第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営環境、経営方針及び経営戦略等

今後の世界経済は、米中貿易摩擦に加え、新型コロナウイルス感染症の拡大などにより、先行き不透明な状況で推移すると予測しております。とりわけ、新型コロナウイルス感染症は世界規模で急速な拡大により世界各国で緊急的な対応に追われており、我が国経済のみならず世界経済への長期的な影響が懸念されております。この影響に関しては、当社グループが事業を行っております各国政府の方針、事業別の環境等により異なります。そのため、それぞれのセグメントの記載の中に記載しておりますので、ご参照ください。

各事業については以下のように見通しと取り組みを進めてまいります。

 

(Digital Finance事業)

Digital Finance事業におきましては、これまで数年にわたり、創業国であるタイ以外の国での展開を進めてまいりました。すでにカンボジア、ラオス、インドネシア、ミャンマー、スリランカでのファイナンス免許を持っての活動を進めており、非都市部に集中し、高い競争力を持った、他にない事業を形成しております。

新型コロナウイルス感染防止政策の影響ですが、タイ及びカンボジアでは実際には感染がそれほど拡大せず、ロックダウンが段階的に解除されはじめておりますが、ミャンマーでは感染拡大が続いており、厳格なロックダウンが再導入されております。またインドネシアではジャカルタを中心に感染拡大が続いて不透明ではあるものの、当社の活動地域では大きな影響は出ておりません。しかしながらこれらの政策対応によって、各国の景気が悪化していることは明らかであり、オートバイ等の当社主力商品への需要減少と全般的に新規顧客の返済能力の低下がみられます。同時に当社は顧客の返済遅延に備えての特別な引当金は積み増しましたが、その後回収は想定より順調に進んでおります。このため今後は各国の政策と景気状況を慎重に見極め、保守的に営業活動を進めるとともに、再拡大の機会を見定めてまいります。

 

(コンテンツ事業)

コンテンツ事業におきましては、日本国内において売上高が増加を続けております。日本における出版業界は、低調な事業環境から未だ脱し切れておらず、構造改革を積極的に進め支出の削減を図ってまいります。一方、現在当社も関わらせていただいております「鬼滅の刃」が人気を博しており、今後も当社成長の柱となると考えております。また数年前のコンテンツ端境期にあって獲得してきた各種漫画等のコンテンツがそれぞれ大きく成長しており、今後これらのコンテンツにも期待しております。カードゲーム事業の海外展開に関しましては、特にベトナム並びにインドネシアで推進しております。ベトナムでは代理店数の増加が進み、インドネシアではカードゲームショップのフランチャイズ展開をしております。今後も同2国において販売チャネルの拡大によりコンテンツ事業の強化を図ってまいります。

新型コロナウィルス感染防止政策の影響については、当事業は数年来リモートワークを推進していたこともあり、業務に大きな支障はありません。いくつかの受注が先送りされた影響はありますが、今後につきましても影響を払拭できるものと考えております。また、各種の開示でお知らせいたしましたように、海外展開を積極的に進めることで、本格的な事業拡大につなげる方針を継続してまいります。

 

(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当社グループが対処すべき課題とその対処方針としては、「東南アジアにおける事業の推進とグローバル化への対応」をあげております。

当社グループは、タイ証券取引所に上場しDigital Finance事業を営むGroup Lease PCL.を連結子会社とし、東南アジアを中心にDigital Finance事業を推進しております。現在進出しているのはタイから、カンボジア、ラオス、インドネシア、ミャンマー、スリランカとなっております。

また、日本国内で行っていたコンテンツ事業についても、トレーディングカードゲームをベトナムにおいては大手書店との提携により販売網を展開し、インドネシアにおいては直営店及びフランチャイズ契約店舗での販売を展開しており、東南アジアでのコンテンツ事業を拡充してまいりました。

東南アジア地域は持続的に経済成長が見込まれ、当社グループはこの地域に強いノウハウや人材、組織を保有しており、今後も積極的に東南アジア市場での事業展開を推進してまいります。 

