第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、情報産業をはじめとする市場の成長に積極的に寄与することで、社会に貢献しながら自らも成長していくことを目標とする企業集団であります。また、対象市場を活性化し、新しいプレーヤーの参加を喚起するため、事業者のインキュベーションを積極的に行います。対象市場全体に亘って事業基盤を構築することで、個別事業のリスクを減少しつつ全体の成長効率を向上するという経営方針のもと、常に最適な事業会社群の構成を目指してグループ形成に取り組みます。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは、成長性及び収益性の向上を最優先課題としております。目標とする経営指標は、売上高経常利益率5%を継続的に確保することを当面の目標としております。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

市場全体をターゲットとする当社グループでは、既存の概念にとらわれず広い視点で収益チャンスを捉え、既存事業の成長に加え、新規事業を積極的に展開してゆくと共に、必要に応じて企業への戦略的投資や育成、M&Aに関しても積極的に活用し、事業を拡大していくことにより、グループの全体価値の向上を図ります。

 

(4)経営環境および課題と対応

当社グループがこれまで重点的に取り組んでまいりました情報産業市場(IT市場)は、社会における中長期的なデジタルトランスフォーメーションの動きを背景に成長を続け、足許においても新型コロナウイルス感染症拡大によりその動きが一気に加速されたことなどにより、当社グループもここ数期間にわたり比較的順調に業績を伸ばすことができました。今後の経営環境につきましては、変異型を含む新型コロナウイルス感染症拡大の動向、新型コロナウイルスワクチン集団接種進捗状況などにより景況感が逐一変化していくものと思われ、不透明な状況が当分続くと思われますが、社会におけるデジタルトランスフォーメーションはポストコロナ後も継続し、情報産業市場(IT市場)も一定程度の成長を続けていくものと認識しております。

セグメント別の経営環境に対する認識と対応は、以下のとおりです。

① 出版事業

2020年の出版市場(紙+電子出版の合計。推定販売金額)の規模は1兆6168億円、前年比4.8%増と2年連続のプラス成長となり、紙ベースの出版は前年比1.0%減と小幅なマイナスだったのに対し、電子は28.0%増加で電子化が引き続き進んでおります(公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所2021年1月公表)。

このようなマーケット認識を背景に当社グループは、最新のITテクノロジーやITエデュケーション、デジタルビジネスやオンラインビジネスなど、将来にわたって需要が予想されるコンテンツに特化しており、また、媒体も電子書籍やWebメディアなどのオンライン媒体において強いコンピタンスを有しております。

新型コロナウイルス感染症拡大に対しては、緊急事態宣言による書店の休業や消費の一時的な落ち込みなどで一定の期間影響を受ける可能性が引き続きあるものの、コロナ禍に対応した業務のオンライン化の加速などによって当社グループの競争力は一層向上する可能性があると考えております。

② コーポレートサービス事業

2020年の日本の総広告費は、世界的な新型コロナウイルス感染症拡大の影響による各種イベントや広告販促キャンペーンの延期・中止により、4-6月期を中心に大幅に減少し、7月以降は徐々に回復の兆しを見せ、10-12月期には前年並みに回復しつつあったものの、通年で6兆1,594億円(前年比88.8%)と、9年ぶりのマイナス成長となりました。その中で、コロナ禍によるデジタルトランスフォーメーション加速化により、インターネット広告費が先行して回復し、通年では2兆2,290億円(前年比105.9%)とプラス成長になりました(㈱電通広報局広報部2021年2月公表)。

このような背景から、当社グループとしては、業種にこだわらず広く活用の進むオンライン広告やWebマーケティングなど多様なデジタルマーケティングのサポートをクライアントに提供することにより業容拡大の機会があると考えております。

新型コロナウイルス感染症拡大は、クライアントの広告宣伝費削減やイベント延期・中止、対面営業活動の制限などを通じて、引き続き業績に一定の影響を及ぼす可能性があると認識しております。コロナ禍収束以降は、一層のオンライン化、デジタル化に関連したサービス提案を行うことで成長の機会があると考えております。

 

