文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、“人と自然を大切にします。”“常に変革を行い、成長し続けます。”“価値ある商品を創出して、社会の発展に貢献します。”という企業理念に基づき活動し、“エクセレント・カンパニー”を目指し挑戦し続けます。
また、コンプライアンス(法令および社会的規範の遵守)を重視し、公正で自由な競争に基づく事業活動、正確で有用な情報の適時適切な開示、地域社会への積極的な貢献、地球環境の保護等にも当社グループをあげて真摯に取り組んでまいります。
以上を経営の基本方針とし、当社グループ全体の企業価値を最大限に高めてまいります。
(2) 目標とする経営指標
当社グループでは、差別化製品のグローバル展開と新事業の創出により企業価値向上を目指す観点から「売上収益」および「営業利益」、資産効率の指標である「総資産利益率(ROA)」ならびに資本効率の指標である「自己資本利益率(ROE)」を経営指標とし、その向上に取り組んでまいります。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、「技術立社」企業として、スペシャリティ・ケミカル分野において、差別化された製品を開発し、社会に貢献し続ける高付加価値型企業となることを目指し、「中期経営計画Kureha's Challenge 2018」(以下、「中計 Challenge 2018」)で定めた事業戦略を進め、差別化製品のグローバル展開と新事業の創出により企業価値向上を目指す経営を行ってまいります。
具体的には、医薬品および農薬を含む化学製品事業は国内での医療行政改革の影響および国内外での後発品の伸長等により厳しい事業環境となりますが、既存事業の競争力・収益力向上を図るとともに、PGA(ポリグリコール酸)事業を着実に成長させて収益の柱としてまいります。また、社長直轄の「新事業創出プロジェクト」により新規事業テーマの探索を全社で推進してまいります。
(4) 会社の対処すべき課題
創業以来、独創的な技術開発によるスペシャリティ製品を創出することで社会に貢献してきた当社グループは、差別化製品のグローバル展開とともに、“環境”、“エネルギー”、“ライフ(医療・食料)”に関わる新事業創出に取り組んでおります。
経済状況は、国内外において、緩やかな拡大が継続するものと期待されますが、世界経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響、原油価格の動向および為替変動などによっては、景気の先行き不透明感が強まる状況にあります。
このような中、当社グループは、市場競争(技術開発・価格)の激化や市場構造の変化などの事業環境の変化に的確に対応し、差別化された製品を開発することで、社会に貢献し続ける高付加価値型企業となることを目指しております。企業理念の実践を通じて、様々な社会的課題の解決を図り、あらゆるステークホルダーの皆様からの信頼を得ていくために、下記の「中計 Challenge 2018」で掲げた経営目標の達成に向けて取り組んでまいります。
[「中計 Challenge 2018」の概要]
2015年度までの中期経営計画「Grow Globally-Ⅱ」において、当社グループの利益創出基盤は着実に強化されてきましたが、これまで安定的な収益基盤だった化学製品事業(医薬・農薬等)の収益力低下が見込まれています。また、新規事業の創出に向けた取組みにおいても現時点で将来のクレハを支える有望なテーマの創出には至っていない状況でした。こうした現況を踏まえ、「中計 Challenge 2018」の3ヵ年を“将来のクレハの発展に向けた土台作りの期間”と位置付け、既存事業の競争力・収益力向上をベースとし、PGA(ポリグリコール酸)事業を着実に成長させて収益の柱としてまいります。また、社長直轄の「新事業創出プロジェクト」による新規事業テーマの探索を全社で推進してまいります。
以下は、2016、2017年度の進捗を踏まえ、重点施策ならびに定量計画を見直しました。
<経営目標と重点施策>
① 事業目標
1) 既存事業の競争力・収益力向上
〔機能製品〕フッ化ビニリデン樹脂・PPS樹脂での差別化戦略追求と積極的な資源投入による事業の拡大、および構造改革により黒字化を達成した炭素繊維事業の競争力強化。
〔化学製品〕医薬・農薬分野での新剤開発の促進、および2018年1月に発売したクレメジン速崩錠の拡販。
〔樹脂製品〕家庭用品分野でのブランド力の強化による安定的な収益力確保と海外市場開拓、ならびに価格競争が激しい業務用包装材分野での事業構造改革とグローバル市場における高機能品の拡販および加工品分野での新成形工場本格稼働に伴う拡販による収益力の向上。
〔建設関連〕復興需要減少を見据えた受注活動の強化と原価低減の促進。
〔その他関連〕環境関連分野での低濃度PCB処理を含む産業廃棄物処理事業の競争力強化。
〔研究開発・生産部門〕新グレードや新用途の開発、樹脂加工技術の強化による川下展開、および革新的生産プロセスの開発の推進。
2)PGA事業の拡大
・自社製フラックプラグの開発・生産・販売体制の構築によりバリューチェーンの拡大を果たしたPGA事業については、超低温分解タイプの自社製フラックプラグの評価・採用を進め、北米市場におけるシェールオイル・ガス掘削分野での拡販を加速する。
3) 新規事業テーマの探索促進
・社長直轄の「新事業創出プロジェクト」により探索された新技術・新事業のテーマのうち、開発に着手したテーマに関しては、適切なゲート管理を行い、事業化のための検討を加速する。