このような東南アジア地域に密着したノウハウを有する人材を今後も発掘・採用することは、当社グループの今後の事業展開において重要な課題であり、現在の人的ネットワークを縦横無尽に駆使してさらに事業展開を加速させてまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

以下において、当社グループの事業の状況及び経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及びその他投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を記載しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対処に努める方針でありますが、当社の株式に関する投資判断は、本項及び本有価証券報告書中の本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

 

①海外展開におけるリスク

当社グループは、タイ、シンガポール、カンボジア、ラオス、インドネシア、ミャンマーに海外子会社があり、東南アジアを中心に事業を展開しております。海外売上高比率は9割を超え、利益の大半を海外子会社に依存しております。このため、為替レートの変動により円換算後の連結財務諸表に影響を与えるほか、海外拠点国の政治活動の激変、テロ、社会的混乱等のカントリーリスクが、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

②Digital Finance事業のリスクについて

当社グループのDigital Finance事業におきましては、タイ、カンボジア、ラオス、インドネシア、ミャンマーにおいてオートバイローン、資産担保金融、太陽光パネルローン等の引受やマイクロファイナンスを展開しております。当該融資については、新規契約時の取引審査を厳格に行うとともに、その後の与信管理にも万全を期しております。しかしながら、貸付期間は長期にわたることから、景気変動やその他の事由により延滞・貸倒れ等不測の事態を蒙ることもあります。

延滞については事態発生時に速やかに対応し、債権保全・回収に全力を挙げております。又、貸倒れが発生した場合には原則として貸付契約の解除手続を行い、担保物件の売却を図る等回収の極大化に努めております。

貸倒引当金については、貸付先の状況及び担保資産の価値等を見積もり、個別に回収可能性を検討するほか、貸倒実績率等を考慮して計上しておりますが、予期できない貸倒れが発生した場合には貸倒引当金を積み増しせざるを得ないこともあり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

又、上記進出している各国の政治情勢が、今後の政権交代等により不安定となるリスクや、経済情勢が悪化した場合、為替変動等、さらには法規制が変更となることにより、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

 

③持分法適用関連会社のリスクについて

当社グループでは、Engine Holdings Asia PTE.LTD.におきまして株式の取得・保有を通じて持分法適用関連会社の管理を行っており、将来の事業領域拡大を視野に入れた活動をしております。2011年3月にはタイの高級リゾート「Zeavola Resort」を保有するP.P.Coral Resort Co.,Ltd.及びEngine Property Management Asia Co.,Ltd.の株式を取得し、持分法適用関連会社としております。現時点ではリゾートの稼働率も高く推移し、順調なキャッシュ・フローが得られておりますが、主に海外の富裕層を顧客としており、稼働率が低下した場合などには業績に悪影響を与える可能性があります。

 

④システムリスクについて

当社グループの各事業におきましては、コンピュータシステムを結ぶ通信ネットワークに一部依存しております。自然災害や事故などによって、通信ネットワークが切断された場合に営業・販売活動が困難な状況になります。又、アクセス増等一時的な過負荷によってサーバが動作不能に陥ったり、購入者、参加者もしくはその他のシステム利用者のハードウェアまたはソフトウェアの欠陥等により、正常な売買等が行われなかったり、システムが停止する可能性があります。さらには、コンピュータウィルス、外部からの不正な手段によるコンピュータ内への侵入等の犯罪や役職員の過誤等によって、ホームページが書き換えられたり、重要なデータを消去または不正に入手されたりする可能性もあります。これらの障害が発生した場合には、当社グループの各事業に直接的損害が生じるほか、当社グループ自体の信頼を低下させる上、事業にも重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

 

⑤個人情報の取扱について

当社グループのDigital Finance事業におきましては各種ローンの申込時に、住所・氏名・電話番号・クレジット番号等のユーザ個人を特定できる情報を取得できる環境にあります。これら情報の管理において当社グループは、プライバシー及び個人情報の保護について最大限の注意を払い、各サービスにおける個人情報のセキュリティについても留意しております。

