第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 経営方針

当社は、無機化学の可能性を追求し、「顧客満足を第一に考え、より広くより深く社会に貢献する」を経営の基本方針として歩んでまいりました。

上記基本方針のもと、当社は、高品質な製品を提供し、あらゆる生産活動の基礎を支えることが使命であると認識し、常に時代の流れをとらえ高水準な技術と卓越した開発力で99.9%以上の高純度を誇る付加価値材料から窯業系建材といった高機能成形品に至るまで、さまざまな産業界のニーズを広く、深くカバーしてまいりました。

また、蓄積してきた技術を有効に活かし多角的な製品展開で、幅広く社会の要請に対応してまいります。

 

(2) 目標とする経営指標及び中期経営戦略

当社は「2025年4月期 決算説明資料~決算概要及び中期経営計画~」に2026年4月期から2028年4月期の3ヶ年の中期経営計画を記載しております。

中期経営計画の経営戦略は以下のとおりです。

(基本方針)

 ・ 環境対策等の社会課題へ対応することによって持続的成長モデルを構築し、社会貢献と利益拡大を両立

 ・ 資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応

(基本方針に応じた活動内容)

① 2030年ゼロCO2(※1)の実現に向け、排ガスCO2を回収・利用した商品の積極展開と共に、実用性の高いCO2リサイクル技術を幅広い分野へ展開

② セラミックスに代表されるコア技術の独創性を武器に、ハイエンド市場の需要創造

③ AIを中心としたICT技術やKIP活動(※2)を深化させ、生産性向上や省人化を実現

 

※1.自社工場内での排ガスCO2の排出をゼロにする当社独自の取組み

※2.当社独自の生産性向上の取組み活動(Konoshima Innovation of Production)

 

(3) 経営環境及び対処すべき課題

当社を取り巻く経営環境は、地政学リスクとそれに伴う原材料コストの高止まりや超少子高齢社会による労働力不足・物流問題・市場規模の縮小などの深刻な問題を抱えております。また、2050年カーボンニュートラルに代表される気候変動リスクに対する社会的責任も高まっております。

当社建材事業は、かかる背景のもと、住宅・非住宅ともに環境配慮型の高付加価値製品の需要が期待されるサイクルと言えます。

化成品事業は、当社のマグネシウム、セラミックスともに、ゼロエミッションエネルギーや健康志向の高まりもあるなかで、前期までの大型設備投資効果による発展拡大の段階と言えます。

当社は、こういった事業を取り巻く経営環境に順応し、複合的な製品ポートフォリオにより潜在市場へのアプローチや成長市場の需要を取り込み、収益の安定化及び極大化に努める所存です。

そのために、以下の3点を特に重要な課題として取り組んでまいります。

 

① 資源循環型製品やサービスの開発

建材と化成品のハイブリッド技術による自社工場の排ガスCO2及び産業廃棄資源や海水を原料として有効活用した排ガスCO2固定化製品やその技術の展開、端材回収・再利用システムの構築など「資源循環型製品やサービス」を通じ社会貢献と利益拡大の両立に努めてまいります。

② 持続可能なビジネスモデルの実現

物流対策は、モーダルシフトやラストワンマイル合理化等の改善による安定化を、労働力不足の対策は、AIやIoT技術の導入によるスマートファクトリー化での生産性の向上を課題と位置付け、サステナブルな供給網を構築します。また販売面では、環境配慮型の付加価値提案として建材事業でのプレカット対応や省施工製品・構法提案、化成品事業でのxEV用途品などの販売拡大、グリーンエネルギーや核融合発電の発展に寄与する製品展開などを通じ、持続可能な社会に適合するビジネスモデルの実現を目指します。

③ 人的資本に対する注力

企業価値を継続的に高めていくためには、より多様な「人材」が必要不可欠であり、性別・年齢・国籍・キャリアにとらわれない新規雇用の創出及び現従業員が成長できる研修制度の充実、並びに従業員エンゲージメント向上を目的とした社内環境整備をしていくための投資を拡充していくことが不可欠であります。当社は2022年度から新人事制度を開始し、ジョブ型雇用として転勤を伴わない地域限定で勤務ができる「地域限定営業職」や年齢や組織マネジメントにとらわれることのない「エキスパート職」を設け、従業員のワークライフバランスを重視した制度の導入と共に再雇用の上限年齢を撤廃し、高齢者雇用機会の充実による労働力確保を前事業年度より実施しております。今後も、「人材」を会社の競争優位を保つための貴重な資本と認識し、さらなる研修制度や社内環境整備の充実を図り、人的資本に対する注力に努めてまいります。