・環境、エネルギーおよびライフ分野で、当社が得意とする技術を活かしたテーマ探索を行う。また、他社資源の活用(M&A、協業)や大学との共同研究開発も行い、高付加価値の川下分野に展開していく。
② CSR(企業の社会的責任)経営の推進
・コンプライアンスに則った事業運営を行うとともに、当社のコーポレートガバナンス・ガイドラインを指針とし、社外取締役の2名以上の選任、取締役会の実効性評価に基づく改革を進めており、引き続き、コーポレート・ガバナンスの実効性を高めていく。
・ESG(Environmental =環境、Social =社会、Governance =企業統治)に対する取組みが重視される中、社会との共生や当社グループ全体における安全・品質・環境に関する取組みを強化する。
③ 経営基盤の強化
・研究、生産、エンジニアリング部門の連携強化による技術力向上を推進し、「技術立社」としての基盤強化に取り組む。
・技術革新を織り込んだ増産投資、安定生産のための維持・更新投資および資産効率化を図る。
・改革と革新活動等を通じ、生産性向上による活人化に努め、成長・戦略分野への重点的な人財配置を進める。
・グローバル人財・経営人財・高度専門人財の育成および確保を図るとともに、経営環境の変化に対応した人事制度の見直しを検討する。
・将来の発展に向けて、革新を引き起こす挑戦的課題への取組みを推進する。
・改革推進プロジェクトの活動(事業部主導による市場で勝てるコスト構造への転換、ならびに間接部門における業務の効率化および活人化の取組み)による継続的なコスト削減を推進する。
<定量計画>
2018年度の定量目標として、売上収益1,500億円、営業利益140億円、親会社の所有者に帰属する当期利益105億円の達成を目指します。
(5) コーポレート・ガバナンスの確立および内部統制の強化
コーポレート・ガバナンスの確立や内部統制の強化も重要な経営課題と認識しております。
当社は、コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方・方針を定め、株主・投資家に対して当社の姿勢を示すために、2015年12月22日付けで「コーポレートガバナンス・ガイドライン」を制定しました。
コーポレート・ガバナンスの確立については、経営の「監督機能」と「執行機能」の役割を明確に分離し、それぞれの機能強化を図っております。
① 経営における監督と執行の分離
・経営における監督責任と執行責任を明確にするために、社外取締役と執行役員制度を導入しております。
・取締役会は、業務執行を行う経営陣から独立している社外取締役2名以上を含む10名以内で構成し、監査役(社外監査役2名以上を含む4名以内で構成)も参加しております。
・事業年度の運営に対する責任を明確にするため、取締役、執行役員の任期は1年としております。
② 会社機関の機能
・取締役会は、重要な経営事項の決定と業務執行の監督を行なっております。
・経営会議は、代表取締役社長が議長を務め、執行役員を構成メンバーとし、当社の経営に関する重要案件等について審議しております。
・連結経営会議を定期的に開催し、経営方針、事業戦略について相互に意見交換を行うことにより、連結経営の強化を図っております。
内部統制の強化については、内部統制システム(取締役の職務の遂行が法令および定款に適合することを確保するための体制および株式会社の業務の適正を確保するための体制)をより強固なものとするべく、「内部統制システムの基本方針」を制定し、当社およびグループ各社が業務遂行に当り、法令を遵守し、業務を適正に遂行する体制を確保するよう各種委員会の設置や社内規程の整備および法令への対応を進めております。「財務報告に係る内部統制」に関しましても「基本規程」を制定し、金融商品取引法に定められた「財務報告に係る内部統制の有効性に関する経営者による評価及び公認会計士等による監査」を実施し、財務報告の信頼性の確保を図り、代表取締役の責任の下、「内部統制報告書」を作成することとしております。
コーポレート・ガバナンスの確立とともに内部統制の強化については今後も継続して取り組んでまいります。
(6) 株式会社の支配に関する基本方針等
① 基本方針の内容
ア.当社の株式は譲渡自由が基本であり、当社の株主は、市場での自由な取引を通じて決まるものです。従って、当社は、当社経営の支配権の移転を伴うような買付提案等に応じるかどうかの判断も、最終的には株主全体の自由な意思に基づき行われるべきものと考えています。
イ.当社の企業価値・株主共同の利益の向上に資するものであれば、当社の株式を大量に取得し当社の経営に関与しようとする買付を否定するものではありませんが、当社株式の買付等の提案を受けた場合に、それが当社の企業価値・株主共同の利益に影響をおよぼすか否かにつき当社株主の皆様が適切にご判断されるためには、当社株式の買付等の提案をした者による買付後の当社の企業価値・株主共同の利益の向上に向けた取組み等について当社株主の皆様に十分に把握していただく必要があると考えます。
ウ.しかし、当社株式の買付等の提案の中には、会社や株主に対して買付に係る提案内容や代替案等を検討するための十分な時間や情報を与えないもの、買付目的や買付後の経営方針等に鑑み、当社の企業価値・株主共同の利益を損なうことが明白であるもの、買付に応じることを株主に強要するような仕組みを有するもの、買付条件が会社の有する本来の企業価値・株主共同の利益に照らして不十分または不適切であるもの等、当社の企業価値・株主共同の利益を毀損するおそれをもたらすものも想定されます。
