第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当事業年度におけるわが国経済は、政府の経済対策により当初は企業業績や雇用が堅調でした。しかし、景気減速により、当社に関係するお客様の環境は、実質賃金の伸び悩みや株価急落で消費者の節約志向が強まり、消費の長期停滞への不安が見られました。

印刷業界におきましては、市場の縮小が進み、環境は厳しさを増しております。また、企業間競争による受注単価の下落は継続しており、大量配布を目的とした印刷物の意義の見直しを行い、マーケティングを重視したビジネスへの転換が必要であると考えております。広告業界におきましては、景気が足踏み状態の中、総広告費がわずかながら前年実績を上回りました。当社の主力である折込広告につきましては、新聞購読部数の減少に加えて、用紙サイズ縮小に伴い微減となりました。

このような環境の中、当社と致しましては、従来の業務そのものを見直す必要があり、価格だけではなく健康・安心・安全など様々な価値を求められ、販促という領域で案件ごとの最適な販売促進を企画し、生産拡大を図ってまいりました。

受注面におきましては、販促市場全般で自社工場内製化によるマーケティング・企画・生産・加工・仕分け・梱包・配送への事業領域を広げ、トータルでお客様からダイレクトに受注することを目指してまいりました。これにより、製品ごとの増減はありましたが、前年並みに推移しており、コスト面におきましては、印刷・加工・梱包・仕分けの内製化推進、自社にあわせた受注別単品管理による生産管理体制の変革により、売上原価率を下げることに注力致しました。

以上の結果から、当事業年度の業績は、売上高は87億52百万円(前期比0.9%増)、営業利益は3億86百万円(前期比257.1%増)、経常利益は4億12百万円(前期比218.3%増)、当期純利益は3億30百万円(前期比1.5%減)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は13億34百万円となり、前事業年度末に比べ1億34百万円増加いたしました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、3億74百万円の収入(前年同期は3億20百万円の収入)となりました。これは主に、税引前当期純利益が4億21百万円、売上債権の増減額が△1億93百万円、減価償却費76百万円、賞与引当金の増減額が22百万円、たな卸資産の増減額が40百万円、退職給付引当金の増減額が11百万円、仕入債務の増減額が△7百万円、投資有価証券売却益が4百万円あったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果得られた資金は、32百万円(前年同期は2億26百万円の収入)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入が58百万円、有形及び無形固定資産の取得による支出が20百万円、投資有価証券の取得による支出が4百万円あったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、2億71百万円(前年同期は1億90百万円の使用)となりました。これは主に短期借入金の増減額が△1億12百万円、社債の償還による支出が1億30百万円、配当金の支払額が29百万円あったことによるものであります。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

当社は販売促進関連事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載はしておりません。

(1) 生産実績

当事業年度における生産実績をセグメント別に示すと次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当事業年度

(自  平成27年4月1日

至  平成28年3月31日)

生産高(千円)

前年同期比(%)

販売促進関連事業

8,677,350

+0.4

合計

8,677,350

+0.4

 

(注) 1  金額は、販売価格で表示したものであります。

2  金額には、消費税等は含まれておりません。

3  上記の内には外注生産によるものを含んでおります。

4  当社の主要原材料である用紙(外注加工費に含まれる用紙代も含む)は、(当事業年度)総製造費用の33.1%を構成し、また、市況品として当社実績に対して価格変動の影響を与えております。

主要原材料の状況及び価格の推移は以下のとおりであります。

(a) 主要原材料の状況(主要原材料の入手高、使用高及び在庫高)

 

品名

前事業年度

(自  平成26年4月1日

 至  平成27年3月31日)

当事業年度

(自  平成27年4月1日

 至  平成28年3月31日)

入手高
(千円)

使用高
(千円)

在庫高
(千円)

入手高
(千円)

使用高
(千円)

在庫高
(千円)

用紙

2,289,983

2,324,495

73,045

2,285,715

2,304,723

54,037

 

(注) 1  数量表示は単位が多岐にわたるため、記載を省略しております。

     2  用紙使用高には、外注先への材料有償支給が含まれております。

     3  金額には、消費税等は含まれておりません。

       (b) 主要原材料の価格の推移

 

品名

単位

前事業年度

(自  平成26年4月1日

 至  平成27年3月31日)

当事業年度

(自  平成27年4月1日

 至  平成28年3月31日)

金額(円)

金額(円)

平成26年
6月

平成26年
9月

平成26年
12月

平成27年
3月

平成27年
6月

平成27年
9月

平成27年
12月

平成28年
3月

用紙

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  上質紙

132

132

131

131

132

132

131

128

  中質紙

113

113

113

113

112

112

112

112

  軽量コート紙

108

108

107

107

108

107

106

103

 