③ ソフトウェア・ネットワーク事業

2019年の国内のモバイルコンテンツ市場は2兆3,378億円、(対前年比105%)(一般社団法人モバイル・コンテンツ・フォーラム2020年7月公表)と引き続き成長を続けており、コンテンツも多様化を続けております。当社グループとしてはコンテンツの提供からコンテンツ制作や運営サービスなど多層にわたる事業展開により、競争の厳しいコンテンツ市場において安定した成長を目指しています。

また、新型コロナウイルス感染症拡大による社会不安で需要が拡大し2021年には768億円規模(恋活マッチングサービスを含む。前年比23%増加。㈱タップル2021年1月公表)と言われるオンライン婚活サービス市場にも事業を展開するなど、事業の多様化による成長機会の拡大にも取り組んでおります。

新型コロナウイルス感染症拡大は、運営するゲームセンターの一時休業や時短営業などを通じて業績に一定の影響を及ぼすものと認識しておりますが、コロナ禍収束後はオンライン化の一層の加速によりビジネスチャンスの拡大の可能性があると考えております。

④ 教育・人材事業

当社グループが手掛けるIT人材向け研修を含む2019年度の企業向け研修サービス市場は前年度比0.8%増の5,270億円と推計され、2020年度は新型コロナウイルス感染症拡大のマイナス影響を通年受けて企業業績が悪化、研修予算削減圧力の高まりで前年度比1.3%減の5,200億円と予測されております((株)矢野経済研究所2020年9月公表)。

また、医療関連人材紹介を含む2019年度の業種・職種別人材ビジネス市場規模(5市場計)は、前年度比7.2%増の4兆398億円、2020年は新型コロナウイルス感染症拡大による事業活動の制限や人材需要減少が見込まれる業界が散見されることから前年度比4.9%減の3兆8,426億円と予測されております(㈱矢野経済研究所2021年1月公表)。

このような市場環境を背景に、当社グループは、研修コンテンツの拡充や定額サービスの導入、紹介サービスの質の向上、コロナ禍に即応したオンラインサービスの早期導入などの対応によりコンピタンスを向上し、事業の成長に努めてまいりました。

新型コロナウイルス感染症拡大は、研修事業や採用サービスにおいてはクライアントのコスト削減などにより業績に一定の影響を及ぼすものと認識しております。

⑤ 投資運用事業

世界の株式時価総額は、世界的な金融緩和政策や新型コロナウイルスワクチン接種の進捗期待などを背景に過去1年間で約6割増加し、2021年3月末現在約106兆米ドル(2021年4月2日付日経記事)に達するなど、市場が景気回復を先行して織り込んできた結果、当連結会計年度を通じて市場環境は概ね順調に推移しました。当社グループは世界経済の長期成長をベースとした長期投資を行っており、当連結会計年度においては、円安進行の影響を一定程度被ったものの、保有資産の時価回復と安定収入確保を再実現しております。

 

(5)グループとして対処すべき課題と対応

上記(4)記載のセグメントごとの経営環境に対する認識と対応に加え、当社グループは中長期にわたる今後の一層の成長のため、以下の4点を重点課題として取組んでまいります。

① 将来に向けた事業会社各社の成長基盤構築・整備

当社グループは持ち株会社構造をとっており、上記のとおり各セグメントごとに事業会社が機動的に課題への対応を行うことができる体制を整備しています。全体の成長のため、各事業会社ごとに常に成長に向けて事業構造の最適化を図るよう促しております。

② 新規収益基盤の創出

当社グループ内の保有事業の陳腐化のリスクに対応するため、当社グループでは常に新規収益基盤の創出に邁進してまいります。

③ 事業会社経営人材の拡充と育成

当社グループでは事業会社収益の拡大がグループの成長につながるため、事業会社のマネジメント人材の拡充と育成が重要だと考えております。このため継続的にマネジメント人材の発掘と育成に取り組んでいきたいと考えております。

④ 外的環境要因に耐性のある事業基盤整備

今般の新型コロナウイルス感染症拡大も含め、環境変化や市場の変化は従来よりその速度や変化率を上げていると考えており、常に環境の変化に対して柔軟かつ適応力のある、すなわち、環境変化に耐性のある企業集団でありたいと考えております。

