第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1) 業績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、個人消費、設備投資に持ち直しの動きが見られ、企業収益、雇用・所得環境が改善傾向となるなど緩やかな回復傾向となりましたが、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響など、依然として先行き不透明な状況で推移しました。

 このような環境のもと、当社グループは本年度を最終年度とする「第11次中期3カ年経営計画」(P130R)に基づいて、基盤事業の収益力強化などに努めた結果、当連結会計年度の売上高は321億89百万円(前期比0.7%減)となり、たな卸資産の期末評価による売上原価への影響が軽減されたことなどにより、営業利益は25億47百万円(前期比61.5%増)、経常利益は27億59百万円(前期比58.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は19億4百万円(前期比81.6%増)となりました。

 

 セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

 (アグリ)

肥料の販売価格は海外原料市況の低迷などに伴い下落したものの、販売数量が増加したことにより、売上高は90億59百万円と前期に比べ0.1%の増加となり、加えてたな卸資産の期末評価による売上原価への影響が軽減されたことなどもあり、営業利益は7億10百万円と前期に比べ96.9%の大幅な増加となりました。

 

 (化学品)

水処理薬剤は、販売数量が主力の凝集剤で前期並みとなったものの、消毒剤などが低調に推移したことにより、売上高は65億8百万円と前期に比べ1.5%の減少となりました。

機能性材料は、セラミック繊維向け高純度塩基性アルミ塩は好調に推移したものの、スマートフォンなどに使用される高純度金属酸化物の販売数量が大きく減少したことなどにより、売上高は48億82百万円と前期に比べ11.6%の減少となりました。

その他化学品の売上高は14億94百万円と前期に比べ3.7%の増加となりました。

それらの結果、売上高は128億85百万円と前期に比べ5.0%の減少となりましたが、たな卸資産の期末評価による売上原価への影響が軽減されたことなどにより、営業利益は17億43百万円と前期に比べ82.9%の大幅な増加となりました。

 

 (建材)

石こうボードの販売数量は堅調に推移したものの、販売単価の下落により、売上高は31億86百万円と前期に比べ1.8%の減少となり、加えて運搬費が増加したことなどにより、営業利益は1億68百万円と前期に比べ36.1%の大幅な減少となりました。

 

 (石油)

燃料油の販売数量は前期並みに推移しましたが、原油価格の上昇に伴う販売価格の値上がりにより、売上高は27億8百万円と前期に比べ19.6%の大幅な増加となりました。営業利益は仕入価格の値上がりや人件費及び減価償却費の増加などにより、10百万円と前期に比べ55.1%の減少となりました。

 

 (不動産)

ショッピングセンターの賃料収入は前期並みに推移し、売上高は16億57百万円と前期に比べ0.4%の減少となりましたが、経費節減に努めたことなどにより、営業利益は9億39百万円と前期に比べ1.5%の増加となりました。

 

 (運輸)

荷動きが堅調に推移したことにより、売上高は26億91百万円と前期に比べ2.3%の増加となりましたが、修繕費及び減価償却費の増加などにより、営業利益は3億34百万円と前期に比べ2.7%の減少となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは32億1百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローは18億27百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローは6億84百万円の支出となり、この結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末残高に比べ6億89百万円増加し、32億55百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 法人税等の支払が6億63百万円、たな卸資産の増加による資金の減少が5億87百万円ありましたが、税金等調整前当期純利益が27億91百万円、減価償却費が11億29百万円、仕入債務の増加による資金の増加が4億62百万円あったことなどにより、32億1百万円の資金の増加(前連結会計年度23億50百万円の増加)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 固定資産の取得による支出が19億35百万円あったことなどにより、18億27百万円の資金の減少(前連結会計年度14億22百万円の減少)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 配当金の支払による支出が3億2百万円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出が1億80百万円あったことなどにより、6億84百万円の資金の減少(前連結会計年度2億47百万円の減少)となりました。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

 

当連結会計年度

(自 平成29年1月1日

  至 平成29年12月31日)

 

前年同期比(%)

アグリ(百万円)

