第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第2四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更があった事項は以下のとおりであります。また、以下の見出しに付された項目番号は、前事業年度の有価証券報告書における「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2 事業等のリスク」の項目の番号に対応しております。

 

1.経営戦略に関わるリスク

(1) 短期的なリスク

②海外事業展開

ラービグ リファイニング アンド ペトロケミカル カンパニーにおけるラービグ第2期計画に関するプロジェクト・ファイナンス契約に完工保証を行っておりましたが、同契約で定める連続操業実績や債務返済能力に関する所定の条件を充足したため、当該完工保証は2020年9月30日付で終了しました。詳細は、「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記 17 関連当事者」に記載しております。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当第2四半期連結累計期間における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当第2四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。また、当第2四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(1) 経営成績

当社グループの当第2四半期連結累計期間における売上収益は、前年同四半期連結累計期間(以下「前年同四半期」という。)に比べ608億円減少し、1兆468億円となりました。損益面では、コア営業利益は541億円、営業利益は508億円、親会社の所有者に帰属する四半期損失は11億円となり、それぞれ前年同四半期を下回りました。

 

  (売上収益)

売上収益は、健康・農業関連事業や医薬品において出荷の増加はありましたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響に伴う経済活動の落ち込みにより、石油化学およびエネルギー・機能材料の自動車関連用途での出荷の減少がありました。また、石油化学における市況下落の影響があり、売上収益は、前年同四半期の1兆1,076億円に比べ608億円減少し、1兆468億円となりました。

 

 

 (コア営業利益/営業利益)

コア営業利益は、健康・農業関連事業において農薬の出荷増加やメチオニン(飼料添加物)の交易条件改善がありましたが、石油化学において持分法適用会社であるラービグ リファイニング アンド ペトロケミカル カンパニーでの定期修繕の影響がありました。また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響に伴う経済活動の落ち込みにより、石油化学およびエネルギー・機能材料での出荷の減少があり、コア営業利益は、前年同四半期の845億円に比べ305億円減少し541億円となりました。

コア営業利益の算出にあたり営業利益から控除した、非経常的な要因により発生した損益は、医薬品において前年同四半期に、開発中の抗がん剤の一部試験の中止等を決定したことにより、条件付対価の公正価値が減少し、多額の費用戻入が発生したため、前年同四半期の180億円の利益に比べ213億円悪化し33億円の損失となりました。以上の結果、営業利益は、前年同四半期の1,025億円に比べ518億円減少し508億円となりました。

 

 (金融収益及び金融費用/税引前四半期利益)

金融収益及び金融費用は、為替相場が円高で推移し為替差損を計上したことにより、119億円の損失となりました。前年同四半期の59億円の損失に比べ60億円悪化しました。以上の結果、税引前四半期利益は、前年同四半期の966億円に比べ578億円減少し、388億円となりました。

 

 (法人所得税費用/親会社の所有者に帰属する四半期損失及び非支配持分に帰属する四半期利益) 

法人所得税費用は234億円となり、税引前四半期利益に対する税効果適用後の法人所得税費用の負担率は、60.3%となりました。

以上の結果、四半期利益は、154億円となりました。

非支配持分に帰属する四半期利益は、主として大日本住友製薬株式会社(以下「大日本住友製薬」という。)などの連結子会社の非支配持分に帰属する四半期利益からなり、前年同四半期の204億円に比べ39億円減少し、165億円となりました。

以上の結果、親会社の所有者に帰属する四半期損失は11億円となり、前年同四半期の親会社の所有者に帰属する四半期利益297億円に比べ、308億円減少しました。

 

当第2四半期連結累計期間のセグメント別の業績の概況は、次のとおりであります。

なお、セグメント利益は、営業利益から非経常的な要因により発生した損益を除いて算出したコア営業利益で表示しております。

 

(石油化学)

新型コロナウイルス感染症拡大の影響に伴う経済活動の落ち込みにより、自動車関連用途を中心に合成樹脂などの出荷が減少しました。また原料価格の下落に伴い、石油化学品などの市況が低水準で推移しました。この結果、売上収益は前年同四半期に比べ、1,086億円減少し2,436億円となりました。コア営業利益は、出荷数量の減少に加え、石油化学品などの交易条件の悪化や持分法適用会社であるラービグ リファイニング アンド ペトロケミカル カンパニーでの定期修繕の影響により前年同四半期に比べ487億円悪化し313億円の損失となりました。

 

(エネルギー・機能材料)

新型コロナウイルス感染症拡大の影響に伴い、自動車関連用途の電池部材(リチウムイオン二次電池用セパレータ、正極材料)や合成ゴムなどの出荷が減少しました。この結果、売上収益は前年同四半期に比べ、258億円減少し1,052億円となり、コア営業利益は前年同四半期に比べ78億円減少し48億円となりました。

 

(情報電子化学)

半導体プロセス材料である高純度ケミカルやフォトレジストは需要の伸長に伴い出荷が増加しました。また、巣ごもり需要や在宅勤務需要等を背景に、ディスプレイ関連材料の出荷が増加しました。この結果、売上収益は前年同四半期に比べ、64億円増加し2,133億円となり、コア営業利益は前年同四半期に比べ68億円増加し221億円となりました。

 

(健康・農業関連事業)