 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの事業上のリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
①委託販売制度について
  当社グループにおける出版事業においては、業界の慣行に従い、取次会社及び書店に配本した出版物(書籍及び雑誌等)のほとんどについては、配本後、約定期間(委託期間)内に限り、返品を受け入れることを販売条件とする委託販売制度を採用しております。当社グループにおいては、返品抑制対策として、販売予測の精査による製造・出荷部数の適正化、マーケティングデータに基づいた書店への配本調整、オンライン直販・電子書籍販売など返品のない出版物流ルート経由の書籍販売強化などを行っております。会計上も、返品による損失に備えるため、出版事業に係る売掛金残高に一定期間の返品率及び売買利益率を乗じた額を返品調整引当金として計上しております。また、返品の際の梱包料・運送費を負担している取次会社も、物流費高騰の現況下、返品のない物流ルート拡大に動くなど業界を挙げて返品抑制に動いておりますが、想定以上の返品の増加は売上高の減少を通じて、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
②再販売価格維持制度について
  当社グループにおける出版事業において発行・販売する出版物については、「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」(以下、独占禁止法という)第24条の2の規定により、再販売価格維持制度(以下「再販制度」という)が認められる特定品目に該当適用しております。独占禁止法は、再販制度を不公正な取引方法として原則禁止しておりますが、公正取引委員会の指定する書籍・雑誌等の著作物の小売価格については、例外的に再販制度が認められております。なお、当社グループにおいては、取次会社との取引価格の決定は、定価に対する掛け率によっております。公正取引委員会が2001年3月23日に発表した「著作物再販制度の取扱いについて」によると、当面の間、再販売制度は維持・存続される見通しですが、一方で再販制度を維持しながらも、消費者利益のため現行制度の弾力的運用を業界に求めていく方針を発表しております。また、業界動向としても、ネット販売増加、電子書籍増加などで同制度は揺らぎつつある現況にあります。当社グループとしては、このような現況を踏まえ、また、多様化する顧客ニーズへ対応するため、オンライン直販・電子書籍販売などを強化しておりますが、同制度の弾力的運用又は廃止は出版競争の激化、売上高の減少等を通じ、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③出版事業環境について
  2020年の市場(紙+電子出版の合計。推定販売金額)規模は1兆6,168億円、前年比4.8%増(公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所2021年1月公表)となり、2年連続のプラス成長となりました。内訳として、紙の出版は前年比1.0%減、電子出版が同28.0%増と電子出版が大きく伸長いたしました。背景には、新型コロナウイルス感染症拡大による臨時休校、デジタルトランスフォーメーション加速化、及び巣ごもり需要などの要因があるものと思われます。当社グループにおいては、最新のITテクノロジーを中核にエデュケーション、パーソナルコンピューティング&デザイン及びビジネス&カルチャーの4つの分野において読者ニーズに最適なコンテンツを、綿密な刊行計画を基に、ペーパーメディア、電子書籍及びセミナー等様々なメディアで提供しておりますが、コンテンツによっては編集者・著者の意図と読者ニーズが乖離したり人気の高い分野での他社との競争激化を通じて売上が減少し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④Webサービス事業環境について
  当社グループにおいては、オンラインゲーム・モバイルゲームアプリ開発・運営、Web上のマッチングサービス提供、Webサイトの構築等、自社運営又は顧客からの業務受託の形で様々なWebサービス事業を展開しております。従来中核事業であったオンラインゲーム・モバイルゲーム業界は、2019年度のスマホゲーム国内市場規模は前年度比4.9%増の1兆1,380億円と拡大を続けているものの(矢野経済研究所2020年2月公表)、ヒットタイトルが年々出現しにくくなる中で開発期間の長期化に伴うコスト増大といった課題もあり、有力なコンテンツを有するゲームメーカーの市場寡占化、成熟化が進んでおります。当社グループにおいては、このような背景の基に、提供するWebサービスの多角化・独創性の促進・強化に努めておりますが、Webサービス分野は、今後も多くの新規事業者参入が予想され、厳しい競争におかれるものと思われます。これら競合他社との競合において、サービス内容がユーザーニーズに対応できず、利用者増加が見込めない場合、又は利用者が減少した場合は、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤法的規制等について
