第2【事業の状況】

 

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

  文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 (1)会社の経営の基本方針

当社グループは、地域に根差し、お客様、生活者に寄り添いながら、情報伝達サービスを中心としたソリューションの提供を通じて社会課題の解決に取り組み、新たな価値を創出するクリエイティブカンパニーを目指しております。

創業以来、社名の由来である「総合的に商業や商売、商流について研究する」というコンセプトを大切に、お客様企業、その市場、そして市場の向こう側にいる生活者のニーズを探究し、本質的な課題を見極め、解決策を提案、企画化、実行し、その成果を検証する一連の流れを通じて、お客様企業の効果的で効率的な販売促進支援を実現してきました。既存のビジネスモデルやアイデアの枠を超え、常に時流に敏感になり、新しい試みへの挑戦により付加価値の高い商品やサービスの提供を行ってきたことが、他社との差別化や競争上の優位性に繋がっています。

これからも、当社グループの強みを最大限に活かしつつ、企業、生活者、地域社会の課題に対峙し、幅広い視点で解決に取り組むことで新たな価値を創出してまいります。

 

 (2)経営環境及び中長期的な会社の経営戦略

当社グループを取り巻く事業環境は、少子高齢化による労働力不足の進行、原材料・エネルギー価格の高騰、環境意識への高まりなど、多面的な影響を受けつつ変容しております。

また、印刷・広告業界においては、インターネットやソーシャルメディアの普及により、容易にアクセス可能な情報が大量に供給されるようになり、消費者の購買における行動様式が複雑化していることに加え、ライフスタイルや価値観の多様化・細分化が顕著となっています。広告宣伝媒体もデジタルシフトが加速し、デジタルテクノロジーの進化により、新たなデジタルコンテンツが登場し、これらテクノロジーの活用により、情報をより魅力的に、そして効果的に伝えることが可能になっています。企業としては、分析に基づき、個々のニーズに合わせたクリエイティブな提案とアプローチが求められています。また、地域の人口構成や実情に応じたマーケティング戦略がより重要になり、異なる市場での展開にも適切な対応が求められています。

このような事業環境の下、当社グループは、事業戦略及び人事・組織戦略を多角的に展開しながら市場の要求に応えることで、持続的な成長と競争力の確保を目指してまいります。

 

〔4つの成長軸〕

当社グループは、次の4つを当社グループの成長軸として据え、事業の展開を図ってまいります。

① リアリティの追求

インターネットの普及により情報が大量に伝達される一方で、五感を刺激するリアルな接点の価値は以前にも増して重要です。当社グループはこれまで培ってきた印刷物、実店舗運営支援、イベント運営といった臨場感を伝えるノウハウに、デジタルテクノロジーの力を組み合わせることで更なるリアリティを追求し、顧客の心をつかむ新たな体験価値を創出します。

② 販売促進プラス

これまで、販売促進支援として提供してきた情報伝達サービスにより培われてきたノウハウやリソースを基礎に、変化を加えたり、プラスアルファをすることで新たなサービスや事業を生み出し、価値を創造します。

③ 企業間連携構想

様々な変化や多岐にわたるニーズに柔軟に対応するため、積極的に他の企業や自治体との連携を進め、各組織が保有する独自のリソースや専門知識を互いに共有し活用していく方針です。これにより、相乗効果や付加価値の創出、さらにはイノベーションの促進が実現し、市場競争の中での優位性を向上させていくことが可能となります。

 

④ 新規事業への投資

既存のビジネスモデルやアイデアの枠を超え、常に新たなチャレンジを続けてきた当社グループの取組みを更に推進し、課題解決に貢献するより広い領域へと事業を展開していく方針です。デジタルコンテンツなどの事業DXへの投資、AIを中心とした自動化技術・デジタル設備への投資、省エネルギーを含むサステナビリティへの投資など、失敗を恐れず積極的に投資を行います。

 

〔事業戦略〕

事業戦略としては、これまでの事業モデルを評価した上で、既存事業として重点的に強化していくべき事業と、既存の事業から変化・進化させていくべき事業をピックアップいたしました。今後、これらに関する具体的な取組を推進してまいります。

 

