当社グループは、情報産業をはじめとする市場の成長に積極的に寄与することで、社会に貢献しながら自らも成長していくことを目標とする企業集団であります。また、対象市場を活性化し、新しいプレーヤーの参加を喚起するため、事業者のインキュベーションを積極的に行います。対象市場全体に亘って事業基盤を構築することで、個別事業のリスクを減少しつつ全体の成長効率を向上するという経営方針のもと、常に最適な事業会社群の構成を目指してグループ形成に取り組みます。
当社グループは、成長性及び収益性の向上を最優先課題としております。目標とする経営指標は、売上高経常利益率5%を継続的に確保することを当面の目標としております。
市場全体をターゲットとする当社グループでは、既存の概念にとらわれず広い視点で収益チャンスを捉え、既存事業の成長に加え、新規事業を積極的に展開していくと共に、必要に応じて企業への戦略的投資や育成、M&Aに関しても積極的に活用し、事業を拡大していくことにより、グループの全体価値の向上を図ります。
当社グループがこれまで重点的に取り組んでまいりました情報産業市場(IT市場)は、社会における中長期的なデジタルトランスフォーメーションの動きを背景に成長を続け、足許においても新型コロナウイルス感染症拡大によりその動きが一気に加速されたことなどにより、当社グループもここ数期間にわたり比較的順調に業績を伸ばすことができました。今後の経営環境につきましては、変異型を含む新型コロナウイルス感染症動向、ロシアのウクライナ侵攻に伴う世界経済の大幅な変調などにより景況感が逐一変化していくものと思われ、不透明な状況が当分続くと思われますが、社会におけるデジタルトランスフォーメーションは今後も継続し、情報産業市場(IT市場)も一定程度の成長を続けていくものと認識しております。
セグメント別の経営環境に対する認識と対応は、以下のとおりです。
① 出版事業
2021年の出版市場(紙+電子出版の合計。推定販売金額)の規模は1兆6,742億円、前年比3.6%増と3年連続のプラス成長となり、電子出版が同18.6%増と引き続き拡大、紙の書籍も同2.1%増と15年ぶりに増加に転じました(公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所2022年1月公表)。
このようなマーケット認識を背景に当社グループは、最新のITテクノロジーやITエデュケーション、デジタルビジネスやデジタルライフなど、将来にわたって需要が予想されるコンテンツの制作、提供に特化しており、また、媒体も電子書籍やWebメディアなどのオンライン媒体において強いコンピタンスを有しております。
今後共、デジタルトランスフォーメーションの潮流と親和性のある上記コンテンツ提供の継続や、コロナ禍でインフラとして根付きつつある業務のオンライン化の加速などによって、当社グループの競争力維持・向上が可能であると考えております。
② コーポレートサービス事業
2021年の日本の総広告費は、通年で6兆7,998億円(前年比110.4%)とプラス成長となりました。上半期は前年同様に新型コロナのマイナス影響を受けたものの、下半期にはコロナ禍からの回復に伴う景況感や消費者心理の改善でテレビメディア広告費が回復し、インターネット広告費の成長加速が広告市場の成長に繋がりました。インターネット広告費は、2兆7,052億円(前年比121.4%)で、マスコミ四媒体(新聞、雑誌、ラジオ、テレビ)広告費(2兆4,538億円(前年比108.9%))を初めて上回りました(㈱電通広報局広報部2022年2月公表)。
このような背景から、当社グループとしては、業種にこだわらず広く活用の進むオンライン広告やWebマーケティングなど多様なデジタルマーケティングのサポートをクライアントに提供することにより業容拡大の機会があると考えております。
コロナ禍やロシアによるウクライナ侵攻に伴う原材料費高騰、景況感悪化などを通じて、クライアントの広告宣伝費削減やイベント縮小、対面営業活動の制限などが、引き続き業績に一定のマイナス影響を及ぼす可能性があると認識しておりますが、コロナ禍収束後やロシア・ウクライナ停戦後は、一層のオンライン化、デジタル化に関連したサービス提案を行うことに業容拡大の機会があると考えております。
③ ソフトウェア・ネットワーク事業
2020年の国内のモバイルコンテンツ市場は2兆6,295億円、(対前年比112%)(一般社団法人モバイル・コンテンツ・フォーラム2021年7月公表)と引き続き成長を続けており、コンテンツも多様化を続けております。当社グループとしてはコンテンツの提供からコンテンツ制作や運営サービスなど多層にわたる事業展開により、競争の厳しいコンテンツ市場において安定した成長を目指しています。