  出版事業における「再販制度」以外の当社グループの事業を推進するうえで影響のある法律として、「不当景品類及び不当表示防止法」、「個人情報の保護に関する法律」、「資金決済に関する法律」、「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律」、「職業安定法」、「特定商取引に関する法律」等様々な法律・条令等があり、当社グループにおいてはコンプライアンス経営の確立に努め、契約書のリーガルチェック、全社員向け研修等を通じて法的規制を遵守する体制を強化しております。今後において、当社グループの事業を規制する法令等の制定・改定があった場合は、当該規制対応のため、サービス内容変更、契約書内容見直し又は設備投資等に伴うコスト増加を通じて、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥組織再編等について
  当社グループは、当社を純粋持株会社とする分社経営体制を採用しております。今後共、機動的な組織再編、M&Aの活用等により企業グループ総体の価値向上に努めていく方針ですが、組織再編等の進捗状況によっては追加コストが発生し当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦投融資に係るリスクについて
当社グループは、連結子会社への投融資の他、日本国内外のIT技術関連ベンチャー企業・大手金融機関・一般事業法人等に対して投資を実施しております。これらの投資に際しては、投資先のリスク要因、経営計画及び市場動向等を慎重に検討した上で実施しておりますが、諸要因により必ずしも投資先が当初期待した通りの業績をあげることは保証されておりません。その場合、投資先の評価の見直しによる損失や投資回収遅延、又は、急激な市場動向の変動等により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧個人情報管理について
  当社グループは、各種事業展開及び顧客サービス提供のため、多くの個人情報をお預かりしています。そのため当社グループ各社は、個人情報漏洩防止のための社員教育や内部監査の徹底、関連規程の整備等により個人情報管理体制を一層強化しておりますが、万が一個人情報が流出し損害賠償責任を問われた場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑨市場環境の変化や他社との競争について
  当社グループが運営する事業においては、ユーザーの志向の変化、マクロ経済情勢の変化、技術の進歩や革新による新たな競争相手の出現又は同業他社との価格競争等により、利益を確保し難い状況になる可能性があります。
⑩人材確保に係るリスクについて
  当社グループが運営する事業においては、総じて、企画力、編集力、マネジメント能力並びにプログラミング技術等の高い専門性及び経験が要求されることから、事業の成長にはそのような要求水準に合う優秀な人材の確保が不可欠であり、当社グループでは継続的に人材育成と確保に注力しておりますが、必要な人材確保ができない場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑪情報セキュリティについて
  当社グループが運営する事業においては、情報システムが極めて重要な役割をもっております。当社グループでは、情報システムの安定稼動を業務運営上の重要課題と認識してセキュリティ対策等必要な対策を講じておりますが、当社グループ本社・事業所・書籍倉庫が集中している首都圏を震源とする地震等の大規模広域災害、火災等の地域災害、コンピュータウィルス、電力供給の停止及び通信事業者に起因するサービスの中断・停止等により、情報システムが機能しなくなる可能性が皆無ではなく、その場合には当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑫資金調達について
  当社グループは、銀行借入や資本市場からの資金調達をおこなっておりますが、資金需給、金利動向等金融市場環境の影響を受けるため、これらの環境の変化が、当社グループの資金調達に影響を及ぼす可能性があります。
⑬知的財産権について
  当社グループでは、自らの知的財産権を確保し、第三者の知的財産権を侵害しないよう努めておりますが、万が一、当社グループが知的財産権に関し第三者から訴訟を提起され、又は自らの知的財産権を保全するために訴訟を提起せざるを得なくなった場合には、時間・費用等多額の経営資源が費やされたり、訴訟結果によっては、多額の損害賠償責任を負ったりする可能性があります。
 

