第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある以下の事象が発生しております。

なお、文中の将来に関する事項は、四半期報告書提出日時点で当社グループが判断したものであります。

 

1.タイ証券取引委員会(以下「タイSEC」という。)から公表された事項等について
 タイSECは、2017年10月16日付で、タイ法務省特別捜査局(以下「タイDSI」という。)に対しGroup Lease PCL.(以下「GL」という。)元最高経営責任者(CEO)であった此下益司氏が、偽計及び不正行為を行った可能性を指摘し、同氏に対して調査を進めるよう、タイDSIに対し申し立てをしたことを公表いたしました。
 調査の対象となった取引は、GLの連結子会社であるGroup Lease Holdings PTE.LTD.(以下「GLH」という。)が貸主となり、キプロス及びシンガポールの借主に対する54百万USドルの融資取引(以下「GLH融資取引」という。)が、此下益司氏の指示により貸主グループ会社間で送金され、最終的にGLHへの分割弁済に充当されていること、また、そのGLH融資取引に係る年利14~25%利息収入が過大に計上されることで、GLの連結財務諸表は適正な開示を行っていないというものです。
 当該事案は、タイDSIの調査の結果、刑事告訴に繋がる可能性が含まれており、これにより、此下益司氏は、GLの取締役並びに経営者の資格を喪失し、同日付けでそれらの地位を退任することとなりました。
また、タイSECは、2017年10月19日付で、GLが財務諸表の訂正を行わない場合、及びGLの取締役が財務諸表の訂正を行わず、虚偽又は不適切な財務諸表の提出をする場合には、タイ証券取引法に違反することになるとの通知を行いました。
 2017年10月27日に、GL会計監査人のEY Office Limited(以下「EY」という。)から、GLの財務諸表に関して「無限定適正意見」から「意見不表明」に変更した修正監査報告書又は四半期レビュー報告書を受領しました。修正の対象となった財務諸表は過去に遡及し、
・2016年12月期の連結財務諸表(2017年2月28日発表)
・2017年12月期第1四半期財務諸表(2017年5月12日発表)
・2017年12月期第2四半期財務諸表(2017年8月15日発表)
と3回分となります。
(なお、上記3回分の報告書につきましては、2017年12月25日に、GLH融資取引の会計処理を除外事項とした限定付適正意見又は限定付結論に修正する報告書をGLは受領いたしました。)
 また、GLは、2017年11月14日に、GLH融資取引に関連した貸付債権に対し、全額損失引当金を計上したことなど含む第3四半期(2017年9月)の決算を公表しており、EYからタイSECの指摘事項及びGLH融資取引の会計処理等を限定事項とする限定付結論の四半期レビュー報告書を受領しております。
当社グループでは、これらの事象に対して、GLにおいて、問題となるGLH融資取引の特定を進めるためにタイSECに対し照会等を行うなど、該当期間の財務諸表並びにGLH融資取引に関して、調査及び見直しを進めてまいりました。
 GLでは、GLH融資取引に対して、独立した監査法人による特別監査を実施しましたが、タイSEC指摘の根拠を特定することはできておりません。
 また、GLH融資取引の実態、取引の適正性を調査するため、2017年11月17日に、第三者委員会を設置することを決議し、第三者委員会の調査に全面的に協力してまいりました。
 2017年12月12日に、第三者委員会の中間報告書を受領しましたが、タイSECの指摘の根拠を特定するには至りませんでした。
 また、2018年7月31日に、GLではタイSECの決算訂正命令に対応して比較情報としての2016年12月末決算を含む2017年12月末決算を訂正しました。当該GLの過年度決算の訂正は、タイSECの決算訂正命令に対応したものですが、訂正原因となる誤謬が特定されていないこと等を考慮し、当社としましては、GLの訂正処理は当社の決算には反映させず、前々々連結会計年度の会計処理を踏襲しております。
 当社グループといたしましては、引き続き、タイSECやタイDSIに対し、当社グループの正当性を主張しつつ、タイDSIの捜査に全面的に協力してまいります。
 なお、捜査の動向次第では、当社グループの経営等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