9,177

100.7

化学品(百万円)

13,124

94.1

建材(百万円)

3,203

99.2

石油(百万円)

2,669

119.5

不動産(百万円)

44

95.0

運輸(百万円)

265

96.1

合計(百万円)

28,484

98.7

 (注)1.金額は、販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.上記の金額には、外注製品受入高が含まれております。

 

(2) 受注状況

 製品の大部分について、需要予測をもとに見込生産方式を採用しております。

 

(3) 販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

 

当連結会計年度

(自 平成29年1月1日

  至 平成29年12月31日)

 

前年同期比(%)

アグリ(百万円)

9,059

100.1

化学品(百万円)

12,885

95.0

建材(百万円)

3,186

98.2

石油(百万円)

2,708

119.6

不動産(百万円)

1,657

99.6

運輸(百万円)

2,691

102.3

合計(百万円)

32,189

99.3

 (注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自  平成28年1月1日

至  平成28年12月31日)

当連結会計年度

(自  平成29年1月1日

至  平成29年12月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

吉野石膏株式会社

3,360

10.4

3,308

10.3

三菱商事RtMジャパン

株式会社

3,350

10.3

2,449

7.6

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

 当社グループは、グループ理念「創業者精神に則り、自然と環境を守り、確かな価値の創造を通じて、豊かな社会の実現に貢献」のもと、企業の継続的発展と企業価値の向上を図り、株主、取引先、従業員、地域社会等からの信頼と期待に応えるとともに、法令その他の社会的規範を遵守し、公正で健全な企業活動を行い、社会の発展に貢献することを経営の基本方針としております。

 

(2) 経営環境

 アグリ事業は、作付面積の減少と農業従事者の高齢化が年々進むとともに政府主導のもと農業改革が推し進められ、肥料価格の引き下げが本格化するなど大きな変革期に直面しております。化学品事業(水処理薬剤)は、人口減少や工場の海外移転に伴う市場の縮小による価格競争の激化、原燃料費の上昇及び人手不足に伴う物流運賃の上昇などにより、厳しい状況が続くものと予想されます。また、化学品事業(機能性材料)では、セラミック繊維向け高純度塩基性アルミ塩、スマートフォンなどに使用される高純度金属酸化物、徐放製剤用生分解性ポリマーなどのメディカル材料の堅調な推移を見越して、生産能力増強などの設備投資を実施しておりますが、各製品の事業環境の変化による減速懸念もあり、先行きは不透明であります。

 

(3) 経営戦略等

 当社グループでは、平成27年1月から推進してきた「第11次中期3カ年経営計画」(P130R)が終了しました。売上高目標373億円については、肥料の販売価格の下落、水処理薬剤の販売数量の減少及び販売価格の下落、原油価格の下落などの理由により321億円と未達となりましたが、機能性材料の販売が堅調に推移したことや当連結会計年度にアグリ及び化学品事業においてたな卸資産の期末評価の影響が軽減されたことなどにより、経常利益目標27.5億円に対し27.5億円、ROE目標7.0%以上に対し7.9%とそれぞれ達成することができました。

 これらの結果を踏まえ、当社グループでは、平成30年1月から3カ年を対象とする「中期経営計画2020」をスタートさせました。連結売上高364億円、連結経常利益30億円、ROE7.0%以上を最終年度の経営目標として事業の競争力や経営基盤を強化し、当社グループの継続的発展と企業価値の向上を図ってまいります。

 

(4) 事業上の対処すべき課題

① 成長事業の拡大

 会社が発展するためには、新たな事業の育成・拡大が不可欠であります。経営資源を成長事業に優先的に投資し、次世代を担う事業の拡大を図ります。成長が期待されるメディカル材料は、品質及び生産性の向上に努め、販売量の拡大を目指します。また、ユーザーの要望に対応するため、高品質な製品の製造及び品質管理体制を確立するなど事業拡大のための施策を積極的に推進します。コラーゲン材料、各種酸化物ナノ材料などの開発商品についてはユーザーとの連携を強化することで拡販に努めるとともに、産官学連携などを通じて新規分野、市場への展開を図り、事業の早期拡大を推進します。

