文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、社会に存在する意義である「パーパス」を「化学技術でより良い生活環境の実現に貢献し続ける」こととし、この決意のもと企業活動において全構成員が共有すべき基本的・普遍的な価値観を表すものとして、基本理念と行動基準を定めております。
<基本理念>
・「社会」、「生命」、「環境」に貢献する。
・株主、顧客・取引先、地域社会、従業員を大切にする。
・遵法精神を重んじ、透明な経営を行う。
<行動基準>
・社会から信頼される事業活動を行うため、社会規範、法令、会社の諸規定を遵守し、高い倫理観と良識を持って行動する。
・ものづくりに際しては、地球環境との調和を図り、常に安全確保に万全を期し、無事故・無災害に努める。
・相互協力、相互理解により人権を尊重し、風通しのよい働きやすい職場をつくる。
・企業活動の透明性を保つため、企業市民としてコミュニケーションを重視し、企業情報を適時、的確に開示する。
(2) 目標とする経営指標、経営環境及び対処すべき課題
当社グループは、長期ビジョン「Vision 2030」とそれに基づく中期経営計画(2021~2023年度)「Vision 2030 StageⅠ」に取り組んでいます。
1.長期ビジョン「Vision 2030」
当社グループは、創立100周年を機に、10年先の2030年にありたい姿を描き、2030年に向けた長期ビジョン「Vision 2030」として「独創・加速・グローバル。化学の力で暮らしを変える。」を制定し、以下の経営目標や取組方針などの実現を目指します。
(1) 経営目標(2030年)
・連結売上高 2,000億円超、 連結営業利益率 15%以上、 ROE 10%以上
・株主還元 安定的な株主還元の継続
(2) 基本的な取組方針
・当社グループが企業理念の下に、長年にわたり培ってきた3つの強みを価値創造のコアとして「Vision 2030」の達成に取り組んでいきます。
<3つの強み>
「社会、生命、環境にやさしい、安全・安心の“品質力”」
「多彩な人材が支える、最先端の“技術開発力”」
「高いコンプライアンス意識に基づく“経営推進力”」
・原燃料価格の高騰、地政学リスクの高まり、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)、カーボンニュートラル、急速なデジタル化等、当社グループを取り巻く事業環境の不確実性が一段と増す中で、サステナブルな社会の実現に向けて貢献するとともに、その事業活動を通じて企業価値の向上を両立します。
・ESG・SDGs視点での経営への取り組みを継続的に推進し、経営基盤を更に強化し、この強固な経営基盤の上で、無機化学・有機化学の各事業方針に基づき「Vision 2030」達成に向け当社グループが一丸となって取り組みます。
(3) 事業方針と重点施策
1) 無機化学事業
事業方針:「酸化チタンで培った技術をベースとした新たなる価値を創造し、環境ならびに情報化社会を支えてサステナブルな社会の実現に貢献する。」
重点施策:・酸化チタンの光学的特性を多様化させて、新たな価値創造を実現
・ICT普及や自動車EV化などの社会課題解決に機能性材料で貢献
・生産構造改革により環境負荷低減と生産効率化とを両立
2) 有機化学事業
事業方針:「顧客の価値向上に直結する独自製品を世界中に供給し、人々の食、健康、生命を支えてサステナブルな社会の実現に貢献する。」
重点施策:・バリューチェーンを意識した開発・商業化の推進
・自社技術の錬磨・進化による価値創造加速と成長路線復活
・主力製品の世界一低コスト製造と顧客への安定供給
2. 中期経営計画(2021~2023年度) 「Vision 2030 StageⅠ」
(1) 基本方針
本中計は、長期ビジョン「Vision 2030」からバックキャストした3段階の最初の中期経営計画「Vision 2030 StageⅠ」として、特に、ESG・SDGs視点での経営の取り組み強化を推進することにより、サステナブルな企業価値創造を目指すことを基本方針としています。
(2) 2023年度経営目標など
・連結売上高 1,250億円超、 連結営業利益率 13%以上、 ROE 10%以上
・株主還元方針:安定的かつ連結業績を反映した配当の継続
(3) 重点施策
全社および各事業レベルの取り組むべき重点施策は次の通りで、毎年事業計画を見直し、最終年度の業績目標の達成に向け取り組みます。
全社
□ ESG・SDGs視点でのサステナブルな経営の取り組みの強化
□ マテリアリティの特定と各マテリアリティに関連する取り組みの強化
