文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものである。
当社は、2016年度からの10ヶ年中長期経営計画および2018年度からの3ヶ年中期経営計画に基づいて取り組みを進めていたが、下記の要因等により、計画の達成は困難と判断し、経営計画を変更した。
(吸水性樹脂の事業環境の変化)
・設備能力過剰による需給、市況軟化
・性能差縮小等、競合他社に対する優位性低下
・人民元安などによる中国でのマージン縮小
(新製品開発計画の遅延)
・機能化学品の開発品の上市の遅れ
・エンジニアリングの新規分野への参入断念
加えて、足下の世界経済および国内経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により大幅に下押しされており、当社を取り巻く環境は厳しい状況が続くと予想される。
2020年度から2022年度までの新しい中期経営計画では、喫緊の経営課題である事業構造の変革および研究開発の強化に取り組み、3事業すべてが成長を牽引する事業構造への転換を進めることとする。
本経営計画では最終年度(2022年度)の目標として、売上高1,200億円、営業利益80億円、ROE8.5%の達成を目指していく(前提とする諸条件は、為替レートが110円/米ドル、15.0円/人民元、国産ナフサ40,000円/KLである)。

セグメント毎の課題および取組みについては次のとおりである。
機能化学品セグメントでは、パーソナルケア分野では欧米・中国などの成長市場をメインターゲットとし、化粧品・トイレタリー用増粘剤の市場ニーズにマッチした機能を開発する一方、環境分野では世界的な環境問題に対応した水系エマルジョン・有機溶剤フリーの粉体塗料への切り替えを展開する。電子材料分野では5G高速通信、自動車CASE対応などの新たな市場ニーズに対応するため、最適な機能開発を進める一方、エネルギー分野では高容量化、長寿命化等の次世代車載用電池等のニーズに対応した、高機能なバインダー、添加剤を提供する。
本計画では2022年度の売上高240億円、営業利益28億円を目標としている。
吸水性樹脂セグメントでは、高付加価値分野に研究開発リソースを集中投下し、顧客の多様なニーズを実現する新グレードの開発や、中国・アジアなどの成長市場におけるテクニカルマーケティングの強化を通じ、当社製品・技術サービスの差別化および新グレードの拡販に注力する。同時に、抜本的な合理化として製造プロセス改善、生産体制再構築、サプライチェーン最適化に取り組み、競争力強化と生産性向上を実現する。
本計画では2022年度の売上高780億円、営業利益27億円を目標としている。
ガス・エンジニアリングセグメントでは、半導体ガスでは大手デバイスメーカー向けエッチング・成膜プロセス用高純度CO・高純度C3H6(プロピレン)の顧客・技術動向の早期把握による拡販、SiC(シリコンカーバイド)パワー半導体向け高純度C3H8(プロパン)製造設備の早期立上げおよび拡販、コストダウン実現と次期投資機会の獲得に取り組む。ガスケミカルでは工業用途向けの需要を安定確保するとともに、半導体用途などの新規需要を取り込み、プロダクトミックスを最適化する。開発品ではガス製品およびPSA関連への選択と集中で効率を重視しつつ、特に次世代半導体材料で他社との提携を含めた開発を強化する。
本計画では2022年度の売上高180億円、営業利益25億円を目標としている。
新製品の開発では、吸水性樹脂では衛生材料共通ニーズの漏れ、臭い、かぶれ等を解決する新製品開発の継続に加え、環境に配慮した製品を追求する技術開発、コスト削減に向けたプロセス開発に取り組む。機能化学品では電子、エネルギー分野の新製品開発を継続する一方、当社の水溶性樹脂技術を生活、医薬関連化学品、接着剤、塗料分野に向けて展開する。ガス・エンジニアリングでは半導体用高純度ガスのプロダクトラインアップ拡充や新規半導体プロセス材料の開発推進、PSA技術活用ガスの適用拡大に注力する。

当社グループは、上記の中期経営計画を進めることに加え、CSR活動の推進、グループ経営の強化、人"財"の育成、更なる技術力の強化に取り組み、社会に貢献し、社会から信頼を得て、常に社会と共存共栄する企業グループであるよう努めていく。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがある。
なお、ここに記載した事項は、当連結会計年度末現在において当社グループがリスクとして判断したものであるが、当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではない。
(1)市場や供給に係るリスク
①当社グループが購入している原・燃料等の仕入価格は、需給バランスや市況により急激な価格変動を起こすことがある。これらの仕入価格が急激に上昇した場合、製品価格への転嫁が遅れることなどにより、当社グループの財政状況および経営成績に悪影響を及ぼす可能性がある。
