第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 会社の経営の基本方針

当社は、企業理念といたしまして、「販売促進活動を通じて情報化社会に寄与し、株主・取引先・債権者・従業員および地域社会に貢献する。」を掲げ、行動指針として、常に謙虚で、尊敬と感謝の心を持ち、企業の一員であることを念頭においた行動に努めております。

更に、お客様の宣伝活動の担い手として、自社工場内製化の強みを活かし、販売促進物全般のマーケティング、企画、立案、デザイン、制作、印刷、加工、仕分け、梱包、配送まで、ワンストップサービスで多様な企画商品を提供してまいります。

 

(2) 目標とする経営指標

当社の目的とする経営指標は、中長期的に安定して成長することを基本としております。

特に重点を置いている経営指標は、「売上高」及び「1株当たり当期純利益」、資本の効率的運用のための「株主資本利益率(ROE)」であります。

新しい事業領域への投資、財務体質の強化、安定配当など中長期視点で資本効率の向上を図りながら安定的な株主還元を実施したいと考えております。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

当社を取り巻く広告・印刷業界の環境は、同業者間の受注競争の激化、用紙等の材料費の価格変動、クライアントの広告宣伝媒体の多様化とともに大きく変化しております。

こうした環境の中、変化に迅速に対応し将来を見据えた戦略を推進し、当社の優位性と競争力を高めることが重要な課題となっております。

そのため、企画・営業が一体となった新規開発の推進、利益下支えのための全てのコスト単価と投入の最適化、新たな付加価値を自発的に創出できる人材の育成を図ってまいります。

 

(4) 会社の対処すべき課題

当社は、創業より主力のチラシやシールを主たる事業としておりましたが、昨今はマーケット状況を鑑み印刷業界、広告業界に横断的に属する無限のマーケットである販売促進全般を成長産業と位置づけ強化してまいりました。

具体的には印刷加工業と広告業の両機能をベースに、流通業で培った、撮影から企画、生産、加工、仕分け、店別梱包配送やSNSなどデジタルマーケティングに対応した多岐のカテゴリーを扱い、流通業から消費財メーカー、外食産業、商社、サービス産業、金融業界へと顧客の領域を広げてまいりました。

また市場にあわせた健康、安心、安全、文化、娯楽の販売促進提案やIT・AIを活用した少子高齢化、人手不足などの環境に対応した提案も実行しております。

生産面においては受注・企画・制作・製造・配送までの最適なスケジュールをたて、生産性を改善し、費用対効果から検討した積極的投資を行うことで原価削減に努めてまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末において当社が判断したものであります。

 

(1) 特定の製品への依存度が高いことについて

当社は、企画・デザインから印刷までの一貫工程を有した総合印刷会社でありますが、折込広告(チラシ)の製造販売を主たる事業としております。当社の販売先は大型量販店、スーパー、小売専門店等の小売業界が多いことから、当該業界の広告宣伝費が削減された場合は当社の売上高を減少させる要因となり、当社の経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

(2) 特定取引先への依存度が高いことについて

当社は、広告主である販売先と共に成長してきた企業であります。

特定の販売先の成長に伴い、当社の売上に占める割合が高まりました。

これらの販売先の取引方針によって、当社の売上高を減少させる要因となり、当社の経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

(3) 印刷業界における競合について

当社は折込広告の専門会社として、広告主の取扱商品に精通するほか、取扱商品コード、品名、写真等のデータを蓄積することにより、納期の短縮を図っております。このデータの蓄積は、継続的な取引により達成されるものであり、既存の顧客との取引において同業他社に対し当社に優位性があるものと考えております。しかし、印刷業界における折込広告への参入障壁は低く、企業間競争による販売価格の低迷は続いております。さらに競争が激化した場合には受注価格を低下させる要因となり、当社の経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

(4) 用紙価格の変動と供給について

当社の主要原材料である用紙につきましては、国内および海外の製紙会社から複数の用紙代理店を通し購入し、安定的な供給と最適な価格の維持に注力しております。しかしながら、原油価格の高騰や世界的な需給バランスが崩れた場合などに用紙価格が高騰し、調達がきわめて困難になった場合には、当社の経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

(5) 外部生産委託について

当社は印刷関連事業において、生産サイズ、数量、納期やエリア、生産物の種類等の要因により、必要に応じて外部製造業者に生産を委託しております。

外部生産委託先に自然災害や不慮の事故が発生した場合には、納入の遅れや製品の欠品といった製造上の問題が発生する可能性があります。

 

(6) 配送運賃と納入期間の変動について

当社はクライアントのニーズに基づき配送センター、店舗への配送を行っておりますが、昨今の物流会社の状況により、運賃の高騰による原価の上昇や納期の延長による受注の減少の可能性があります。

 