また、新型コロナウイルス感染症拡大による社会不安などで需要が拡大し、2026年には1,657億円規模(恋活マッチングサービスを含む。2021年比約2.2倍。㈱タップル2021年1月公表)と予測されているオンライン婚活サービス市場にも事業を展開するなど、事業の多様化による成長機会の拡大にも取り組んでおります。
コロナ禍収束後においても、社会ニーズにマッチしたデジタルコンテンツの開発・提供により、ビジネスチャンスの拡大の可能性が引き続きあると考えております。
④ 教育・人材事業
当社グループが手掛けるIT人材向け研修を含む企業向け研修サービス市場は、2021年度ではオンラインを活用した研修などコロナ禍に対応した研修サービスへの移行が加速し、前年度比8.9%増の5,250億円と大幅なプラス成長が予測されております((株)矢野経済研究所2021年9月公表)。
また、医療関連人材紹介を含む業種・職種別人材ビジネス市場規模(5市場計)は、2021年度では依然としてコロナ禍が継続しているものの、コロナ禍での事業活動や働き方が確立・定着したことで、各人材サービス、特に医療人材サービスの需要は回復を見せており、前年度比7.0%増の3兆8,943億円と予測されております(㈱矢野経済研究所2021年11月公表)。
このような市場環境を背景に、当社グループは、引き続き、研修コンテンツの拡充や定額サービスの導入、紹介サービスの質の向上・拡充や他社との差別化、コロナ禍に即応したオンラインサービス提供などの対応によりコンピタンスを向上し、事業の成長に努めてまいります。
⑤ 投資運用事業
2021年の世界の株式市場は、コロナショックに対応した強力な金融緩和・財政政策などを背景に主要株価指数が年末にかけて軒並み過去最高を更新していたこともあり、特に当連結会計年度前半の市場環境は好調に推移致しました。2022年に入って、米国利上げやロシアのウクライナ侵攻などの要因で株式市場は大きな調整局面となりました。当社グループでは、従来より分散投資及び長期投資を行っており、年度末の急激な円安進行の影響は一定程度あったものの、総じて安定収入の確保が実現出来たものと考えております。
上記(4)記載のセグメントごとの経営環境に対する認識と対応に加え、当社グループは中長期にわたる今後の一層の成長のため、以下の4点を重点課題として取組んでまいります。
① 将来に向けた事業会社各社の成長基盤構築・整備
当社グループは持株会社構造をとっており、上記のとおり各セグメントごとに事業会社が機動的に課題への対応を行うことができる体制を整備しています。全体の成長のため、各事業会社ごとに常に成長に向けて事業構造の最適化を図るよう促しており、足許では一定の成果が見られますが一層の加速が必要と認識しております。
② 新規収益基盤の創出
当社グループ内の保有事業の陳腐化のリスクに対応するため、当社グループでは常に新規収益基盤の創出に邁進しております。現状、短期レベルでは成果がありますが、今後、中長期的視点での成果が必要と認識しております。
③ 事業会社経営人材の拡充と育成
当社グループでは事業会社収益の拡大がグループの成長につながるため、事業会社のマネジメント人材の拡充と育成が重要だと考えております。このため継続的にマネジメント人材の発掘と育成に取り組んでいきたいと考えており、現状、各事業会社において成果が見られますが、今後はミドルマネジメントレベル人材の育成にも重点的に取り組んでまいります。
④ 外的環境要因に耐性のある事業基盤整備
今般の新型コロナウイルス感染症拡大も含め、環境変化や市場の変化は従来よりその速度や変化率を上げていると考えており、常に環境の変化に対して柔軟かつ適応力のある、すなわち、環境変化に耐性のある企業集団でありたいと考えております。現状ではかなり耐性は上がってきておりますが、今後共一層の強化を図ってまいります。
当社グループの事業上のリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
①委託販売制度について
