消費税等に係る会計処理は、税抜方式によっているため、この項に記載の売上高、生産実績、販売実績等の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度におけるわが国経済は、経済政策・金融政策等の効果による企業業績の改善を背景とし、雇用や所得環境の改善等、緩やかな回復傾向が続きました。その一方で、中国経済の下振れなどの海外景気に対する懸念より、本格的な景気回復への兆しは依然不透明な状況であります。
当社グループが位置する印刷業界におきましては、出版市場の低迷とネット広告市場の拡大といった受注環境に加え、円安による主要原材料価格の上昇や受注単価の下落傾向が続き、収益を確保することが難しい局面にあります。
このような環境の中で当社グループは、新たな事業領域と企業価値の拡大に努めてまいりました。当期は、「モノづくりからコトづくり」をテーマに味覚分析を通じた商品開発・イベント企画等の企画営業を強化し、その一環として平成27年3月には、地方自治体のPR活動や特産品開発等を担う「株式会社まち・ひと・しごと総研」を子会社として設立し、地方の生活、環境、経済活性化に取り組むべく、事業開拓を行っております。
その結果、当連結会計年度の売上高は15,683百万円(前年同期比157百万円増)と増収となりました。
利益につきましては、外注費の増加や製造原価の上昇により、営業利益は76百万円(前年同期比177百万円減)、経常利益は86百万円(前年同期比192百万円減)、当期純利益は41百万円(前年同期比141百万円減)となり、それぞれ減益となりました。
セグメント別の業績を示すと、次のとおりであります。
(商業印刷事業)
商業印刷事業におきましては、新規事業の創出へ注力したことで一部は成果が出始めてまいりましたが、昨年の消費増税特需効果の剥落によりチラシ受注が減少し、当事業の売上高は9,284百万円(前年同期比455百万円減)となりました。
利益につきましては、用紙代の値上げの影響やチラシ受注減少の影響を吸収しきれなかったことと、次の事業の柱となる地方創生に関わる業務やサイン・ディスプレイ事業等への注力により経費が増加し、営業利益は112百万円(前年同期比196百万円減)となりました。
(年賀状印刷事業)
年賀状印刷事業におきましては、日本郵政グループ向けの受注が大幅に増加したことで、名入れ年賀状は165万件(前年同期比117%増)、パック年賀状は580万パック(前年同期比117%増)と両商品とも増加し、当事業の売上高は5,779百万円(前年同期比698百万円増)となりました。一方で、当期首に取得した伊勢原第一工場の立ち上げに伴う諸経費や個人情報セキュリティ強化費用に加え、消費税増税により年賀葉書が50円から52円へ値上がりしたことによるパック年賀状の採算悪化の影響があり、営業利益は433百万円(前年同期比47百万円減)となりました。
(ふりっぱー事業)
ふりっぱー事業におきましては、札幌市より広報さっぽろの配布業務を受託する等、事業の幅を広げたものの、各受注の採算性を見直し、利益重視へと営業戦略を変更した結果、当事業の売上高は514百万円(前年同期比65百万円減)となりました。一方で、当該戦略が順調に進捗し営業損失は37百万円(前年同期の営業損失は118百万円)と赤字幅が縮小いたしました。
(その他)
その他におきましては、北海道内の2店舗のプリントハウスにて、DPE、オンデマンドプリント等の商品・サービスの提供を行ってまいりましたが、売上高は105百万円(前年同期比19百万円減)、営業損失は26百万円(前年同期の営業損失は24百万円)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて68百万円増加し、1,272百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は641百万円(前連結会計年度は401百万円の獲得)となりました。これは主に仕入債務の減少により168百万円資金が減少した一方で、減価償却費の発生が430百万円、売上債権の減少が268百万円あったこと等により資金が増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は1,169百万円(前連結会計年度は506百万円の使用)となりました。これは主に有形・無形固定資産の取得による支出1,159百万円、子会社株式の取得により支出が30百万円あったこと等により資金が減少したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は596百万円(前連結会計年度は61百万円の獲得)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出が1,205百万円、配当金の支払額が53百万円あったこと等により資金が減少した一方で、長期借入れによる収入が1,900百万円あったこと等により資金が増加したことによるものであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 生産高(千円) | 前年同期比(%) |
商業印刷事業 | 9,279,389 | 95.2 |
年賀状印刷事業 | 5,779,275 | 113.7 |
ふりっぱー事業 | 515,410 | 89.6 |
報告セグメント計 | 15,574,075 | 105.0 |
その他 | 105,414 | 84.4 |