しかしながら、これらの情報の外部流出や悪用等の可能性が皆無とはいえず、これを理由に法的紛争に巻き込まれた場合等は、当社グループの信用が低下する可能性があると同時に業績にも影響が生じる可能性があります。

 

⑥新株予約権による株式の希薄化について

当社グループでは、役員、従業員等を対象として、業績向上に対する意欲・士気向上、及び優秀な人材の確保のため、ストック・オプション制度を採用しております。 

これらのストック・オプションの行使が行われた場合、発行済み株式総数が増加し、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。この株式価値の希薄化により株価形成に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦親会社からの独立性について 

親会社の昭和ホールディングス株式会社の2020年9月30日現在の議決権比率は、63.21%となっております。又、当社は取締役会の構成員6名の内、同社グループから取締役3名の派遣を受け入れており、同社グループの支配力が高い状況にあります。

会社法上、各取締役はそれぞれ会社に対し、善管注意義務、忠実義務を負っており、又、親会社からも当社が上場企業として独立性を確保することについて尊重する旨の意向を確認していることから、親会社からは上場企業として適切な独立性を保っていると認識しております。しかしながら、親会社の経営判断によっては将来的に当社の経営に影響する可能性があります。

 

⑧タイ証券取引委員会(以下「タイSEC」という。)から公表された事項等について

タイSECは、2017年10月16日付で、タイ法務省特別捜査局(以下「タイDSI」という。)に対しGroup Lease PCL.(以下「GL」という。)元最高経営責任者(CEO)であった此下益司氏が、偽計及び不正行為を行った可能性を指摘し、同氏に対して調査を進めるよう、タイDSIに対し申し立てをしたことを公表いたしました。

調査の対象となった取引は、GLの連結子会社であるGroup Lease Holdings PTE.LTD.(以下「GLH」という。)が貸主となり、キプロス及びシンガポールの借主に対する54百万USドルの融資取引(以下「GLH融資取引」という。)が、此下益司氏の指示により貸主グループ会社間で送金され、最終的にGLHへの分割弁済に充当されていること、また、そのGLH融資取引に係る年利14~25%利息収入が過大に計上されることで、GLの連結財務諸表は適正な開示を行っていないというものです。

当該事案は、タイDSIの調査の結果、刑事告訴に繋がる可能性が含まれており、これにより、此下益司氏は、GLの取締役並びに経営者の資格を喪失し、同日付けでそれらの地位を退任することとなりました。

また、タイSECは、2017年10月19日付で、GLが財務諸表の訂正を行わない場合、及びGLの取締役が財務諸表の訂正を行わず、虚偽又は不適切な財務諸表の提出をする場合には、タイ証券取引法に違反することになるとの通知を行いました。

2017年10月27日に、GL会計監査人のEY Office Limited(以下「EY」という。)から、GLの財務諸表に関して「無限定適正意見」から「意見不表明」に変更した修正監査報告書又は四半期レビュー報告書を受領しました。修正の対象となった財務諸表は過去に遡及し、

・2016年12月期の連結財務諸表(2017年2月28日発表)

・2017年12月期第1四半期財務諸表(2017年5月12日発表)

・2017年12月期第2四半期財務諸表(2017年8月15日発表)

と3回分となります。

(なお、上記3回分の報告書につきましては、2017年12月25日に、GLH融資取引の会計処理を除外した限定付適正意見又は限定付結論に修正する報告書をGLは受領いたしました。)

また、GLは、2017年11月14日に、GLH融資取引に関連した貸付債権に対し、全額損失引当金を計上したことなど含む第3四半期(2017年9月)の決算を公表しており、EYからタイSECの指摘事項及びGLH融資取引の会計処理等を限定事項とする限定付結論の四半期レビュー報告書を受領しております。

 

当社グループでは、これらの事象に対して、GLにおいて、問題となるGLH融資取引の特定を進めるためにタイSECに対し照会等を行うなど、該当期間の財務諸表並びにGLH融資取引に関して、調査及び見直しを進めてまいりました。