当社グループにおける出版事業においては、業界の慣行に従い、取次会社及び書店に配本した出版物(書籍等)のほとんどについては、配本後、約定期間(委託期間)内に限り、返品を受け入れることを販売条件とする委託販売制度を採用しております。当社グループにおいては、返品抑制対策として、販売予測の精査による製造・出荷部数の適正化、マーケティングデータに基づいた書店への配本調整、オンライン直販・電子書籍販売など返品のない出版物流ルート経由の書籍販売強化などを行っております。会計上も、返品されると見込まれる出版物については、変動対価に関する定めに従って、販売時に収益を認識せず、当該出版物について受け取った又は受け取る対価の額で返金負債を認識しております。また、返品の際の梱包料・運送費を負担している取次会社も、物流費高騰の現況下、返品のない物流ルート拡大に動くなど業界を挙げて返品抑制に動いておりますが、想定以上の返品の増加は売上高の減少を通じて、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
②再販売価格維持制度について
当社グループにおける出版事業において発行・販売する出版物については、「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」(以下、独占禁止法という)第24条の2の規定により、再販売価格維持制度(以下「再販制度」という)が認められる特定品目に該当適用しております。独占禁止法は、再販制度を不公正な取引方法として原則禁止しておりますが、公正取引委員会の指定する書籍・雑誌等の著作物の小売価格については、例外的に再販制度が認められております。なお、当社グループにおいては、取次会社との取引価格の決定は、定価に対する掛け率によっております。公正取引委員会が2001年3月23日に発表した「著作物再販制度の取扱いについて」によると、当面の間、再販売制度は維持・存続される見通しですが、一方で再販制度を維持しながらも、消費者利益のため現行制度の弾力的運用を業界に求めていく方針を発表しております。また、業界動向としても、ネット販売増加、電子書籍増加などで同制度は揺らぎつつある現況にあります。当社グループとしては、このような現況を踏まえ、また、多様化する顧客ニーズへ対応するため、オンライン直販・電子書籍販売などを強化しておりますが、同制度の弾力的運用又は廃止は出版競争の激化、売上高の減少等を通じ、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③出版事業環境について
2021年の市場(紙+電子出版の合計。推定販売金額)規模は1兆6,742億円、前年比3.6%増となり、3年連続のプラス成長となりました。内訳として、紙の出版が前年比2.1%増、電子出版が同18.6%増となり、出版市場全体における電子出版の占有率は27.8%、前年比3.5ポイント上昇し、3割に迫っております(公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所2022年1月公表。)。背景には、新型コロナウイルス感染症拡大による巣ごもり需要の増加やデジタルトランスフォーメーション加速化などの要因があるものと思われます。当社グループにおいては、最新のITテクノロジーを中核にエデュケーション、パーソナルコンピューティング&デザイン及びビジネス&カルチャーの4つの分野において読者ニーズに最適なコンテンツを、綿密な刊行計画を基に、ペーパーメディア、電子書籍及びセミナー等様々なメディアで提供しておりますが、コンテンツによっては編集者・著者の意図と読者ニーズが乖離したり、人気の高い分野での他社との競争激化を通じて売上が減少したり、コロナ禍収束による巣ごもり需要の減少を通じて、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④Webサービス事業環境について
当社グループにおいては、オンラインゲーム・モバイルゲームアプリ開発・運営、Web上のマッチングサービス提供、Webサイトの構築等、自社運営又は顧客からの業務受託の形で様々なWebサービス事業を展開しております。従来中核事業であったオンラインゲーム・モバイルゲーム業界は、2020年度のスマホゲーム国内市場規模は前年度比109%の1兆5,265億円と拡大を続けているものの(一般社団法人モバイル・コンテンツ・フォーラム2021年7月公表)、ヒットタイトルが年々出現しにくくなる中で開発期間の長期化に伴うコスト増大といった課題もあり、有力なコンテンツを有するゲームメーカーの市場寡占化、成熟化が進んでおります。当社グループにおいては、このような背景の基に、提供するWebサービスの多角化・独創性の促進・強化に努めておりますが、Webサービス分野は、今後も多くの新規事業者参入が予想され、厳しい競争におかれるものと思われます。これら競合他社との競合において、サービス内容がユーザーニーズに対応できず、利用者増加が見込めない場合、又は利用者が減少した場合は、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤法的規制等について