当社は、このような企業価値・株主共同の利益を毀損するおそれのある不適切な大規模な買付行為等や買付提案を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者としては適切ではないと考えています。
② 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は、上記(6)①の基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みとして、特定株主グループの議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株式等の買付行為、または結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株式等の買付行為(いずれについてもあらかじめ当社取締役会が同意したものを除き、また市場取引、公開買付等の具体的な買付方法の如何を問いません。以下、かかる買付行為を「大規模買付行為」といい、かかる買付行為を行う者を「大規模買付者」といいます。)に対する対応策(以下「本対応策」といいます。)を、2007年6月27日開催の定時株主総会において株主の皆様の承認を得て導入しました。さらに当社は、直近では2016年6月24日開催の定時株主総会において株主の皆様の承認を得て、内容を一部変更した上で本対応策を更新しております。
本対応策の概要は以下のとおりです。
(注) 本対応策の全文はインターネット上の当社ウェブサイト
(http://www.kureha.co.jp/newsrelease/uploads/20160419_3.pdf)に掲載しています。
ア.本対応策の目的
本対応策は、大規模買付行為が行われる場合に、買付に応じるべきか否かを株主の皆様に適切にご判断いただけるように、下記(6)②イに記載する事前の情報提供に関する一定のルール(以下「大規模買付ルール」といいます。)を設定することにより、当社取締役会が大規模買付者から必要な情報を入手するとともに、その大規模買付行為や買付提案を評価・検討する時間を確保し、株主の皆様へ代替案も含めた判断のために必要な情報を提供することを目的としています。
イ.大規模買付ルールの内容
当社取締役会が設定する大規模買付ルールとは、(ⅰ)事前に大規模買付者が当社取締役会に対して必要かつ十分な情報を提供し(大規模買付者から情報の一部について提供が難しい旨の合理的な説明がある場合には、必要な情報が全て揃わなくても、情報提供に係る交渉を打ち切ることがあります。)、(ⅱ)当社取締役会による一定の評価期間(大規模買付行為の買付条件により最長60日または90日間)が経過した後(当社取締役会が株主意思の確認を行う場合は、株主意思確認の手続きが終了した後)に大規模買付行為を開始する、というものです。
ウ.大規模買付行為がなされた場合の対応策
大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合には、当社取締役会は、仮に当該大規模買付行為に反対であったとしても、当該買付提案についての反対意見を表明し、または、代替案を提示することにより、株主の皆様を説得することに留め、原則として当該大規模買付行為に対する対抗措置は講じません。
ただし、大規模買付ルールが遵守されている場合であっても、当該大規模買付行為が当社に回復し難い損害をもたらす等、当社の企業価値・株主共同の利益を著しく損なうと当社取締役会が判断する場合には、取締役の善管注意義務に基づき、例外的に、当社の企業価値・株主共同の利益を守ることを目的として、必要かつ相当な範囲内で新株予約権の無償割当て等、会社法その他の法律および当社定款が認める対抗措置を講じることがあります。具体的にいかなる手段を講じるかについては、その時点で最も適切と当社取締役会が判断したものを選択することとします。具体的対抗措置として、新株予約権の無償割り当てをする場合には、対抗措置としての効果を勘案した行使期間および行使条件を設けることがあります。ただし、この場合、大規模買付者が有する新株予約権の取得の対価としての金銭の交付は行いません。
また、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合には、具体的な買付方法の如何にかかわらず、当社取締役会は、当社の企業価値・株主共同の利益を守ることを目的として、新株予約権の無償割当て等、会社法その他の法律および当社定款が認める対抗措置を講じることにより、大規模買付行為に対抗する場合があります。なお、大規模買付ルールを遵守したか否かを判断するに当たっては、大規模買付者側の事情をも合理的な範囲で十分勘案し、少なくとも、大規模買付者に提供を求めた情報のうち重要性が低い情報の一部が提出されないことのみをもって大規模買付ルールを遵守していないと認定することはしないものとします。
エ.株主・投資家に与える影響等
本対応策の導入時や更新承認時はもとより、対抗措置の発動時には、大規模買付者以外の株主の皆様が、法的権利または経済的側面において格別の損失を被るような事態は想定しておりません。
③ 上記(4)および(5)の取組みとして記載の「中計 Challenge 2018」および「コーポレート・ガバナンスの強化」ならびに上記(6)②の取組みとして記載の本対応策の次に掲げる要件への該当性に関する当社取締役会の判断およびその判断に係る理由
