当社は、無機化学の可能性を追求し、「顧客満足を第一に考え、より広くより深く社会に貢献する」を経営の基本方針として歩んでまいりました。
上記基本方針のもと、当社は、高品質な製品を提供し、あらゆる生産活動の基礎を支えることが使命であると認識し、常に時代の流れをとらえ高水準な技術と卓越した開発力で99.9%以上の高純度を誇る付加価値材料から窯業系建材といった高機能成形品に至るまで、さまざまな産業界のニーズを広く、深くカバーしてまいりました。
また、蓄積してきた技術を有効に活かし多角的な製品展開で、幅広く社会の要請に対応してまいります。
(2) 経営環境及び対処すべき課題
当社を取り巻く経営環境は、主力製品である住宅建材業界が、中長期的には少子高齢化と人口減少による戸建住宅の縮小という傾向にあり、先行きとしては大幅な市場の拡大は見込めないものと予想されます。
かかる状況下において、当社としましては、建材事業においては、戸建住宅関連の新製品の投入、非住宅分野への注力、加えて当社の強みの1つである耐火パネル販売の拡大等の施策により、業界内におけるシェアアップを図ってまいります。
化成品事業においては、更なる国内営業基盤の拡充に加え、積極的な海外市場展開も視野に入れ、同事業を当社の成長エンジンとして更なる拡大を企図しております。
以上の諸施策により、当社は国内住宅市場に左右されない複合的な製品ポートフォリオによる収益の安定化及び極大化に努めてまいる所存であります。そのために、以下の3点を特に重要な課題として取り組んでおります。
安定した品質の製品を供給し、国内及び海外の新規顧客開拓や、既存のお客様との更なる太いパイプ作りにより、売上高の拡大を図ってまいります。
工場における生産性の向上はもちろんのこと、配送ルート全般に関わる物流費の見直し等、あらゆる分野のコストの削減に取り組んでまいります。
企業が継続的に価値を高めていくには、人材開発・育成が不可欠との認識の下、優秀な人材を確保し、教育の充実等により組織の活性化を図ってまいります。
新型コロナウイルス感染症については、2020年4月~5月の緊急事態宣言下において、大手ハウスメーカーを中心として建築工事や住宅展示場の一部休止などによって今後の住宅市場の先行きに影響を与える可能性がありますが、当事業年度末付近だったこともあり当事業年度の業績に与える影響は軽微でありました。
しかし、現状、特効薬やワクチンなどの同感染症に対する有効な手段が整っておらず、第二波の感染拡大も懸念され、終息時期の見通しも立っていない状況の中、再び感染拡大が始まると、工事の遅延、受注の減少、物流の停滞、工場稼働率の低下などを引き起こす可能性があり、先行きは不透明な状況であります。
当社としては、新型コロナウイルス感染症拡大を受け、従業員等及びその家族並びに取引先、関係先等の安全確保を最優先とし、各拠点にリモートワークや時差出勤、オンライン会議の積極利用による接触機会の低減、マスクの着用、アルコール消毒、防護シートの設置などの感染予防策を実施し、感染防止に努めております。
投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) 国内住宅産業の動向が業績に影響を与えることについて
当社の主力製品である窯業系建材の用途は住宅向けが中心であり、同業界は、少子高齢化や人口減少などの構造的な要因に拠り中長期的には減少が避けられない状況にあります。これに対して当社は、第二の事業である化成品事業の拡大に注力し、また建材事業についても非住宅分野への拡充を行う等事業ポートフォリオの多角化を図っておりますが、依然として住宅着工戸数が著しく変動した場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 退職給付債務について
当社従業員の退職給付費用及び退職給付債務については、割引率や退職率、死亡率等数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しておりますので、これらの前提条件と実際の結果が異なった場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 知的財産権について
当社は、現在の事業活動及び将来の事業展開に有用な知的財産権の取得に努め、また他社の知的財産権の調査を実施することにより事前の問題発生を回避するよう努力しております。しかし、当社が他社の知的財産を侵害する可能性は全くないとはいえず、他社より訴訟等を提起されるリスクも存在するため、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 製造物責任について
当社の主力製品である窯業系建材製品は、製品の用途は住宅向けが中心であり、当社の製品特性から製造物責任を問われるケースは少ないものと考えられ、また当社は、品質・環境マネジメントの国際規格のもとで各製品を製造しています。しかしながら、製造したすべての製品について欠陥が全くないという保証はなく、今後製造物責任賠償につながるような製品の欠陥が生じた場合は、当社製品の品質に対する信頼性を損なうおそれがあり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 法的規制について
当社は、建材事業において住宅・非住宅用不燃内外装材、化成品事業においてはマグネシウム類薬品、セラミックス製品等をそれぞれ製造、販売しており、建材事業においては建築基準法、化成品事業においては医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律、食品衛生法を始めとする各種法規から規制を受けており、それに従って製造し管理を行う必要があります。また当社工場は、主に水質汚濁防止法、大気汚染防止法、騒音規制法、高圧ガス保安法、毒物及び劇物取締法の規制を受けております。これら法規等の変更あるいは予期し得ない法規等が導入され、新たな設備投資等が必要となった場合、当社の業績及び財務状況等に影響を与える可能性があります。
(6) 金利変動について
当社は、金融機関からの借入れにより、事業の運転資金・設備投資資金を調達しており、今後の金融政策に伴い金利が著しく変動した場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 為替変動