②当社グループは、事業を展開する市場において厳しい価格競争に直面している。国内外の競合企業による当該市場への参入、安価な輸入品の流入など、様々な理由により当社グループの製品群は今後も厳しい価格競争に晒されるものと予想される。当社グループはコストの低減に努めているが、価格競争を克服できない場合、当社グループの財政状況および経営成績に悪影響を及ぼす可能性がある。
③当社グループが購入する原材料の一部については、特定の購入先に依存している。購入先を複数にするなど、主要原料が購入できないリスクを低減するように努めているが、時に主要原料の不足が生じないという保証はない。必要な主要原料が確保できない場合、当社グループの財政状況および経営成績に悪影響を及ぼす可能性がある。
(2)為替レート変動に係るリスク
当社グループは、海外を含めた製造拠点で製造した製品を輸出している。各製造拠点において通貨高が進行した場合、製品に対する価格競争力が低下することに加え、輸出手取額が減少することになる。このようなリスクに対しては、為替予約などによりリスクを最小限にするように努めているが、中長期的な為替レートの変動によるリスク等を完全にヘッジすることは出来ないため、当社グループの財政状況および経営成績財政状況に悪影響を及ぼす可能性がある。
また、海外の連結子会社の財政状況および経営成績は、連結財務諸表作成のために円換算されている。換算時の為替レートにより、円換算後の価値が影響を受ける可能性があり、当社グループの財政状況および経営成績に悪影響を及ぼす可能性がある。
(3)退職給付債務に係るリスク
当社グループの従業員退職給付費用および債務は、年金資産の長期期待運用収益率や割引率などの数理計算上の前提に基づいて算出されている。年金資産運用環境の悪化により前提と実績に乖離が生じた場合や退職給付信託に拠出している上場株式の株価の下落は、将来の退職給付費用の増加になり、当社グループの財政状況および経営成績に悪影響を及ぼす可能性がある。
(4)中国市場に係るリスク
高吸水性樹脂の主要な市場である中国においては、現地メーカー製品の品質向上などによる高吸水性樹脂のコモディティ化や出生数の低下などにより当社グループの競争環境が激化する可能性がある。加えて、人民元建てによる主要な原料取引を行っていないため、人民元レートの変動が当社グループの財政状況および経営成績に影響を及ぼす可能性がある。なお、人民元レートが1%下落した場合、売上高および営業利益は通期で約2億円減少する。
このようなリスクに対し当社グループは、子供用おむつ向けについては、技術サービス提供による強みを生かせる新興国向けの拡販を図り、大人用おむつ向けについては、薄型化など差別化可能な市場へ注力している。
(5)固定資産の減損に係るリスク
当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準を適用している。当社グループが保有する固定資産について、経営環境の著しい悪化等により投資額の回収が見込めなくなった場合、減損損失が発生し、当社グループの財政状況および経営成績に悪影響を及ぼす可能性がある。
(6)その他経営全般に係るリスク
(知的財産権)
当社グループは、他社と差別化できる技術とノウハウを蓄積し事業の競争力を強化してきたが、当社グループ独自の技術・製品とノウハウの一部は、特定の地域において完全な保護が不可能で、第三者が当社グループの知的財産を使用して類似製品を製造することを効果的に防止できない可能性がある。また、現在及び将来の知的財産に係る紛争の結果、当社グループに不利な判断がなされる可能性がある。
(製品の品質)
当社グループは、世界的に認められている厳格な品質管理基準に従って、各種製品を製造しているが、すべての製品について欠陥が無く、将来に亘ってリコールが発生しないという保証はない。大規模な製品事故は、多額のコストや当社グループの評価に重大な影響を与え、当社グループの財政状況および経営成績に悪影響を及ぼす可能性がある。
(事故・災害)
当社グループは、製造設備の停止や製造設備に起因する事故などによる潜在的なマイナス要因を最小化するため、すべての製造設備において定期的な点検を実施している。しかしながら、製造設備で発生する事故、自然災害等による影響を完全に防止・軽減できる保証はない。また、当社グループの事業活動におけるシステム・ネットワークへの依存度は年々拡大しており、セキュリティの高度化などによりシステムやデータの保護に努めているが、停電、自然災害やコンピューターウィルス、ハッカー等のシステム犯罪などにより、システム・ネットワーク障害が生じる可能性がある。事故等により、工場周辺に物的・人的被害を及ぼした場合、あるいは、システム・ネットワーク障害が発生した場合、事業活動に支障をきたすほか多額のコストや当社グループの評価に重大な影響を与え、当社グループの財政状況および経営成績に悪影響を及ぼす可能性がある。
(その他)
当社グループが事業活動を遂行している各国において、法律や規制等の変更、人材の採用と確保の難しさ、テロ・戦争・疫病・その他の要因による社会的混乱などのリスクが内在しており、これらのリスクが顕在化した場合は、当社グループの財政状況および経営成績に悪影響を及ぼす可能性がある。
また、将来的に環境および化学品安全等に対する法的規制が強化され、新たなコストが発生する可能性がある。