(7) 情報システムとセキュリティについて

デジタル化の進展により各種の印刷物がデジタルデータとして取り扱われるようになり、当社は得意先の依頼によりこれらのデータの制作・保管・維持・管理を行っております。情報セキュリティ管理体制の整備に努めておりますが、万一得意先のデータを漏洩もしくは誤用した場合は、得意先の信頼を失うとともに、社会的信用の失墜にもつながり、当社の経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当事業年度における我が国経済は、各地で発生した地震や豪雨等の自然災害の影響を受けたものの政府の景気対策やインバウンドの伸びに支えられ穏やかな回復を続けております。しかし、各国の通商政策や海外経済の減速の影響が国内に波及しつつあり、また人手不足への対応や配送コストの上昇等により先行きの不透明感が増してきております。

このような環境の中、当社は販促市場全般に多様な企画商品を提供してまいりました。

結果、新規のクライアントが拡大すると同時に既存のクライアントにも新たなカテゴリーを追加で提供しております。製造原価及び販管費においては機械の稼働率を拡大するため、営業・企画・生産で最適な作業工程を確立し、生産性を改善するとともに各経費を最適な仕入リソースに変更を行い、原価改善を進めてまいりました。

以上の結果から、当事業年度の業績は、売上高は7796百万円(前期比4.1%増)、営業利益は2億33百万円(前期比850.9%増)、経常利益は2億68百万円(前期比402.5%増)、当期純利益は2億67百万円(前期比138.6%増)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は17億12百万円となり、前事業年度末に比べ3億11百万円増加いたしました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は3億49百万円の収入(前年同期は31百万円の収入)となりました。これは主に、税引前当期純利益が2億51百万円、仕入債務の増加額が1億45百万円、減価償却費が90百万円、減損損失が14百万円、その他が69百万円、売上債権の増加額が1億35百万円、退職給付引当金の減少額が38百万円、たな卸資産の増加額が27百万円、賞与引当金の減少額が18百万円あったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果得られた資金は1億24百万円(前年同期は19百万円の支出)となりました。これは主に、有形及び無形固定資産の売却による収入が1億70百万円、有形及び無形固定資産の取得による支出が41百万円、投資有価証券の取得による支出が5百万円あったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、1億63百万円(前年同期は1億45百万円の使用)となりました。これは主に短期借入金の純減少額が50百万円、社債の償還による支出が40百万円、配当金の支払額が73百万円あったことによるものであります。

 

 

③ 生産、受注及び販売の状況)

当社は販売促進関連事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載はしておりません。

a. 生産実績

当事業年度における生産実績をセグメント別に示すと次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当事業年度

(自  2018年4月1日

至  2019年3月31日)

生産高(千円)

前年同期比(%)

販売促進関連事業

7,747,125

4.2

合計

7,747,125

4.2

 

(注) 1  金額は、販売価格で表示したものであります。

2  金額には、消費税等は含まれておりません。

3  上記の内には外注生産によるものを含んでおります。

4  当社の主要原材料である用紙(外注加工費に含まれる用紙代も含む)は、(当事業年度)総製造費用の30.0%を構成し、また、市況品として当社実績に対して価格変動の影響を与えております。

主要原材料の状況及び価格の推移は以下のとおりであります。

(a) 主要原材料の状況(主要原材料の入手高、使用高及び在庫高)

 

品名

前事業年度

(自  2017年4月1日

 至  2018年3月31日)

当事業年度

(自  2018年4月1日

 至  2019年3月31日)

入手高
(千円)

使用高
(千円)

在庫高
(千円)

入手高
(千円)

使用高
(千円)

在庫高
(千円)

用紙

1,800,539

1,820,415

35,625

1,873,600

1,851,650

57,575

 

(注) 1  数量表示は単位が多岐にわたるため、記載を省略しております。

     2  用紙使用高には、外注先への材料有償支給が含まれております。

     3  金額には、消費税等は含まれておりません。

       (b) 主要原材料の価格の推移

 

品名

単位

前事業年度

(自  2017年4月1日

 至  2018年3月31日)

当事業年度

(自  2018年4月1日

 至  2019年3月31日)

金額(円)

金額(円)

2017年
6月

2017年
9月

2017年
12月

2018年
3月

2018年
6月

2018年
9月

2018年
12月

2019年
3月

用紙

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  上質紙

126

136

136

136

128

128

128

154

  中質紙

112

112

112

112

112

 112

112

135

  軽量コート紙

101

111

111

111

103

103

 103

124

 

(注)  価格は市況価格によっており、消費税等は含まれておりません。

 

 

b. 受注実績

当事業年度における受注状況をセグメント別に示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自  2018年4月1日

 至  2019年3月31日)

当事業年度
(2019年3月31日現在)

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

販売促進関連事業

8,158,910

7.9

1,153,641

45.9

合計

8,158,910

7.9

1,153,641

45.9

 