当社は、一部海外からの原料輸入および海外への製品輸出を実質的に外貨建で行っていますが、それらの各金額を管理することにより原則的には為替リスクはニュートラルなポジションとなっています。しかしながら、外国為替相場が著しく変動した場合には、調達及び輸出のタイミングのズレもあり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 原材料・エネルギー価格の変動について
当社は、製品の製造過程においてLNG、LPG、電力、塗料、苛性ソーダ等を使用しており、これらの原材料の調達コストが著しく変動した場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 製造拠点への自然災害の影響
当社は、日本国内に東西2製造拠点を有しており地域的な製造リスクの分散を図っており、また生産活動の中断による潜在的影響を抑制するため定期的な防災点検・設備保守を行っていますが、大規模な自然災害に被災した場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 情報セキュリティーについて
当社は、当社事業の遂行に伴い多くの個人情報及び機密情報を保有しており、これらの取扱については万全の体制を整えております。しかしながら、不測の事態により情報の流出・漏洩が発生した場合には、対応費用の発生、社会的信用の低下等により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11) アスベストによる健康障害
当社は、過去にアスベストを含有した製品を製造しており、当該製品により健康障害を受けたとする損害賠償請求訴訟等により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 固定資産の減損について
当社は、固定資産の減損に係わる会計基準を適用し、資産に対する減損テストや資産評価を行っておりますが、現時点では減損損失の計上の必要性はないと考えております。
しかし、将来業績の大幅な悪化や不動産価格の下落等があった場合には減損損失が生じ、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
2019年12月以降、新型コロナウィルス感染症の発生が確認され、世界各国から発生が報告されております。それに伴い、各国の経済活動が著しく制限されるなかで、深刻な経済収縮が起こっており、日本経済もその例外ではありません。
当社は、業績への影響を軽微に留めるため、テレワークや時差出勤の導入による接触機会の低減等の対策を取りつつ事業を遂行しておりますが、引き続き感染症拡大が長期化した場合は、工事の遅延、受注の減少、物流の停滞、工場稼働率の低下などにより、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
当事業年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続き、緩やかな景気回復基調にありましたが、米中貿易摩擦、英国のEU離脱といった世界経済の不確実性に加え、新型コロナウイルス感染症や消費税の増税の影響により先行き不透明な状況になりました。
当社建材事業の主要マーケットである住宅市場は低調に推移しました。新設住宅着工戸数は、分譲戸建のみ増加したものの、持家・貸家・マンションが減少し、全体ではマイナスとなりました。
当事業年度の業績につきましては、売上高は21,198百万円と対前期比1,002百万円(4.5%)の減収となりました。営業利益は927百万円と対前期比20百万円(2.2%)の減益、経常利益は874百万円と同43百万円(4.8%)の減益、当期純利益は600百万円と同60百万円(9.1%)の減益となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
建材事業
建材事業におきましては、新柄「アルテザート」や新工法「アトラフィット」を投入するなど高級軒天ボードは好調であったものの、採算性重視の施策により一部製品の販売が減少したことなどから、売上高は13,680百万円と対前期比1,375百万円(9.1%)の減収となりました。セグメント利益(営業利益)は高付加価値商品の拡販や収益改善に努めましたが、減収に伴う減益や修繕費の増加などにより369百万円と同158百万円(30.0%)の減益となりました。
化成品事業
化成品事業におきましては、セラミックス部門の蓄冷材製品の拡販などから、売上高は7,517百万円と対前期比372百万円(5.2%)の増収となりました。セグメント利益(営業利益)は修繕費や減価償却費の固定費負担の増加などがあったものの、増収に伴う増益や原材料価格の低下などにより1,056百万円と同113百万円(12.1%)の増益となりました。
主な経営指標は、次のとおりであります。
当社は「2020年4月期 決算説明資料」において、新型コロナウイルスの影響により、業績予想の合理的な算定が困難であることから、現時点で中期経営計画は未定としておりますが、売上高、経常利益、経常利益率、自己資本比率を重要視しております。
当事業年度における売上高は21,198百万円、経常利益は874百万円、経常利益率は4.1%、自己資本比率は39.4%でした。
今後につきましては、建材事業は、耐火パネルの都市型高層ビル等への更なる本格的取り込み、ラムダとの技術交流による遮音板の拡販、ケイカル板の非住宅分野への販路拡大を進めていきます。
化成品事業は、海外での酸化マグネシウムの拡販、将来へ向けての新技術の開発、海外営業体制の更なる強化を進めていきます。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は販売価格であります。
2.上記の金額には消費税等を含んでおりません。
当社の生産は主として見込生産であり、該当事項はありません。
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には消費税等を含んでおりません。
当事業年度末の総資産は、19,082百万円(前事業年度末は19,611百万円)となり、前期比529百万円減少いたしました。
このうち流動資産は、9,518百万円(前事業年度末は9,909百万円)となり、前期比391百万円減少いたしました。これは主として、売掛金253百万円減少、商品及び製品154百万円減少によるものであります。
