第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1) 業績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、円高や世界経済の減速などにより、輸出を中心に総じて厳しい状況となり、金融資本市場の変動がわが国の景気を下押しするリスクとなるなど、依然として先行き不透明な状況で推移しました。

 このような環境のもと、当社グループは平成27年1月から推進している「第11次中期3カ年経営計画」(P130R)に基づいて、基盤事業の収益力強化に努めましたが、当連結会計年度の売上高は324億26百万円(前期比3.5%減)となり、原料市況や為替の変動によるたな卸資産の期末評価の影響で、売上原価が大幅に増加したものなどもあり、営業利益は15億77百万円(前期比15.1%減)、経常利益は17億41百万円(前期比15.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は10億48百万円(前期比20.7%減)となりました。

 

 セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

 (アグリ)

肥料の販売数量は増加したものの、海外原料市況の低迷などによる販売価格の下落により、売上高は90億50百万円と前期に比べ4.5%の減少となり、加えてたな卸資産の期末評価の影響などによる売上原価の増加もあり、営業利益は3億60百万円と前期に比べ28.4%の大幅な減少となりました。

 

 (化学品)

水処理薬剤は、販売価格の下落により、売上高は66億4百万円と前期に比べ1.8%の減少となりました。

機能性材料は、スマートフォンなどに使用される高純度金属酸化物やセラミック繊維向け高純度塩基性アルミ塩の販売数量が増加したことなどにより、売上高は55億24百万円と前期に比べ14.3%の大幅な増加となりました。

その他化学品の売上高は14億41百万円と前期に比べ5.3%の増加となりました。

それらの結果、売上高は135億70百万円と前期に比べ5.0%の増加となりましたが、たな卸資産の期末評価の影響などで売上原価が大幅に増加したことなどにより、営業利益は9億53百万円と前期に比べ14.8%の大幅な減少となりました。

 

 (建材)

石こうボードの販売数量は、前期並みに推移したものの販売価格の下落により、売上高は32億46百万円と前期に比べ3.1%の減少となりましたが、大幅なエネルギーコストの低減と経費削減に努めたことなどにより、営業利益は2億63百万円と前期に比べ69.0%の大幅な増加となりました。

 

 (石油)

燃料油の販売価格が原油価格の下落に伴い値下がりしたことと販売数量が減少したことにより、売上高は22億63百万円と前期に比べ25.7%の大幅な減少となりました。営業利益は仕入価格の値下がりや小売価格の市況の安定などにより、23百万円と前期に比べ7.6%の増加となりました。

 

 (不動産)

ショッピングセンターの賃料収入は前期並みに推移し、売上高は16億63百万円と前期に比べ0.9%の増加となり、加えて経費削減に努めたことなどにより、営業利益は9億26百万円と前期に比べ3.3%の増加となりました。

 

 (運輸)

荷動きが低調に推移したことにより、売上高は26億31百万円と前期に比べ16.7%の大幅な減少となり、営業利益は3億44百万円と前期に比べ20.9%の大幅な減少となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは23億50百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローは14億22百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローは2億47百万円の支出となり、この結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末残高に比べ6億80百万円増加し、25億65百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 仕入債務の減少による資金の減少が8億31百万円、法人税等の支払が7億64百万円ありましたが、税金等調整前当期純利益が16億55百万円、減価償却費が10億28百万円、売上債権の減少による資金の増加が5億58百万円、たな卸資産の減少による資金の増加が4億76百万円あったことなどにより、23億50百万円の資金の増加(前連結会計年度16億91百万円の増加)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 固定資産の取得による支出が12億69百万円あったことなどにより、14億22百万円の資金の減少(前連結会計年度10億26百万円の減少)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 長期借入れによる収入が4億円ありましたが、短期借入金の純減少が1億60百万円、長期借入金の返済による支出が1億62百万円、配当金の支払が3億2百万円あったことなどにより、2億47百万円の資金の減少(前連結会計年度4億29百万円の減少)となりました。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

 

当連結会計年度

(自 平成28年1月1日

  至 平成28年12月31日)

 

前年同期比(%)

アグリ(百万円)

9,116

99.5

化学品(百万円)

13,945

108.5

建材(百万円)

3,230

97.1

石油(百万円)

2,234

74.1

不動産(百万円)

46

158.5

運輸(百万円)

276

95.4

合計(百万円)

