当中間会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。
(1) 経営成績
当中間会計期間におけるわが国経済は、円安を背景としたインバウンド需要の拡大や賃上げによる所得環境の改善などにより、緩やかな回復基調となりました。一方で、ウクライナ情勢の長期化や中東地域の紛争激化、急激な為替変動などにより、依然として先行き不透明な状況が続いております。
当社建材事業の主要マーケットである住宅市場において2024年度の新設住宅着工戸数は、貸家が前年比プラスになったものの、持家及び分譲住宅が減少し、全体では412千戸と前年比0.8%の減少となりました。
このような経営環境の中、当社は、『環境対策等の社会課題へ対応することによって持続的成長モデルを構築し、社会貢献と利益拡大を両立』、『資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応』の中期経営計画の基本方針に基づき、経営に取り組んでおります。
この結果、当中間会計期間の業績につきましては、売上高は13,904百万円と前年同期比1,292百万円(10.2%)の増収となりました。営業利益は1,018百万円と前年同期比125百万円(14.0%)の増益、経常利益は982百万円と同106百万円(12.2%)の増益、中間純利益は706百万円と同51百万円(7.9%)の増益となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
① 建材事業
住宅分野は、高付加価値製品の高級軒天ボードの販売が堅調に推移したことに加え、けい酸カルシウム板「プライケイカル」やサイディング「ドレッセプレミアム」の売上高が増加しました。
非住宅分野は、前期後半からの工事遅れが依然として続いており、減収となりました。
これらの結果、売上高は7,703百万円と前年同期比607百万円(8.6%)の増収となりました。セグメント利益(営業利益)は、固定費増加や在庫減の影響があったものの、増収効果により、539百万円と同42百万円(8.5%)の増益となりました。
② 化成品事業
マグネシウムは、前期に大型設備が稼働したことに加え、海外の健康関連のサプリメント用途の酸化マグネシウムや工業用途の難燃水酸化マグネシウムの需要好調により増収となりました。
セラミックスは、主要製品の蛍光体が好調に推移しました。
これらの結果、売上高は6,200百万円と前年同期比684百万円(12.4%)の増収となりました。セグメント利益(営業利益)は、大型設備投資に係る減価償却費などの固定費増加があったものの、順調に設備稼働率が高まり、販売数量増加により886百万円と同161百万円(22.2%)の増益となりました。
(2) 財政状態
当中間会計期間末の総資産は30,051百万円となり、前事業年度末(以下、「前年度」という。)に比べ304百万円増加となりました。主な増加要因は、受取手形及び売掛金が166百万円、電子記録債権が158百万円増加したことによるものであります。
負債は17,635百万円と前年度に比べ202百万円減少となりました。主な減少要因は、長期借入金が559百万円減少したことによるものであります。
純資産は12,416百万円と前年度に比べ506百万円増加となりました。利益剰余金が516百万円増加したことによるものであります。
運転資金需要のうち主なものは、原材料の購入費用、製造費用の他、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は設備投資等によるものであります。
当社は適切な資金調達と流動性の確保により、安定化を図ることを基本方針としております。
運転資金は、自己資金及び金融機関からの短期借入による資金調達を行い、設備投資資金については、自己資金及び金融機関からの長期借入による資金調達を行っております。
なお、当中間会計期間末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は、10,192百万円となっております。
(3) キャッシュ・フローの状況
当中間会計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ330百万円増加し、当中間会計期間末には1,505百万円となりました。
当中間会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間会計期間における営業活動による資金の増加は1,377百万円(前年同期は669百万円の増加)となりました。
主な増加要因は、税引前中間純利益956百万円、減価償却費997百万円によるものであります。また、主な減少要因は、売上債権の増加325百万円、長期前払費用の増加222百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間会計期間における投資活動による資金の減少は608百万円(前年同期は2,481百万円の減少)となりました。
主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出598百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間会計期間における財務活動による資金の減少は438百万円(前年同期は968百万円の増加)となりました。
主な減少要因は、長期借入金の返済による支出559百万円によるものであります。
当中間会計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当中間会計期間において、当社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりです。
① 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の概要
上場会社である当社の株式は株主、投資家の皆様による自由な取引が認められており、当社の株式に対する大規模買付提案又はこれに類似する行為があった場合においても、一概に否定するものではなく、最終的には株主の皆様の自由な意思により判断されるべきであると考えております。
しかしながら、当社株式の大規模な買付や買付提案の中には、その目的等から見て企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主に株式の売却を強要するおそれのあるもの、対象会社の取締役会や株主が買付の条件等について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないものなど、不適切なものも少なくありません。
当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方としては、当社の企業理念、企業価値のさまざまな源泉、当社を支えるステークホルダーとの信頼関係を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保、向上させる者でなければならないと考えております。従いまして、企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある不適切な大規模買付提案又はこれに類似する行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えております。
② 当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の会社支配に関する基本方針の実現に資する特別な取組みの概要
(a) 企業価値向上への取組み
当社では、株主、投資家の皆様に長期的に継続して当社に投資していただくため、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるため以下のとおり取組んでおります。この取組みは、会社の支配に関する基本方針の実現に資するものと考えております。
当社は、1917年(大正6年)の創業以来100年余、無機化学の可能性を追求し、「顧客満足を第一に考え、より広くより深く社会に貢献する」を経営の基本方針として歩んでまいりました。
当社は、顧客の満足を得られる高品質・高機能で価格競争力のある製品を迅速且つタイムリーに提供することで社会の発展に寄与し、又地域社会との連携・地球環境問題への取り組み等を通じて、企業としての社会的責任を果たしていくことにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を一層高めてまいりたいと考えております。
これからも顧客に満足していただける高品質製品の提供、管理の徹底、効率的な生産システムの構築によるコスト削減に注力し、競争力強化を図る一方、透明性、信頼性の高いコンプライアンス遵守の企業経営を実践するとともに、提供する製品も常に環境と安全性を考慮し、株主、顧客、従業員及び取引先等のステークホルダーから支持され、資本市場から正当な評価が得られるよう努力を続けてまいります。
(b) コーポレート・ガバナンスの強化への取組み
当社は、上記取組みの実現のため、コーポレート・ガバナンスの強化に取組んでおります。コーポレート・ガバナンスの強化は、経営の透明性、健全性、遵法性の確保、各ステークホルダーへのアカウンタビリティーの重視・徹底、迅速かつ適切な情報開示、経営者並びに各層の経営管理者の責任の明確化の観点から極めて重要な経営の骨格的な方針であると考えております。
現在当社の取締役10名のうち2名は社外取締役であり、また、監査役3名のうち2名は社外監査役であります。監査役は監査役会が定めた監査方針、監査計画に基づき取締役会等に出席及び重要な決裁書類の閲覧の他、会計監査人及び内部監査部門と連携することにより取締役の職務の遂行の監査を行っております。
③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの概要
当社は、企業価値ひいては株主共同の利益の確保と向上に努め、当社株式の大規模買付行為が行われる場合には、大規模買付者に対し、大規模買付行為の是非を株主の皆様が適切に判断するために必要かつ十分な情報提供を求め、取締役会の意見等を開示し、金融商品取引法、会社法その他関係法令に基づき、適切な措置を講じてまいります。
(6) 研究開発活動
当中間会計期間の研究開発費の総額は516百万円であります。
(7) 重要な設備
当中間会計期間において、新たに確定した主要な設備の新設計画は、次のとおりであります。
当中間会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。