イ.当該取組みが基本方針に沿うものであること
ロ.当該取組みが当社の株主の共同の利益を損なうものではないこと
ハ.当該取組みが当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないこと
「中計 Challenge 2018」および「コーポレート・ガバナンスの強化」は、いずれも企業価値・株主利益の向上の実現を図るためのものであり、当社取締役会は、その内容からして、基本方針に沿い、当社の株主の共同の利益を損なうものではなく、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えています。
また、当社取締役会は、本対応策の策定に際して、以下を考慮することにより、本対応策が、上記の基本方針に沿い、当社の株主の共同の利益を損なうものではなく、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えています。
ア.買収防衛策に関する指針の要件を充たしていること
本対応策は、「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」(2005年5月27日経済産業省・法務省)の定める三原則(1企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、2事前開示・株主意思の原則、3必要性・相当性確保の原則)を充たしています。また、当社取締役会が大規模買付者に対して提供を求める情報を合理的に決定する旨を明示し、当社取締役会が対抗措置を発動することができる場合につき、当該大規模買付行為が一定の類型に形式的に該当するだけでは足りず、それによって、当社の企業価値・株主共同の利益を著しく損なうものと明らかに認められることが必要である旨を明示する等、「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」(2008年6月30日 企業価値研究会)および東京証券取引所が2015年6月1日に公表した「コーポレートガバナンス・コード」の「原則1-5 いわゆる買収防衛策」その他昨今の買収防衛策に関する議論等を踏まえた内容となっております。さらに、本対応策は、東京証券取引所の定める買収防衛策の導入に係る諸規則等の趣旨に合致するものです。
イ.企業価値・株主共同の利益の確保・向上の目的をもって更新されていること
本対応策は、大規模買付行為が行われる場合に、買付に応じるべきか否かを株主の皆様に適切にご判断していただけるように、当社取締役会が大規模買付者から必要な情報を入手するとともに、その大規模買付行為や買付提案を評価・検討する時間を確保し、株主の皆様へ代替案も含めた判断のために必要な情報を提供することを可能とすることで、企業価値・株主共同の利益を確保し、向上させるという目的をもって更新されたものです。
ウ.株主意思を尊重するものであること
当社は、2016年6月24日開催の定時株主総会において本対応策の更新について株主の皆様の意思を問い、出席株主(議決権行使書により議決権行使を行う株主を含みます。)の皆様の議決権の過半数のご賛同を得ており、本対応策の有効期間は当該定時株主総会の日から3年間(2019年6月に開催予定の定時株主総会終結の時まで)とし、以降、本対応策の更新(一部修正した上での継続も含みます。)については定時株主総会の承認を経ることとしています。また、本対応策は、その有効期間中であっても株主総会において本対応策を廃止する旨の決議が行われた場合には、その時点で廃止されるものとしており、株主意思を尊重するものとなっています。
なお、当社取締役の任期は従来通り1年とし、その点でも株主意思を尊重するものとなっています。
エ.独立性の高い社外者の判断の重視
本対応策を適正に運用し、当社取締役会によって恣意的な判断がなされることを防止し、その判断の客観性および合理性を担保するため、独立委員会を設置しております。独立委員会の委員は3名以上とし、公正で中立的な判断を可能とするため、当社の業務執行を行う経営陣から独立している社外取締役、社外監査役または社外有識者の中から選任しております。本対応策に記載の対抗措置を講じる場合には、その判断の合理性および公正性を担保するために、まず当社取締役会は対抗措置の発動に先立ち、独立委員会に対し対抗措置の発動の是非について諮問し、独立委員会は当社の企業価値・株主共同の利益の向上の観点から大規模買付行為について慎重に評価・検討の上で当社取締役会に対し対抗措置を発動することができる状態にあるか否か等について勧告を行うものとします。なお、独立委員会決議は、原則として、独立委員会の委員全員が出席し、その過半数をもってこれを行います(ただし、委員に事故あるとき、その他やむを得ない事情があるときは、委員の過半数が出席し、その過半数をもってこれを行います。)。当社取締役会は、対抗措置を講じるか否か等の判断に際して、独立委員会の勧告を最大限尊重するものとします。
オ.合理的な客観的要件の設定
本対応策は、合理的かつ詳細な客観的要件が充たされなければ発動されないように設定されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みを確保しているものと考えます。
カ.デッドハンド型やスローハンド型の買収防衛策ではないこと