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1) サステナビリティに関する方針及び取組

ガバナンス体制

当社全体のガバナンス体制については、「4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」に記載しており、サステナビリティに係るガバナンス体制についてもその中に統合されております。具体的には、気候変動関連については、CCU(Carbon dioxide Capture & Utilization)推進部、技術統括部及び生産本部が共同で、人的資本関連については、総務部がそれぞれ取り組みを主導し、関係部門と協議することでリスク及び機会の識別及び評価を行っております。協議した内容及び進捗状況については、取締役会、幹部会にて適宜報告を行い、取締役会、幹部会はそれらの活動に対し、審議・監督並びに提言を行う事でモニタリング及び統制を図っております。

 

[当社のサステナビリティ推進体制(2025年4月現在)]

 


 

② リスク管理

当社では、サステナビリティに関するリスク及び機会について、気候変動関連及び人的資本関連において、それぞれの担当部門が識別・評価を行い、幹部会において審議したのち、最終的に取締役会で決議をし、その内容について管理・監督・モニタリングしております。

幹部会は、優先度の高いリスク及び機会を有する重要課題(マテリアリティ)について、その対応策の策定を担当部門に指示しております。担当部門が策定した対応策は幹部会において審議したのち、取締役会で決議されたうえで実行しております。担当部門は実行状況について幹部会に報告し、幹部会はその報告内容に基づき定期的なモニタリングを実施するとともに問題解決に係る施策の立案及び進捗管理を行い、取締役会に報告致します。

 

 

(2) 気候変動に対する取組

①戦略

当社では、気候変動におけるリスクとして、カーボンプライシング(炭素税・排出量取引)の適用による原材料のコスト増加、低炭素社会の実現に向けた企業活動への取組が不十分なことによる当社の成長機会の逸失等を認識しております。

一方で、気候変動における機会として、環境配慮型の高付加価値製品への顧客のニーズ増加に対応することによる更なる成長を企図しており、建材と化成品のハイブリッド技術による自社工場の排ガスCO2及び産業廃棄資源や海水を原料として有効活用した排ガスCO2固定化製品やその技術の展開、端材回収・再利用システムの構築など「資源循環型製品やサービス」を通じ社会貢献と利益拡大の両立に努めてまいります。

なお、知的財産については、その重要性を十分認識し、事業ごとの投下資本、知的財産への戦略的検討を行い、当社の持続的成長に資するように努めております。

(排ガスCO2固定化製品の詳細については、当社ウェブサイトをご覧ください。

https://www.konoshima.co.jp/sdgs/konoshima_sdgs2023.pdf

 

② 指標及び目標

当社は、パリ協定が求める水準に整合した温室効果ガスの排出削減目標「SBT (Science BasedTargets)」を認定する機関SBTiに対し、当事業年度にコミットメントを実施しました。コミットメントとは、企業がパリ協定と整合する温室効果ガス削減目標を設定し、2年以内にその目標をSBTiに申請することを宣言するものです。

①戦略で掲げております、排ガスCO2固定化製品の製造・普及に注力することにより、2050年度のカーボンニュートラル達成に向けて取り組みを進めてまいります。

 

(単位:t-CO2)

年度

Scope1

2022年度(基準年度)

41,532

2024年度(実績)

47,659

2030年度目標

100%削減

 

 

(3) 人的資本経営に向けた取組

① 戦略

当社は、さらなる成長を企図して2022年4月期に人事制度の改定を行いました。新人事制度導入の初年度となる2023年4月期からは、従業員を「人的資本(Human Capital)」として捉え、成長を支える人材の拡充と育成に取り組んでおります。