固定資産は、9,564百万円(前事業年度末は9,702百万円)となり、前期比137百万円減少いたしました。これは主として、有形固定資産255百万円減少、投資有価証券159百万円減少、長期前払費用257百万円増加によるものであります。
セグメントごとの資産は、次のとおりであります。
建材事業
当事業年度末のセグメント資産は、9,166百万円(前事業年度末は9,874百万円)となり、前期比707百万円減少いたしました。これは主として、有形固定資産203百万円減少、売掛金202百万円減少、商品及び製品160百万円減少、電子記録債権154百万円減少によるものであります。
化成品事業
当事業年度末のセグメント資産は、7,168百万円(前事業年度末は7,194百万円)となり、前期比26百万円減少いたしました。これは主として、受取手形93百万円減少、売掛金51百万円減少、長期前払費用112百万円増加によるものであります。
流動負債は、8,089百万円(前事業年度末は8,285百万円)となり、前期比196百万円減少いたしました。これは主として、1年内返済予定の長期借入金948百万円減少、支払手形501百万円減少、電子記録債務399百万円減少、短期借入金1,700百万円増加によるものであります。
固定負債は、3,441百万円(前事業年度末は4,166百万円)となり、前期比724百万円減少いたしました。これは主として、長期借入金707百万円減少によるものであります。
純資産は、7,552百万円(前事業年度末は7,159百万円)となり、前期比392百万円増加いたしました。これは主として、繰越利益剰余金417百万円増加によるものであります。
その結果、自己資本比率は前事業年度末に比べ上昇し、39.4%となりました。
当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は1,440百万円と前事業年度末に比べ162百万円の増加となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、当事業年度における営業活動による資金の増加1,089百万円(前年同期は2,331百万円の増加)となりました。
主な増減要因は、税引前当期純利益843百万円、減価償却費1,102百万円、仕入債務の減少952百万円によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、当事業年度における投資活動による資金の減少731百万円(前年同期は1,665百万円の減少)となりました。
主な増減要因は、有形固定資産の取得による支出897百万円、投資有価証券の売却による収入174百万円によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、当事業年度における財務活動による資金の減少195百万円(前年同期は321百万円の減少)となりました。
主な増減要因は、短期借入金の純増額1,700百万円、長期借入金の返済による支出1,656百万円、配当金の支払額183百万円によるものであります。
運転資金需要のうち主なものは原材料の購入費用、製造費用の他、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は設備投資等によるものであります。
当社は適切な資金調達と流動性の確保により、安定化を図ることを基本方針としております。
運転資金は、自己資金及び金融機関からの短期借入による資金調達を行い、設備投資資金については、自己資金及び金融機関からの長期借入による資金調達を行っております。
なお、当事業年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は、5,257百万円となっております。
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項については、過去の実績や状況に応じて、判断を行い、その結果を基に金額を算出しております。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響に関して当社は、各事業拠点において感染リスクの低減や事業活動を継続するための対策を実施した上で事業を遂行しており、現時点における経営成績への影響は限定的なものという仮定のもと、会計上の見積りを行っております。しかしながら、こうした見積りについては、常に不確実性が伴うため、実際の結果と異なる可能性があります。
当社で採用する重要な会計方針の詳細については、「第5経理の状況 1財務諸表等 注記事項(重要な会計方針)」に記載されているとおりですが、財務諸表作成に当たって用いた重要な会計上の見積り及び仮定については、下記の通りになります。
(たな卸資産)
当社は、商品及び製品については、正味売却価額が帳簿価額を下回る場合、たな卸資産の簿価切下げに伴う評価損を計上しております。
将来、顧客の需要減少に伴う陳腐化が生じた場合、たな卸資産の評価額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(固定資産の減損)
当社は、報告セグメントの業績を基礎とした単位で定期的に減損の兆候を評価しております。減損の兆候が認められた固定資産から得られる割引前将来キャッシュフローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。
(繰延税金資産の回収可能性)
当社は、「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」の分類に応じて、会計上の資産負債の金額と税務上の資産負債の金額との差額等に係る税金の額から将来の会計期間において回収が見込まれない税金の額を控除して繰延税金資産に計上しております。
該当事項はありません。
当社の研究開発活動は、顧客第一を基本理念とし、市場ニーズの多様化に即応した新製品の着想を得ると共に、鋭意研究開発を進めております。
主な研究開発の概要は次のとおりで、当事業年度の研究開発費の総額は、
(1) 建材事業では、高耐久外装材を市場投入し、常に市場を見つめ、市場ニーズを捉えて商品開発に取り組んでおります。
当事業に係る研究開発費は、
(2) 化成品事業では、マグネシウム類の機能を活かした応用研究を進め、新しい組成、特性向上の技術研究に取り組んでおります。
当事業に係る研究開発費は、