 

⑭新型コロナウイルス感染症の影響について

当社グループは、疫病が蔓延した場合であっても、各社・各部の事業継続計画に基づき、時差出勤や在宅勤務、流動性預金の確保、及びWeb配信等により柔軟に事業を継続できる体制整備に努めておりますが、商談機会の減少による新規取引案件の減少、顧客の広告宣伝費・研修費用等の削減による広告収入や研修事業収入の減少、書籍の主要販売網である書店の一時休業、アミューズメント施設の一時休業・時短営業・来店客数の減少、及び従業員の感染が判明した場合の一時的なオフィス閉鎖、事業継続が困難となった得意先向け売掛債権の回収不能等が生じるおそれがあり、これらが当社グループの業績、財政状態及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

(1) 経営成績

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの世界規模での感染拡大の影響により景気が急速に悪化した後、第一回目の緊急事態宣言の全面解除をきっかけに経済活動が再開し始めたものの、緊急事態宣言の再発令を受けて対面型サービス消費を中心に再び弱い動きとなりました。

このような環境の中、当社グループにおいては、①将来に向けた事業会社各社の成長基盤構築・整備、②新規収益基盤の創出、③事業会社経営人材の拡充と育成、及び④外的環境要因に耐性のある事業基盤整備の4点を期初に重点課題として掲げてこれらの課題に積極的に取り組んでまいりました。こうした取り組みの結果、当連結会計年度の連結売上高6,317百万円(前期比4.6%増)、連結営業利益924百万円(前期比105.1%増)、連結経常利益901百万円(前期比103.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益573百万円(前期比177.0%増)となりました。当社グループでは、経営の効率化と利益体質の向上を目指し、中期的にグループ構造の最適化に取り組んでおり、当連結会計年度においても当面の経営指標上の目標である売上高経常利益率5%水準を4期連続でクリアする結果となりました。

セグメント別の経営成績は以下の通りです。

出版事業におきましては、書籍のオンライン販売、Webメディア及び電子書籍販売などの各事業が期を通じて好調に推移したことに加え、コロナ環境下に対応した業務の効率化などにより、売上高4,082百万円(前期比9.7%増)、セグメント利益(営業利益)976百万円(前期比41.0%増)と大幅増収増益になりました。

コーポレートサービス事業におきましては、第2四半期連結累計期間中において新型コロナウイルス感染症拡大による受注案件減少・進行遅延の影響が甚大でしたが、第3四半期連結会計期間以降徐々に受託案件が増加し業績回復基調となった結果、売上高681百万円(前期比24.4%減)、セグメント利益(営業利益)7百万円(前期比88.3%減)と通期では黒字転換いたしました。

ソフトウェア・ネットワーク事業におきましては、既存コンテンツ売上など既存事業が期を通じて安定的に推移したことに加え、新規事業の採算が徐々に改善してきたことから、売上高742百万円(前期比1.5%増)、セグメント利益(営業利益)42百万円(前期はセグメント損失105百万円)となりました。

教育・人材事業におきましては、IT人材研修事業が期を通じて好調に推移したことに加え、業務のオンライン化推進などにより、売上高679百万円(前期比19.9%増)、セグメント利益(営業利益)107百万円(前期比47.7%増)と大幅増収増益になりました。

投資運用事業におきましては、有価証券投資運用額増加に伴う利息・配当金収入の増加、及び期を通じて事業環境が比較的良好だったことから、売上高131百万円(前期比12.9%増)、セグメント利益(営業利益)77百万円(前期比548.0%増)となりました。

 

 

生産、受注、仕入及び販売の実績は、次の通りです。

a.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

出版事業

3,946

109.3

コーポレートサービス事業

668

74.8

ソフトウェア・ネットワーク事業

648

112.1

合計

5,263

103.5

 

(注) 1  セグメント間取引については、相殺消去しております。

2  金額は、販売価格によっております。

3  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

コーポレートサービス事業

659

76.5

77

81.2

ソフトウェア・ネットワーク事業

360

151.4

100

234.2

合計

1,019

92.7

177

128.8

 

(注) 1  コーポレートサービス事業の全部及びソフトウェア開発事業の一部について受注生産を行っております。

2  セグメント間取引については、相殺消去しております。

3  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c.仕入実績

当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。

 

セグメントの名称

仕入高(百万円)

前年同期比(%)

出版事業

93

94.2

教育・人材事業

92

166.8

合計

186

120.1

 

(注) 1  セグメント間取引については、相殺消去しております。

2  金額は仕入価格によっております。

3  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

d.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

出版事業

4,082

109.7

コーポレートサービス事業

681

75.6

ソフトウェア・ネットワーク事業

742

101.5

教育・人材事業

679

119.9

投資運用事業

131

112.9

合計

6,317

104.6

 