新人事制度は、長年の間に重層化しておりました従来の人事制度をシンプルなものとし、人材育成につながる評価制度と成果に報いることのできる報酬制度を導入いたしました。また、職制(コース)面でも従来の「総合職」「一般職」「現業職」に加え、新たなジョブ型雇用コースとして、転勤を伴わず地域限定で勤務ができる「地域限定営業職」を追加し、同時に年齢や組織マネジメントにとらわれることのない「エキスパート(高度専門)職」を設けることにより、従業員のワークライフバランスならびにエンゲージメントを重視した制度を導入しております。

さらには、前事業年度の2024年4月期より、再雇用の上限年齢を撤廃し、一定の条件を満たした従業員には雇用延長を実施しており、高齢者活躍の機会を増やすと共に労働力の確保にも努めております。

今後も、「人材」を会社の競争優位を保つための貴重な資本と認識し、さらなる研修制度や社内環境整備の充実を図り、人的資本に対する注力に努めてまいります。

② 指標及び目標

方針

指標

実績

(2025年4月期末)

目標

2029年4月期末

人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針

「エキスパート(高度専門)職」へ変更した人数(累計)

2

6

人材の多様性の確保を含む社内環境整備に関する方針

職制(コース)を変更した人数(累計)

7

15

女性総合職の割合

1.9

3.8

 

(注) 女性総合職の割合は、全従業員数に対する女性総合職人数の割合で記載しております。

 

3 【事業等のリスク】

投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 国内住宅産業の動向が業績に影響を与えることについて

当社の主力製品である窯業系建材の用途は住宅向けが中心であり、同業界は、少子高齢化や人口減少などの構造的な要因に拠り中長期的には減少が避けられない状況にあります。これに対して当社は、第二の事業である化成品事業の拡大に注力し、また建材事業についても非住宅分野への拡充を行う等事業ポートフォリオの多角化を図っておりますが、依然として住宅着工戸数が著しく変動した場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 退職給付債務について

当社従業員の退職給付費用及び退職給付債務については、割引率や退職率、死亡率等数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しておりますので、これらの前提条件と実際の結果が異なった場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 知的財産権について

当社は、現在の事業活動及び将来の事業展開に有用な知的財産権の取得に努め、また他社の知的財産権の調査を実施することにより事前の問題発生を回避するよう努力しております。しかしながら、当社が他社の知的財産を侵害する可能性は全くないとはいえず、他社より訴訟等を提起されるリスクも存在するため、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 製造物責任について

当社は、品質マネジメントの国際規格及び製品毎の法令規制等のもとで、品質管理には万全を期して窯業系建材、マグネシウム、セラミックスの各製品を製造しております。その為、製造物責任を問われるケースは少ないものと考えられます。しかしながら、製造した全ての製品について欠陥が全くないという保証は無く、万一、品質不良によって、お客様の健康や財産への被害が発生するなど、今後製造物責任賠償につながるような事故が生じた場合は、当社の製品の品質に対する信頼性を損なう恐れがあり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 法的規制について

当社は、建材事業において住宅・非住宅用不燃内外装材、化成品事業においてはマグネシウム類薬品、セラミックス製品等をそれぞれ製造、販売しており、建材事業においては建築基準法、化成品事業においては医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律、食品衛生法を始めとする各種法規から規制を受けており、それに従って製造、管理を行う必要があります。また当社工場は、主に水質汚濁防止法、大気汚染防止法、騒音規制法、高圧ガス保安法、毒物及び劇物取締法等の規制を受けております。しかしながら、これら法規等の改正あるいは予期し得ない法規等が施行され、新たな設備投資等が必要となった場合、当社の業績及び財務状況等に影響を与える可能性があります。

 

  (6) 人材の確保について

企業が継続的に価値を高めていくには、人材の開発・育成は不可欠であります。現時点では、優秀な人材の中途採用及び新入社員の計画的な育成により、必要な人員は確保されておりますが、さらに今後の事業拡大に向けて、優秀な人材の採用及び育成の強化を進める方針です。しかしながら、人材確保において人口減少などにより、必要とする優秀な人材を計画どおりに確保できなかった場合には、事業の円滑な運営及び機動的な事業拡大を行えないなど、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 金利変動について

当社は、金融機関からの借入れにより、事業の運転資金・設備投資資金を調達しており、今後の金融政策に伴い金利が著しく変動した場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(8) 為替変動

