文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、2023年度から2025年度までの中期経営計画において、「事業構造の強靭化」、「研究開発の結実」、「徹底した合理化」、「サステナビリティへの取り組み深化」に取り組むこととしております。
<事業構造の強靭化>
吸水性樹脂事業では、インドなどアジア市場を中心に需要の増加が続くと想定し、さらなる販売増加を実現するため、アジア地区で新しい製造設備の建設を計画しております。また、製造プロセスの合理化や高付加価値製品の開発と上市を推し進め、収益力を高めます。
機能マテリアル事業では、需要の成長が見込まれるエレクトロニクスガスの生産能力を増強するとともに、医療・生活関連分野においては販売シェアの維持、徹底した合理化、安全安定操業に注力してまいります。
<研究開発の結実>
吸水性樹脂事業では、これまで以上に環境・安全に配慮し、資材・廃棄物削減に資する新製品や化学品管理の動向に対応した新製品を開発します。また、消臭など用途に応じて求められる機能を付与することで、製品の高付加価値化に取り組みます。
機能マテリアル事業では、次世代半導体材料や新規リチウムイオン電池用電解液添加剤などの開発を加速します。
<徹底した合理化>
吸水性樹脂事業では、合理化プロジェクトで計画している原単位の改善や増産によるメリットを確実に発現させるとともに、CO2原単位削減にも貢献する製造プロセスの改善など、更なる合理化に取り組みます。機能マテリアル事業においても徹底的な合理化を実施します。
さらに、全社横断の生産性向上の取り組みとして、基幹業務システムの刷新による業務プロセスの改善、社内のベストプラクティスの他部署への展開、工場や研究所におけるデジタル技術の活用による業務の自動化・高速化などを推進します。
<サステナビリティへの取り組み深化>
当社グループは、「衛生・健康・QOL向上へのアクセス」、「エネルギーへのアクセス」、「インフラ改良と技術革新」、「持続可能な消費と生産」、「ジェンダー平等」、「カーボンニュートラル実現」の6項目のマテリアリティを設定しております。各項目の取り組み状況を定量的に把握するためのKPIを定め、その目標達成に向けて具体的な施策を実行してまいります。カーボンニュートラル実現に向けた取り組みとしては、当社グループが排出するGHGの削減や、社会全体のGHG排出削減に貢献する低濃度CO2分離回収や使用済吸水性樹脂(SAP)のリサイクルなどの技術開発を進めてまいります。
本計画では、最終年度である2025年度の業績目標を、売上高1,600億円、営業利益120億円、ROE8.5%としており、その前提条件は、為替レートが135円/米ドル、19.5円/人民元、国産ナフサ70,000円/KLであります。
<2025年度 中期経営計画 業績目標>
企業価値の持続的な成長に向けて、本計画期間の研究費は90億円、設備投資は500億円を予定しております。業績目標を達成し、株主の皆様への安定的な利益還元を実施するとともに強固な財務基盤を維持してまいります。

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当社グループが当連結会計年度末現在において合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果とは様々な要因により大きく異なる可能性があります。
(1)共通
①ガバナンス
サステナビリティ委員会が、内部統制委員会およびレスポンシブル・ケア委員会と連携しながら、サステナビリティに関する諸課題の特定・評価・管理を行っております。
1)サステナビリティ委員会
サステナビリティ経営を推進するため、サステナビリティに関する方針の策定およびサステナビリティ計画の立案、当社およびグループ各社のサステナビリティ推進状況の確認と改善、その他サステナビリティ経営の推進に必要な事項を行っております。
2)内部統制委員会
当社の内部統制を統括するため、内部統制システムの運用状況の報告を受け、各組織およびリスク・コンプライアンス委員会に必要な指示を行い、内部統制の維持・向上を図っております。
3)レスポンシブル・ケア委員会
レスポンシブル・ケア活動を推進するために、安全・環境・品質(リスクおよびコンプライアンスを含む)に関する中・長期計画の策定、全社年度計画の策定、業務システムの重大な変更、重大問題に対する措置などを審議、決定しております。
②戦略
当社グループは、「サステナビリティ基本方針」として以下の方針を定めております。
③リスク管理
当社グループは会社の重要リスクを一覧化し、その対策について検討と見直しを行い、内部統制委員会に報告しております。
サステナビリティ課題に関わる事業へのリスクについては、サステナビリティ委員会で検討・モニタリングを実施しております。
④指標と目標
当社グループは、地球環境や社会のサステナビリティが重要性を増すなかで、当社グループがSDGsの課題解決にどのように貢献していくのかを明確にするため、マテリアリティを検討してまいりました。