本対応策は、当社株主総会の決議または当社取締役会の決議で廃止することができるため、いわゆるデッドハンド型の買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交代させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。また、当社は、取締役任期を1年とし、期差任期制を採用していないため、本対応策はスローハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の交代を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間を要する買収防衛策)でもありません。
当社グループの事業分野は、PGA(ポリグリコール酸)樹脂および加工品、フッ化ビニリデン樹脂、PPS樹脂等を中心とする「機能製品事業」、医薬品、農薬、工業薬品等を中心とする「化学製品事業」、家庭用品、食品包装材を中心とする「樹脂製品事業」、建設、エンジニアリングを中心とする「建設関連事業」、更に環境関連事業や物流等の事業を含む「その他関連事業」と多岐にわたっており、地域的にも国内および欧州、北米、アジアにおいて事業展開しております。
当社グループの経営成績、株価および財務状況等に影響を及ぼす可能性のある主な事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの事業は、市場や顧客の動向、あるいは競合他社との競争激化といった外部環境の影響を受ける可能性があります。したがって、当社グループの主要製品において、需要の減退、顧客工場の海外移転、競合他社の生産能力上昇がある場合等には、当社グループの経営成績および財政状態が影響を受ける可能性があります。
当社グループが使用するナフサ・石炭等の石油化学原料や燃料は市況の影響を受けるため、これらの原燃料価格が上昇し、当該価格の変動分を適時適切に製品価格に転嫁できない場合等には、当社グループの経営成績および財政状態が影響を受ける可能性があります。
当社グループは化学製造業を中核事業としており、製造物に関するリスク、製造行為に係るリスクを強く認識しており、レスポンシブル・ケア活動(環境保全、保安防災等に関する自主的管理活動)への継続的な取組みに注力しております。しかしながら、予期し得ない重大な品質問題が発生した場合等には、当社グループの経営成績および財政状態が影響を受ける可能性があります。
当社グループの主要な事業の一つに医薬品の製造販売があるため、当社グループの経営成績は、国内の医療保険制度における薬価改定および後発医薬品の使用促進の影響を受ける可能性があります。
当社グループは、欧州、北米およびアジアにおいて事業活動を展開しております。したがって、これらの地域における政治・経済情勢の悪化、法規制の新設・改廃、移転価格税制等の国際税務リスク、治安の悪化、またはテロ・紛争・自然災害等の不測の事態が発生した場合等には、当社グループの経営成績および財政状態が影響を受ける可能性があります。
当社グループの財務諸表において、円貨建て以外の項目は、円換算時の為替相場変動の影響を受けます。当社グループは為替予約等により、為替相場の変動による影響を最小限にとどめるよう努めておりますが、予測を超えた為替相場の変動により、当社グループの経営成績および財政状態が影響を受ける可能性があります。
当社グループは当期末において、長期的な保有を目的とする投資有価証券等(連結総資産の1割程度)を保有しており、株式市場における時価や発行会社の財政状態の著しい変化により、当社グループの経営成績および財政状態が影響を受ける可能性があります。
当社グループは、主要製品の製造がいわき事業所(福島県いわき市)に集中しているため、当事業所を中心に環境保全や安全確保に関する取組みを不断に進めております。しかしながら、大規模地震や台風等の自然災害、または火災や事故により生産設備が損害を受けた場合等には、当社グループの経営成績および財政状態が影響を受ける可能性があります。
当社グループは、「クレハ・グループ倫理憲章」、「コンプライアンス規程」および「コンプライアンス行動基準」を策定し、法令および社会的規範の遵守の徹底を図っております。しかしながら、国内外事業に関連して、訴訟、行政措置などの対象となるリスクがあり、重要な訴訟などが提起された場合には、当社グループの経営成績および財政状態が影響を受ける可能性があります。
当社グループは、「差別化された製品を開発し、社会に貢献し続ける高付加価値型企業となること」を目指し、各事業分野において積極的な研究開発を展開しております。特に機能製品事業においては、技術革新のスピードが著しく、タイムリーに新製品を開発・提供していく必要があると考えております。しかしながら、顧客ニーズに適合して継続的に新製品の開発・提供ができない場合、あるいは他社において画期的な技術革新がなされた場合、また、技術の急速な進歩により、当社製品・技術の一部が陳腐化する可能性、国内外のコンペティターの新規参入に伴う価格競争の激化により、製品価格が想定以上に下落する可能性があり、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
(経営成績の状況)
当連結会計年度の売上収益は前期比150億34百万円増の1,473億29百万円となり、売上総利益は前期比45億25百万円増の400億28百万円となり、売上収益売上総利益率は前期の26.8%から27.2%に増加しました。販売費及び一般管理費は前期比5億60百万円増の271億93百万円となりました。また、持分法による投資利益は前期比6億11百万円増の22億30百万円となり、その他の収支は前期比8億57百万円の悪化となり20億92百万円の損失となりました。その結果、営業利益は前期比37億17百万円増の129億73百万円となり、売上収益営業利益率は前期の7.0%から8.8%に増加しました。
