第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1) 業績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、各種政策の効果が下支えし、景気は緩やかな回復基調が続いているものの、海外景気の下振れがわが国の景気を下押しするリスクとなるなど、依然として先行き不透明な状況で推移しました。

 このような環境のもと、当社グループは本年度を初年度とする「第11次中期3カ年経営計画」(P130R)に基づいて、基盤事業の収益力強化に努めましたが、当連結会計年度の売上高は336億14百万円(前期比0.9%減)となり、機能性材料の販売数量が大幅に増加したことなどにより、営業利益は18億58百万円(前期比4.1%増)、経常利益は20億63百万円(前期比4.6%増)、当期純利益は13億21百万円(前期比3.7%増)となりました。

 

 セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

 (アグリ)

肥料は、農産物生産コスト削減の動きや、夏場の天候不順の影響などにより販売数量が減少し、売上高は94億81百万円と前期に比べ1.8%の減少となり、加えて円安に伴う輸入原料価格の値上がりなどもあり、営業利益は5億4百万円と前期に比べ26.6%の大幅な減少となりました。

 

 (化学品)

水処理薬剤は、販売が低調に推移したことにより、売上高は67億23百万円と前期に比べ2.3%の減少となりました。

機能性材料は、セラミック繊維向け高純度塩基性アルミ塩やスマートフォンなどに使用される高純度金属酸化物などの販売数量が増加したことにより、売上高は48億34百万円と前期に比べ16.8%の大幅な増加となりました。

その他化学品の売上高は13億69百万円と前期に比べ4.3%の減少となりました。

それらの結果、売上高は129億27百万円と前期に比べ3.8%の増加となり、営業利益は11億19百万円と前期に比べ3.8%の増加となりました。

 

 (建材)

石こうボードの販売数量は、新設住宅着工戸数が持ち直しつつあるもののわずかに減少し、売上高は33億50百万円と前期に比べ0.3%の減少となりましたが、大幅な燃料価格等の低下と経費削減に努めたことなどにより、営業利益は1億55百万円(前期は13百万円の営業利益)となりました。

 

 (石油)

燃料油の販売数量は増加したものの、原油価格の大幅な下落による販売価格の値下がりに加え、平成26年5月のガス事業分割もあり、売上高は30億46百万円と前期に比べ15.4%の減少となりましたが、販売費及び一般管理費の減少や小売価格の市況が安定したことなどにより、営業利益は22百万円(前期は5百万円の営業利益)となりました。

 

 (不動産)

ショッピングセンターの賃料収入は前期並みに推移し、売上高は16億48百万円(前期比0.0%減)となりましたが、固定費の削減に努めたことにより、営業利益は8億96百万円と前期に比べ0.5%の増加となりました。

 

 (運輸)

荷動きが低調に推移したことにより、売上高は31億59百万円と前期に比べ1.7%の減少となりましたが、販売費及び一般管理費の減少などにより、営業利益は4億35百万円と前期に比べ1.2%の増加となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは16億91百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローは10億26百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローは4億29百万円の支出となり、この結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末残高に比べ2億35百万円増加し、18億85百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 たな卸資産の増加による資金の減少が9億47百万円、法人税等の支払いによる資金の減少が6億78百万円ありましたが、税金等調整前当期純利益20億57百万円、減価償却費9億63百万円、売上債権の減少による資金の増加が2億53百万円あったことなどにより、16億91百万円の資金の増加(前連結会計年度17億43百万円の増加)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 固定資産の取得による支出が9億58百万円あったことなどにより、10億26百万円の資金の減少(前連結会計年度7億60百万円の減少)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 配当金の支払による支出が2億80百万円あったことなどにより、4億29百万円の資金の減少(前連結会計年度8億13百万円の減少)となりました。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

 

当連結会計年度

(自 平成27年1月1日

  至 平成27年12月31日)

 

前年同期比(%)

アグリ(百万円)

9,164

96.8

化学品(百万円)

12,850

102.9

建材(百万円)

3,328

98.8

石油(百万円)

3,014

84.6

不動産(百万円)

29

94.1

運輸(百万円)

290

79.0

合計(百万円)