① 重点既存事業の強化

クライアントである流通店舗のチラシをはじめ、カタログ、ポスターなどの商業印刷事業においては、収益性の向上が課題となっております。原価管理の徹底、不採算クライアントの見直し、交渉の強化による受注単位での粗利益確保のほか、多様な需要に応じた戦略的な設備投資計画、設備の集約や効率的運用の徹底を図ってまいります。また、営業活動を一層強化し、新商材の提案も含め幅広い提案を行ってまいります。

年賀状印刷事業では、年賀状の需要が年々減少しており、この傾向は今後も続くものと見込まれます。このような状況の中で、営業強化によるクライアントの拡大、Webやアプリの開発も含めた販売チャネルの拡大、カタログ関連を含む年賀商材の開発強化などにより、市場シェアの維持・拡大を図ります。

フリーペーパー事業では、札幌市内全域への個配システムを有する独自メディアとしての強みを活かし、情報発信を拡大してまいります。また、独自メディアとしてはフリーペーパー以外にも、デジタルサイネージや即時性のあるWebなども積極的に展開し、さまざまなメディアチャネルを組み合わせた総合的な情報提供を推進してまいります。これにより、地域社会における当社グループの存在感を高め、地域から頼られる存在を目指してまいります。

BPO事業では、年賀事業での業務を発端に事業を拡大してまいりましたが、体制基盤が徐々に整い、今後は一層の管理体制のもと、コールセンター、入力、事務局代行といった業務を強化するとともに、大規模案件や自治体案件の獲得など更なる業務拡大を目指します。企業においても労働者の確保が困難となる中、BPO事業の需要は今後も拡大するものと見込まれ、自動化・AIの活用なども積極的に導入することで差別化を図り、お客様のニーズに確実に応えてまいります。

② 新規事業への変化・進化

当社グループのマーケティング機能を強化し、自治体・企業・消費者が抱える課題に対し、デジタルを活用しながら分析や効果測定を行います。その上で、当社グループの強みであるアナログメディアとともに、Web、SNS、ネット広告などのデジタル媒体を一体として効果的に活用し、総合的なマーケティング戦略を展開することで届けたい人により届く最適なソリューションの提供を実現してまいります。

また、多様なターゲット層へアプローチすべく、動画や3DCGなどのデジタル領域におけるクリエイティブな表現手段を獲得・進化させるとともに、XR技術の活用などによりリアリティある体験を提供し、ターゲットの深層に訴求いたします。

その他、デジタル技術を活用した新たな製品やサービスの開発を加速させ、DXサポートやアウトソースの支援など、販売促進支援の領域外でも幅広く課題解決を行ってまいります。

地方創生支援事業では、地域の実情に応じて地域が抱える課題を分析し、地方自治体のBPO事業やプロモーションに係る業務受注の拡大を目指します。また、地方特産品などの物販業務も拡大し、プラットフォームの開発や、当社グループのコネクションを活かした販路の拡大・開拓を行ってまいります。

印刷商材に関しては、デジタル印刷商材の開発を進化させることで、個々のニーズにあわせてカスタマイズされたプリントソリューションやデザインを提供できる体制を整えてまいります。また、環境への社会的な意識の高まりを踏まえて、環境に配慮した商材の開発にも力を入れてまいります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

  文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス及びリスク管理

当社グループにおいては、サステナビリティに関する機会及びリスクについては、企画管理本部が中心となり識別したうえで評価し、重要なものについては取締役会に報告しております。各部門においてリスクの発生の可能性が生じた場合、あるいは発生した場合には直ちに企画管理本部に報告することとし、経営会議での検討も踏まえてリスクの軽減・未然防止・再発防止の対策を立て、具体的な取組に反映しております。また、内部監査室が各部署のリスク管理状況を監査し、定期的に取締役会及び監査等委員会に報告しております。

 

(2)戦略

当社グループは、お客様・地域に根差し、情報伝達サービスを中心としたソリューションの提供により、社会の課題を解決し、生活者のより豊かな暮らしに貢献することを使命としております。社是で謳っている「共存共栄」は、自社グループの利益を追求するだけではなく、事業活動を通じて顧客企業、その先の生活者、そして地域社会を含めたステークホルダーと共に持続的に発展することを意味します。

