当中間会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の状況
当中間会計期間におけるわが国経済は、米国の通商政策に起因する不透明感が景気の下振れリスクとなるものの、雇用・所得環境の改善による個人消費の持ち直しや堅調な企業業績を背景に緩やかな回復基調で推移しました。
このような状況の中で、当社は「感動プロデュース企業へ」という経営ビジョンのもと「文化と笑顔の需要創造」をミッションに掲げ、紙・電子出版による書籍、コミック、雑誌の発行、「野いちご」等の小説サイトの運営、女性向けWEBサイト「オズモール」での情報発信や施設予約サービスの提供、イベント開催等とそれらを掛け合わせたPR・販促ソリューションの提供を軸として事業を運営してまいりました。また、当社はメディアソリューション事業とのシナジー効果を期待し、6月に観光DXアプリ「SASSY」等を運営する株式会社Relyon Tripの株式を80%取得し子会社化いたしました。なお、同社は現時点では重要性が乏しいため、非連結子会社としております。
当中間会計期間における売上高は、前年同期と比較して、書籍コンテンツ事業におけるヒット作品の増収効果の反動等により減少いたしました。利益面は、売上高の減少に加え、物価高による書籍の印刷費等の製造原価の上昇、ベースアップによる人件費の増加等により減少いたしました。
このような営業活動の結果、当中間会計期間の売上高は37億71百万円(前年同期比11.9%減)、営業利益は7億49百万円(前年同期比36.3%減)、経常利益は8億32百万円(前年同期比33.9%減)、中間純利益は6億55百万円(前年同期比31.9%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
<書籍コンテンツ事業>
書籍コンテンツ事業では、自社で運営する小説サイト「野いちご」「ベリーズカフェ」「ノベマ!」を起点に、独自のマーケティングにより恋愛小説から異世界ファンタジー、ライト文芸まで幅広いジャンルの作品を書籍・コミックとして発刊しております。
当中間会計期間は、新レーベルの創刊、マーケティングの徹底による読者ニーズに沿った商品展開、映像化等のIP展開やSNS等を活用した販促施策に注力してまいりました。新レーベルとしては、2月に恋愛小説レーベル「ベリーズ文庫with」、3月に青春小説レーベル「スターツ出版文庫アンチブルー」を創刊しております。
書籍・コミックの売上高は、前年同期と比較して、映画化された小説「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」を含むヒット作品の増収効果の反動等により減少いたしました。営業利益は、売上高の減少に加え、物価高による印刷費等の製造原価の上昇、ベースアップによる人件費の増加、新レーベル創刊への先行投資等により減少しております。
このような営業活動の結果、書籍コンテンツ事業の売上高は21億95百万円(前年同期比19.6%減)、営業利益は7億26百万円(前年同期比40.4%減)となりました。
<メディアソリューション事業>
メディアソリューション事業では、オリジナルのマーケティング・モデルを創造するという戦略のもと、当社独自の基準で厳選したレストラン、ビューティサロン、宿泊施設の施設予約サービスを提供する「オズのプレミアム予約」と、「オズモール」「オズマガジン」「メトロミニッツ」等の東京地域密着の自社メディアとSNS、リアルイベントを組み合わせたPR・販促ソリューションを展開してまいりました。
「オズのプレミアム予約」では、利用者満足度が高い施設と予約プランの開発、予約可能施設の拡大、SEO等のユーザー集客施策の強化、クーポン施策等によるユーザー満足度の向上に注力してまいりました。「オズのプレミアム予約」の売上高は、名阪エリアでの予約組数の増加等により、レストラン予約の売上が堅調に推移した一方で、他カテゴリーの予約サービスの売上が減少したため、前年同期と比較して横ばいとなりました。
PR・販促ソリューションでは、「オズマガジン」等の東京地域密着メディアのブランドを活用した商業施設向けの集客支援、自治体向けの魅力発信支援、ヘルスケアマーケットへの販促支援サービスの提供等に注力してまいりました。PR・販促ソリューションの売上高は、商業施設向けの集客支援等の受注が堅調に推移したことにより、前年同期と比較して増加いたしました。
このような営業活動の結果、メディアソリューション事業の売上高は15億76百万円(前年同期比1.7%増)、営業利益は89百万円(前年同期比178.5%増)となりました。
②財政状態の状況
(資産)
当中間会計期間末の総資産は、前事業年度末と比べて1億21百万円増加し、121億3百万円となりました。
流動資産は、現金及び預金が4億2百万円増加した一方で、売掛金及び契約資産が5億58百万円減少したこと等により、前事業年度末に比べて2億3百万円減少し、104億11百万円となりました。
固定資産は、関係会社株式の取得等により前事業年度末と比べて3億25百万円増加し、16億91百万円となりました。
(負債)
当中間会計期間末の負債は、前事業年度末と比べて2億91百万円減少し、19億22百万円となりました。
流動負債は、未払法人税等が1億46百万円、未払消費税が55百万円、買掛金が37百万円減少したこと等により、前事業年度末と比べて3億50百万円減少し、16億71百万円となりました。
固定負債は、前事業年度末と比べて59百万円増加し、2億51百万円となりました。
(純資産)
当中間会計期間末の純資産は、中間純利益の計上6億55百万円と配当金の支払3億7百万円により利益剰余金が3億48百万円増加したこと等により、前事業年度末に比べて4億13百万円増加し、101億80百万円となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当中間会計期間における現金および現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ4億2百万円増加し、66億21百万円となりました。
当中間会計期間における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払額2億99百万円、仕入債務の減少37百万円、棚卸資産の増加11百万円等による資金の使用の一方で、税引前中間純利益8億81百万円、売上債権の減少5億58百万円等の資金の獲得により、8億91百万円の資金を獲得(前年同期は9億51百万円の資金を獲得)いたしました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却に伴う収入54百万円の資金の獲得の一方で、関係会社株式の取得、「オズモール」のシステム開発等の無形固定資産の取得等による資金の使用により、1億82百万円の資金を使用(前年同期は60百万円の資金を獲得)いたしました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払等により、3億6百万円の資金を使用(前年同期は2億29百万円の資金を使用)いたしました。
(3)経営方針・経営戦略等
当中間会計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間会計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。
(6)経営成績に重要な影響を与える要因について
当中間会計期間において、重要な変更はありません。
(7)資本の財源及び資金の流動性についての分析
①キャッシュ・フローについて
当中間会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前事業年度末残高62億19百万円に対して4億2百万円増加し、66億21百万円となりました。なお、当中間会計期間におけるキャッシュ・フローの概況は「(2)キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。
②資金需要
当社の事業活動における資金需要は、運転資金需要と設備資金需要の二つがあります。運転資金需要のうち主なものは、雑誌、書籍等の製品の製造費や販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、設備資金需要としては、オズモールや小説サイトを運営するためのシステム開発やインフラ強化等によるものであります。
③財務政策
当社は現在、運転資金につきましては、全て自己資金により充当しております。また、設備資金につきましても全て自己資金の範囲内で計画をしております。
当中間会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。