出版事業における「再販制度」以外の当社グループの事業を推進するうえで影響のある法律として、「不当景品類及び不当表示防止法」、「個人情報の保護に関する法律」、「資金決済に関する法律」、「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律」、「職業安定法」、「特定商取引に関する法律」等様々な法律・条例等があり、当社グループにおいてはコンプライアンス経営の確立に努め、契約書のリーガルチェック、全社員向け研修等を通じて法的規制を遵守する体制を強化しております。今後において、当社グループの事業を規制する法令等の制定・改定があった場合は、当該規制対応のため、サービス内容変更、契約書内容見直し又は設備投資等に伴うコスト増加を通じて、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥組織再編等について
当社グループは、当社を純粋持株会社とする分社経営体制を採用しております。今後共、機動的な組織再編、M&Aの活用等により企業グループ総体の価値向上に努めていく方針ですが、組織再編等の進捗状況によっては追加コストが発生し当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦投融資に係るリスクについて
当社グループは、連結子会社への投融資の他、日本国内外のIT技術関連ベンチャー企業・大手金融機関・一般事業法人等に対して投資を実施しております。これらの投資に際しては、投資先のリスク要因、経営計画及び市場動向等を慎重に検討した上で実施しておりますが、諸要因により必ずしも投資先が当初期待した通りの業績をあげることは保証されておりません。その場合、投資先の評価の見直しによる損失や投資回収遅延、又は、急激な市場動向の変動等により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧個人情報管理について
当社グループは、各種事業展開及び顧客サービス提供のため、多くの個人情報をお預かりしています。そのため当社グループ各社は、個人情報漏洩防止のための社員教育や内部監査の徹底、関連規程の整備等により個人情報管理体制を一層強化しておりますが、万が一個人情報が流出し損害賠償責任を問われた場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑨市場環境の変化や他社との競争について
当社グループが運営する事業においては、ユーザーの志向の変化、マクロ経済情勢の変化、技術の進歩や革新による新たな競争相手の出現又は同業他社との価格競争等により、利益を確保し難い状況になる可能性があります。
⑩人材確保に係るリスクについて
当社グループが運営する事業においては、総じて、企画力、編集力、マネジメント能力並びにプログラミング技術等の高い専門性及び経験が要求されることから、事業の成長にはそのような要求水準に合う優秀な人材の確保が不可欠であり、当社グループでは継続的に人材育成と確保に注力しておりますが、必要な人材確保ができない場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑪情報セキュリティについて
当社グループが運営する事業においては、情報システムが極めて重要な役割をもっております。当社グループでは、情報システムの安定稼動を業務運営上の重要課題と認識してセキュリティ対策等必要な対策を講じておりますが、当社グループ本社・事業所・書籍倉庫が集中している首都圏を震源とする地震等の大規模広域災害、火災等の地域災害、コンピュータウィルス、電力供給の停止及び通信事業者に起因するサービスの中断・停止等により、情報システムが機能しなくなる可能性が皆無ではなく、その場合には当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑫資金調達について
当社グループは、銀行借入や資本市場からの資金調達をおこなっておりますが、資金需給、金利動向等金融市場環境の影響を受けるため、これらの環境の変化が、当社グループの資金調達に影響を及ぼす可能性があります。
⑬知的財産権について
当社グループでは、自らの知的財産権を確保し、第三者の知的財産権を侵害しないよう努めておりますが、万が一、当社グループが知的財産権に関し第三者から訴訟を提起され、又は自らの知的財産権を保全するために訴訟を提起せざるを得なくなった場合には、時間・費用等多額の経営資源が費やされたり、訴訟結果によっては、多額の損害賠償責任を負ったりする可能性があります。