当社グループは、社会の一員として、事業活動を通じて当社グループの持続可能性を実現しながら、同時に持続可能な社会の発展に貢献し、皆様から信頼され続ける企業を目指します。

そのために当社グループが特に力を入れて取り組むべき重要課題は、以下の項目です。

 

① 環境への配慮

印刷事業を主力とする当社グループは、原材料の用紙確保のための森林伐採、インク使用時における揮発性有機化合物の発生、印刷工程での廃液や排水の発生など、事業活動により生じる環境負荷に対して真摯に向き合い、その責任を自覚し、ステークホルダーと協力しながら事業に係る環境負荷の低減に努めるとともに、持続可能な社会の実現に向けた環境保全、環境汚染の防止に資する活動を積極的に行ってまいります。具体的には、環境に配慮した印刷方法の推進、工場における省エネルギー化・高効率化や、クリーンエネルギーの利用といった取組を推進してまいります。

 

② 人的資本の確保

当社グループは、クライアントの課題解決を提案する企業として創業し、自ら提案をし、新たな価値を生み出すことができる人材の育成に力を入れてまいりました。企業理念にも「会社と社員はそれぞれ目的を達成するための『同志』である。社員は価値を生み出す財産であって、コストではない。」と掲げ、人材に対する一貫した考えのもと経営を続けております。殊に、変化が激しく、価値観が多様化する昨今において、持続可能な経営を続けていくための要が人材であると認識のもと、多様な価値観・バックグラウンドをもった人材採用を強化してまいります。また、研修や勉強会、日々の業務を通じた教育による能力向上に加え、待遇・労働環境の改善など各々がその能力を十分に発揮することができるための環境を整えてまいります。具体的には、以下の取組を推進します。

ア)従業員の待遇改善

従業員の給与水準の向上を目指すとともに、役職ベースの給与体系とは別に、キャリアごとの給与体系の確立を目指します。これにより、個々の従業員の実力を適切に評価し、適切な報酬とすることを可能とし、従業員のモチベーション向上を図ります。

イ)採用の強化

今後の人材需要を見越し、より戦略的な計画を立てた上で採用活動を実践してまいります。また、ハイスキル人材や、高い経験値を有する人材など、革新的なソリューションを提供できる優れた専門人材を確保することで競争力のある組織を築いてまいります。

 

ウ)女性活躍・多様性

事業に変化やイノベーションをもたらすためには、多様な人材の活躍が不可欠です。そのため、女性管理職比率の向上や、育児・介護の両立支援、遠隔地勤務や短時間勤務など、個々のライフスタイルを尊重した柔軟な勤務体制を積極的に構築するとともに、個人の仕事を組織でサポートする企業風土を醸成することで、多様な働き方の実現を目指してまいります。

エ)人材育成

社員の成長の源は『やる気と熱意』です。そのために、社員のやる気と熱意を育むための取組を推進します。上司との対話や部門間のコミュニケーションの機会を増やすことで、社員が自分の役割や貢献度を理解しやすい環境を整えることや、キャリアパスの作成を通じて、必要な知識や経験の取得に向けた方針を明確にし、社員が成長に向けた具体的なステップを把握できるよう支援します。さらに、社内での勉強会を継続的に開催することで、専門的なスキルや知識の共有と習得を図ります。また、外部研修の積極的な活用により、新たな視点やスキルを取り入れるチャンスを提供し、社員の能力向上を促進します。

 

③ 地域社会の発展

当社グループは、継続的に地域の魅力を発信することで、その地域の課題を解決する企業として、地方自治体や企業と連携しながら地域に根付いた事業活動を展開しています。地方の過疎化が進む中、住みよい環境の確保や交流人口の拡大促進など、その活力を維持していくために、当社グループの強みであるコミュニケーション力、プロモーション力、その他あらゆる資源を活かして地域社会の持続的な発展に貢献します。

 

(3)指標及び目標

印刷事業を主力事業とする当社としては、事業活動を通して排出するCO2量の削減を推進していく責務があると認識しており、その前提として当社における排出量の把握、及び削減目標の設定について、今後の課題として積極的な検討をしてまいります。