□ DXの推進と業務効率化による働き方改革
□ コンプライアンス経営の継続・強化
□ リスクマネジメントの強化
□ トップラインの拡大
□ 新事業・新製品創出力の強化
□ 「Vision 2030」に向けた社内の構造・意識改革への継続的な取り組み
□ 資本コスト経営の徹底~キャッシュ・コンバージョン・サイクル全体の改善など~
無機化学事業
□ 高機能・高付加価値品の販売比率向上
□ 電子部品材料と導電性材料の拡販戦略の実行
□ 更なる成長ドライバとなる新製品の開発加速
□ 主原料鉱石の有利調達の実現
□ 廃棄物低減や製造および業務プロセス改善による四日市工場のコスト削減の推進
□ 製造拠点の最適化に向けたマスタープランの始動
□ 温暖化ガス削減に向けたロードマップ作成
有機化学事業
□ 主力農薬原体の世界一低コスト製造と安定供給により当社世界市場占有率の拡大
□ 次期主力農薬の製造コスト低減と需要拡大
□ バイオラショナル分野の開発・商品化とIPM*深化
□ 農薬の販社複数起用など戦略的・革新的な営業施策の実行
□ 世界各国での農薬登録の取得・維持
□ 他社M&Aや提携推進による事業規模拡大
□ 化学合成技術の錬磨と伝承の基盤強化
□ 動物用医薬品のグローバル展開
*IPM(Integrated Pest Management 総合的病害虫・雑草管理)
3.サステナブルな経営
当社グループのサステナブルな経営の基盤を強化する目的で、2021年11月に「サステナブル推進委員会」を設置しました。
現在、2021年に特定した8つの最重要課題*について、全社事業部門も含めて、各課題への取り組み事項と、KPI(重要業績評価指標)の設定を進めており、今年度の統合報告書等にて開示を予定しております。以下に、活動の概要を紹介いたします。
(1) 環境への取り組み
世界的な喫緊の課題である気候変動対策について、6月にTCFDの提言に賛同を表明いたしました。今後、同提言に沿った情報開示を進めて参ります。また、国内グループにおけるCO2排出量を2030年には30%削減(2019年比)し、2050年にはカーボンニュートラルに挑戦することを目標として掲げるとともに、燃料転換を伴うGHG排出量削減計画を含め、カーボンニュートラルへ向けたロードマップ作成に取り組んでおります。
(2) 社会への取り組み
事業活動を通じた人権侵害防止の観点から、当社はグループとして人権方針を定め、全構成員への周知徹底を図っています。今後は、人権方針に沿って、人権デュー・デリジェンスの実施も進めます。また、従業員の健康面・安全面では健康宣言を定め、従業員の予防・健康づくりに取り組んでおりますが、それと共に高年齢者も働きやすい職場環境となるよう改善を推進しております。
(3) ガバナンスへの取り組み
サステナブル推進委員会は、取締役会による監督のもと、代表取締役社長を委員長とし、委員は執行役員等で構成されております。
同委員会は3か月に1回、業務の進捗状況を取締役会に特別報告し、審議結果等については 取締役会に付議又は特別報告する体制としております。
*8つの最重要課題
①気候変動・環境負荷低減、②技術開発力、③サプライチェーン・マネジメント、④労働安全衛生・保安防災、⑤ダイバーシティ&インクルージョン、⑥BCP,リスクマネジメント、⑦コーポレート・ガバナンス、
⑧DXの推進、業務効率化による働き方改革
(1)当社グループのリスクマネジメント
当社グループは、リスク管理の基本方針とその管理体制を「リスク管理規程」において定め、企業リスク管理委員会を組織し、事業を取り巻くさまざまなリスクに対して適切な管理とリスクの未然防止を図っております。企業リスク管理委員会は、代表取締役社長を委員長とし、当社の各事業本部長から構成されております。
当社グループの企業リスク管理委員会は、年2回及び必要に応じて臨時に開催され、その審議内容は、取締役会へ報告されております。
なお、「重要課題(マテリアリティ)」「気候変動リスク」「人権に関わるリスク」等についてはサステナブル推進委員会が管轄し、企業リスク管理委員会と連携を取りながら対策の推進を図っております。
(2)当社グループのリスク
当社グループでは、事業活動に影響を与えるリスクを洗い出し、各リスクの影響度と発生可能性を評価し、企業リスク管理委員会での審議を経て、リスクをリスクマップに一覧化しております。
そして、各リスクの対策優先度を検討するとともに、リスクの回避・軽減・移転及びその他必要な措置を審議しております。
① リスクマップ