GLでは、GLH融資取引に対して、独立した監査法人による特別監査を実施しましたが、タイSEC指摘の根拠を特定することはできておりません。

また、GLH融資取引の実態、取引の適正性を調査するため、2017年11月17日に、第三者委員会を設置することを決議し、第三者委員会の調査に全面的に協力してまいりました。

2017年12月12日に、第三者委員会の中間報告書を受領しましたが、タイSECの指摘の根拠を特定するには至りませんでした。

また、2018年7月31日に、GLではタイSECの決算訂正命令に対応して比較情報としての2016年12月末決算を含む2017年12月末決算を訂正しました。当該GLの過年度決算の訂正は、タイSECの決算訂正命令に対応したものですが、訂正原因となる誤謬が特定されていないこと等を考慮し、当社としましては、GLの訂正処理は当社の決算には反映させず、前々々連結会計年度からの会計処理を踏襲しております。

当社グループといたしましては、引き続き、タイSECやタイDSIに対し、当社グループの正当性を主張しつつ、タイDSIの捜査に全面的に協力してまいります。

なお、捜査の動向次第では、当社グループの経営等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨JTRUST ASIA PTE.LTD.等との係争について

当社連結子会社であるGLが発行した総額180百万USドル(当連結会計年度末190億円)の転換社債保有者であるJTRUST ASIA PTE. LTD. (以下、「JTA」という。)は、GLがタイSECから2017年10月16日及び同月19日にGL元役員の不正行為や利息収入の過大計上、関連する決算の訂正などについて指摘を受けたことに起因し、錯誤を理由として、2017年11月30日付けで、転換社債の投資契約解除と転換社債180百万USドルの即時一括弁済等を請求をしており、タイ及びシンガポールにおいてGL並びにGLH等に対して各種の訴訟が提起されており、一部終結に至ったものの、現在も係争中となっております。

JTAが行っている訴訟の概要につきましては、以下のとおりです。

 

(GL)損害賠償請求訴訟

(GL)会社更生申立訴訟

(GLH)損害賠償請求訴訟

(GLH)暫定的資産凍結命令申立訴訟

1.訴訟提起日

2018年1月9日

2018年1月10日

2017年12月26日

2017年12月26日

2.訴訟の原因及び提起されるに至った経緯

J トラスト株式会社の子会社であるJTAは、 当社連結子会社GLの転換社債(合計2億1千万米ドル)を引き受ける投資契約を締結し、当該転換社債を保有しておりましたが、JTA はGLに対し 当該投資契約解除及び未転換の転換社債(1億8千万米ドル相当)の全額一括返済を要求しておりました。GLといたしましては、当該投資契約の解除要件に抵触した事実は何一つなく、転換社債の期限前償還に応じなければならない条件は何ら整っていなかったことから、これらの要求にはお断りをしつつも、円満解決に向け誠実に対応して参りました。しかしながら、交渉は妥結に至ることはなく、JTA は、GL及びGLH等が、投資家に対し1億8千万米ドル以上の投資を促す為に、同社グループの財務諸表を改ざんし、GLが健全な財政状況であると誤解させ、投資家等に損害を与えたということを理由として、GL及びGLHに対し損害賠償請求を求めるべく、これら一連の訴訟を提起したものです。

3.訴訟を提起した者の概要

(商号)

J Trust Asia Pte.Ltd.

(所在地)

シンガポール

(代表者の役職・氏名)

代表取締役社長 藤澤信義

同左

同左

同左

4.訴訟内容

JTA は、タイにおいて、GL、GL 取締役 3名、並びに此下益司 氏に対し、JTA の投資額(最低2億1千万米ドル)の損害賠償を求め訴訟を提起しております。

JTA は、タイにおいて、GLの会社更生手続きの開始を求め訴訟を行っております。

JTA は、シンガポールにおいて、GLH、此下益司氏、並びに当社グループ会社ではないその他5社 に対し、JTAの投資額 (最低2億1千万米ドル)の損害賠償を求め訴訟を提起しております。