合計 | 15,679,489 | 104.9 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、販売価格によっております。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) |
商業印刷事業 | 9,207,126 | 93.4 | 505,645 | 87.5 |
年賀状印刷事業 | 5,779,275 | 113.8 | ― | ― |
ふりっぱー事業 | 514,217 | 90.3 | 12,181 | 91.1 |
報告セグメント計 | 15,500,619 | 103.8 | 517,827 | 89.6 |
その他 | 105,692 | 84.6 | 278 | ― |
合計 | 15,606,312 | 103.6 | 518,105 | 89.7 |
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 内訳 | 販売高(千円) | 前年同期比(%) |
商業印刷事業 | 印刷売上 | 7,219,188 | 96.5 |
| 折込売上 | 2,065,366 | 91.4 |
| 合 計 | 9,284,555 | 95.3 |
年賀状印刷事業 | 印刷売上 | 5,779,275 | 113.7 |
| 折込売上 | ― | ― |
| 合 計 | 5,779,275 | 113.7 |
ふりっぱー事業 | 印刷売上 | 502,563 | 89.4 |
| 折込売上 | 11,598 | 67.3 |
| 合 計 | 514,161 | 88.7 |
報告セグメント計 |
| 15,577,992 | 101.2 |
その他 | その他売上 | 105,414 | 84.4 |
合計 | 15,683,407 | 101.0 | |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。
相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
販売高(千円) | 割合(%) | 販売高(千円) | 割合(%) | |
株式会社JP三越マーチャンダイジング | ― | ― | 2,486,143 | 15.9 |
株式会社マイプリント | ― | ― | 1,764,192 | 11.2 |
株式会社郵便局物販サービス | 2,063,177 | 13.3 | ― | ― |
3 前連結会計年度における株式会社JP三越マーチャンダイジング、株式会社マイプリントに対する販売実績は、総販売実績に対する割合が10%未満であるため記載を省略しております。
4 当連結会計年度における株式会社郵便局物販サービスに対する販売実績は、総販売実績に対する割合が10%未満であるため記載を省略しております。
当社グループを取り巻く広告・印刷業界の経営環境は厳しさを増していることから、今後一層の業績拡大と企業体質の強化を図るため、下記の3点を重点課題として取り組んでまいります。
(1) 商業印刷事業の営業基盤の拡大と利益構造の改革
取引先の広告宣伝費は抑制傾向にあり、商業印刷の受注競争は激化していることから、当社グループの総合的な機能を最大限活用し、新規営業及び既存取引先との取引深耕による営業基盤の拡大と、企画営業の強化により利益構造の改革を行ってまいります。
(2) 販売促進支援機能の強化
同業他社との差別化による競争力を高めるため、付加価値の高い企画提案の実施、印刷機能の拡充、地域新聞「ふりっぱー」・「北海道応援マガジンJP01」及び同Webサイトの機能拡充、Web・IT支援の強化、味覚分析を通じた新たな販売促進ツールの開発・提供等を通じ、取引先に対する販売促進支援機能の強化を図ってまいります。
(3)財務体質の強化
経営環境の変化、材料費等の高騰によるコスト増加並びに事業戦略に応じた投資に対応するために、徹底したコスト管理による利益率の向上、内部留保の増加による自己資本比率の向上に取り組んでまいります。
当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスク及び変動要因は以下に記載するとおりですが、当社グループは、これらのリスクの存在を十分に認識した上で、当該リスクの発生に伴う影響を極力回避するための努力を継続してまいります。
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成27年10月27日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 特定製品への依存
当社グループではチラシを中心とする商業印刷による売上高が全体の59.2%を占めております。商業印刷に係る市場規模には現在のところ大きな変動はございませんが、当該市場が著しく縮小した場合には、業績等に影響を与える可能性があります。
(2) 特定顧客業界への依存
当社グループでは大手流通・小売企業、及び日本郵政グループへの売上依存度が高いことから、これらの企業の業績が悪化し、受注が減少した場合には、業績等に影響を与える可能性があります。
(3) 材料価格の変動
当社グループでは、印刷用紙・インク等の材料を複数の企業から調達し、安定した材料の確保と最適な価格の維持に努めております。しかし、為替相場の変動や原油価格の高騰、製紙市場の需給バランスの崩れ等により材料価格が著しく高騰した場合には、業績等に影響を与える可能性があります。
(4) 取引先の信用リスク
当社グループでは通常の営業債権及び貸付債権の与信管理を徹底しておりますが、与信先企業の業績が予想以上に悪化した場合には、貸倒による損失が発生する可能性があります。
(5) 資産保有リスク
