当中間会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更はありません。
なお、重要事象等は存在しておりません。
文中の将来に関する事項は、当中間会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当中間会計期間におけるわが国の経済は、原材料や光熱費等の上昇による物価高が続き、ベースアップはあるものの実質賃金は伸び悩み、個人消費は停滞傾向にあります。
更に、米国景気の悪化や関税引き上げなどを含む保護主義の高まりに加え、中東地域の紛争や東アジアの緊張など、地政学的リスクは依然として高く、先行きが不透明な状況が続いています。
当社の主要顧客である小売業界では、値上げによる売上増が見られる一方で、仕入れ価格の高騰や人手不足に伴う賃金の上昇が経営を圧迫しており、販促活動の効率化や労働生産性の向上が求められています。
当社の事業領域である販促業界では、購買行動の多様化に伴い、パーソナライズされた広告のニーズが拡大しています。
また、印刷業界では、紙媒体の縮小や原材料高騰が経営環境を圧迫し、生産性向上とデジタル対応が急務となっています。
当社はこのような状況のもと、Vision2030「販促のあらゆる不満や不便、不足を解消し、小売の課題解決が日本一得意な会社へ」の実現に向けて、2024年に中期経営計画SPX2027(2025年3月期~2027年3月期)を策定し、現在その推進に取り組んでいます。
本計画では、当社の強みである小売への深い知見、顧客と共に進む伴走力、具体的な成果を出す実行力を基に、質と量の両面で成長を図り、企業価値を高めていくことで、持続的な成長を目指しています。
その様な背景の中、営業面では、既存顧客の一部において市場環境の影響を受け、チラシ部数や販促予算は抑制傾向が見られました。一方、前期に獲得した複数の新規大型案件は、当期も安定して受注が継続しており、既存顧客の発注減少分を補う形で増加しています。
利益面では、内製化を進め工場の稼働率を向上させた一方で、用紙価格の高騰により単価は低いものの印刷工程で高コストとなる更紙の受注が増加し、非効率な運用を強いられています。更に、賃金ベースアップや休日増加といった人事施策による人件費増の一部は吸収できず、利益を圧迫しました。また、新規顧客体制の構築に伴う業務負荷も、改善傾向の兆しが見られるものの、当期では利益を圧迫しています。こうした状況を受け、現在は価格改定の交渉や、当社独自の業務改善サービスを活用した業務プロセスの見直しを進めており、改善効果が表れ始めています。
上記の事業活動により、当中間会計期間における売上高は、48億98百万円(前中間会計期間比0.9%増)となりました。
営業利益は、コストアップを生産性改善では吸収できず粗利率が低下し、77百万円(前中間会計期間比68.3%減)となりました。経常利益は1億14百万円(前中間会計期間比59.3%減) 、中間純利益は71百万円(前中間会計期間比62.5%減)となりました。
当社では、中期経営計画「SPX2027」に掲げる『質と量の両面での成長』の実現に向け、事業領域の拡大及び新規事業の確立に向けた開発・人材投資を継続しております。
現時点では、量の成長は進展している一方で、外部環境の変化への対応により質の成長は目標に及ばず、利益への貢献が限定的であることから、“成長痛”を感じる局面となっております。
今後も、営業提案力の強化、社内業務の効率化、価格転嫁の推進を通じて、収益性の改善を図ってまいります。
(2) 財政状態の分析
(流動資産)
当中間会計期間における流動資産の残高は、37億80百万円(前事業年度末は39億81百万円)となり、前事業年度末と比べ2億1百万円減少いたしました。その主な要因といたしましては、仕掛品が20百万円、その他に含まれている立替金が15百万円増加したものの、現金及び預金が82百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が60百万円、電子記録債権が20百万円、原材料及び貯蔵品が19百万円、未収入金が58百万円減少したことによるものであります。
(固定資産)
当中間会計期間における固定資産の残高は、33億73百万円(前事業年度末は32億18百万円)となり、前事業年度末と比べ1億55百万円増加いたしました。その主な要因といたしましては、無形固定資産が13百万円、投資その他の資産のその他に含まれている繰延税金資産が81百万円減少したものの、有形固定資産が37百万円、投資有価証券が2億23百万円増加したことによるものであります。
(流動負債)
当中間会計期間における流動負債の残高は、21億21百万円(前事業年度末は23億34百万円)となり、前事業年度末と比べ2億13百万円減少いたしました。その主な要因といたしましては、リース債務が22百万円増加したものの、支払手形及び買掛金が1億45百万円、電子記録債務が13百万円、その他に含まれている未払消費税等が41百万円、未払法人税等が19百万円減少したことによるものであります。
(固定負債)
当中間会計期間における固定負債の残高は、7億86百万円(前事業年度末は7億23百万円)となり、前事業年度末と比べ63百万円増加いたしました。その主な要因といたしましては、長期借入金が20百万円、退職給付引当金が10百万円減少したものの、リース債務が78百万円、その他に含まれている繰延税金負債が15百万円増加したことによるものであります。
(純資産)
当中間会計期間における純資産の残高は、42億46百万円(前事業年度末は41億42百万円)となり、前事業年度末と比べ1億3百万円増加いたしました。その主な要因といたしましては、利益剰余金が43百万円減少したものの、その他有価証券評価差額金が1億47百万円増加したことによるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況
当中間会計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、21億73百万円となりました。
当中間会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間会計期間における営業活動におけるキャッシュ・フローは、1億16百万円の収入(前中間会計期間は3億6百万円の収入)となりました。主な増加要因は、税引前中間純利益が1億14百万円、減価償却費が1億42百万円、売上債権の減少額が76百万円、その他に含まれている流動資産の減少額が43百万円であり、主な減少要因は、仕入債務の減少額が1億59百万円、その他に含まれている流動負債の減少額が51百万円、法人税等の支払額が33百万円生じたことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間会計期間における投資活動におけるキャッシュ・フローは、54百万円の支出(前中間会計期間は4億63百万円の支出)となりました。これは主に有形及び無形固定資産の取得による支出が45百万円、投資有価証券の取得による支出が8百万円生じたことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間会計期間における財務活動におけるキャッシュ・フローは、1億45百万円の支出(前中間会計期間は1億33百万円の支出)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出が20百万円、配当金の支払額が1億14百万円、リース債務の返済による支出が10百万円生じたことによるものであります。
当中間会計期間において、重要な契約等の決定又は締結等はありません。