(注) 1 当社グループの事業活動に影響を与える可能性のあるリスクを記載しておりますが、これらのリスクは必ずしもすべてのリスクを網羅したものではなく、想定していないリスクや重要性が低いと考えられるリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。
2 当社では、リスクを「当社に物理的、経済的もしくは信用上の損失又は不利益を生じさせるすべての可能性」と定義しております。
3 当社では、リスクの大きさ(影響度と発生可能性)については、リスクに対する評価者の認識を揃えるため、リスクシナリオを設定した上で損害額を評価しております。ここでのリスクシナリオは、ワーストシナリオ(発生する可能性がある最大の脅威)を採用しております。
4 リスクの評価は当連結会計年度の期中を通じて行ったものです。
② リスクと対策
当連結会計年度の世界経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な大流行などで先行き不透明な状況が継続しましたが、ワクチン接種の広がりなどにより、業種及び国・地域で度合いは異なるものの全体として概ね景気回復基調となったことに加え、為替が円安基調で推移しました。一方で、半導体などの部材の調達難や世界的なコンテナ不足による物流の滞りや海上運賃高騰、燃料・資源価格の急騰などに加えて、ロシア・ウクライナ情勢などの地政学リスクの高まりによる世界経済への悪影響なども生じており、非常に厳しい状況が継続しています。当社グループの主力事業を取り巻く環境は、無機化学事業においては、各国の経済活動回復に伴い、自動車及び建築用途向けなどが堅調に推移したことに加え、電子部品材料分野の需要が拡大しました。有機化学事業においては、主力の農薬については、国内販売は減収となり、海外ではサプライチェーンの混乱が見られたものの、米州での穀物栽培の拡大などもあり、海外向け販売は殺菌剤及び除草剤を中心に順調に推移しました。
このような状況下、当社グループは、長期ビジョンとして「Vision 2030 独創・加速・グローバル。化学の力で暮らしを変える。」を掲げ、2021年度から2023年度の3か年の中期経営計画「Vision 2030 StageⅠ」を発表し、ESG・SDGs視点での経営強化を推進することにより、サステナブルな企業価値創造を目指して、重点施策等の取り組みを進めています。
この結果、当連結会計年度の連結業績は、売上高1,109億円(前期比91億円増)、営業利益115億円(前期比63億円増)、営業外では円安が進み為替差益を計上するなどで経常利益132億円(前期比73億円増)、親会社株主に帰属する当期純利益116億円(前期比83億円増)となりました。
事業の種類別セグメントの状況は次のとおりであります。
(無機化学事業)
酸化チタンは、国内外ともに自動車及び建築関連を中心に需要回復があり、売上高は459億円(前期比80億円増)となりました。機能性材料は、電子部品用材料が自動車関連や5G関連などで需要が大幅に増加したことに加え、導電性材料も堅調に推移したことなどにより、売上高は138億円(前期比19億円増)となりました。
損益面でも、原燃料価格の高騰などがあったものの、市況回復に伴う増収増益の他、操業度改善による固定費負担減や、国内外での販売価格改定浸透などが寄与し、増益となりました。
この結果、無機化学事業の売上高は598億円(前期比100億円増)、営業利益は60億円(前期比50億円増)となりました。
(有機化学事業)
農薬は、新型コロナウイルス感染症や天候異常などの影響を大きく受けることなく、海外販売が堅調に推移しました。欧州では殺菌剤や除草剤の需要増加などで増収となりました。米州では、南米で穀物生産拡大などにより殺菌剤が好調に推移し、北米でも新規の除草剤が好調に推移した他、流通在庫の改善などもあり販売が堅調に推移しました。国内販売については、主力殺線虫剤や殺菌剤の販売減などにより前期を下回りました。
この結果、有機化学事業の売上高は、482億円(前期並み)、営業利益は77億円(前期比14億円増)となりました。
(その他の事業)
売上高は27億円(前期比7億円減)、営業利益は4億円(前期並み)となりました。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末比57億円増加の1,857億円となりました。これは、現金及び預金が11億円、棚卸資産が30億円、無形固定資産が4億円、投資有価証券が12億円、その他流動資産が7億円それぞれ増加しましたが、受取手形、売掛金及び契約資産が4億円、有形固定資産が5億円減少したことなどによるものです。