28,676

97.9

 (注)1.金額は、販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.上記の金額には、外注製品受入高が含まれております。

 

(2) 受注状況

 製品の大部分について、需要予測をもとに見込生産方式を採用しております。

 

(3) 販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

 

当連結会計年度

(自 平成27年1月1日

  至 平成27年12月31日)

 

前年同期比(%)

アグリ(百万円)

9,481

98.2

化学品(百万円)

12,927

103.8

建材(百万円)

3,350

99.7

石油(百万円)

3,046

84.6

不動産(百万円)

1,648

100.0

運輸(百万円)

3,159

98.3

合計(百万円)

33,614

99.1

 (注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自  平成26年1月1日

至  平成26年12月31日)

当連結会計年度

(自  平成27年1月1日

至  平成27年12月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

吉野石膏株式会社

3,374

9.9

3,391

10.1

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【対処すべき課題】

① 基盤事業の収益力強化

 販売力の強化はもとより、生産性や品質向上、コスト削減により、着実な収益の強化・拡大に努めてまいります。事業環境の変化に対応した競争力のある事業体質への転換を図るため、将来を見据えた製造販売体制の構築を進めてまいります。また、海外展開も含め、シナジー効果の期待できるM&A、業務提携について、積極的に推進してまいります。

 アグリ事業は、現場主義をキーワードに販売網の強化、生産・販売・在庫の効率化に努めてまいります。化学品事業は、徹底したコスト削減を図るとともに新商品の増販体制と品質保証体制の確立を図ってまいります。建材事業は、コスト削減と品質向上に努めてまいります。石油事業は、地域に密着した付加価値の高いサービスを提供してまいります。不動産事業は、顧客満足度向上によりショッピングセンターの集客力アップと収益力の強化を図ってまいります。運輸事業は、事業の拡大を進めてまいります。

 

② 成長事業の積極的拡大

 成長が期待されるメディカル材料は、ニーズに対応した製品の開発、製造能力の増強を目的として経営資源を重点的に投資し、事業の早期拡大を推進してまいります。コラーゲン材料、各種酸化物ナノ材料などの開発商品については、産官学連携などによる新商品の創出、ユーザーとの連携強化、情報収集と発信の充実などにより、次期成長事業としての育成を図ってまいります。

 

③ 経営基盤の強化

 効率的な資金運用、機動的な資本政策で財務体質の改善を進めつつ、部門横断的な組織体制や戦略的なIT投資により、業務を効率化してまいります。また、事業環境の変化や世代交代を見据え、多様な人材の活用及び育成を進めて組織を活性化してまいります。

 

④ コンプライアンスの強化

 全ての事業活動は企業の社会的責任を果たすことが前提であり、コンプライアンスは企業が継続的に発展するための基本と位置づけております。

 なお、当社は、ポリ塩化アルミニウムの取引に関して独占禁止法に違反する行為があったとして、平成28年2月5日に公正取引委員会から排除措置命令及び課徴金納付命令を受けました。当社グループといたしましては、本件を厳粛に受け止め、引き続きより一層のコンプライアンスの強化に努めるとともに、信頼の回復に向け全力を傾注してまいります。

 

4【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの経営成績及び財務状況等に重要な影響を与える可能性のある事項には以下のようなものがあります。

 なお、記載内容のうち、将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断した主要なものであります。

 

① 事業環境の変動

 当社グループを取り巻く事業環境において、国内外の経済情勢や業界再編等の変動が、当社グループの業績に重要な影響を与える可能性があります。

 

② 為替レートの変動

 当社グループが購入する肥料原料の大部分は輸入品であり、為替レートの変動が当社グループの業績に重要な影響を与える可能性があります。

 

③ 原材料の確保

 当社グループが購入する原料、資材、燃料等は、海外の需給バランスの影響を受けるものが多くあります。これらの状況の変化によっては、当社グループの業績に重要な影響を与える可能性があります。

 

④ 自然災害の影響

 当社グループでは、地震・水害等の自然災害が発生した場合、災害の規模によっては、顧客への製品供給が困難になることによる売上高の減少や設備等の修復に伴う一時的な費用が発生し、当社グループの業績に重要な影響を与える可能性があります。

 