当社グループでは、不動産・有価証券等の資産を保有しておりますが、時価の変動により、業績に影響を与えるとともに、自己資本比率の低下を招くおそれがあります。
(6) 情報システムと個人情報保護
画像データの送受信や顧客情報の管理、事業活動に付随する各種情報管理のため、情報システムが重要な役割を果たしております。平成17年6月にプライバシーマークを取得し、社員教育の徹底と、情報システムの管理及び個人情報保護に万全を尽くしておりますが、万一これらに事故が発生した場合には、事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 自然災害
当社グループでは、災害による影響を最小限に留めるための対策をとっておりますが、災害による全ての影響を防止・軽減できる保証はありません。地震等の災害によりデータベースサーバや印刷工場等が重大な被害を受けた場合には、業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 事業の季節的変動
当社グループでは、上半期は年賀状印刷事業の売上が計上されること、及び商業印刷事業の年末年始商戦の折込広告の大量受注があることから、上半期と下半期の売上高・利益に著しい相違があります。
該当事項はありません。
当社では当連結会計年度における研究開発活動として、味覚センサーを活用したデータ分析をすすめ、味の測定・解析・比較を中心とした研究活動を実施しており、これらは商業印刷事業における販売促進支援活動及び取引先に対する提供情報として活用しております。
その結果、商業印刷事業において、当連結会計年度における研究開発費が1百万円となりました。
なお、年賀状印刷事業及びふりっぱー事業、その他においては特記すべき事項はありません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。この連結財務諸表作成にあたって、見積りが必要となる事項については合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。
(2) 財政状態の分析
① 資産
当連結会計年度末における流動資産は3,407百万円となり、前連結会計年度末に比べて243百万円減少しました。これは主に、現金及び預金が68百万円増加した一方で、受取手形及び売掛金が272百万円、原材料及び貯蔵品が54百万円減少したこと等によるものであります。
当連結会計年度末における固定資産は4,705百万円となり、前連結会計年度末に比べて693百万円増加しました。これは主に、伊勢原第一工場の取得等により建物及び構築物が364百万円、土地が149百万円、ソフトウェアが81百万円、投資有価証券が69百万円増加した一方で、建設仮勘定が93百万円減少したこと等によるものであります。
この結果、当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて450百万円増加し、8,112百万円となりました。
② 負債
当連結会計年度末における流動負債は2,661百万円となり、前連結会計年度末に比べて206百万円減少しました。これは主に、支払手形及び買掛金が168百万円、1年内返済予定の長期借入金が23百万円、未払法人税等が28百万円減少したこと等によるものであります。
当連結会計年度末における固定負債は3,334百万円となり、前連結会計年度末に比べて620百万円増加しました。これは主に、長期設備関係未払金が66百万円減少した一方で、長期借入金が718百万円増加したこと等によるものであります。
この結果、当連結会計年度末における総負債は、前連結会計年度末に比べて413百万円増加し、5,996百万円となりました。
③ 純資産
当連結会計年度末における純資産合計は2,116百万円となり、前連結会計年度末に比べて36百万円増加しました。これは主に、その他有価証券評価差額金が53百万円増加したこと等によるものであります。
(3) 経営成績の分析
「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1) 業績」に記載のとおりであります。
(4) キャッシュ・フローの状況の分析
「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(6) 経営環境の現状と戦略的見通し
広告・印刷業界を取り巻く環境は、印刷用紙等の材料費の上昇傾向、企業の広告宣伝費の抑制、同業者間の受注競争の激化、インターネット広告の拡大等、厳しさを増すとともに、大きく変化しつつあります。
こうした環境の中、変化に迅速に対応し、業績向上に向けて、将来を見据えた戦略を推進し、安定した企業体質のもと、当社グループの優位性と競争力を高めることが重要な課題と認識しており、次の経営戦略を展開してまいります。
① 企画営業の推進
当社が、創業以来培ってまいりました販売促進支援業としてのノウハウと、多様な生産設備を活用し、新たな付加価値を提供してまいります。その中でも、地方再生の一助となる支援に力を入れ、従来の形に囚われない企画と提案で、お客様の満足度を最大にできるよう取り組んでまいります。
② 事業採算の向上とコスト削減による利益率の向上
材料費の上昇と受注単価の低下等により、利益率が低下傾向にあることから、事業毎の採算向上を図るとともに、高粗利商材の開発、徹底したコスト管理・内製化・業務の効率化により利益水準を高め、利益率向上を目指してまいります。
③ 人材育成
年々厳しさを増す環境の変化に対応し、新たな付加価値を創出できる人材を育成し、競争力の強化を図ってまいります。