⑭新型コロナウイルス感染症の影響について
当社グループは、疫病が蔓延した場合であっても、各社・各部の事業継続計画に基づき、時差出勤や在宅勤務、流動性預金の確保、及びWeb配信等により柔軟に事業を継続できる体制整備に努めておりますが、商談機会の減少による新規取引案件の減少、顧客の広告宣伝費・研修費用等の削減による広告収入や研修事業収入の減少、書籍の主要販売網である書店の一時休業、及び従業員の感染が判明した場合の一時的なオフィス閉鎖、事業継続が困難となった得意先向け売掛債権の回収不能等が生じるおそれがあり、これらが当社グループの業績、財政状態及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。
⑮特定取引先への依存度について
当社グループは、大手取次等の取引先3社によって連結売上高の32%が占められております。当社グループにおきましては、出版物流ルートの多様化、事業ポートフォリオの多角化など多面的な事業展開を図ることで、当該リスクへの対応を図っております。しかしながら、当該取引先の経営方針に大きな変更などがあった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染再拡大や緊急事態宣言の影響で停滞が長く続きましたが、2021年9月末の緊急事態宣言の解除を受けて回復基調となりました。その後、足許では「オミクロン株」感染再拡大懸念、ロシアのウクライナへの軍事侵攻による資源高騰及び日米金融政策の違いなどに起因した急激な円安などの要因により、再び景気の下振れ懸念が強まりました。
このような環境の中、当社グループにおいては、①将来に向けた事業会社各社の成長基盤構築・整備、②新規収益基盤の創出、③事業会社経営人材の拡充と育成、及び④外的環境要因に耐性のある事業基盤整備の4点を期初に重点課題として掲げてこれらの課題に積極的に取り組んでまいりました。こうした取り組みの結果、当連結会計年度の連結売上高7,090百万円(前期比12.2%増)、連結営業利益1,483百万円(前期比60.4%増)、連結経常利益1,422百万円(前期比57.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益907百万円(前期比58.4%増)となりました。当社グループでは、経営の効率化と利益体質の向上を目指し、中期的にグループ構造の最適化に取り組んでおり、当連結会計年度においても当面の経営指標上の目標である売上高経常利益率5%水準を5期連続でクリアする結果となりました。
セグメント別の経営成績は以下の通りであり、全セグメントが増収増益となりました。
出版事業におきましては、新・既刊書籍販売、Webメディア、イベント及び電子書籍販売など主要各事業売上が期を通じて好調だったことから、売上高4,472百万円(前期比9.6%増)、セグメント利益(営業利益)1,326百万円(前期比36.0%増)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は130百万円減少し、セグメント利益(営業利益)は2百万円減少しております。
コーポレートサービス事業におきましては、主要顧客に加え下半期からは新規顧客からの売上も増加したことに加え、コスト削減や経営人材育成の効果などから業績回復基調が一段と鮮明になり、売上高854百万円(前期比25.4%増)、セグメント利益(営業利益)87百万円(前期比11.3倍)となりました。
ソフトウェア・ネットワーク事業におきましては、ゲーム・アプリ受託開発事業、ゲームコンテンツ売上及びソリューション事業などの主要事業が期を通じて安定的に好調さを維持したことを主因に、売上高822百万円(前期比10.7%増)、セグメント利益(営業利益)98百万円(前期比134.4%増)となりました。
教育・人材事業におきましては、オンライン研修を中心としたIT人材研修事業及び医療関連人材紹介事業共に期を通じて総じて好調に推移した結果、売上高776百万円(前期比14.3%増)、セグメント利益(営業利益)196百万円(前期比82.8%増)となりました。
投資運用事業におきましては、有価証券投資運用額増加や保有株式の増復配などにより配当金収入が増加し、売上高164百万円(前期比25.1%増)、セグメント利益(営業利益)123百万円(前期比59.6%増)となりました。