シンガポールにおいて、GLH、此下益司氏、並びに当社グループ会社ではないその他1社に対し、通常の事業業務で生じる以外の資産取引の禁止、及び、シンガポール国外への1億8千万米ドルまでの資産移転・処分を禁止するものです。

 

 

 

5.裁判の進展

係争中です。

2019年8月15日付で会社更生申立訴訟が棄却されました。その後、2019年11月26日にJTAによる控訴が申立てられ、2020年9月29日にJTAによる請求が全面的に棄却される判決が下されました。当該判決が最終となり終結しました。

2020年2月12日シンガポール高等裁判所は、JTAの請求をすべて棄却し、JTAに対し被告に生じた費用を支払うように命じる判決が下されました。その後、2020年2月13日に控訴が申立てられ、2020年10月6日にJTAの請求が一部認められ、GLH、此下益司氏、並びに当社グループではないその他5社に対し、約7千万米ドル及び約13万シンガポールドル(日本円で約74億円)の支払命令が下されました。当該判決が最終となり終結しました。

2018年2月23日シンガポール高等裁判所は暫定的資産凍結命令を停止し解除する決定を下しており、その後、JTAは2回暫定的資産凍結命令に関する審判保留の申立てを行いましたが、却下されております。なお、JTAは、同時に、暫定的資産凍結命令の停止、解除を不服として、当該決定の棄却(暫定的資産凍結命令の復活)を求め控訴の申立てを行っておりましたが、2018年6月1日に結審し暫定的資産凍結命令が発令されており現在も継続しております。

 

上記の他、GLは、2018年5月3日付けでJTA及びJTAの親会社であるJトラスト株式会社(以下、「Jトラスト」という。)から、彼らが提起した訴訟に対して、GLが法的要件を満たさない等と公表しているリリースが不正行為であると主張し名誉毀損による損害賠償を請求(結論として20,271,232.88タイバーツ(2018年5月22日のレート3.46円換算で約70百万円))する訴訟を提起されて、2020年3月20日に判決が出る予定となっておりましたが、2020年1月16日にJトラストとJTAにより当該訴訟は取り下げられました。

また、JTAは、当社連結子会社のEngine Holdings Asia PTE.LTD.(以下「EHA」)他1社を被告とし、2020年11月16日にシンガポール共和国の裁判所にて訴訟手続きを開始しました。主な訴訟申立ての理由としては、JTAがGLに対して実施した投資(転換社債合計210百万USドル・日本円約223億円、及びGL株の購入他527百万タイバーツ)について、GLHが他の被告と共謀し、JTAに投資を促すために、GLの財務諸表を改ざんし投資家等に損害を与え、その行為にEHAも参画しているという主張からEHA他1社に対し損害賠償請求を求めております。また、当該損害賠償請求に伴い、2020年10月21日にEHAに対し、195百万USドルまでの通常の取引で生じる以外の資産取引の禁止、及びシンガポール国外への資産の移転・処分を禁止する命令(暫定的資産凍結命令)が下されております。

これらの係争等の結果次第では、当社グループの経営等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑩継続企業の前提に関する重要な事象等

当社グループでは、上記⑧⑨の事象が発生しておりますが、これらについて、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。

⑧に記載した事項に関しましては、当社グループといたしましては、引き続き、タイSECやタイDSIに対し、当社グループの正当性を主張しつつ、タイDSIの捜査に全面的に協力してまいります。

⑨に記載した事項に関しましては、当社グループでは、法律顧問と相談し検討を進めており、当該転換社債の早期償還に関する権利及び投資契約の解消の権利については、JTAが早期償還の権利を行使できる条件は何等整っておらず、また当該投資契約の解除事由は生じておりませんので、JTAによる投資契約の解消、及び、転換社債の早期償還要求は行えないものと認識しております。

当社グループとしましては、当社グループの正当性を主張すべく粛々と法的対応を進めてまいる所存であり、JTAに対し必要かつ適切な法的措置をとってまいります。

 

以上に記載している将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2020年12月28日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績の状況の概要