当社は、一部海外からの原料輸入および海外への製品輸出を実質的に外貨建で行っていますが、それらの各金額を管理することにより原則的には為替リスクはニュートラルなポジションとなっています。しかしながら、外国為替相場が著しく変動した場合には、調達及び輸出のタイミングのズレもあり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 原材料・エネルギー価格の変動について

当社は、製品の製造過程においてLNG、LPG、電力、塗料、苛性ソーダ等を使用しており、これらの調達コストが著しく変動した場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 

 

(10) 製造拠点への自然災害の影響

当社は、日本国内に東西2製造拠点を有しており地域的な製造リスクの分散を図っており、また生産活動の中断による潜在的影響を抑制するため定期的な防災点検・設備保守を行っています。しかしながら、大規模な自然災害に被災した場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 環境対応について

当社では、環境対応に向けた取り組みは、重要な経営課題の一つと認識し、「環境への対応」や「資源循環型製品」の提供ができるよう取り組んでまいります。しかしながら、脱炭素社会の実現を目指す取組みが不十分である場合、当社に対する社会的信頼の喪失につながり、業績及び財政状態に多大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 情報セキュリティーについて

当社は、当社事業の遂行に伴い多くの個人情報及び機密情報を保有しており、これらの取扱いについては万全の体制を整えております。しかしながら、不測の事態により情報の流出・漏洩が発生した場合には、対応費用の発生、社会的信用の低下等により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13) アスベストによる健康障害

当社は、過去にアスベストを含有した製品を製造しており、当該製品により健康障害を受けたとする損害賠償請求訴訟等により、多額の損害賠償金の支払いや訴訟に関する費用が発生した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14) 固定資産の減損について

当社は、固定資産の減損に係る会計基準を適用し、資産に対する減損テストや資産評価を行っておりますが、現時点では減損損失の計上の必要性はないと考えております。

しかしながら、将来業績の大幅な悪化や不動産価格の下落等があった場合には減損損失が生じ、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 経営成績

当事業年度におけるわが国経済は、賃上げによる所得環境の改善やインバウンド需要の拡大などにより、緩やかな回復基調となりました。一方で、急激な為替変動や慢性的な物価上昇に加えて、米国の関税政策の影響などにより、先行きは不透明な状況が続いております。

当社建材事業の主要マーケットである住宅市場において2024年度の新設住宅着工戸数は、分譲住宅が前年比マイナスとなったものの、持家や貸家が増加したことにより、全体では816千戸と前年比2.0%の増加となりました。但し、増加要因は2024年度末に発生した建築基準法・建築物省エネ法改正前の駆け込み着工であり、この特殊要因を除く実質的な新設住宅着工戸数は依然として低調に推移していると考えられます。

このような経営環境の中、当社は、『環境対策等の社会課題へ対応することによって持続的成長モデルを構築し、社会貢献と利益拡大を両立』、『資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応』の中期経営計画の基本方針に基づき、経営に取り組んでおります。

この結果、当事業年度の業績につきましては、売上高は27,405百万円と対前期比1,430百万円(5.5%)の増収となりました。営業利益は1,786百万円と対前期比331百万円(15.7%)の減益、経常利益は1,718百万円と同355百万円(17.1%)の減益、当期純利益は1,433百万円と同187百万円(11.6%)の減益となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

建材事業

住宅分野は、高付加価値製品の高級軒天ボードの販売が堅調に推移したことに加え、けい酸カルシウム板「プライケイカル」やサイディング「ドレッセプレミアム」の売上高が増加しました。

非住宅分野は、前期後半からのビルなどの工事遅れが依然として続いており、減収となりました。

これらの結果、売上高は15,090百万円と対前期比945百万円(6.7%)の増収となりました。セグメント利益(営業利益)は、固定費増加や在庫減の影響があったものの、値上げ効果や増収により、909百万円と同12百万円(1.3%)の減益に留めました。

 

化成品事業

マグネシウムは、前期に大型設備が稼働したことに加え、海外向けサプリメント用途の酸化マグネシウムや工業用途の難燃水酸化マグネシウムの需要好調により増収となりました。