(注)  価格は市況価格によっており、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 受注実績

当事業年度における受注状況をセグメント別に示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自  平成27年4月1日

 至  平成28年3月31日)

当事業年度
(平成28年3月31日現在)

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

販売促進関連事業

8,584,419

+0.4

667,718

△20.1

合計

8,584,419

+0.4

667,718

△20.1

 

(注) 1  金額は、販売価格で表示したものであります。

2  金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

当事業年度における販売実績をセグメント別に示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自  平成27年4月1日

至  平成28年3月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

販売促進関連事業

8,752,329

+0.9

合計

8,752,329

+0.9

 

(注) 1  金額には、消費税等は含まれておりません。

2  主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前事業年度

(自  平成26年4月1日

至  平成27年3月31日)

当事業年度

(自  平成27年4月1日

至  平成28年3月31日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

㈱ヤマダ電機

2,039,533

23.5

2,011,260

23.0

㈱イエローハット

920,209

10.6

966,830

11.0

 

 

3 【対処すべき課題】

当社が関連いたします広告業界は、景気が足踏み状態の中微増となりましたが、印刷業界は、依然厳しい経営状態が続いております。

当社は、販売促進全体をサポートし、情報媒体の様々な伝達手段を状況に応じて素早く的確に対応した体制を推進してまいりました。

営業活動におきましては、新規顧客開拓、既存領域の受注拡大、新規サービスの提案、ワンストップサービス等いくつかの有効な施策を実施しております。

生産面については、不採算事業の改善や部門別管理による数値分析を進め、製造コストの効率化を目指してまいります。

情報システムについては、戦略にあった原価管理システムを計画的、効率的に立案し、管理職には階層別教育の強化と職責基準にあった知識と行動の徹底を推進したいと考えております。

 

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末において当社が判断したものであります。

 

(1) 特定の製品への依存度が高いことについて

当社は、企画・デザインから印刷までの一貫工程を有した総合印刷会社でありますが、折込広告(チラシ)の製造販売を主たる事業としております。当社の販売先は大型量販店、スーパー、小売専門店等の小売業界が多いことから、当該業界の広告宣伝費が削減された場合は当社の売上高を減少させる要因となり、当社の経営成績および財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

(2) 特定取引先への依存度が高いことについて

当社は、広告主である販売先と共に成長してきた企業であります。

特定の販売先の成長に伴い、当社の売上に占める割合が高まりました。

これらの販売先の取引方針によって、当社の売上高を減少させる要因となり、当社の経営成績および財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

(3) 印刷業界における競合について

当社は折込広告の専門会社として、広告主の取扱商品に精通するほか、取扱商品コード、品名、写真等のデータを蓄積することにより、納期の短縮を図っております。このデータの蓄積は、継続的な取引により達成されるものであり、既存の顧客との取引において同業他社に対し当社に優位性があるものと考えております。しかし、印刷業界における折込広告への参入障壁は低く、企業間競争による販売価格の低迷は続いております。さらに競争が激化した場合には受注価格を低下させる要因となり、当社の経営成績および財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

(4) 用紙価格の変動と供給について

当社の主要原材料である用紙につきましては、国内および海外の製紙会社から複数の用紙代理店を通し購入し、安定的な供給と最適な価格の維持に注力しております。しかしながら、原油価格の高騰や世界的な需給バランスが崩れた場合などに用紙価格が高騰し、調達がきわめて困難になった場合には、当社の経営成績および財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

(5) 情報システムとセキュリティについて

デジタル化の進展により各種の印刷物がデジタルデータとして取り扱われるようになり、当社は得意先の依頼によりこれらのデータの制作・保管・維持・管理を行っております。情報セキュリティ管理体制の整備に努めておりますが、万一得意先のデータを漏洩もしくは誤用した場合は、得意先の信頼を失うとともに、社会的信用の失墜にもつながり、当社の経営成績および財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

 当事業年度において、経営上の重要な契約等の決定又は締結はありません。

 

6 【研究開発活動】

特記すべき事項はありません。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計方針に基づき作成されております。当社で採用する重要な会計方針については、「第5  経理の状況  財務諸表等  財務諸表作成のための基本となる重要な事項」をご参照ください。

 

(2)  財政状態の分析

(流動資産)

当事業年度末における流動資産の残高は、31億45百万円(前事業年度末は29億18百万円)となり、2億26百万円増加いたしました。その主な要因といたしましては、前事業年度末と比べ売掛金が1億45百万円、現金及び預金が1億33百万円、電子記録債権が30百万円、受取手形が18百万円増加したものの、未収入金が53百万円、繰延税金資産が21百万円、原材料及び貯蔵品が18百万円減少したことによるものであります。