その結果、当社グループのマテリアリティとして、「衛生・健康・QOL向上へのアクセス」、「エネルギーへのアクセス」、「インフラ改良と技術革新」、「持続可能な消費と生産」、「ジェンダー平等」、「カーボンニュートラル実現」の6項目を当社グループのマテリアリティとすることと致しました。各項目の取組状況を定量的に把握するためのKPIは以下のとおりです。
・マテリアリティ(重要課題)
(2)気候変動への対応(TCFD提言への取組)
①ガバナンス
サステナビリティ委員会は気候変動に関する方針の策定、計画の立案、その推進状況の確認と改善を行い、これらの結果を内部統制委員会に報告しております。レスポンシブル・ケア委員会は、環境保全の視点から、地球温暖化防止・省エネルギー削減などの気候変動課題への具体的対策を検討・実施しております。
②戦略
気候変動を伴い地球上の平均気温が上昇することは、社会に非常に大きな影響を及ぼすことから、気温上昇を1.5℃に抑えるパリ協定の実現に住友精化グループとして貢献をすることが、重要であると認識しています。
当社は、1.5℃、4℃シナリオでシナリオ分析を行っています。
③リスク管理
気候変動に関する主なリスクは、内部統制委員会の経営リスクに含めて管理しております。
④指標と目標
2022年、当社グループは、カーボンニュートラルに向け、以下の目標、並びに、対応方針を定めました。
■ 当社グループが国内で排出する温室効果ガス(GHG)を2030年までに2013年比46%以上削減する。
■ 2050年カーボンニュートラルを実現する。
当社グループのCO2排出量は以下のとおりです。
現時点で2022年度データの集計が完了していないため、最新の情報として、2021年度の排出量は282kt-CO2(国内 187 kt-CO2、海外95 kt-CO2)でした。
詳細については2023年内に発行予定の「
(3)人的資本・多様性
①ガバナンス
当社では、経営会議において経営戦略との整合について議論したうえで人財戦略を策定しております。この人財戦略に基づいて、自律的で多様なキャリア、働き方を尊重する人事評価制度、研修制度を導入しており、公平性・納得性を高めたうえで、職務や成果に応じた処遇、階層・目的に合った教育を行っております。また人財育成や雇用環境の状況について定期的に取締役会へ報告を実施しているほか、幹部の育成、選任は経営トップを委員長とするHR委員会において議論しております。
②人財戦略
※当社は、人材を「人財」と書きます。「人は財(タカラ)なり」、「人を育て活かす」、これが住友精化の原点です。
1)高い専門性を有する人財の確保と育成
各種技術教育等の専門教育や自己啓発による能力開発の支援を通じて、高度な知識・技能の習得を促すとともに、グローバルに事業を展開していく上で必要な専門性を有する経験者採用を積極的に行っております。また、計画的な人財育成を目的として、毎年各部門長と総務人事室にて育成会議を実施し、ローテーションを含めた育成を行っております。
その他、専門的な研修だけではなく、全社員に対して自律的なキャリア形成を支援する中で、自らが考え、手を挙げる社員に対し、リーダーシップ発揮に必要な教育を行う選抜型研修の拡充や、自律的なキャリア形成に資するローテーションを一定割合で実現することで、多角的な視点を養う等、業務経験値の向上を促しております。また、全社員に対して、パーパスステートメントで掲げた「住友精化のケミストリー」、すなわち当社の優位性・独自性を持つコア技術についての教育も進めていきます。
2)リーダーの選抜と育成
将来の経営を担う経営人財(幹部候補)の選抜育成については、各部門から成果を上げている人財が推薦され、経営層と人事部門が共同でその育成計画を策定・推進しております。
その他、海外売上高比率がさらに高まっていく中で、グローバル競争に勝ち切るリーダーを選抜、育成に向けてのプログラムを進めてまいります。
3)DE&Iの推進
当社グループには、性別や国籍の違いだけでなく、さまざまなライフスタイル、多様な価値観を持つ社員が在籍しております。ビジネスが多様化・高度化する中、多様な人財の「知と経験」を融合させて、常に新たな価値を生み出すことが世界で勝ち抜いていくためには不可欠です。それぞれのバックグラウンドに応じた雇用環境の提供のほか、社員一人一人の「強み」に焦点を当て、人財の多様性を活かし、その力を融合させることにより、グローバルな競争力の向上につなげていきます。
4)働く環境の整備
イ.評価
当社では、職場の衛生環境を測定する目的のストレスチェックに加え、社員がどれだけ会社に共感しているかを測るため、エンゲージメントサーベイを実施しています。サーベイ結果を基に社員のエンゲージメント向上への課題を把握し対策を行っていくため、部門長を対象とした意見交換の場も設けております。
ロ.健康経営
「従業員が健康で、能力を発揮する」ことが当社の事業活動の源泉であり、従業員とその家族の「心と身体の健康の保持・増進」は経営の重要課題の一つであります。下記のとおり健康経営基本方針を定めて各種施策を推進しております。
ハ.WLB(ワーク・ライフ・バランス)