 2.JTRUST ASIA PTE.LTD.等との係争について

当社連結子会社であるGLが発行した総額180百万USドル(当四半期連結会計期間末197億円)の転換社債保有者であるJTRUST ASIA PTE. LTD. (以下、「JTA」という。)は、GLがタイSECから2017年10月16日及び同月19日にGL元役員の不正行為や利息収入の過大計上、関連する決算の訂正などについて指摘を受けたことに起因し、錯誤を理由として、2017年11月30日付けで、転換社債の投資契約解除と転換社債180百万USドルの即時一括弁済等を請求をしており、タイ王国及びシンガポール共和国においてGL並びにGLH等に対して各種の訴訟が提起されており、係争中となっております。

JTAが行っている訴訟の概要につきましては、以下のとおりです。

 

(GL)損害賠償請求訴訟

(GL)会社更生申立訴訟

(GLH)損害賠償請求訴訟

(GLH)暫定的資産凍結命令申立訴訟

1.訴訟提起日

2018年1月9日

2018年1月10日

2017年12月26日

2017年12月26日

2.訴訟の原因及び提起されるに至った経緯

J トラスト株式会社の子会社であるJTAは、 当社連結子会社GLの転換社債(合計2億1千万米ドル)を引き受ける投資契約を締結し、当該転換社債を保有しておりましたが、JTA はGLに対し 当該投資契約解除及び未転換の転換社債(1億8千万米ドル相当)の全額一括返済を要求しておりました。GLといたしましては、当該投資契約の解除要件に抵触した事実は何一つなく、転換社債の期限前償還に応じなければならない条件は何ら整っていなかったことから、これらの要求にはお断りをしつつも、円満解決に向け誠実に対応して参りました。しかしながら、交渉は妥結に至ることはなく、JTA は、GL及びGLH等が、投資家に対し1億8千万米ドル以上の投資を促す為に、同社グループの財務諸表を改ざんし、GLが健全な財政状況であると誤解させ、投資家等に損害を与えたということを理由として、GL及びGLHに対し損害賠償請求を求めるべく、これら一連の訴訟を提起したものです。

3.訴訟を提起した者の概要

(商号)

J Trust Asia Pte.Ltd.

(所在地)

シンガポール共和国

(代表者の役職・氏名)

代表取締役社長 藤澤信義

同左

同左

同左

4.訴訟内容

JTA は、タイ王国において、GL、GL 取締役 3名、並びに此下益司 氏に対し、JTA の投資額(最低2億1千万米ドル)の損害賠償を求め訴訟を提起しております。

JTA は、タイ王国において、GLの会社更生手続きの開始を求め訴訟を行っております。

JTA は、シンガポール共和国において、GLH、此下益司氏、並びに当社グループ会社ではないその他5社 に対し、JTAの投資額 (最低2億1千万米ドル)の損害賠償を求め訴訟を提起しております。

シンガポール共和国において、GLH、此下益司氏、並びに当社グループ会社ではないその他1社に対し、通常の事業業務で生じる以外の資産取引の禁止、及び、シンガポール国外への1億8千万米ドルまでの資産移転・処分を禁止するものです。

5.裁判の進展

係争中です。

2019年8月15日付で会社更生申立は全面的に棄却されました。その後、2019年11月26日にJTAによる控訴が申立てられ現在も係争中です。

2020年2月12日付でシンガポール共和国高等裁判所は、JTAの請求をすべて棄却し、JTAに対し被告に生じた費用を支払うように命じる判決が下されました。その後、2020年2月13日にJTAによる控訴が申立てられ現在も係争中です。

2018年2月23日シンガポール共和国高等裁判所は暫定的資産凍結命令を停止し解除する決定を下しており、その後、JTAは2回暫定的資産凍結命令に関する審判保留の申立てを行いましたが、却下されております。なお、JTAは、同時に、暫定的資産凍結命令の停止、解除を不服として、当該決定の棄却(暫定的資産凍結命令の復活)を求め控訴の申立てを行っておりましたが、2018年6月1日に結審し暫定的資産凍結命令が発令されております。また、2020年2月12日付で損害賠償請求が棄却されたことを受け、暫定的資産凍結命令については変更・解除される可能性があります。