(固定資産)

当事業年度末における固定資産の残高は、19億15百万円(前事業年度末は20億45百万円)となり、1億30百万円減少いたしました。その主な要因といたしましては、前事業年度末と比べ投資有価証券が70百万円、有形固定資産が42百万円、無形固定資産が16百万円減少したことによるものであります。

(流動負債)

当事業年度末における流動負債の残高は、20億28百万円(前事業年度末は21億40百万円)となり、1億11百万円減少いたしました。その主な要因といたしましては、前事業年度末と比べ未払法人税等が96百万円増加したものの、短期借入金が1億12百万円、一年内返済予定社債が60百万円、未払消費税等が40百万円減少したことによるものであります。

(固定負債)

当事業年度末における固定負債の残高は、8億89百万円(前事業年度末は9億73百万円)となり、83百万円減少いたしました。その主な要因といたしましては、前期と比べ退職給付引当金が11百万円増加したものの、社債が70百万円、繰延税金負債が16百万円減少したことによるものであります。

(純資産)

当事業年度末における純資産の残高は、21億42百万円(前事業年度末は18億50百万円)となり、2億91百万円増加いたしました。その主な要因といたしましては、前期と比べ利益剰余金が3億円増加したものの、その他有価証券評価差額金が12百万円減少したことによるものであります。

 

 

(3)  キャッシュ・フローの分析

第2  事業の状況  1  業績等の概要  (2) キャッシュ・フローの状況の項目をご参照ください。

(キャッシュ・フローの指標)

<財務諸表ベース>

回次

第57期

第58期

第59期

第60期

第61期

決算年月

平成24年3月

平成25年3月

平成26年3月

平成27年3月

平成28年3月

自己資本比率(%)

21.7

28.6

31.4

37.3

42.3

時価ベースの自己資本比率(%)

31.6

21.6

27.4

26.3

17.8

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

4.5

4.6

2.6

2.3

1.3

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

10.8

11.1

19.0

25.1

39.5

 

 

自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%):有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

1.

株式時価総額は自己株式を除く期末発行済株式数をベースに計算しております。

2.

営業キャッシュ・フローは、キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、 利払いにつきましては、キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

※第58期以前については、連結ベースの財務数値により計算し、第59期以降については個別ベースの財務数値により計算しております。

 

 

 

 

(4)  経営成績の分析

第2  事業の状況  1  業績等の概要  (1) 業績の項目をご参照ください。

 

(5) 経営者の問題意識と今後の方針について

 当社は、経営方針として、「企業理念」、「行動規範」、「行動信条」を掲げ、事業活動を行っております。

 企業理念といたしまして、「販売促進活動を通じて情報化社会に寄与し、従業員・取引先・債権者・株主および地域社会に貢献する。」を掲げ、常に謙虚で、尊敬と感謝の心を持ち、企業の一員であることを念頭においた行動に努めます。

 また、当社の目標とする経営指標は、全ての経営指標において前事業年度よりも成長することを基本としております。

 その実現のために、当社は、お客様の販売促進部門に密着することにより、広告効果の増大を図りながら機動的に得意先の利便性に貢献する企画提案型営業に努め、お客様の宣伝活動の担い手として、また良きパートナーとしてより良いサービスを心掛け、業容拡大を図ることを基本方針に掲げております。

 営業部門におきましては、折込広告のみならず、全ての販売促進物の受注割合を高め、売上品目の平準化を目指してまいります。

 各製造部門におきましては、お客様への出稿、校正時に合理的な制作方法の提案を行うことで、入稿から出荷までの全作業工程における効率向上に向けた工夫を図ってまいります。

 また、各部門長が作業員の日報や作業管理表などの数値による分析を行い、他部署との連携、協力により生産性の向上を追求するとともに、作業員のレベル向上となる教育を行うことで作業時間の短縮を目指し、コスト削減や受注に見合ったコストの実現に努めてまいります。

 全従業者はコンプライアンスの重要性を理解する必要があり、社員教育としてコンプライアンス研修を定期的に行っております。また、重要財産の保管状況の定期的な確認や管理体制を強化運用し、情報セキュリティーマネージメントを実行するため、ISO27001(ISMS)や個人情報保護法に基づくプライバシーマークなどの外部認証の資格を取得し、運用しております。

 役員の構成及び役割の分担については、再検討を行い、それぞれが担当する職務に専念できる環境を確保します。