負債は、前連結会計年度末比66億円減少の938億円となりました。これは、支払手形及び買掛金が32億円増加しましたが、長短借入金・社債が97億円減少したことなどによるものです。
純資産は、利益剰余金が107億円、その他有価証券評価差額金が7億円、為替換算調整勘定が9億円それぞれ増加したことなどにより、前連結会計年度末比123億円増加の918億円となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ11億円増加し、270億円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは165億円の収入(前期比117億円の収入増)となりました。これは、税金等調整前当期純利益130億円、減価償却費及びその他の償却費46億円、仕入債務の増加28億円、投資有価証券評価損益23億円などの資金増加要因がありましたが、持分変動損益27億円、売上債権・棚卸資産の増加13億円、法人税等の支払9億円などの資金減少要因があったことなどによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、43億円の支出(前期比18億円の支出減)となりました。これは、固定資産の取得などによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、116億円の支出(前期比179億円の支出増)となりました。これは、長短借入金・社債の返済97億円、リース債務及び割賦債務の返済11億円、配当金の支払7億円などがあったことによるものです。
当社グループは、事業の収益力を高めることで経営環境の変化に耐え得る強固な財務基盤の構築を目指しております。具体的には、安定した期間利益を計上し、着実に自己資本比率を高めるとともに、高いキャッシュ・フローの創出力を通じた有利子負債の削減を進めております。
当社グループの資金需要の主なものは、原料費、労務費、委託費など製品の製造にかかわる製造費用の他、販売費や農薬を中心とした研究開発費を含む一般管理費など事業活動に必要な運転資金に加えて、装置産業である酸化チタンを製造するための設備の新設や維持更新を中心とした設備資金であります。
原料鉱石価格の高止まりや設備投資、研究開発による高い資金需要が引き続き想定されることから、今後の資金調達については、手元資金や営業活動によるキャッシュ・フローから創出するとともに、金融機関からより安定的で低コストの借入を実施していきます。さらに新型コロナウイルス感染症等の影響を含む事業等のリスクの顕在化などによる突発的な資金需要に備え、主要金融機関と契約しているコミットメントラインを80億円から100億円へ増額し、手元流動性を確保しております。
当社の企業集団のキャッシュ・フロー指標を示すと、次のとおりであります。
(注)1 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値より算出しております。
2 有利子負債にはリース債務等を含んでおります。
3 各指標は以下の算式により計算しております。
※自己資本比率:自己資本/総資産
※時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
(株式時価総額は期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。)
※債務償還年数:有利子負債/営業活動によるキャッシュ・フロー
※インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業活動によるキャッシュ・フロー/利払い
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
なお、連結決算日における資産及び負債の連結貸借対照表上の金額及び連結会計年度における収益及び費用の連結損益計算書の金額の算定には、将来に関する判断、見積りを行う必要があり、当社グループは過去の実績や状況等を勘案し、合理的に判断しておりますが、今後の環境、条件等の変動により、当社グループの連結財務諸表に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループとしては、以下に記載する会計上の見積りは当社グループにとって重要であると判断しております。
① 投資の減損