金融収支は、前期比15百万円の悪化となり2億90百万円の損失となりました。その結果、税引前利益は前期比37億1百万円増の126億83百万円となりました。
法人所得税費用は28億69百万円となり、当期利益は前期比27億7百万円増の98億13百万円となりました。非支配持分に帰属する当期利益を1億16百万円計上し、親会社の所有者に帰属する当期利益は前期比26億96百万円増の96億97百万円となりました。
(セグメントの業績の状況)
(単位:百万円)
|
|
売 上 収 益 |
営 業 利 益 |
||||
|
前期 |
当期 |
増減 |
前期 |
当期 |
増減 |
|
|
機能製品事業 |
33,369 |
41,640 |
8,270 |
79 |
1,669 |
1,589 |
|
化学製品事業 |
25,866 |
26,176 |
309 |
2,538 |
3,421 |
883 |
|
樹脂製品事業 |
42,791 |
45,397 |
2,605 |
4,986 |
6,907 |
1,921 |
|
建設関連事業 |
13,934 |
17,354 |
3,420 |
1,026 |
1,037 |
11 |
|
その他関連事業 |
16,332 |
16,760 |
428 |
1,726 |
1,812 |
86 |
|
調整額 (注) |
- |
- |
- |
△1,101 |
△1,876 |
△774 |
|
連結合計 |
132,294 |
147,329 |
15,034 |
9,255 |
12,973 |
3,717 |
(注) 営業利益の調整額には、報告セグメントに配分していないその他の収支が含まれております。詳細は、連結財務諸表注記「26.その他の収益」および「27.その他の費用」に記載しております。
機能製品事業
機能樹脂分野では、リチウムイオン二次電池用バインダ-用途向けのフッ化ビニリデン樹脂、PPS樹脂、シェ-ルオイル・ガス掘削用途向けのPGA(ポリグリコ-ル酸)樹脂および加工品の売上げが増加し、この分野での売上げ、営業利益はともに増加しました。
炭素製品分野では、売上げが増加し、前期の営業損失から営業利益となりました。
この結果、本セグメントの売上収益は前期比24.8%増の416億40百万円となり、営業利益は前期の79百万円から16億69百万円となりました。
化学製品事業
医薬・農薬分野では、慢性腎不全用剤「クレメジン」等の医薬品の売上げは減少しましたが、農業・園芸用殺菌剤の売上げが増加し、この分野での売上げ、営業利益はともに増加しました。
工業薬品分野では、無機薬品類および有機薬品類の売上げが増加し、この分野での売上げ、営業利益はともに増加しました。
この結果、本セグメントの売上収益は前期比1.2%増の261億76百万円となり、営業利益は前期比34.8%増の34億21百万円となりました。
樹脂製品事業
コンシューマー・グッズ分野では、家庭用ラップ「NEWクレラップ」、フッ化ビニリデン釣糸「シーガー」の売上げが増加し、この分野での売上げ、営業利益はともに増加しました。
業務用食品包装材分野では、熱収縮多層フィルム等の売上げが増加し、この分野での売上げ、営業利益はともに増加しました。
この結果、本セグメントの売上収益は前期比6.1%増の453億97百万円となり、営業利益は前期比38.5%増の69億7百万円となりました。
建設関連事業
建設事業では、民間工事および公共工事で建築工事が増加し、売上げ、営業利益はともに増加しました。
エンジニアリング事業では、営業利益は減少しました。
この結果、本セグメントの売上収益は前期比24.5%増の173億54百万円となり、営業利益は前期比1.1%増の10億37百万円となりました。
その他関連事業
環境事業では、産業廃棄物処理等の増加により、売上げ、営業利益はともに増加しました。
運送事業では、売上げは減少しましたが、コスト削減により営業利益は増加しました。
病院事業では、売上げは前期並みでしたが、営業損失は増加しました。
この結果、本セグメントの売上収益は前期比2.6%増の167億60百万円となり、営業利益は前期比5.0%増の18億12百万円となりました。
(財政状態の状況)
当期末の資産合計については、前期末比73億74百万円増の2,422億81百万円となりました。流動資産は、前期末比16億90百万円増の769億63百万円となりました。非流動資産は、大型の設備投資が一巡したこと等により有形固定資産が前期末比16億74百万円減の1,142億36百万円となりましたが、その他の金融資産に含まれる投資有価証券の評価額の増加等があり、前期末比56億83百万円増の1,653億18百万円となりました。
負債合計については、前期末比186億94百万円減の902億40百万円となりました。これは、転換社債の株式転換が完了したこと等により有利子負債が前期末比229億18百万円減の480億89百万円となったこと等によります。
資本合計については、前期末比260億68百万円増の1,520億41百万円となりました。これは、剰余金の配当を20億33百万円実施する一方、親会社の所有者に帰属する当期利益を96億97百万円計上するとともに、転換社債の株式転換が完了したことにより資本金等が増加したこと、および投資有価証券の評価額の増加等によりその他の資本の構成要素が増加したこと等によります。