なお、提出日現在において新型コロナウイルス感染症が蔓延しており、工場の停止や物流網の混乱など当社グループの財政状況および経営成績に悪影響を及ぼすリスクがあるが、2020年3月期および提出日現在のいずれにおいても当社グループの国内外の各製造拠点に製品供給に支障をきたす事態は生じておらず、通常の稼働を継続している。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。
① 財政状態及び経営成績の状況
当期のわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続くなかで、個人消費にも持ち直しの動きが見られ、設備投資も増加した。海外経済も総じて緩やかな景気回復が続いたが、第4四半期会計期間には新型コロナウイルス感染症の国内外における感染拡大などの影響により、先行きが懸念される状況となった。
このような状況のもとで、当期の当社グループの売上高は997億1百万円(前期比9.1%減)、営業利益は77億7千5百万円(前期比14.3%減)、経常利益は68億6千6百万円(前期比20.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は42億8千5百万円(前期比609.1%増)となった。
また、1株当たり当期純利益は310.74円、ROEは6.7%となった。
当連結会計年度末の総資産は受取手形及び売掛金、有形固定資産が減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ55億1千8百万円減少し1,002億6千1百万円となった。負債は借入金を返済したことなどにより、前連結会計年度末に比べ62億4千6百万円減少し335億3千万円となった。純資産(非支配株主持分を含む)は、前連結会計年度末に比べ7億2千8百万円増加し667億3千万円となり、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ4.0ポイント上昇し64.1%となった。
セグメントの業績は次のとおりである。
当セグメントでは、売上高は184億4千6百万円(前期比1.0%減)、営業利益は19億9千1百万円(前期比7.0%減)となった。営業利益については、研究開発費の増加などにより減益となった。
当セグメントでは、売上高は658億9千4百万円(前期比11.4%減)、営業利益は35億4千4百万円(前期比27.9%減)と減収減益となった。これは、販売数量の減少に加え、中国市場において販売価格の下落と人民元安の影響を受けたことなどによるものである。
当セグメントでは、売上高は153億6千1百万円(前期比7.6%減)、営業利益は22億2千8百万円(前期比11.1%増)と減収増益となりました。売上高は、エレクトロニクスガスなどの販売数量が減少したことにより減収となったが、営業利益は、エンジニアリング事業の利益率が改善したことなどにより増益となった。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ、14億9千1百万円増加し、142億7千9百万円となった。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動による資金の増加は、107億6千7百万円(前期比58億9千7百万円の増加)となった。主な内訳は、税金等調整前当期純利益が64億3千7百万円、減価償却費が54億3千万円、法人税等の支払額が23億8百万円などである。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動による資金の減少は、38億3千8百万円(前期比44億4千2百万円の減少)となった。主な内訳は、固定資産の取得による支出38億8千万円などである。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動による資金の減少は、55億6千4百万円(前期比20億5百万円の増加)となった。主な内訳は、長期借入金の返済による支出が50億円、短期借入金の純増額が9億6千2百万円、配当金の支払による支出が13億7千8百万円などである。
イ. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
(注) 1 金額は、販売価格によっている。
2 上記の金額には、消費税等は含まれていない。
3 セグメント間の取引については相殺消去している。
当連結会計年度における「ガス・エンジニアリング」のうち、エンジニアリングの受注実績は次のとおりである。なお、エンジニアリングを除く製品については、見込み生産を行っている。
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれていない。
2 セグメント間の取引については相殺消去している。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれていない。
2 セグメント間の取引については相殺消去している。