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

当連結会計年度の売上高は、77億50百万円(前年同期比16.8%減)、営業利益は3億42百万円(同42.8%減)、経常損失は3億40百万円(同2億12百万円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純損失は18億39百万円(同4億48百万円の純損失)となりました。

売上高は、各国政府によるロックダウンなどの新型コロナウイルス感染拡大防止策による景気悪化に伴って新規貸付を減らしていることにより、Digital Finance事業が大幅減となりました。

営業利益、経常利益はコンテンツ事業においては利益改善が順調に進んでおります。

親会社株主に帰属する当期純損失は、本年10月にシンガポールで下された判決を当連結会計年度に取り込み、大幅な減益となりました。

セグメント別の業績としましては、Digital Finance事業は減収減益、コンテンツ事業は増収増益となりました。

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末と比べて49億4百万円減少し、390億74百万円となりました。内訳としましては、流動資産が35億93百万円減少、固定資産が13億11百万円減少しております。

また負債合計は、前連結会計年度末と比べて6億32百万円増加し、263億83百万円となりました。内訳としましては、流動負債が145億62百万円増加、固定負債は139億29百万円減少しております。

純資産は前連結会計年度末と比べて55億37百万円減少し、126億91百万円となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比べて17億74百万円増加(前年同期比15.8%増)し、当連結会計年度末の残高は129億84百万円となりました。

当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。

 

(営業活動におけるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は、39億38百万円(前年同期は49億36百万円の獲得)となりました。その主な内訳は、営業貸付金の減少額29億77百万円、税金等調整前当期純損失の計上38億89百万円、訴訟損失引当金の繰入額22億95百万円、持分法による投資損失1億55百万円、利息の支払額1億78百万円、法人税等の支払額5億36百万円等であります。

 

(投資活動におけるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、2億48百万円(前年同期は60百万円の使用)となりました。その主な内訳は、有形固定資産の取得による支出1億29百万円、貸付けによる支出33百万円、貸付金の回収による収入54百万円、差入保証金の増減1億38百万円等であります。

 

(財務活動におけるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、21億9百万円(前年同期は51億51百万円の使用)となりました。その主な内訳は、短期借入金の増減額20億77百万円、長期借入金の返済による支出16百万円、親会社からの借り入れによる収入20百万円、親会社への返済による支出35百万円等であります。

 

 

③生産、受注及び販売の実績

  a.生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2019年10月1日

至  2020年9月30日)

前年同期比(%)

Digital Finance事業(千円)

コンテンツ事業(千円)

392,250

83.1

 報告セグメント計(千円)

392,250

83.1

その他(千円)

合計(千円)

392,250

83.1

 

(注) 1  金額は製造原価によっております。

2  Digital Finance事業については、生産実績がないため記載を省略しております。

3  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

  b.受注状況

当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

Digital Finance事業

コンテンツ事業

427,930

99.3

34,610

94.7

 報告セグメント計

427,930

99.3

34,610

94.7

その他

合計

427,930

99.3

34,610

94.7

 

(注) 1  金額は販売金額によっております。

2  Digital Finance事業については、d.Digital Finance事業の取扱高及び期末残高をご参照ください。

3  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

  c.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2019年10月1日

至  2020年9月30日)

前年同期比(%)

Digital Finance事業(千円)

7,238,129

82.5

コンテンツ事業(千円)

512,413

111.5

 報告セグメント計(千円)

7,750,542

83.9

その他(千円)

合計(千円)

7,750,542

83.2

 

(注) 1  セグメント間の取引については相殺消去しております。

2  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

  d.Digital Finance事業の取扱高及び期末残高

当連結会計年度のDigital Finance事業の取扱高及び期末残高を示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

取扱高(千円)

前年同期比(%)

期末残高(千円)

前年同期比(%)

Digital Finance事業

12,926,490千円

66.96

24,876,939

84.89

 

(注)   取扱高は、当連結会計年度におけるDigital Finance事業の契約金額であり、期末残高は契約に伴う営業貸付金の期末残高であります。

 

(2) 経営者の視点による経営成績の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①重要な会計方針及び見積もり