当社では、WLB(ワーク・ライフ・バランス)推進委員会を設置し、従業員が生き生きと働ける就業環境等の充実に取り組んでおります。休暇の取得促進や業務の効率化などによる実労働時間の削減や、育児・介護との両立をはじめとした柔軟な働き方を促進する制度の整備などを推し進めております。
また、社員の福利厚生の充実と生活の安定に寄与することを目的とした共済会を運営しております。
③リスク管理
当社グループでは、少子化等による労働人口の減少が予測される中、事業運営に必要な採用計画を達成できないことや、雇用の流動性の高まりなどを背景に離職率が上昇することによる組織力の低下を大きなリスクと考えております。
採用競争力の強化や働きがいのある職場環境を整備することで、これらのリスク低減に努めたいと思います。
④目標と指標
※従業員の状況
(注)課長職相当未満の管理職を含みます。
(4)その他
①人権尊重
当社グループは、事業継続のための基盤の一つとして「人権尊重」を位置付けており、「住友精化グループ行動憲章」を以下のとおり定めております。
「住友精化グループ行動憲章」に基づき、「サステナブル調達基本方針」を定めており、サプライチェーンにおける人権デュー・ディリジェンス(人権リスクの特定、人権侵害の防止・軽減、実効性の評価、取組み情報の開示)を実施することとしております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
当社グループではこのようなリスクを最小化するとともに、これらを機会として活かすためのリスク管理体制の整備・充実に努めております。詳細は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ③企業統治に関するその他の事項 (ロ)リスク管理体制の整備状況」に記載しております。
なお、ここに記載した事項は、当連結会計年度末現在において当社グループがリスクとして判断したものでありますが、当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではありません。
(1)経営判断や事業戦略に関するリスク
①市場環境
事業を展開する市場において、国内外の競合企業による当該市場への参入、安価な輸入品の流入など、様々な理由により当社グループの製品群は今後も厳しい価格競争に晒されるものと予想されます。また、吸水性樹脂事業の主要な市場の一つである中国においては、現地メーカー製品の品質向上などによる吸水性樹脂のコモディティ化や出生数の低下などにより当社グループの競争環境が激化する可能性があります。
②原材料調達
購入する原材料の一部については、特定の購入先に依存しております。購入先を複数にするなど、主要原料が購入できないリスクを低減するように努めておりますが、原燃料等の仕入価格は、需給バランスや市況により急激な価格変動を起こすことがあり、また、仕入価格が急激に上昇した場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
③為替レート変動
当社グループは、グローバルに生産販売活動を展開しており、為替の変動が外貨建て売上や原材料の調達コストに影響を及ぼします。そのため、為替予約などによりリスクを最小限にするように努めております。また、海外の連結子会社は、連結財務諸表作成上、換算時の為替レートにより円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。特に、人民元レートの変動が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
④気候変動
気候変動に関連する問題は、長期的には当社事業へ大きく影響し、これに真摯に取り組むことが当社グループの持続的な成長や長期的な企業価値向上につながるものと考えております。TCFDの枠組みに基づき、シナリオ分析を実施しております。
(2)経理・財務に関するリスク
①退職給付債務
当社グループの従業員退職給付費用および債務は、年金資産の長期期待運用収益率や割引率などの数理計算上の前提に基づいて算出されております。年金資産運用環境の悪化により前提と実績に乖離が生じた場合や退職給付信託に拠出している上場株式の株価の下落は、将来の退職給付費用の増加になり、当社グループの財政状態および経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
②固定資産の減損
当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準を適用しております。当社グループが保有する固定資産について、経営環境の著しい悪化等により投資額の回収が見込めなくなった場合、減損損失が発生し、当社グループの財政状態および経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3)その他経営全般に関するリスク
①災害・事故