3 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。連結財務諸表の作成にあたっては、当社グループにおける過去の実績や現時点での将来計画などに基づき見積りを行っている事項があり、主な事項は次のとおりであるが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果とは異なる場合がある。
なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計基準等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載している。
(繰延税金資産の回収可能性)
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を判断するに際して、将来の課税所得を合理的に見積もっているが、将来の課税所得の見積り額に変更が生じた場合、繰延税金資産が増額又は減額され、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性がある。
(固定資産の減損)
当社グループは、固定資産の回収可能価額について、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づいて算出しているが、事業計画や市場環境の変化により、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性がある。
また、新型コロナウイルス感染症拡大による重要な会計上の見積りに対する影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (追加情報)」に記載している。
イ. 財政状態の分析
(資産の部)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ55億1千8百万円減少し、1,002億6千1百万円となった。主な要因は売掛金および有形固定資産の減少によるものである。売掛金は売上高の減少や人民元安の影響に加え、前連結会計年度末が休日であったことによるものである。また、有形固定資産は減価償却による減少に加え、円高の進行により海外子会社の資産の円換算額が減少したことによるものである。
(負債の部)
負債は、前連結会計年度に比べ62億4千6百万円減少し、335億3千万円となった。主な要因は買掛金の減少および借入金の返済によるものである。買掛金の減少は主に前連結会計年度末が休日であったことによるものである。
(純資産の部)
純資産(非支配株主持分を含む)は、円高の影響による為替換算調整勘定の減少や退職給付信託として拠出している株式の時価下落による退職給付に係る調整累計額の減少があったものの、株主資本の増加により、前連結会計年度末に比べ、7億2千8百万円増加し、667億3千万円となった。また、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ4.0ポイント上昇し、64.1%となった。
(経営指標)
1株当たり純資産額は利益剰余金が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ49.96円増加し、4,659.35円となった。
(売上高および営業利益)
売上高は、前連結会計年度に比べ99億3千3百万円(9.1%)減少し、997億1百万円となった。また、営業利益は77億7千5百万円となり、前連結会計年度に比べ12億9千6百万円(14.3%)減少した。これは主に、吸水性樹脂において販売数量の減少に加え、中国市場において販売価格の下落と人民元安の影響を受けたことなどによるものである。
なお、2018年秋から取り組んでいる製造プロセスの改善、生産体制の再構築、サプライチェーンの合理化については技術的には8割程度具体化しており、2020年3月期の営業利益には約5億円の合理化効果が含まれている。
(経常利益)
経常利益は68億6千6百万円となり、前連結会計年度に比べ17億6千9百万円(20.5%)減少した。これは主に、営業利益の減益に加え、為替相場の変動の影響により親会社及び海外子会社の外貨建債権債務などに係る為替差損が11億2千万円発生したことなどにより、前連結会計年度に比べ4億2千1百万円の損となったものである。
なお、当社の海外子会社に対する円建ての貸付について、2019年9月末に現地通貨への借換えを実施し、為替リスクの低減を図った。
(税金等調整前当期純利益)
税金等調整前当期純利益は64億3千7百万円となり、前連結会計年度に比べ18億7千3百万円(41.0%)増加した。特別損失については、前連結会計年度に、ヨーロッパの子会社における固定資産の減損損失40億円を計上している。当連結会計年度の減損損失は、姫路工場において、吸水性樹脂の合理化プロジェクトの一環として実施した生産体制の再構築に伴い、生産を休止した固定資産に係る減損損失である。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は42億8千5百万円となり、前連結会計年度に比べ36億8千1百万円(609.1%)増加した。これは主に、前連結会計年度において、ヨーロッパの子会社における減損損失計上に加え、繰延税金資産を約11億円取り崩したことによるものである。