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成について必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。

詳細につきましては、「第5  経理の状況  1  連結財務諸表等  (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループは当連結会計年度においては、減収減益となりました。売上高は77億50百万円(前年同期比16.8%減)、営業利益は3億42百万円(同42.8%減)、経常損失は3億40百万円(同2億12百万円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純損失は18億39百万円(同4億48百万円の純損失)となりました。

当社といたしましては、今後とも短期的な景気判断や収益について適切に対処しながらもそれらに囚われることなく、中長期的視点で経済成長する地域に適切に投資し、当社の成長を目指しております。

なお、上記金額に消費税等は含まれておりません。

 

セグメントごとの経営成績に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

a.Digital Finance事業

当事業の当連結会計年度における業績は、減収減益となりました。当連結会計年度における売上高は72億38百万円(前年同期比17.5%減)、セグメント利益(営業利益)は4億31百万円(同51.0%減)となりました。

全体として、昨年8月まで継続しておりましたタイとシンガポールにおける大型の裁判に対応し、営業貸付金を減少させる保守的な営業方針を採っていたことにより、営業貸付金総額が長期的に減少したことに加え、3月以降は営業をしております各国においても、新型コロナウイルス感染症対策として、各国政府がロックダウンなどを行った結果、営業停止や休業をしました。当社グループはこの間、①営業貸付金の回収に注力、②景気悪化に備えて新規貸付審査厳格化と抑制を柱に活動いたしました。この結果、売上高・セグメント利益ともに減少となっております。

新型コロナウイルス感染防止政策の影響ですが、東南アジア各国は国ごとの感染者数や政策対応が大きく異なり、タイ、カンボジア、ラオスでは感染者は相対的に少なく国内は落ち着いた状況ですが、ミャンマー、インドネシアでは感染者が未だ多くロックダウン等が継続しており、マダラ模様となっております。同時に景気悪化は各国とも影響が大きく、カンボジアやミャンマーではオートバイ等の当社主力商品への明確な需要減少がみられます。同時に当社は顧客返済遅延に備えて保守的に新型コロナウイルス感染症対策特別引当金を引き当てております。その金額は現在のところ妥当と考えられ、かつ、その後回収は想定より順調に進んでおります。各国の景気や需要状況を注視し、現在はまだ事業拡大に踏み切る時ではないと判断しており、今後は事業再拡大の機会を慎重に判断してまいります。

 

 

b.コンテンツ事業

当事業の当連結会計年度における業績は、増収増益となりました。当連結会計年度における業績は、売上高5億12百万円(前年同期比11.5%増)、セグメント利益(営業利益)は97百万円(前年同期は46百万円のセグメント損失)となりました。

当事業は、主にトレーディングカードゲーム制作やエンターテインメント関連の書籍及び電子書籍の制作、音楽並びに関連商品の製作を行っており、様々なコンテンツを商品・イベント化する企画制作・編集・制作に独自性を持ち展開しております。

当事業の当連結会計年度における業績につきましては、当社の手がけました、現在人気が高まっております「鬼滅の刃」が特に来年以降に成長の柱となるとともに、その他各種漫画の人気が好調であることなどから書籍編集が売上高を伸ばしております。また当社の手がけましたトレーディングカードゲームも人気が高く、ロイヤリティ収入が大幅に増加しており、同時に事業経費も大幅に圧縮が進んでおります。当連結会計年度では、売上高が1割増加する一方、事業経費は2割程度減少しており、これが利益化に貢献しております。

新型コロナウイルス感染防止政策の影響については、当事業は数年来リモートネットワークを推進していたこともあり、業務の遂行に大きな支障はなく、新しい商品制作がはじまることもあり、今後につきましては影響を払しょくできるものと考えております。また、各種の開示でお知らせいたしましたように、海外展開を積極的に進めることで、本格的な事業拡大につなげる方針を継続してまいります。

 

財政状態に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末と比べて49億4百万円減少し、390億74百万円となりました。