当社グループは製造設備の停止や製造設備に起因する事故などによる潜在的なマイナス要因を最小化するためすべての製造設備において定期的な点検を実施していますが、自然災害、事故等により、工場周辺に物的・人的被害を及ぼした場合、事業活動に支障をきたすほか多額のコストや当社グループの評価に重大な影響を与えるリスクがあります。
②情報セキュリティ
当社グループの事業活動におけるシステム・ネットワークへの依存度は年々拡大しており、セキュリティの高度化などによりシステムやデータの保護に努めておりますが、停電、自然災害やコンピューターウィルス、ハッカー等のシステム犯罪などにより、システム・ネットワーク障害が発生した場合、事業活動に支障をきたすほか多額のコストや当社グループの評価に重大な影響を与える可能性があります。
③法令及び規制
当社グループが事業活動を遂行している各国で将来的に環境および化学品安全等に対する法的規制が強化され、新たなコストが発生する可能性があります。
④人事労務
労働災害、感染症・伝染病の蔓延などにより、業務遂行が停滞する可能性、従業員の人権問題、メンタルヘルス問題、ハラスメントによる就労環境が悪化する可能性、これらにより当社が損害賠償義務を負うなどの可能性があります。
⑤法令違反、コンプライアンス
国内外の法令等に抵触するなどのコンプライアンス違反が発生した場合には、当社グループの社会的な信用が低下し、また損害賠償責任や罰金が課されるなど、当社グループの経営成績ならびに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑥製品の品質
当社グループは、世界的に認められている厳格な品質管理基準に従って、各種製品を製造していますが、全ての製品について欠陥がなく、将来にわたってリコールが発生しない保証はありません。大規模な製品事故が発生した場合多額のコストが発生する恐れや、当社グループの評価に重大な影響を与える可能性があります。
⑦知的財産権
当社グループは、他社と差別化できる技術とノウハウを蓄積し事業の競争力を強化してきましたが、当社グループ独自の技術・製品とノウハウの一部は、特定の地域において完全な保護が不可能で、第三者が当社グループの知的財産を使用して類似製品を製造することを効果的に防止できない可能性があります。また、現在及び将来の知的財産に係る紛争の結果、当社グループに不利な判断がなされる可能性があります。
⑧その他
当社グループが事業活動を遂行している各国において、法律や規制等の変更、人材の採用と確保の難しさ、テロ・戦争・疫病・その他の要因による社会的混乱などのリスクが内在しており、これらのリスクが顕在化した場合は、当社グループの財政状態および経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当期の国内外の経済は、不安定な国際情勢を背景としたエネルギー価格及び為替の大幅な変動の影響を受けましたが、ウィズコロナの下で、緩やかな持ち直しの動きが見られました。
このような状況のもとで、当期の当社グループの売上高は1,430億4千1百万円(前期比23.8%増)、営業利益は104億5千4百万円(前期比29.5%増)、経常利益は109億2千9百万円(前期比22.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、85億9千2百万円(前期比45.7%増)となりました。
また、1株当たり当期純利益は636.83円、ROEは10.4%となりました。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ53億7千7百万円増加し、1,266億5千1百万円となりました。これは主に棚卸資産が増加したことによるものです。負債は、前連結会計年度末に比べ6億2千万円増加し、399億9千万円となりました。これは主に買掛金が増加したことなどによるものです。純資産は、前連結会計年度末に比べ47億5千6百万円増加し866億6千1百万円となり、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ3.5ポイント増加し68.4%となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
当セグメントでは、売上高は1,055億5千4百万円(前期比33.6%増)、営業利益は53億4千3百万円(前期比114.9%増)となりました。これは原燃料価格上昇分の販売価格への転嫁や為替の影響などによるものであります。
当セグメントでは、売上高は371億5千9百万円(前期比3.9%増)、営業利益は50億4千3百万円(前期比8.0%減)となりました。売上高はコスト上昇分の販売価格への転嫁や為替の影響などにより増収となりましたが、営業利益は年度後半の半導体市況の悪化によりエレクトロニクスガスの販売数量が減少したことや、原燃料価格の上昇などにより減益となりました。
<その他セグメント>