営業活動によるキャッシュ・フローは201億78百万円の収入となり、前期に比べ78億27百万円収入が増加しました。これは、主に税引前利益の増加等によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは96億98百万円の支出となり、前期に比べ86億27百万円支出が増加しました。これは、主に前期に発生したふくしま産業復興企業立地補助金による収入がなかったこと等によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは104億15百万円の支出となり、前期に比べ13億11百万円支出が減少しました。これは、前期に比べ長期借入金の返済による支出が減少したこと等によるものです。
以上の結果、現金及び現金同等物等の当期末残高は、前期末に比べ2億53百万円増加し、64億75百万円となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前期比(%) |
|
機能製品事業 |
35,633 |
+16.4 |
|
化学製品事業 |
13,398 |
+0.0 |
|
樹脂製品事業 |
35,984 |
+4.2 |
|
合計 |
85,015 |
+8.2 |
(注) 1 金額は平均販売単価によっております。
2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における土木・建築工事の施工請負等の受注実績は次のとおりであります。なお、これ以外の製品については見込生産を行っております。
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セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前期比(%) |
受注残高(百万円) |
前期比(%) |
|
建設関連事業 |
15,062 |
△11.6 |
9,371 |
△19.8 |
|
その他関連事業 |
1,872 |
+23.8 |
1,864 |
△1.0 |
|
合計 |
16,935 |
△8.7 |
11,236 |
△17.2 |
(注) 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前期比(%) |
|
機能製品事業 |
41,640 |
+24.8 |
|
化学製品事業 |
26,176 |
+1.2 |
|
樹脂製品事業 |
45,397 |
+6.1 |
|
建設関連事業 |
17,354 |
+24.5 |
|
その他関連事業 |
16,760 |
+2.6 |
|
合計 |
147,329 |
+11.4 |
(注) 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(有形固定資産に係る調整)
IFRS第1号に規定されている免除規定を適用し、一部の土地について移行日の公正価値をみなし原価として使用しております。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて、有形固定資産が5,055百万円増加しております。
(退職給付)
日本基準では、退職給付債務に割引率を乗じて算定した利息費用と年金資産に合理的に期待される収益率(長期期待運用収益率)を乗じて算定した期待運用収益をそれぞれ純損益で認識しておりましたが、IFRSでは、確定給付負債(資産)の純額に割引率を乗じて算定した利息純額を純損益で認識しております。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて、営業利益が428百万円減少しております。
(金融商品に係る調整)
株式等の売却損益について、日本基準では純損益で認識しておりましたが、IFRSではその他の包括利益として認識しております。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて、税引前利益が195百万円減少しております。
(表示組替)
日本基準では、営業外損益および特別損益項目は営業損益に含まれませんが、IFRSでは、金融収益および金融費用を除くこれらの項目も営業損益に含まれております。
(1) 技術援助契約
|
契約 |
相手先 |
相手先の |
契約品目 |
契約 |
契約期間 |
契約内容 |
|
当社 |
BASF Agro B.V. |
オランダ |
欧州・南米向け農業・園芸用殺菌剤「メトコナゾール」 |
1995年6月21日 |
1995年6月から |
当該契約品目の製剤化および販売の実施許諾 (注) |
|
アメリカ・カナダ向け農業・園芸用殺菌剤「メトコナゾール」 |
2006年7月10日 |
2006年7月から |
当該契約品目の製剤化および販売の実施許諾 (注) |
(注) ランニング・ロイヤリティを受け取っています。
(2) 販売契約・購入契約・事業提携契約
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契約 |
相手先 |
相手先の |
契約品目 |
契約 |
契約期間 |
契約内容 |
|
当社 |
田辺三菱製薬 |
日本 |
慢性腎不全用剤「クレメジン」 |
2009年10月5日 |
2009年11月から |