流動資産は35億93百万円減少し、309億96百万円となりました。主な内訳は営業貸付金の減少44億28百万円等であります。

固定資産は13億11百万円減少し、80億78百万円となりました。主な内訳は有形固定資産の増加66百万円、無形固定資産の減少2億22百万円、投資その他の資産の減少11億54百万円であります。

流動負債は145億62百万円増加し、260億38百万円となりました。主に1年内償還予定転換社債の増加114億7百万円及び訴訟損失引当金の増加22億37百万円等であります。

固定負債は139億29百万円減少し、3億44百万円となりました。主に転換社債の減少140億35百万円等であります。

純資産は55億37百万円減少し、126億91百万円となりました。利益剰余金の減少19億75百万円、為替換算調整勘定の減少5億15百万円、非支配株主持分の減少30億41百万円等であります。

 

キャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比べて17億74百万円増加し、当連結会計年度末の残高は129億84百万円(前年同期比15.8%増)となりました。

当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。

 

(営業活動におけるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は、39億38百万円(前年同期は49億36百万円の獲得)となりました。その主な内訳は、営業貸付金の減少額29億77百万円、税金等調整前当期純損失の計上38億89百万円、訴訟損失引当金の繰入額22億95百万円、持分法による投資損失1億55百万円、利息の支払額1億78百万円、法人税等の支払額5億36百万円等であります。

Digital Finance事業において新型コロナウイルス感染症対策による景気悪化に伴って、営業貸付金の回収に注力し、新規貸付審査厳格化と抑制を行った結果として、営業貸付金総額が大幅に減少したことから、営業活動キャッシュ・フローが改善したものであります。

 

 

(投資活動におけるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、2億48百万円(前年同期は60百万円の使用)となりました。その主な内訳は、有形固定資産の取得による支出1億29百万円、貸付けによる支出33百万円、貸付金の回収による収入54百万円、差入保証金の増減1億38百万円等であります。

Digital Finance事業において新たな国や地域への進出を引き続き抑制したことから、前年同期に比べると使用した資金が増加したものの、全体としては投資活動のキャッシュ・フローが抑えられたものであります。

 

(財務活動におけるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、21億9百万円(前年同期は51億51百万円の使用)となりました。その主な内訳は、短期借入金の増減額20億77百万円、長期借入金の返済による支出16百万円、親会社からの借り入れによる収入20百万円、親会社への返済による支出35百万円等であります。

当連結会計年度は営業活動のキャッシュ・フローを改善しつつ、投資活動で使用するキャッシュ・フローを抑えることにより生み出したフリー・キャッシュ・フローを借り入れ等の返済に充当する方針で引き続き活動いたしました。これにより財務活動で使用した資金は前年同期に比べると減少したものの、全体としてはボリュームのある資金量となったものであります。

 

(資本の財源及び資本の流動性)

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、営業貸付金の貸し出し資金のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資のための資金のほか、M&Aによる業務拡大を行うことを決定した場合等に発生するものでありますが、現時点ではM&A等の投資活動につきましてはより慎重に検討し抑制的に進めております。

当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

運転資金は自己資金及び金融機関からの借り入れや社債等により調達し、投資活動資金につきましては、より長期的な資金活用となることを想定し、社債並びに転換社債等により調達することを基本としております。また、当社グループの事業運営・成長に伴う安定的な資金の流動性並びに投資資金の獲得のため、適切な規模でのエクイティ・ファイナンスにつきましても適宜検討を進めてまいります。

当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症拡大防止策による景気悪化に対応して、営業貸付金の回収並びに新規貸付審査厳格化と抑制を行ったため、主に営業貸付金総額が減少したこと等により、営業キャッシュ・フローが39億38百万円となりました。また、投資活動は引き続き抑制したことから、投資活動によるキャッシュ・フローは△2億48百万円となりました。これらによるフリー・キャッシュ・フローを借り入れ等の返済に充当したことにより財務活動によるキャッシュ・フローが△21億9百万円となりました。

これにより、当連結会計年度末における有利子負債の残高は196億75百万円となっており、また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は129億84百万円となっております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

 該当事項はありません。