当社グループは上記事業のほか、製造受託事業等を行っております。当セグメントでは、売上高は3億2千6百万円(前年同期比61.2%減)、営業利益は6千2百万円(前期比37.4%減)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ、56億9千5百万円減少し、235億5千3百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動による資金の増加は、67億3百万円(前期比23億1千4百万円の減少)となりました。主な内訳は、税金等調整前当期純利益が112億4千9百万円、減価償却費が50億9千7百万円、売上債権の増加額が13億6千2百万円、棚卸資産の増加額が60億1千7百万円、法人税等の支払額が17億8千7百万円などであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動による資金の減少は、59億4千2百万円(前期比16億2千1百万円の増加)となりました。主な内訳は、有形固定資産の取得による支出が49億3百万円、無形固定資産の取得による支出が19億2千8百万円などであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動による資金の減少は、83億3百万円(前期比53億1千6百万円の増加)となりました。主な内訳は、短期借入金の純増額が8億2千9百万円、長期借入金の返済による支出が31億8百万円、配当金の支払による支出が21億5千7百万円、非支配株主からの子会社持分取得による支出が36億6千9百万円などであります。
イ. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は、販売価格によっております。
2 セグメント間の取引については相殺消去しております。
当連結会計年度における「機能マテリアル」のうち、エンジニアリングの受注実績は次のとおりであります。なお、エンジニアリングを除く製品については、見込み生産を行っております。
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 当連結会計年度において、受注高及び受注残高に著しい変動がありました。これは、酸素ガス発生装置、水素ガス発生装置の大型案件の受注が増加したことによるものであります。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績の10%以上の相手先がないため記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、当社グループにおける過去の実績や現時点での将来計画などに基づき見積りを行っている事項があり、主な事項は次のとおりですが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果とは異なる場合があります。
なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
(繰延税金資産の回収可能性)
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を判断するに際して、将来の課税所得を合理的に見積もっておりますが、将来の課税所得の見積り額に変更が生じた場合、繰延税金資産が増額又は減額され、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(固定資産の減損)
当社グループは、固定資産の回収可能価額について、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づいて算出しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。
イ. 財政状態の分析
(資産の部)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ53億7千7百万円増加し、1,266億5千1百万円となりました。主な要因は原燃料価格の上昇に伴い販売価格が上昇し営業債権が増加したことや、原燃料価格の上昇に伴い棚卸資産が増加したことなどによるものであります。
(負債の部)
負債は、前連結会計年度に比べ6億2千万円増加し、399億9千万円となりました。主な要因は原燃料価格の上昇に伴い買掛金が増加したことや借入金の減少などによるものであります。
(純資産の部)
純資産は、株主資本の増加に加え、為替相場の変動影響による為替換算調整勘定の増加などにより、前連結会計年度末に比べ、47億5千6百万円増加し、866億6千1百万円となりました。また、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ3.5ポイント増加し、68.4%となりました。
(経営指標)
1株当たり純資産額は利益剰余金が増加したことなどにより前連結会計年度末に比べ587.70円増加し、6,423.22円となりました。
(売上高および営業利益)