当該契約品目の日本国内における販売 |
|
当社 |
ポリプラスチックス |
日本 |
PPS樹脂 |
2016年9月30日 |
2016年10月から |
当該契約品目の全世界における事業提携 |
|
当社 |
BASF Agro B.V. |
オランダ |
欧州・南米向け農業・園芸用殺菌剤「メトコナゾール」 |
1995年6月21日 |
1995年6月から |
当該契約品目の販売 |
|
アメリカ・カナダ向け農業・園芸用殺菌剤「メトコナゾール」 |
2006年7月10日 |
2006年7月から |
当該契約品目の販売 |
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|
クレハ・ピージーエーLLC |
The Chemours Company FC, LLC |
アメリカ |
PGA樹脂の主要原材料であるグリコール酸 |
2010年2月22日 |
2008年6月から |
当該契約品目の購入 |
(3) 合弁事業契約
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契約 |
相手先 |
相手先の |
契約 |
契約期間 |
契約内容 |
|
当社 |
CNAホールディングズLLC |
アメリカ |
1992年5月14日 |
――― |
1992年、PPS樹脂の製造、販売を目的とするフォートロン・インダストリーズ(現フォートロン・インダストリーズLLC)をアメリカに設立するための共同出資(当社子会社による出資比率50%) |
|
当社 |
河南双匯投資発展股份有限公司 |
中国 |
2003年2月15日 |
2003年3月から |
2003年、レトルト・ソーセージ等用PVDCレジン・コンパウンドの製造、販売を目的とする南通匯羽豊新材料有限公司を中国に設立するための共同出資(当社出資比率42%) |
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当社 |
日揮株式会社 |
日本 |
2016年9月28日 |
――― |
2016年、PGA樹脂製の石油・ガス(シェールオイル・ガスを含む)掘削機器の販売を目的とするクレハ・エナジー・ソリューションズLLCをアメリカに設立するための共同出資(当社子会社による出資比率70%) |
クレハグループとしての研究開発は、当社が主体となって取り組んでおります。研究開発本部では、地球環境や人々の暮らしに有益なソリューションの提供を目指し、「環境」、「エネルギー」および「ライフ(医療・食料)」等、社会的貢献度の高い分野で且つ当社が強みを持つ技術を活用できる分野を重点研究開発分野と位置づけております。
2017年4月1日付で、農薬研究所を「有機合成研究所」と改称して、「農薬研究室」と農薬以外の開発を行う「有機合成研究室」を設置し、保有する有機合成技術を、農薬研究にとどまらず、既存機能性樹脂、新規ポリマー、さらには新規事業創出に向けた合成技術への展開を強化する体制としました。併せて生産本部基礎化学品製造部技術課の農薬製造委託先支援業務を「農薬研究室」に移管しました。
それにより、総合研究所、有機合成研究所、プロセス開発研究所、樹脂加工研究所の4研究所および事業部内の吸着医薬技術センターの体制のもとで、既存事業の強化および新事業創出に向け、関連する事業部・製造部と更に連携を深めて、研究開発のスピードアップを図っております。
なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は49億62百万円であります。
その概要は次のとおりであります。
① 機能製品事業
エンジニアリング・プラスチックスでは、自動車や電子機器に広く使用されている「フォートロンKPS」(PPS樹脂)について、いわき事業所内のプラント増設が決定し、それに向けたプロセス開発や用途拡大の検討を行っております。また、「KFポリマー」(フッ化ビニリデン樹脂)については、2018年度の増産に向け、生産・技術本部とも連携しながら生産性向上や安定生産の検討を進めております。
「クレダックス」(PGA(ポリグリコール酸)樹脂)については、製造技術の改良と積極的な用途開発に努めております。とくに、易分解性を活かしたシェールオイル・ガス掘削資材用途においては、事業部やクレハ・エナジー・ソリューションズLLCと連携し、顧客ニーズに合わせた材料の開発を進めております。
電池材料関連では、HEV(ハイブリッド自動車)やEV(電気自動車)に搭載される大型リチウムイオン二次電池用バインダーを中心に、顧客へのソリューション提案を通じてシェアの維持拡大に繋げるべく、高性能グレードの開発を推進しております。
なお、当事業に係わる研究開発費は19億40百万円であります。
② 化学製品事業
農薬では、農業・園芸用殺菌剤「メトコナゾール」、および種子消毒用殺菌剤「イプコナゾール」の国内外での市場および適用拡大を進めております。「メトコナゾール」については、需要に応えるべく更なる生産性向上に取り組んでおります。
医薬品では、慢性腎不全用剤「クレメジン」の速崩錠の展開など、収益維持・拡大の為の支援研究を行っております。
なお、当事業に係わる研究開発費は17億92百万円であります。
③ 樹脂製品事業
「クレハロン」(塩化ビニリデン・フィルム)については、安定生産・品質向上の為の技術開発を進めております。また、グローバル展開を図る為、国内外の顧客の技術支援も積極的に行っております。
なお、当事業に係わる研究開発費は12億29百万円であります。