 

② 基盤事業の収益確保

 基盤事業の収益を確保するためには、目まぐるしく変化する事業環境に対応しなければなりません。販売力強化、生産性向上及びコスト削減に努め、事業環境の変化に対応できる競争力のある事業体質への転換を図ることを最優先課題として取り組みます。また、蓄積した技術力を活かし、海外での事業展開にも取り組んでいきます。アグリ事業は、肥料の生産、販売、在庫の効率化を進めるとともに現場主義による情報収集の徹底でユーザーニーズを把握し、シェア拡大を図ります。化学品事業は、需要動向に対応した供給体制と製品コスト低減によって価格競争力を確保し、増販に努めます。建材事業は製造コスト削減と高い品質の維持に努めます。石油事業はグループシナジーを活かし、付加価値の高いサービスの提供で継続的な収益確保を図ります。不動産事業は効率的な販売促進活動を通じて集客力を高めることで顧客満足度の向上に努め、収益を確保します。運輸事業は取引先の動向を迅速に把握し、的確に対応することで事業拡大を図ります。

 

③ 経営基盤の強化

 経営基盤を強化するためには、会社を取り巻くさまざまなリスクをマネジメントし、全役職員が働き甲斐をもって業務に取り組むことが求められます。事業継続のための設備の更新、保全計画をはじめ、品質保証体制や情報セキュリティなどの危機管理体制を拡充します。また、ダイバーシティ推進などにより多様な人材が活躍できる組織づくりを目指します。

 

④ コンプライアンスの徹底

 企業が社会的責任を果たし、信頼され続けるためには、一人ひとりがコンプライアンスを意識し、業務の中で実践していく必要があります。コンプライアンスを経営の重要課題と位置づけ、コーポレート・ガバナンス体制のもと全役職員が適切な意思決定や行動を行うよう意識の浸透を図っていきます。なお、当社は、浄水施設、ごみ焼却施設等で使用される活性炭の販売に関して独占禁止法違反の疑いがあるとして、平成29年2月22日に公正取引委員会による立入検査を受けております。当社といたしましては、引き続き全面的に協力してまいります。

 

4【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの経営成績及び財務状況等に重要な影響を与える可能性のある事項には以下のようなものがあります。

 なお、記載内容のうち、将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断した主要なものであります。

 

① 事業環境の変動

 当社グループを取り巻く事業環境において、国内外の経済情勢や業界再編等の変動が、当社グループの業績に重要な影響を与える可能性があります。

 

② 為替レートの変動

 当社グループが購入する肥料原料の大部分は輸入品であり、為替レートの変動が当社グループの業績に重要な影響を与える可能性があります。

 

③ 原材料の確保

 当社グループが購入する原料、資材、燃料等は、海外の需給バランスの影響を受けるものが多くあります。これらの状況の変化によっては、当社グループの業績に重要な影響を与える可能性があります。

 

④ 自然災害の影響

 当社グループでは、地震・水害等の自然災害が発生した場合、災害の規模によっては、顧客への製品供給が困難になることによる売上高の減少や設備等の修復に伴う一時的な費用が発生し、当社グループの業績に重要な影響を与える可能性があります。

 

⑤ 訴訟、規制当局による措置その他の法的手続き等

 当社グループは、事業を遂行するうえで、訴訟、規制当局による措置その他の法的手続に関するリスクを有しております。訴訟、規制当局による措置その他の法的手続により、当社グループに対して損害賠償請求や規制当局による金銭的な賦課を課され、または事業の遂行に関する規制が加えられる可能性があり、かかる訴訟、規制当局による措置その他の法的手段は、当社グループの事業、業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 当社グループは、「研究開発は企業価値向上の原動力」と位置づけ、新製品・新技術の研究開発に注力しております。特に、将来の成長が期待されている高機能性材料及びそれらの先端応用技術について、大学等の研究機関とも連携・共同して研究開発を進めております。