また、上記「(2)戦略 ②人的資本の確保」において記載した取組にあたり、以下の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は次のとおりであります。

指標

令和7年度実績

目標(令和9年7月末まで

係長職以上の女性社員の割合

27.5

30%以上

月平均所定外労働時間

25.6時間

24時間以内

 

 

 

3 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスク及び変動要因は以下に記載するとおりです。当社グループは、これらのリスクの存在を十分に認識した上で、当該リスクの発生に伴う影響を極力回避するための努力を継続してまいります。

文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(令和7年10月29日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

 (1)特定顧客・業界への依存

当社グループでは、大手流通・小売企業及び日本郵政グループへの売上依存度が高いことから、これらの企業の業績悪化による受注の減少や、紙媒体からデジタル媒体へのシフトが加速するなどの要因で、取引額に大きな変動が生じ、業績に重大な影響を与える可能性があります。当社グループとしては、新規顧客や新規事業の開拓により、特定の顧客の動向に左右されない事業基盤を築いてまいります。

 

 (2)材料価格の変動

当社グループで使用する、印刷用紙・インク等の材料について、世界情勢の変化による為替相場の変動や原油価格の高騰、製紙市場の需給バランスの崩れ等により価格が著しく高騰した場合には、業績等に重大な影響を与える可能性があります。当社グループとしては、国内の複数のメーカーから原材料の調達を行うことや、製品への価格転嫁について顧客と交渉を行うなど、安定的な原材料確保と最適な価格の維持に努めてまいります。

 

 (3)取引先の信用リスク

経済状況や、産業構造・需要構造の変化に伴い、取引先企業の業績が予想以上に悪化した場合には、貸倒れによる損失が発生する可能性があります。当社グループとしては、特定の取引先への依存を低減するとともに、取引先の与信管理を徹底し、場合によっては取引停止などの措置も講じてまいります。

 

 (4)資産保有リスク

当社グループでは、不動産・有価証券等の資産を保有しておりますが、時価の変動により、業績に影響を与える
とともに、自己資本比率の低下を招くおそれがあります。投資有価証券については、取締役会に加え、監査等委員会に対する定期的な報告を行っておりますが、特定の銘柄について保有する意義又は合理性が認められなくなったときは、市場への影響等を考慮したうえ、売却交渉を開始いたします。

また、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、主として営業エリアを基本単位として資産のグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の認識及び測定にあたっては、慎重に検討しておりますが、事業計画や経営環境等の前提条件の変化により、減損損失の計上が必要となる可能性があります。

 

 (5)情報システムと個人情報保護

当社グループでは、取引先との間で多くの個人情報や機密情報を取り扱っていることから、システム障害や、社員及び取引先による情報漏洩があった場合には、当社グループの信用が揺らぎ取引先を失うほか、損害賠償責任の発生により、業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。当社においては、平成17年6月にプライバシーマークを取得し、また、令和元年12月に年賀状印刷事業、令和4年3月にふりっぱーnet事業に関連する業務とその拠点においてISO27001(情報セキュリティマネジメントシステム)を取得しておりますが、引き続き社員教育の徹底と、情報システムの管理及び個人情報保護に万全を尽くします。

 

 (6)自然災害・感染症等

当社グループでは、災害による影響を最小限に留めるための対策をとっておりますが、災害による全ての影響を防止・軽減できる保証はありません。地震等の災害によりデータベースサーバや印刷工場等が重大な被害を受けた場合には、業績等に重大な影響を及ぼす可能性があります。工場の分散化やクラウドデータサービスの活用、各種保険への加入によりリスクを最小限に抑える対応を行っております。

また、感染症といったパンデミックの発生により、当社グループの事業運営が困難になった場合や、取引先の需要変動があった場合には、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

 (7)事業の季節的変動

当社グループでは、上半期は年賀状印刷の売上が計上されること及び商業印刷の年末年始商戦の受注があることから、上半期と下半期の売上高・利益に著しい相違があります。したがって、上半期に災害等何らかのマイナス要因が発生した場合には、業績に重大な影響が及ぶ可能性があります。当社グループといたしましては、閑散期において社内のリソースを最大限活用した事業展開を推し進め、年間を通し安定的に売上の確保ができる体制を築いてまいります。