生産、受注、仕入及び販売の実績は、次の通りです。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、販売価格によっております。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
(注) 1 コーポレートサービス事業の全部及びソフトウェア開発事業の一部について受注生産を行っております。
2 セグメント間取引については、相殺消去しております。
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は仕入価格によっております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
当連結会計年度末は、前連結会計年度末に比べて総資産が1,192百万円増加、負債が283百万円増加いたしました。純資産につきましては、利益剰余金850百万円増加、その他有価証券評価差額金187百万円増加、及び自己株式の取得による128百万円減少の結果、6,434百万円になりました。純資産から新株予約権及び非支配株主持分を引いた自己資本は6,434百万円となり、自己資本比率は56.8%と前連結会計年度末54.6%と比べて2.2%増加いたしました。
主な増減は以下の通りです。
(流動資産)1,287百万円増加
営業投資有価証券844百万円増加、現金及び預金248百万円増加によるものです。
(固定資産)94百万円減少
敷金及び保証金33百万円減少、繰延税金資産30百万円減少、並びに建物及び構築物(純額)29百万円減少によるものです。
(流動負債)500百万円増加
流動負債その他342百万円増加、短期借入金221百万円増加、及び返品調整引当金99百万円減少によるものです。
(固定負債)217百万円減少
役員退職慰労引当金47百万円増加、長期借入金158百万円減少、及び社債130百万円減少によるものです。
(純資産)909百万円増加
親会社株主に帰属する当期純利益計上を主因とした利益剰余金850百万円増加、営業投資有価証券及び投資有価証券の含み益増加に伴うその他有価証券評価差額金187百万円増加、並びに自己株式の取得による128百万円減少によるものです。
(単位 百万円)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ248百万円(8.7%)増加し、3,106百万円となりました。
営業活動の結果得られた資金は609百万円(前連結会計年度比43.3%増)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益1,389百万円、減価償却費61百万円であり、支出の主な内訳は、営業投資有価証券の増加額536百万円及び法人税等の支払額467百万円であります。
投資活動の結果使用した資金は53百万円(前連結会計年度比32.4%減)となりました。収入の主な内訳は、敷金及び保証金の回収による収入9百万円、及び有形固定資産の売却による収入7百万円であり、支出の主な内訳は、無形固定資産の取得による支出30百万円、及び連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による支出17百万円であります。
財務活動の結果使用した資金は311百万円(前連結会計年度比427百万円増)となりました。収入の主な内訳は、短期借入金の純増額145百万円であり、支出の主な内訳は、社債の償還による支出140百万円、自己株式の取得による支出136百万円、及び長期借入金の返済による支出133百万円であります。
当社グループの運転資金及び投資資金については、まず営業活動によるキャッシュ・フローで獲得した資金を充当することを基本としておりますが、資金需要及び金利動向等の調達環境並びに既存の有利子負債の返済及び償還時期等を考慮の上、銀行等金融機関からの借入、債券や株式の発行による資本市場からの資金調達など外部資金調達を実施する場合があります。当社は、複数の内外金融機関との間で幅広く良好な関係を築くと共に、安定的な業績と良好な財務体質による信用力維持・向上に努めております。
繰延税金資産の回収可能性について
後記 第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表][注記事項](重要な会計上の見積り)及び2[財務諸表等](1)[財務諸表][注記事項](重要な会計上の見積り)において、記載しております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。