⑤ 訴訟、規制当局による措置その他の法的手続き等

 当社グループは、事業を遂行するうえで、訴訟、規制当局による措置その他の法的手続に関するリスクを有しております。訴訟、規制当局による措置その他の法的手続により、当社グループに対して損害賠償請求や規制当局による金銭的な賦課を課され、又は事業の遂行に関する規制が加えられる可能性があり、かかる訴訟、規制当局による措置その他の法的手段は、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 当社グループは、「研究開発は企業価値向上の原動力」と位置づけ、新商品・新技術の研究開発に注力しております。特に、将来の成長が期待されている高機能性材料及びそれらの先端応用技術について、大学等の研究機関とも連携・共同して研究開発を進めております。

 当社グループの研究開発要員は58名で、グループ総従業員数の約10%にあたります。

 当連結会計年度における研究開発活動の主なものは、以下のとおりであります。

 

(1) アグリ

 各種肥料、周辺資材等の品質改良及び未利用資源の有効利用について研究開発を推進しました。主な成果としては、崩壊性を高めたゴルフ場向け顆粒肥料の開発を行い、商品化しました。

 

(2) 化学品

① 水処理薬剤

 水処理薬剤、各種排水処理技術に関する研究開発を引き続き積極的に推進しました。主な成果としては、千葉工場に新設した新規アルミ系水処理薬剤の製造設備の安定操業を早期に確立しました。さらに、各地浄水場の多様な凝集特性データの収集・解析を通じ、営業活動を支援しました。

 

② 機能性材料

 メディカル材料、ナノ材料、高純度金属酸化物等に関する研究開発を引き続き推進しました。主な成果としては、メディカル材料では抗がん剤用の徐放性生分解性ポリマーの品質保証体制を強化するとともに、新たなポリマーの開発を進めました。ナノ材料では自動車用触媒や防錆材料・高屈折率材料等への用途開発・適用研究をさらに進め、新規ユーザーへの採用につながりました。スマートフォン等に使用される高純度金属酸化物では製造方法の効率化を図るための支援研究を行いました。

 

(3) その他の研究開発活動

 生体親和性材料等の研究開発を進めております。主な成果としては、魚うろこ由来3重らせんコラーゲン材料の化粧品及び細胞培養向けの研究が進展し、複数の特許を出願しました。

 

 

 

 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、以下のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

アグリ

46

化学品

252

その他の研究開発費

84

合計

382

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 財政状態の分析

 当連結会計年度末の総資産は、385億58百万円(前期比13億2百万円増)となりました。流動資産は、受取手形及び売掛金が2億53百万円、商品及び製品が2億56百万円減少しましたが、現金及び預金が2億35百万円、原材料及び貯蔵品が11億17百万円増加したことなどにより、179億31百万円(前期比9億82百万円増)となりました。固定資産は、投資有価証券が2億85百万円増加したことなどにより、206億27百万円(前期比3億19百万円増)となりました。

 負債の部は、繰延税金負債が2億13百万円減少しましたが、退職給付に係る負債が5億22百万円増加したことなどにより、163億98百万円(前期比2億15百万円増)となりました。

 純資産の部は、利益剰余金が7億72百万円、その他有価証券評価差額金が2億51百万円増加したことなどにより、221億60百万円(前期比10億87百万円増)となりました。

 

(2) 経営成績の分析

① 売上高及び営業利益

 売上高は336億14百万円(前期比0.9%減)、営業利益は18億58百万円(前期比4.1%増)となりました。セグメントの業績は、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績」及び「第2 事業の状況 2 生産、受注及び販売の状況」に記載のとおりであります。

② 経常利益

 営業外収益は2億90百万円と前連結会計年度に比べ20百万円の増加、営業外費用は86百万円と前連結会計年度に比べ2百万円の増加となり、経常利益は20億63百万円(前期比4.6%増)となりました。

③ 当期純利益

 特別利益は21百万円と前連結会計年度に比べ58百万円の減少、特別損失は27百万円を計上、法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を合わせた税金費用は7億7百万円と前連結会計年度に比べ47百万円減少し、当期純利益は13億21百万円(前期比3.7%増)となりました。

(3) キャッシュ・フローの分析

 キャッシュ・フローの分析は「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。