 

 

 

上記の他、GLは、2018年5月3日付けでJTA及びJTAの親会社であるJトラスト株式会社(以下、「Jトラスト」という。)から、彼らが提起した訴訟に対して、GLが法的要件を満たさない等と公表しているリリースが不正行為であると主張し名誉毀損による損害賠償を請求(結論として20,271,232.88タイバーツ(2018年5月22日のレート3.46円換算で約70百万円))する訴訟を提起され、2020年3月20日に判決が出る予定となっておりましたが、2020年1月16日にJトラストとJTAにより当該訴訟は取り下げられました。

また、当社子会社であるPT Group Lease Finance Indonesiaは、PT BANK JTrust Indonesia, Tbk.から、Joint Finance Agreementにおいて契約違反があるという理由でIDR3,696,408,863(1円をIDR130.21で換算すると約27百万円)及びIDR100,000,000,000(1円をIDR130.21で換算すると約7.67億円)の損害賠償を請求する訴訟を提起されておりましたが、2019年12月3日にPT Bank JTrust Indonesia, Tbk.による損害賠償請求は棄却される判決が下されております。

これらの係争等の結果次第では、当社グループの経営等に影響を及ぼす可能性があります。

 

3.継続企業の前提に関する重要な事象等

当第1四半期連結累計期間において、上記1.2の事象が発生しておりますが、これらについて、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。
  当該状況を解消又は改善するための対応策は「2.経営者による財政状況、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(2)事業等のリスクに記載した重要事象等についての分析・検討内容及び当該事象を解消し、改善するための対応策」に記載しております。

 

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当社グループは当第1四半期連結累計期間においては、減収増益となりました。売上高は21億84百万円(前年同四半期比12.5%減)、営業利益は86百万円(同76.4%増)、経常利益は38百万円(同140.9%増)、親会社株主に帰属する四半期純損失は2億20百万円(前年同四半期は1億59百万円の純損失)となりました。

主な要因といたしましては、売上高につきましては、当社グループの主要事業であるDigital Finance事業において昨年8月までの裁判に関わり事業の戦略的選択として営業貸付金を減少させておりました結果、減少となりました。8月の勝訴以降、特に当第1四半期においては大きく新規契約等が伸長しており、成長路線へと大きく舵を切っております。今後の事業進行に伴い増収に転じることを見込んでおります。営業利益につきましては、Digital Finance事業において売上高の減少が見られたものの、それ以上に経費削減効果が寄与して同事業としての利益は拡大しました。また、経常利益につきましても増益となりました。当期純利益につきましては、投資有価証券評価損を特別損失に計上したことが減益要因となっております。

当社といたしましては、今後とも短期的な景気判断や収益について適切に対処しながらも、それらに囚われることなく、中長期的視点で経済成長する地域に適切に投資し、当社の成長を目指していくものです。

なお、上記金額に消費税等は含まれておりません。

 

セグメントの業績は次のとおりであります。

①  Digital Finance事業

当事業の当第1四半期連結累計期間における業績は減収増益となりました。全体として、昨年8月まで継続しておりましたタイ王国における大型の裁判に伴い、営業貸付金を減少させる保守的な営業方針を採っていたことにより、営業貸付金総額が減少したことが減収の要因です。昨年8月の勝訴以降は積極的な営業方針に変更しております。内訳としましては、ミャンマー王国ではリース、グループローン等の営業貸付金拡大が継続し、売上高が拡大しました。一方、タイ王国、カンボジア王国、インドネシア共和国においては上記訴訟関連のため、営業貸付金を減少させております。一方、利益においては、債権の質の向上を目指し、事業再編を進めたこともあり、不良債権並びに経費削減効果が大きく寄与し増益となっております。当該ビジネスモデル再編は今後の売上高成長並びに利益向上のために必要な戦略的行動であると考えております。

