4月末時点において想定し得る影響を織り込んだ上で、連結業績(通期)予想を作成いたしました。今回の見通し作成の前提とした考え方、影響は、以下のとおりです。

 

イ.営業・販売面における影響

今回の新型コロナウイルス感染拡大に伴う消費行動の変化により、日本及びアセアンのように飲料向け(特に小型飲料向け)のラベル供給比率が高い地域においては、売上高が減少する予測としております。またこの影響が長期化した場合には、営業面にさらに大きな影響を与える可能性があります。

一方で、衛生関連商品を含むホーム・パーソナル・ケア製品(HPC製品)に対する需要の増加に伴い、HPC向け売上高が増加するなどの予測も織り込んでおります。

 

ロ.生産面における影響

当社事業は、今回の状況の中、各リージョンで社会からエッセンシャル・ビジネスとして位置付けられ、生産・物流に関する制限を受けておりません。社会に必要とされる事業であるとの認識を持ちながら、その重要性を深く受け止め、消費者の皆様が安心してお使いいただける表示事項やパッケージの供給で、社会に貢献してまいります。

当社グループでは、お客様、従業員、取引先、そして最終消費者の皆様の健康と安全を守るべく、様々な対策を講じており、現時点までに、今回の新型コロナウイルス感染によってグループ会社の生産拠点が全面的な操業停止となるような事態には至っておりません。また同時に、安定的に生産を行うため、当社は取引先とともに強固なサプライチェーンの構築に努めており、現在のところ新型コロナウイルス感染拡大の影響によるサプライチェーンの寸断はなく、継続して生産を行っております。

しかしながら、仮に当社事業所で感染が拡大するなどの事象が発生した場合には、一定期間の全面的/部分的な操業停止や事業活動の停止をせざるを得ないリスクの発生も否定できず、BCP等不測の事態に備えた対応を進めておりますが、今回の見通しにおいては、リスク事象の発生・顕在化の予想が困難なことから、そのような影響については織り込んでいません。

 

ハ.その他事業運営における影響

新型コロナウイルス感染拡大を契機として、当社グループ各社の事業所では、各国・各地域の政府による要請・命令に従うと同時に、(生産拠点を除き)在宅勤務を原則とするなど、従来から検討を進めてきた勤務形態の変更・多様化を前倒し導入したほか、いわゆる「働き方改革」を推進しております。また将来的には、お客様に対する営業活動や取引先との交渉活動などが変化することも予想されますが、現在までのところ、事業運営上の大きな問題は発生しておりません。

今後、場合によっては、こうした従来とは異なる業務運営により、一部業務に混乱が生じることも考えられますが、今回の見通しにおいては特に考慮しておりません。

 

その結果、2021年3月期の連結業績(通期)予想につきましては、連結売上高は前期比2.7%増の1,652億円、営業利益116億円(前期比8.2%減)、経常利益117億円(前期比9.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益80億円(前期比9.2%減)を見込んでおります。

 

4【経営上の重要な契約等】

(株式譲受契約)

当社は、2020年1月31日開催の取締役会において、当社が49%の株式を保有する「Fuji Ace Co., Ltd.(本社:タイ/バンコク)」(当社の持分法適用関連会社)の味の素グループが保有する全株式の51%を追加取得し、完全子会社化することについて決議し、2020年2月5日に株式譲受契約を締結いたしました。

契約会社名

相手方の名称

契約締結日

契約の内容

株式取得日

㈱フジシールインターナショナル(当社)

㈱フジシール

Fuji Seal Engineering Co., Ltd.

Ace Pack (Thailand)Co., Ltd.

Ajinomoto Sales (Thailand)Co., Ltd.

FD Green (Thailand)Co., Ltd.

Bangkok Animal Research Center Co., Ltd.

Si Ayutthaya Real Estate Co., Ltd.

2020年2月5日

株式取得

2020年3月6日

 

5【研究開発活動】

「お客様のパッケージへのニーズを理解し、差別化した商品・サービスを提供することで、お客様に一番に指名され続けるパートナーになる」ことを、当社の経営の基本方針としております。グループ内連携を強化しており、技術やマーケットの情報交換を通じて、品質及び生産性の向上、新製品の開発と新市場の開拓に努めております。国内外において、外部企業との共同研究や複数の大学を含めた産学連携を進めることにより、各地域での開発スピードの向上にも注力しています。

研究開発活動は、当社の開発担当が中心となって営業部門から顧客ニーズを把握し、その他購買部及び関係会社が一体となって、新製品、新技術、新素材の開発を行うとともに、オープン・イノベーションにも取り組んでおります。

当連結会計年度における研究開発費の総額は2,539百万円であり、環境視点で注力した主な成果の一例は下記のとおりです。なお当社グループの研究開発活動については、グループ一体となって取り組んでおり、セグメント別の金額情報に重要性はないため、セグメント別には記載しておりません。

(1)プラスチック使用量削減<業界最薄(20µm)のシュリンクラベル>

業界最薄のシュリンクラベル、ラベルを容器に高速で装着し熱収縮させる機械を同時に開発し、システムで提供しております。従来平均のラベルと比較して半分以下の厚みのため、プラスチックの使用量を約50%削減することが出来ております。当ラベルによる2019年度の国内外を含めたプラスチックの使用量の削減は4,830トンになりました。

(2)プラスチック使用量削減<フジパウチ、詰め替えパウチ>

口栓付きのパウチの開発にも積極的に取り組んできました。通常のボトル容器と比較して、詰め替えパウチを使用することにより、プラスチックの使用量を50%程度削減することが可能になりました。また当社オリジナル製品のフジパウチ(ボトル形状の口栓付きパウチ容器)の場合、70%以上のプラスチック使用量の削減が可能となります。

(3)リサイクルへ向けた取り組み<ペットボトルへリサイクル可能なシュリンクラベルの開発(RecShrink™)>

2019年9月、当社の米国子会社であるAmerican Fuji Seal, Inc.が新たに開発したRecShrink™ラベル(ウォッシャブルインクシステムを含む)がAPR(注1)のプロトコル『Critical Guidance Protocol for Clear PET Articles with Labels and Closures(PET-CG-02)』(注2)に合致するものとして承認されました。グローバルに展開されている乳業・飲料メーカー様を始めとして、多くのお客様に採用いただいています。

注1 :The Association of Plastic Recyclers(米国プラスチックリサイクル協会)

注2 :2019年4月に新たに制定されたペットボトルとラベル等を一緒にリサイクルするための手順書

(4)CO排出量削減・水使用量削減<省エネ シュリンクラベルの装着機械(高効率のスチームトンネル)>

シュリンクラベルの装着機械はラベルを熱収縮させるために水蒸気を利用しています。省エネを目的として開発した機械は、水蒸気を過熱水蒸気に変えることにより、従来よりも少ない水(水蒸気)使用量で熱収縮させることが可能となりました。水使用量は当社既存機と比較して60%の削減となり、水(水蒸気)使用量の削減によるCO排出量の削減効果は2017から2019年までの3年間の累計で6,272トンとなっております。

 

今後もパッケージを通じて、環境課題や社会課題の解決に貢献できるよう、ESG視点での研究開発の取り組みを一層強化していきます。