売上高は、前連結会計年度に比べ274億5千7百万円(23.8%)増収となり、1,430億4千1百万円となりました。また、営業利益は104億5千4百万円となり、前連結会計年度に比べ23億8千1百万円(29.5%)増益となりました。これは、為替の影響に加え、吸水性樹脂事業での原燃料価格の上昇に伴う販売価格の上昇、機能マテリアル事業でコスト上昇分の販売価格への転嫁などによるものであります。
(経常利益)
経常利益は109億2千9百万円となり、前連結会計年度に比べ20億1千3百万円(22.6%)増益となりました。当連結会計年度にわたって為替相場の変動による為替差益は4千4百万円となり前連結会計年度と比べ6億3千1百万円減少しましたが、営業利益の増益により増益となりました。
(税金等調整前当期純利益)
特別利益は、投資有価証券売却益4億2千9百万円の計上により4億2千9百万円となりました。その結果、税金等調整前当期純利益は112億4千9百万円となり、前連結会計年度に比べ27億9千5百万円(33.1%)増益となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は85億9千2百万円となり、前連結会計年度に比べ26億9千6百万円(45.7%)増益となりました。
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計額は26億2千4百万円となり、税金等調整前当期純利益112億4千9百万円に対する税効果会計適用後の法人税等の負担率は23.3%となりました。
(経営指標)
1株当たり当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益が増益となったことから、前連結会計年度に比べ207.73円増加し636.83円となりました。またROEは、前連結会計年度に比べ2.6ポイント増加し10.4%となりました。
2023年3月期を最終年度とする中期経営計画に対する2023年3月期の実績は下記のとおりであります。
営業活動による資金の増加は税金等調整前当期純利益や減価償却費の影響により67億3百万円となりました。固定資産取得等の投資活動による資金の減少は59億4千2百万円となり、フリー・キャッシュ・フローは7億6千1百万円となりました。また、財務活動による資金の減少は長期借入金の返済、配当金の支払や非支配株主からの子会社持分の取得等により83億3百万円となり、この結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、235億5千3百万円と前期比56億9千5百万円の減少となりました。
ニ. 資本の財源及び資金の流動性について
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原料の仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達については、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース負債を含む有利子負債の残高は126億2千4百万円となっており、当連結会計年度末における現金及び預金の残高は235億5千3百万円であります。
当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
当連結会計年度における研究開発費の総額は
(1) 吸水性樹脂
高齢者の人口が増加していることから大人用衛生用品を重点領域に位置付け、求められている消臭・薄型・漏れ防止等の機能を追求した高機能グレードの研究開発に注力しております。
また、吸収体の利用効率を高める新しい技術コンセプトを採用したグレードを開発し、既にその実証を終えております。今後、量産、販売に向けて開発を加速していきます。
その他、高機能化による最終消費材の廃棄物・環境負荷低減につながる技術開発も行っていきます。
当セグメントに係る研究開発費は、
(2) 機能マテリアル
リチウムイオン2次電池(LiB)の高容量化に寄与する素材として水系バインダーについて欧州、中国の電池メーカー向けにサンプル提供および技術フォローを進めております。
また、昨今のプラスチック代替ニーズに応える食品包装紙用コーティング剤の開発を進めております。
その他、次世代半導体材料についても、顧客評価を受けながら、量産化技術の開発を進めてまいります。
当セグメントに係る研究開発費は、
(3) 全社共通
全社共通の研究では、GHG(温室効果ガス)排出削減につながる技術、製品の研究開発に取り組んでおり、社会のカーボンニュートラル実現へ貢献していきたいと考えております。
具体的には、使用済紙おむつから回収した吸水性樹脂のリサイクル技術の開発を行っております。この技術は、再び紙おむつ用吸水性樹脂として使用する水平リサイクルを目指しております。
また、当社PSA技術を活用した排ガス中のCO2分離回収技術の開発にも取り込んでおります。各工場でのボイラー等から発生する低濃度CO2の分離回収を目指しております。
その他、車載用・産業用電動機の省エネルギー化に寄与する耐部分放電性を備えた機能性絶縁材の開発も進めております。
当セグメントに係る研究開発費は、