28,849

100.6

 (注)1.金額は、販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.上記の金額には、外注製品受入高が含まれております。

 

(2) 受注状況

 製品の大部分について、需要予測をもとに見込生産方式を採用しております。

 

(3) 販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

 

当連結会計年度

(自 平成28年1月1日

  至 平成28年12月31日)

 

前年同期比(%)

アグリ(百万円)

9,050

95.5

化学品(百万円)

13,570

105.0

建材(百万円)

3,246

96.9

石油(百万円)

2,263

74.3

不動産(百万円)

1,663

100.9

運輸(百万円)

2,631

83.3

合計(百万円)

32,426

96.5

 (注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自  平成27年1月1日

至  平成27年12月31日)

当連結会計年度

(自  平成28年1月1日

至  平成28年12月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

吉野石膏株式会社

3,391

10.1

3,360

10.4

三菱商事RtMジャパン

株式会社

2,673

8.0

3,350

10.3

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【対処すべき課題】

① 基盤事業の収益力強化

 販売力の強化はもとより、生産性や品質向上、コスト削減により、着実な収益の強化・拡大に努めてまいります。事業環境の変化に対応した競争力のある事業体質への転換を図るため、将来を見据えた製造販売体制の構築を進めてまいります。また、海外展開も含め、シナジー効果の期待できるM&A、業務提携について、積極的に推進してまいります。

 アグリ事業は、現場主義をキーワードに販売網の強化、生産・販売・在庫の効率化に努めてまいります。化学品事業は、徹底したコスト削減を図るとともに新商品の増販体制と品質保証体制の確立を図ってまいります。建材事業は、コスト削減と品質向上に努めてまいります。石油事業は、地域に密着した付加価値の高いサービスを提供してまいります。不動産事業は、顧客満足度向上によりショッピングセンターの集客力アップと収益力の強化を図ってまいります。運輸事業は、事業の拡大を進めてまいります。

 

② 成長事業の積極的拡大

 成長が期待されるメディカル材料は、ニーズに対応した製品の開発、製造能力の増強を目的として経営資源を重点的に投資し、事業の早期拡大を推進してまいります。コラーゲン材料、各種酸化物ナノ材料などの開発商品については、産官学連携などによる新商品の創出、ユーザーとの連携強化、情報収集と発信の充実などにより、次期成長事業としての育成を図ってまいります。

 

③ 経営基盤の強化

 効率的な資金運用、機動的な資本政策で財務体質の改善を進めつつ、部門横断的な組織体制や戦略的なIT投資により、業務を効率化してまいります。また、事業環境の変化や世代交代を見据え、多様な人材の活用及び育成を進めて組織を活性化してまいります。

 

④ コンプライアンスの強化

 全ての事業活動は企業の社会的責任を果たすことが前提であり、コンプライアンスは企業が継続的に発展するための基本と位置づけております。

 なお、当社は、地方公共団体が発注するポリ塩化アルミニウムの取引に関して独占禁止法に違反する行為があったとして、平成28年2月5日に公正取引委員会から排除措置命令及び課徴金納付命令を受けました。当社グループといたしましては、本件を厳粛に受け止め、皆様からの信頼回復に向け一層のコンプライアンスの強化に努めてまいります

 

4【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの経営成績及び財務状況等に重要な影響を与える可能性のある事項には以下のようなものがあります。

 なお、記載内容のうち、将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断した主要なものであります。

 

① 事業環境の変動

 当社グループを取り巻く事業環境において、国内外の経済情勢や業界再編等の変動が、当社グループの業績に重要な影響を与える可能性があります。

 

② 為替レートの変動

 当社グループが購入する肥料原料の大部分は輸入品であり、為替レートの変動が当社グループの業績に重要な影響を与える可能性があります。

 

③ 原材料の確保

 当社グループが購入する原料、資材、燃料等は、海外の需給バランスの影響を受けるものが多くあります。これらの状況の変化によっては、当社グループの業績に重要な影響を与える可能性があります。

 

④ 自然災害の影響

 当社グループでは、地震・水害等の自然災害が発生した場合、災害の規模によっては、顧客への製品供給が困難になることによる売上高の減少や設備等の修復に伴う一時的な費用が発生し、当社グループの業績に重要な影響を与える可能性があります。

 