セラミックスは、主要製品の蛍光体が好調に推移しましたが、レーザー向けの減少により減収となりました。

これらの結果、売上高は12,315百万円と対前期比485百万円(4.1%)の増収となりました。セグメント利益(営業利益)は、増収があったものの、大型設備投資に係る減価償却費などの固定費増加に加えて、セラミックスの棚卸資産の見直しに伴う廃棄処分の影響もあり、1,669百万円と同174百万円(9.5%)の減益となりました。

 

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

① 生産実績

当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

建材事業

13,356

104.9

化成品事業

11,867

103.7

合計

25,224

104.3

 

(注) 金額は販売価格であります。

 

② 受注実績

当社の生産は主として見込生産であり、該当事項はありません。

 

③ 販売実績

当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

建材事業

15,090

106.7

化成品事業

12,315

104.1

合計

27,405

105.5

 

 

(2) 財政状態

当事業年度末の総資産は30,731百万円(前事業年度末は29,747百万円)となり、前期比984百万円増加いたしました。主な増加要因は、現金及び預金が264百万円、原材料及び貯蔵品が233百万円増加したことによるものであります。

 

セグメントごとの資産は、次のとおりであります。

建材事業

当事業年度末のセグメント資産は、9,981百万円(前事業年度末は8,912百万円)となり、前期比1,069百万円増加いたしました。これは主として、有形固定資産が1,091百万円増加したことによるものであります。

 

化成品事業

当事業年度末のセグメント資産は、17,523百万円(前事業年度末は18,225百万円)となり、前期比702百万円減少いたしました。これは主として、有形固定資産が878百万円減少したことによるものであります。

 

負債は17,766百万円(前事業年度末は17,837百万円)となり、前期比70百万円減少いたしました。主な増減要因は、長期借入金が1,120百万円減少し、設備関係電子記録債務が875百万円増加したことによるものであります。

純資産は12,964百万円(前事業年度末は11,909百万円)となり、前期比1,055百万円増加いたしました。主な増加要因は、利益剰余金が1,043百万円増加したことによるものであります。

その結果、自己資本比率は前事業年度末に比べ増加し、42.0%となりました。

 

 

(3) キャッシュ・フロー

当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は1,439百万円となり、前事業年度末に比べ264百万円の増加となりました。

 

営業活動によるキャッシュ・フローについて、当事業年度における営業活動による資金の増加は3,091百万円(前年同期は3,342百万円の増加)となりました。

主な増加要因は、減価償却費1,978百万円、税引前当期純利益1,677百万円によるものであります。

 

投資活動によるキャッシュ・フローについて、当事業年度における投資活動による資金の減少は1,239百万円(前年同期は5,641百万円の減少)となりました。

主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出1,184百万円によるものであります。

 

財務活動によるキャッシュ・フローについて、当事業年度における財務活動による資金の減少は1,586百万円(前年同期は1,325百万円の増加)となりました。

主な減少要因は、長期借入金の返済による支出1,119百万円によるものであります。

 

運転資金需要のうち主なものは原材料の購入費用、製造費用の他、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は設備投資等によるものであります。

当社は適切な資金調達と流動性の確保により、安定化を図ることを基本方針としております。

運転資金は、自己資金及び金融機関からの短期借入による資金調達を行い、設備投資資金については、自己資金及び金融機関からの長期借入による資金調達を行っております。

なお、当事業年度末における借入金、長期未払金(未払金を含む)及びその他の有利子負債の残高は、9,241百万円となっております。

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項については、過去の実績や状況に応じて、判断を行い、その結果を基に金額を算出しております。

 

5 【重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社の研究開発活動は、顧客第一を基本理念とし、市場ニーズの多様化に即応した新製品の着想を得ると共に、鋭意研究開発を進めております。

主な研究開発の概要は次のとおりで、当事業年度の研究開発費の総額は、992百万円となり、売上高比3.6%でありました。

(1) 建材事業では、高耐久外装材を市場投入し、常に市場を見つめ、市場ニーズを捉えて商品開発に取り組んでおります。

当事業に係る研究開発費は、547百万円であります。

 

(2) 化成品事業では、マグネシウム及びセラミックス類の機能を活かした応用研究を進め、新しい組成、特性向上の技術研究に取り組んでおります。

当事業に係る研究開発費は、445百万円であります。