 

上記リスクについて顕在化する程度は、当連結会計年度末現在において、一定程度予想されるものでありますが、正確には予想できません。リスクが顕在化した場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに重大な影響を及ぼす可能性がありますが、影響を最小限に抑えるため、上記のとおり、対策を講じております。

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 (1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

  ① 経営成績の状況

当連結会計年度における我が国経済は、労働市場の改善や個人消費の回復、インバウンドの増加などにより、緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、資源価格の高止まりや物価上昇、不安定な国際情勢の継続等による景気減退の懸念から、依然として先行き不透明な状況となっております。

広告・印刷業界では、紙媒体の需要減少や原材料価格の高騰が続く一方で、デジタルによる販促手法の需要が高まるとともに、その手法は多様化・複雑化しております。

このような状況のもと、当社グループは、新たな価値の創出により社会課題を解決するクリエイティブカンパニーとして歩みを進めております。アナログメディアに加え、動画、Web、SNSなどのデジタル媒体を一体として効果的に活用し、総合的なマーケティング戦略を展開しているほか、新たな事業領域への投資も積極的に行っています。

当連結会計年度は、年賀関連事業では年賀状の需要減少に加え、郵便料金の値上げにより年賀状印刷の受注件数が減少し、カタログやカレンダーなどの年賀資材関連の受注についても減少となるなど、年賀関連事業全体の売上高は減少となりました。一方、販促関連事業においては、依然として折り込みチラシ自体の受注は減少傾向にあるものの、流通小売店舗を展開する大手クライアントを含む複数の新規取引先からの受注、店頭販促物制作の受注増に加え、自治体のWeb関連や広報誌の制作といった新規案件の受注により、売上高が増加しました。

利益面に関しては、主に年賀関連事業でのコスト削減が進んだことや、商業印刷における収益性の改善、大型印刷機に関する減価償却費の減少等により、全体として増益となりました。

以上の結果、当連結会計年度の売上高は16,236百万円(前年同期比439百万円増)となりました。また、営業利益は351百万円(前年同期比97百万円増)、経常利益は431百万円(前年同期比85百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益は319百万円(前年同期比45百万円増)となりました。

なお、当社グループは「情報コミュニケーション事業」の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。

 

 

  ② 財政状態の状況

  (資産)

当連結会計年度末における流動資産は3,484百万円となり、前連結会計年度末に比べ347百万円増加しました。これは主に、現金及び預金が119百万円、受取手形及び売掛金が104百万円それぞれ増加したことなどによるものであります。

当連結会計年度末における固定資産は4,497百万円となり、前連結会計年度末に比べ35百万円減少しました。これは主に、減価償却や売却等により有形固定資産が111百万円減少したことなどによるものであります。

この結果、当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ311百万円増加し、7,982百万円となりました。

  (負債)

当連結会計年度末における流動負債は2,931百万円となり、前連結会計年度末に比べ680百万円増加しました。これは主に、1年内返済予定の長期借入金が558百万円、未払金が145百万円、設備関係未払金が121百万円それぞれ増加したのに対して、リース債務が156百万円減少したことなどによるものであります。

当連結会計年度末における固定負債は1,877百万円となり、前連結会計年度末に比べ647百万円減少しました。これは主に、長期借入金が760百万円減少したのに対して、リース債務が106百万円増加したことなどによるものであります。

この結果、当連結会計年度末における総負債は、前連結会計年度末に比べ33百万円増加し、4,809百万円となりました。

  (純資産)

当連結会計年度末における純資産合計は3,173百万円となり、前連結会計年度末に比べ278百万円増加しました。これは主に、利益剰余金が259百万円増加したことなどによるものであります。

 

  ③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて119百万円増加し、1,298百万円となりました。
 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

  (営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は610百万円(前連結会計年度は863百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益446百万円、減価償却費350百万円等により資金が増加したのに対して、法人税等の支払額181百万円等により資金が減少したことによるものであります。