(注) 1  セグメント間取引については、相殺消去しております。

2  主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高
(百万円)

割合(%)

販売高
(百万円)

割合(%)

日本出版販売(株)

607

10.1

 

3  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)財政状態

当連結会計年度末は、前連結会計年度末に比べて総資産が1,589百万円増加、負債が627百万円増加いたしました。純資産につきましては、利益剰余金541百万円増加、その他有価証券評価差額金508百万円増加、及び自己株式の取得による79百万円減少の結果、5,525百万円になりました。純資産から新株予約権及び非支配株主持分を引いた自己資本は5,525百万円となり、自己資本比率は54.6%と前連結会計年度末53.4%と比べて1.2%増加いたしました。

主な増減は以下の通りです。

 

(流動資産)1,677百万円増加

営業投資有価証券1,000百万円増加、現金及び預金464百万円増加、並びに受取手形及び売掛金298百万円増加によるものです。

 

(固定資産)88百万円減少

投資有価証券45百万円増加、有形固定資産その他(純額)22百万円増加、及び繰延税金資産157百万円減少によるものです。

 

(流動負債)486百万円増加

短期借入金378百万円増加、未払法人税等194百万円増加、及び1年内償還予定の社債170百万円減少によるものです。

 

(固定負債)140百万円増加

社債140百万円増加、固定負債その他25百万円増加、及び長期借入金42百万円減少によるものです。

 

(純資産)962百万円増加

親会社株主に帰属する当期純利益計上を主因とした利益剰余金541百万円増加、営業投資有価証券及び投資有価証券の含み益増加に伴うその他有価証券評価差額金508百万円増加、並びに自己株式の取得による79百万円減少によるものです。

 

 

(3)キャッシュ・フロー

(単位  百万円)

項            目

前連結会計年度

当連結会計年度

営業活動によるキャッシュ・フロー

276

425

投資活動によるキャッシュ・フロー

△70

△78

財務活動によるキャッシュ・フロー

△72

115

現金及び現金同等物の増加額(△減少額)

131

464

現金及び現金同等物の期首残高

2,261

2,392

現金及び現金同等物の期末残高

2,392

2,857

 

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ464百万円(19.4%)増加し、2,857百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は425百万円(前連結会計年度比53.7%増)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益872百万円、たな卸資産の減少額66百万円であり、支出の主な内訳は、営業投資有価証券の増加額337百万円及び売上債権の増加額298百万円であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は78百万円(前連結会計年度比11.0%増)となりました。収入の主な内訳は、投資有価証券の売却による収入5百万円であり、支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出52百万円、無形固定資産の取得による支出20百万円、及び投資有価証券の取得による支出10百万円であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は115百万円(前連結会計年度比188百万円増)となりました。収入の主な内訳は、短期借入金の純増額320百万円及び社債の発行による収入292百万円であり、支出の主な内訳は、社債の償還による支出330百万円及び長期借入金の返済による支出118百万円であります。

 

(資本の財源及び資金の流動性に関する情報)

当社グループの運転資金及び投資資金については、まず営業活動によるキャッシュ・フローで獲得した資金を充当することを基本としておりますが、資金需要及び金利動向等の調達環境並びに既存の有利子負債の返済及び償還時期等を考慮の上、銀行等金融機関からの借入、債券や株式の発行による資本市場からの資金調達など外部資金調達を実施する場合があります。当社は、複数の内外金融機関との間で幅広く良好な関係を築くと共に、安定的な業績と良好な財務体質による信用力維持・向上に努めております。

また、新型コロナウイルス感染症の影響等、主に不測の事態に備えた資金の流動性を確保する手段として、取引金融機関との間で相対型コミットメントライン契約を締結していると共に、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた予備的資金繰り対策として、金融機関からの借入及び社債発行により、平時に比べて手許現預金残高の水準を一定程度高めております。

 

(重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定)

繰延税金資産の回収可能性について

後記  第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表][注記事項](重要な会計上の見積り)及び2[財務諸表等](1)[財務諸表][注記事項](重要な会計上の見積り)において、記載しております。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。