 当社グループの研究開発要員は61名で、グループ総従業員数の約10%にあたります。研究開発要員のうち27名は製造技術支援要員で、現製品の改良業務に割り当て、既存製品に対するユーザーからの要求に対応して、品質向上とコストの低減を進めております。

 当連結会計年度における研究開発活動の主なものは、以下のとおりであります。

 

(1) アグリ

 各種肥料、周辺農業資材に関する研究開発を推進しました。主な成果としては、新たな有効成分を含有する肥料を開発しました。また、肥料製品の品質向上に寄与する製造技術を開発しました。

 

(2) 化学品

① 水処理薬剤

 水処理薬剤、各種排水処理技術に関する研究開発を引き続き推進しました。主な成果としては、大手浄水場との3年間の共同研究の結果、新規アルミ系水処理薬剤の優れた効果が実証されました。その内容は全国水道研究発表会で報告され、各地の浄水場関係者の強い関心を得ました。本剤の全国展開を目指し、各地浄水場への拡販フォローを積極的に進め、営業活動を支援しました。また、本剤の製造設備の改造を支援し、製造能力の向上を実現しました。

 

② 機能性材料

 各種機能性材料に関する研究開発を引き続き推進しました。主な成果としては、メディカル材料では徐放製剤用生分解性ポリマーの新工場が完成し、医薬品製造基準に適合した設備検証を行いました。ナノ材料ではリチウムイオン電池や自動車排ガス用触媒用途を中心に適用研究を進めました。高純度金属酸化物、微粉末ケイ酸、高純度塩基性アルミ塩等では、能力増強や製造効率化の検討を行い、実施しました。

 

(3) その他の研究開発活動

 ライフサイエンス領域の研究開発を進めています。魚うろこ由来3重らせんコラーゲン材料では、化粧品原料としての特性評価や再生医療材料・機能性繊維材料への開発が進展し、製品化を目指しています。

 

 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、以下のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

アグリ

24

化学品

251

その他の研究開発費

106

合計

383

   (注)上記には、製造技術支援にかかる費用は含まれておりません。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 財政状態の分析

 当連結会計年度末の総資産は、420億65百万円(前期比31億13百万円増)となりました。流動資産は、受取手形

及び売掛金が11億91百万円減少しましたが、現金及び預金が6億89百万円、電子記録債権が11億70百万円、商品及

び製品が5億73百万円それぞれ増加したことなどにより、188億28百万円(前期比11億83百万円増)となりまし

た。固定資産は、有形固定資産が6億16百万円、投資有価証券が13億85百万円それぞれ増加したことなどにより、

232億37百万円(前期比19億30百万円増)となりました。

 負債の部は、支払手形及び買掛金が4億62百万円、繰延税金負債が4億円それぞれ増加したことなどにより、

164億31百万円(前期比6億52百万円増)となりました。

 純資産の部は、非支配株主持分が2億60百万円減少しましたが、利益剰余金が16億2百万円、その他有価証券評

価差額金が9億61百万円それぞれ増加したことなどにより、256億34百万円(前期比24億61百万円増)となりまし

た。

 

(2) 経営成績の分析

① 売上高及び営業利益

 売上高は321億89百万円(前期比0.7%減)、営業利益は25億47百万円(前期比61.5%増)となりました。セグメントの業績は、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績」及び「第2 事業の状況 2 生産、受注及び販売の状況」に記載のとおりであります。

 

② 経常利益

 営業外収益は2億90百万円と前連結会計年度に比べ36百万円の増加、営業外費用は79百万円と前連結会計年度に比べ11百万円の減少となり、経常利益は27億59百万円(前期比58.5%増)となりました。

 

③ 親会社株主に帰属する当期純利益

 特別利益は86百万円と前連結会計年度に比べ86百万円の増加、特別損失は54百万円と前連結会計年度に比べ31百万円の減少、法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を合わせた税金費用は8億70百万円と前連結会計年度に比べ2億98百万円増加し、親会社株主に帰属する当期純利益は19億4百万円(前期比81.6%増)となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの分析

 キャッシュ・フローの分析は「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。