  (投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は157百万円(前連結会計年度は41百万円の獲得)となりました。これは主に有形及び無形固定資産の取得による支出166百万円等により資金が減少したことによるものであります。

  (財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は332百万円(前連結会計年度は1,068百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入れによる収入930百万円により資金が増加したのに対して、長期借入金の返済による支出1,132百万円等により資金が減少したことによるものであります。

 

 

  ④ 生産、受注及び販売の状況

  (生産実績)

当連結会計年度の生産実績は以下のとおりであります。なお、当社グループは情報コミュニケーション事業の単一セグメントであるため、地域別に記載しております。

 

地域別

生産高(千円)

前年同期比(%)

北海道エリア

7,536,710

104.0

東北エリア

863,434

104.2

東京エリア

6,161,461

99.7

西日本エリア

1,675,273

108.6

合計

16,236,879

102.8

 

(注)金額は、販売価格によっております。

 

  (受注実績)

当連結会計年度の受注実績は以下のとおりであります。なお、当社グループは情報コミュニケーション事業の単一セグメントであるため、地域別に記載しております。

 

地域別

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

北海道エリア

7,613,338

105.5

256,342

144.1

東北エリア

873,323

107.3

100,718

109.7

東京エリア

6,126,330

98.9

357,035

91.0

西日本エリア

1,703,534

110.5

108,650

135.2

合計

16,316,526

103.5

822,747

110.8

 

 

 

  (販売実績)

当連結会計年度の販売実績は以下のとおりであります。なお、当社グループは情報コミュニケーション事業の単一セグメントであるため、地域別及びサービス別に記載しております。

 

地域別

内訳

販売高(千円)

前年同期比(%)

北海道エリア

商業印刷

4,384,995

105.4

年賀状印刷

3,069,375

102.0

その他

80,558

109.9

合計

7,534,929

104.0

東北エリア

商業印刷

864,397

104.4

年賀状印刷

その他

合計

864,397

104.4

東京エリア

商業印刷

3,931,373

109.0

年賀状印刷

1,962,985

87.5

その他

267,075

80.9

合計

6,161,434

99.7

西日本エリア

商業印刷

1,672,547

108.6

年賀状印刷

2,726

67.9

その他

合計

1,675,273

108.5

合計

16,236,035

102.8

 

(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。

相手先

前連結会計年度
(自  令和5年8月1日
    至  令和6年7月31日

当連結会計年度
(自  令和6年8月1日
    至  令和7年7月31日

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

日本郵便株式会社

2,852,303

18.06

2,576,089

15.87

マイプリント株式会社

1,827,892

11.57

1,922,657

11.84

 

 

 

 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

   なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

  (財政状態及び経営成績)

当連結会計年度における財政状態及び経営成績の前連結会計年度との比較分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況及び、② 財政状態の状況」に記載のとおりであります。

  (当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因)

    「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

  (経営戦略の現状と見通し)

    「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

  ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

  (キャッシュ・フローの状況の分析・検討)

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

(資本の財源及び資金の流動性)

当社グループの主な資金需要は、運転資金と設備投資にあり、主に営業活動から創出するキャッシュ・フローを中心とした自己資金のほか、金融機関からの短期・長期借入金により、十分な手元流動性を確保しております。運転資金については、特に年賀事業において必要な短期的資金について、金融機関からの短期借入金により賄っております。設備投資については、成長領域における事業拡大や、生産性向上等による経営効率化などに向け、重点的に投資を行っております。

 

  ③ 重要な会計方針及び見積に用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況  1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。この連結財務諸表の作成にあたって、見積りが必要となる事項については合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っておりますが、これらの見積りに基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表作成にあたって用いた会計上の見積りのうち、重要なものは以下のとおりであります。

 

・固定資産の減損

当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、主として営業エリアを基本単位として資産のグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の認識及び測定にあたっては、慎重に検討しておりますが、事業計画や経営環境等の前提条件の変化により、減損損失の計上が必要となる可能性があります。

 

・繰延税金資産の回収可能性

繰延税金資産の回収可能性の判断について、将来の課税所得見込額等を慎重に考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を確実に有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しています。将来課税所得の見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。

 

 

5 【重要な契約等】

   該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

 該当事項はありません。