また、当事業では、より高収益な企業体質を目指し、中期経営計画を発表して、アジア各国で収益構造改革に着手しており、今後は①全グループにおいて売上高増大よりも債権の質とオペレーションの効率化を徹底し、②各国のマクロミクロの状況を加味して全グループのガバナンスを向上させ、③リソースの再配分と新規獲得を進めることで、A.短期的には利益率向上、B.中期的には2020年以降の強い成長、C.長期的かつ最終的には、アジアのローカル市場に適切な資金を提供して、各国国民の生活向上や起業家精神の涵養を果たしてまいることとしておりましたが、このうちAは終わり、B段階に移ったと考えております。

この結果、売上高は20億51百万円(前年同四半期比11.8%減)、セグメント利益(営業利益)は1億32百万円(同8.0%増)となりました。

 

②  コンテンツ事業

当事業は、主にトレーディングカードゲーム制作やエンターテインメント関連の書籍及び電子書籍の制作、音楽並びに関連商品の製作を行っており、様々なコンテンツを商品・イベント化する企画制作・編集・制作に独自性を持ち展開しております。

当事業の当第1四半期連結累計期間における業績につきましては、売上高回復の兆しが見えております。しかしながら、日本における出版業界は、低調な事業環境から未だ脱却しきれておらず、引き続き構造改革を進めております。当該構造改革により、売上高は前年同四半期とほぼ同様の水準となりましたが、国内において支出の削減を積極的に進めた結果、利益が回復傾向となりました。また、海外展開を積極的に進めることで、本格的な事業拡大につなげる方針を継続してまいります。

 

今後も中期経営計画アクセルプランⅢ「再発進」に基づいて、アジア市場においては同事業を大きく伸張させ利益貢献を果たしてまいります。

これらの結果、当第1四半期連結累計期間における業績は、売上高1億33百万円(前年同四半期比1.4%減)、セグメント利益(営業利益)は10百万円(同945.5%増)となりました。

 

 

 ③ 財政状態

当第1四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末と比べて9億55百万円増加し、449億34百万円となりました。

流動資産は11億50百万円増加し、357億40万円となりました。主な内訳は現金及び預金の増加5億92百万円、営業貸付金の増加5億15百万円等であります。

固定資産は1億95百万円減少し、91億94百万円となりました。主な内訳は有形固定資産の減少14百万円、無形固定資産の増加21百万円、投資その他の資産の減少2億2百万円であります。

流動負債は6億36百万円増加し、121億12百万円となりました。

固定負債は2億17百万円増加し、144億91百万円となりました。

純資産は1億1百万円増加し、183億30百万円となりました。主な内訳は親会社株主に帰属する四半期純損失の計上による利益剰余金の減少2億20百万円、為替換算調整勘定の増加2億42百万円、非支配株主持分の増加79百万円等であります。

なお、資本の財源及び資金の流動性に係る情報につきましては、当第1四半期連結累計期間においては特筆すべき事項はありません。

  

 (2) 事業等のリスクに記載した重要事象等についての分析・検討内容及び当該重要事象を解消し、改善するための対応策

事業等のリスク「1.タイ証券取引委員会(以下、「タイSEC」という。)から公表された事項等について」に記載した事項に関しましては、当社グループといたしましては、引き続き、タイSECやタイDSIに対し、当社グループの正当性を主張しつつ、タイDSIの捜査に全面的に協力してまいります。

事業等のリスク「2.JTRUST ASIA PTE. LTD.等との係争について」に記載した事項に関しましては、当社グループでは、法律顧問と相談し検討を進めており、当該転換社債の早期償還に関する権利及び投資契約の解消の権利については、JTAが早期償還の権利を行使できる条件は何ら整っておらず、また当該投資契約の解除事由は生じておりませんので、JTAによる投資契約の解消、及び、転換社債の早期償還要求は行えないものと認識しております。

当社グループといたしましては、当社グループの正当性を主張すべく粛々と法的対応を進めてまいる所存であり、JTAに対し必要かつ適切な法的措置をとってまいります。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。