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計額は20億5千5百万円となり、税金等調整前当期純利益64億3千7百万円に対する税効果会計適用後の法人税等の負担率は31.9%となった。
(経営指標)
1株当たり当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益が増益となったことから、前連結会計年度に比べ266.92円増加し310.74円となった。またROEは、前連結会計年度に比べ5.8ポイント増加し6.7%となった。
2023年3月期を最終年度とする中期経営計画に対する2020年3月期の実績は下記のとおりである。
営業活動による資金の増加は税金等調整前当期純利益や減価償却費の影響により107億6千7百万円となった。固定資産取得等の投資活動による資金の減少は38億3千8百万円となり営業活動による資金の増加を下回った。また、それに加え長期借入金の返済等、財務活動による資金の減少も55億6千4百万円となり、この結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、142億7千9百万円と前期比14億9千1百万円の増加となった。
ニ. 資本の財源及び資金の流動性について
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原料の仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用である。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものである。当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としている。
短期運転資金は自己資金を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達については、金融機関からの長期借入を基本としている。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース負債を含む有利子負債の残高は148億5千2百万円となっている。また、当連結会計年度末における現金及び預金の残高は153億6千6百万円となっている。
当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりである。
該当事項はない。
2022年度に向けた3カ年中期経営計画では、3事業すべてが成長を牽引する事業構造への転換と将来の成長に向けた研究開発を強化している。強化策として研究開発の効率化とスピードアップを図るため、研究開発の体制において、従来3事業部門に配置していた研究所を統合、開発研究所と生産技術研究所の2研究所体制とし、開発テーマの選定・研究資源の配分を全社的視点から行っている。
当連結会計年度における研究開発費の総額は
(1) 機能化学品
機能化学品事業では、エネルギー分野で次世代車載用電池への高機能バインダーや添加剤を開発する。電子材料分野では5Gによる高速通信、自動車CASEによる新たな市場ニーズに応えて顧客に最適機能を提供する製品開発を進める。パーソナルケアにおいては各国で異なる化粧品、トイレタリー用増粘剤の市場ニーズにマッチした機能を開発していく。
当セグメントに係る研究開発費は、
(2) 吸水性樹脂
吸水性樹脂事業においては、一層の高付加価値化を推し進める。成長する大人用衛生用品市場のニーズに向けた消臭・薄型・漏れ防止等を追求し高機能グレードの研究開発を強化する。多様な顧客ニーズを有する中国・アジアでは、現地拠点の密接なコミュニケーションによりニーズに的確に対応する。また、最終消費財の廃棄物・環境負荷低減につながる技術開発も行っていく。
当セグメントに係る研究開発費は、
(3) ガス・エンジニアリング
ガス・エンジニアリング事業では、大手デバイスメーカー向けエッチング・成膜プロセス用に求められる超高純度の次世代半導体材料に向けた開発に注力し、他社との提携を含めた開発を進めていく。メモリ向けには一酸化炭素やプロピレンを中心に今後の需要増に対応する。高純度プロパンは、SiCパワー半導体の市場立ち上がりに合わせて早期立ち上げおよび拡販を行う。新興国での需要拡大により世界的に需給が逼迫しているヘリウム等の希ガスを排ガスから回収再利用するため、排ガスの前処理とPSAを用いたシステムを開発し需要の創出を目指す。
当セグメントに係る研究開発費は、
(4) 全社共通
全社共通の研究として、機能創出を支える評価技術を深化させる他、CO2固定化等環境負荷低減要素を取り入れた新規機能製品の開発に取り組む。将来の新規事業を創成することを目的に、当社独自の基盤技術・製品群を起点としてアプローチできる成長分野をターゲットに中長期的な研究開発を全社横断的に進めている。当連結会計年度の主な成果としては、低環境負荷の次世代素材等の研究開発の推進があげられる。
当セグメントに係る研究開発費は、