⑤ 訴訟、規制当局による措置その他の法的手続き等

 当社グループは、事業を遂行するうえで、訴訟、規制当局による措置その他の法的手続に関するリスクを有しております。訴訟、規制当局による措置その他の法的手続により、当社グループに対して損害賠償請求や規制当局による金銭的な賦課を課され、又は事業の遂行に関する規制が加えられる可能性があり、かかる訴訟、規制当局による措置その他の法的手段は、当社グループの事業、業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 当社グループは、「研究開発は企業価値向上の原動力」と位置づけ、新商品・新技術の研究開発に注力しております。特に、将来の成長が期待されている高機能性材料及びそれらの先端応用技術について、大学等の研究機関とも連携・共同して研究開発を進めております。

 当社グループの研究開発要員は57名で、グループ総従業員数の約10%にあたります。

 当連結会計年度における研究開発活動の主なものは、以下のとおりであります。

 

(1) アグリ

 各種肥料、周辺農業資材に関する研究開発を推進しました。主な成果としては、新たな肥料原料の適用研究の中から品質改良及び生産性改善に資する新技術が得られました。

 

(2) 化学品

① 水処理薬剤

 水処理薬剤、各種排水処理技術に関する研究開発を引き続き積極的に推進しました。主な成果としては、新規アルミ系水処理薬剤の全国展開を目指し、各地浄水場との共同研究を積極的に進めた結果、浄水場のニーズに合った多数の有効データを収集・解析することを通じ、営業活動を支援しました。また、製造工場の生産性向上に取り組み、能力増強を実現しました。

 

② 機能性材料

 メディカル材料、ナノ材料、高純度金属酸化物等に関する研究開発を引き続き推進しました。主な成果としては、メディカル材料では新たな徐放製剤用ポリマーの開発を進め、新工場の建設に着手しました。ナノ材料では自動車用触媒や防錆材料・高屈折率材料等への用途開発・適用研究が進み、採用件数も増加しました。スマートフォン等に使用される高純度金属酸化物では製造方法の効率化などの検討を行い、設備化により能力増強を実現しました。

 

(3) その他の研究開発活動

 生体親和性材料等の研究開発を進めております。主な成果としては、魚うろこ由来3重らせんコラーゲン材料の化粧品分野や再生医療材料への研究が進展し、商品化を目指した他社との共同研究案件も増加しました。さらに、高強度コラーゲンの繊維化に成功しました。

 

 

 

 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、以下のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

アグリ

25

化学品

255

その他の研究開発費

92

合計

374

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 財政状態の分析

 当連結会計年度末の総資産は、389億51百万円(前期比3億92百万円増)となりました。流動資産は、現金及び預金が6億80百万円、商品及び製品が2億13百万円それぞれ増加しましたが、受取手形及び売掛金が5億58百万円、原材料及び貯蔵品が7億79百万円それぞれ減少したことなどにより、176億44百万円(前期比2億86百万円減)となりました。固定資産は、有形固定資産が4億24百万円、投資有価証券が3億29百万円それぞれ増加したことなどにより、213億6百万円(前期比6億79百万円増)となりました。

 負債の部は、長期借入金が2億62百万円増加しましたが、支払手形及び買掛金が8億31百万円減少したことなどにより、157億79百万円(前期比6億19百万円減)となりました。

 純資産の部は、利益剰余金が7億46百万円増加したことなどにより、231億72百万円(前期比10億12百万円増)となりました。

 

(2) 経営成績の分析

① 売上高及び営業利益

 売上高は324億26百万円(前期比3.5%減)、営業利益は15億77百万円(前期比15.1%減)となりました。セグメントの業績は、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績」及び「第2 事業の状況 2 生産、受注及び販売の状況」に記載のとおりであります。

② 経常利益

 営業外収益は2億54百万円と前連結会計年度に比べ36百万円の減少、営業外費用は90百万円と前連結会計年度に比べ4百万円の増加となり、経常利益は17億41百万円(前期比15.6%減)となりました。

③ 親会社株主に帰属する当期純利益

 特別利益は発生がなく前連結会計年度に比べ21百万円の減少、特別損失は85百万円と前連結会計年度に比べ58百万円の増加、法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を合わせた税金費用は5億71百万円と前連結会計年度に比べ1億35百万円減少し、親会社株主に帰属する当期純利益は10億48百万円(前期比20.7%減)となりました。

(3) キャッシュ・フローの分析

 キャッシュ・フローの分析は「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。