農薬は本年4月に実施したニューファーム社の南米子会社4社の買収により販売が増加しました。また、メチオニン(飼料添加物)は前年同四半期に比べ市況が上昇しました。この結果、売上収益は前年同四半期に比べ、397億円増加し1,861億円となりました。コア営業利益は、メチオニンの交易条件の改善などにより、前年同四半期に比べ181億円改善し99億円となりました。

 

(医薬品)

国内では前連結会計年度に販売を開始したエクアおよびエクメット(2型糖尿病治療剤)の寄与などにより増収となりました。また、北米ではラツーダ(非定型抗精神病薬)の販売が伸長しました。この結果、売上収益は前年同四半期に比べ、287億円増加し2,761億円となりました。コア営業利益は、前連結会計年度に取得したスミトバント社およびその傘下の子会社の費用が認識されたことにより、販売費及び一般管理費ならびに研究開発費は増加しましたが、売上収益の増加により、前年同四半期に比べ22億円増加し491億円となりました。

 

(その他)

上記5部門以外に、電力・蒸気の供給、化学産業設備の設計・工事監督、運送・倉庫業務、物性分析・環境分析業務等を行っております。これらの売上収益は前年同四半期に比べ、13億円減少し225億円となり、コア営業利益は前年同四半期に比べ5億円増加し57億円となりました。

 

(2) 財政状態

当第2四半期連結会計期間末の資産合計は前連結会計年度末に比べ1,240億円増加し、3兆7,744億円となりました。現金及び現金同等物が増加しました。

負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,416億円増加し、2兆4,031億円となりました。有利子負債は、前連結会計年度末に比べ1,466億円増加し、1兆4,512億円となりました。

資本合計(非支配持分を含む)は、その他の資本の構成要素が減少したことにより、前連結会計年度末に比べ176億円減少し、1兆3,712億円となりました。

なお、当第2四半期連結会計期間末において、ニューファーム社の南米子会社4社の買収により本年4月に取得した資産および引き受けた負債は、公正価値評価が完了していないため、暫定的な金額であります。

親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末に比べて1.3ポイント減少し、24.0%となりました。

 

 

(3) キャッシュ・フロー

当第2四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、運転資金の改善等により前年同四半期に比べ867億円増加し、1,566億円の収入となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出等が減少したため、前年同四半期に比べ98億円支出が減少し、630億円の支出となりました。

この結果、フリー・キャッシュ・フローは、前年同四半期の29億円の支出に対して、当第2四半期連結累計期間は936億円の収入となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、有利子負債の増加等により、979億円の収入となりました。また、当第2四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物の四半期末残高は、前連結会計年度末に比べ2,012億円増加し、3,818億円となりました。

 

(4) 経営方針・経営戦略等

当第2四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(6) 研究開発活動

 当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は869億円であります。

また、当第2四半期連結累計期間における、当社グループの研究開発活動の状況の変更の内容は、次のとおりであります。

 

(健康・農業関連事業)

 2020年8月、米国およびカナダにおいて、新規殺菌剤「インディフリン」(一般名:インピルフルキサム)および同有効成分を含む製品の農薬登録を取得いたしました。「インディフリン」は、当社がB2020(2020年までに主要市場向けの登録申請を完了するパイプライン)の一剤として独自に発明した有効成分で、病原菌のエネルギー生産の過程を阻害する作用を持つコハク酸脱水素酵素阻害剤(SDHI)と呼ばれる殺菌剤に属しています。今回、農薬登録を取得した製品は当社の連結子会社であるベーラント U.S.A. LLCを通じて販売されます。

また、2020年8月、ベーラント U.S.A. LLCは、カリフォルニア州にある本社および研究所を同州サン・ラモンに新設した最先端の施設「ノースアメリカイノベーションセンター」に移転し稼働を開始しました。約9,300平方メートルにおよぶ拠点に、本社および研究開発機能を統合することで連携とイノベーションを強化し、より迅速かつ効果的に持続可能なソリューションと製品の市場投入を実現していきます。

 

(全社共通)

2020年9月、国立大学法人島根大学(以下「島根大学」という。)と当社は、二酸化炭素からメタノールを実用化に見合うレベルで高効率に合成する共同研究(以下「本共同研究」という。)を推進することといたしました。メタノールは、低級オレフィンを製造する原料や化学品の基礎原料です。二酸化炭素を原料としたメタノール合成の実用化に向けて、本共同研究において、島根大学は、引き続き触媒とプロセスの基礎技術の開発を進め、当社は、その基礎技術をもとに触媒とプロセスの工業化に取り組み、高効率なメタノールの合成反応の確立を目指します。島根大学と当社は、本共同研究を通じて、二酸化炭素と使用済プラスチックを資源とした炭素循環を確立して、持続可能な社会の構築に貢献してまいります。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第2四半期連結会計期間において締結した、経営上の重要な契約等は以下のとおりであります。

 

(大日本住友製薬による公募ハイブリッド社債(公募劣後特約付社債)の発行)

当社の連結子会社である大日本住友製薬は、2019年10月にRoivant Sciences Ltd.と戦略的提携に関する契約を締結し、2019年12月に2,700億円の資金の借入を行ったうえで、本戦略的提携の対価として総額約30億米ドル(約3,300億円)を支払いました。

今般、本戦略的提携のために調達した借入金の返済資金の一部に充当することを目的として、2020年9月10日に総額1,200億円の公募形式によるハイブリッド社債(劣後特約付社債)を発行しました。

詳細は、「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記 12 社債及び借入金」に記載しております。