(注) 1  金額は、販売価格で表示したものであります。

2  金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c. 販売実績

当事業年度における販売実績をセグメント別に示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自  2018年4月1日

至  2019年3月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

販売促進関連事業

 7,796,016

4.1

合計

7,796,016

4.1

 

(注) 1  金額には、消費税等は含まれておりません。

2  主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前事業年度

(自  2017年4月1日

至  2018年3月31日)

当事業年度

(自  2018年4月1日

至  2019年3月31日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

㈱ヤマダ電機

1,182,318

15.8

1,280,477

16.4

㈱イエローハット

907,624

12.1

1,004,729

12.9

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計方針に基づき作成されております。当社で採用する重要な会計方針については、第5  経理の状況  財務諸表等  財務諸表作成のための基本となる重要な事項をご参照ください。

 

② 財政状態の分析

(流動資産)

当事業年度末における流動資産の残高は、32億33百万円(前事業年度末は28億9百万円)となり、4億23百万円増加いたしました。その主な要因といたしましては、前事業年度末と比べ未収入金が61百万円、商品及び製品13百万円減少したものの、現金及び預金が3億11百万円、売掛金が1億28百万円、原材料及び貯蔵品が25百万円増加したことによるものであります。

(固定資産)

当事業年度末における固定資産の残高は、18億1百万円(前事業年度末は20億82百万円)となり、2億80百万円減少いたしました。その主な要因といたしましては、前事業年度末と比べ繰延税金資産が1億2百万円増加したものの、有形固定資産が2億22百万円、投資有価証券が1億34百万円減少したことによるものであります。

(流動負債)

当事業年度末における流動負債の残高は、16億58百万円(前事業年度末は16億13百万円)となり、44百万円増加いたしました。その主な要因といたしましては、前事業年度末と比べ短期借入金が50百万円、1年内償還予定の社債が40百万円減少したものの、電子記録債務が90百万円、買掛金が50百万円増加したことによるものであります。

 

(固定負債)

当事業年度末における固定負債の残高は、7億13百万円(前事業年度末は7億84百万円)となり、70百万円減少いたしました。その主な要因といたしましては、前事業年度末と比べ繰延税金負債が32百万円、退職給付引当金が38百万円減少したことによるものであります。

(純資産)

当事業年度末における純資産の残高は、26億62百万円(前事業年度末は24億93百万円)となり、1億69百万円増加いたしました。その主な要因といたしましては、前事業年度末と比べ利益剰余金が1億74百万円、その他有価証券評価差額金が97百万円減少したものの、土地再評価差額金が4億40百万円増加したことによるものであります。

 

(3)  キャッシュ・フローの分析

第2  事業の状況  3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ②キャッシュ・フローの状況の項目をご参照ください。

(キャッシュ・フローの指標)

<財務諸表ベース>

回次

第60期

第61期

第62期

第63期

第64期

決算年月

2015年3月

2016年3月

2017年3月

2018年3月

2019年3月

自己資本比率(%)

37.3

42.3

46.8

50.9

 52.9

時価ベースの自己資本比率(%)

26.3

17.8

32.1

33.8

28.7

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

2.3

1.3

1.0

10.1

0.7

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

25.1

39.5

94.6

7.6

121.6

 

 

自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%):有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

1.

株式時価総額は自己株式を除く期末発行済株式数をベースに計算しております。

2.

営業キャッシュ・フローは、キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、 利払いにつきましては、キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社の主要な運転資金は、製品製造のための材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用に消費されております。また、設備投資資金は、生産設備取得等生産体制の構築及び改修、情報システムの整備等に支出されております。これらの必要資金は、利益計上、減価償却等により生み出される内部資金により賄っております。

 新たに資金需要が発生したときには、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、金融機関からの借入及び社債発行等による資金調達にて対応していくこととしております。

 

(5) 経営成績の分析

第2  事業の状況  3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ① 財政状態及び経営成績の状況の項目をご参照ください。

 

 

(6) 経営上の目標の達成状況

 

第63期

第64期

実績

実績

前期比

売上高(百万円)

7,486

7,796

4.2%

1株当たり当期純利益(円)

30.44

72.62

138.6%

株主資本利益率(ROE)

4.6%

10.4%

126.1%

 

第64期は、新規のクライアント拡大が進行すると同時に既存クライアントにも新たなカテゴリー追加で提供し、また、製造原価及び販管費においては機械の稼働率を拡大するため、営業・企画・生産で最適な作業工程を確立し、生産性を改善するとともに、各経費を最適な仕入リソースに変更を行い、原価改善を進めた結果、経営上の目標は全ての指標が前年から大きく改善しております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

当社は、2018年7月19日開催の取締役会において、固定資産の譲渡を決定し、2018年7月20日に不動産売買契約を締結いたしました。

なお、詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。

 

5 【研究開発活動】

特記すべき事項はありません。