当社グループは、取引関係維持のために販売先や金融機関の株式を保有しております。これらの株式には、価格変動性の高い公開会社の株式と株価の決定が困難な非公開会社の株式が含まれております。公開会社の株式への投資の場合、期末における時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合には減損処理を行い、30~50%程度下落した場合には、回収可能性を考慮して必要と認められた額について減損処理を行っております。また、非公開会社の株式への投資の場合、それらの会社の純資産額が取得原価に比べ50%以上下落した場合には減損処理を行い、30~50%程度下落した場合には、回収可能性を考慮して必要と認められた額について減損処理を行っております。
② 繰延税金資産
当社グループは、回収可能性がないと判断される繰延税金資産に対して評価性引当額を設定し、適切な繰延税金資産を計上しております。評価性引当額の算定においては、将来の課税所得と実現性の高いタックスプランニングに基づいて検討を行っております。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、販売価格によっております。
当社グループは、主として見込み生産を行っております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
なお、前連結会計年度において、長瀬産業株式会社に対する販売割合は、10%未満であるため、記載を省略しております。
経営上の重要な契約等は、次のとおりであります。
当社グループは「『社会』、『生命』、『環境』に貢献する。」という基本理念に基づき、無機化学、有機化学の各分野における新製品の開発や生産技術の向上に取り組むとともに、世界的な関心が高まる環境、エネルギー、バイオ、IT、食料等の各領域において、無機、有機の垣根にこだわることなく、新規事業の探索にも取り組んでおります。当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、
セグメントごとの研究開発は、次のとおりであります。
(無機化学事業)
長年に亘る酸化チタン事業で蓄積されてきた技術をベースに、高機能・高付加価値品の開発に力を入れて取り組んでおります。
高付加価値品に関しては、板状チタン酸は“シルクのような質感”と“光輝感”を両立した世界唯一の色彩を有する顔料で、本顔料をSILKIAブランドとして市場投入するべく、安定製造方法の確立と表面改質に取り組んでおります。艶消し材料については、既存品に対して耐候性や塗布ムラが少なくなることを特徴に、塗料分野やプラスチックス分野向けの技術データ採取に取組んでおります。また、黒色顔料については、当社製品のマンガン系黒色遮熱顔料より漆黒度が高い硫化ビスマス顔料について商品化検討を加速させております。
機能性材料に関しては、電気自動車や第5世代通信(5G)用に需要が期待される次世代の積層セラミックコンデンサー(MLCC)用の高純度酸化チタンの開発に注力しております。微粒子で分散性に優れた開発品を含め種々の粒子径サイズ品をラインナップすることで、顧客の汎用から最先端用途までの要求に応えるべく改良を進めております。また、有機/無機の材料合成技術を活かして開発した酸化チタンの溶剤分散体は、“酸化チタンの特徴である高屈折率”と“微粒子化による透明性”を両立させており、次世代の光学材料用途向けに顧客が要望する改良に取り組んでおります。
一方、新たな無機事業の創出を目的としている新規事業開発関連では、大学との共同研究を進めてきた銅ナノ粒子において既存品では未達であった低温で成膜する粒子のスケールアップ合成法を確立し、市場投入に向けての検討を行っております。また、再生可能エネルギーへの取り組みとして、有機薄膜太陽電池材料の開発にも注力しております。
当事業における研究開発費は、
(有機化学事業)
農薬については、自社開発原体を中心に新規製剤や新規混合剤の開発の他、農薬登録国や適用作物の拡大などに向けた研究開発に注力して取り組んでおります。
近年開発した新規剤では、うどんこ病に卓効を持つ殺菌剤ピリオフェノンが各国で農薬登録を取得後、上市が進んでいるほか、菌核・灰色かび病など広いスペクトラムを持つ殺菌剤イソフェタミドは、2015年のカナダ、米国での上市を皮切りに、2018年には日本、欧州で、さらに中南米、大洋州でも販売を開始しました。また、チョウ・蛾類を初め広いスペクトラムを持つ殺虫剤シクラニリプロールは、2017年に韓国、2018年には日本、米国、カナダでも販売を開始しました。現在は、アジア及び中南米を中心に開発を進めており、2021年にブラジル、メキシコでの販売を開始しました。人畜・作物安全性に優れるトウモロコシ用除草剤トルピラレートは、2017年の国内及び米国における単剤販売開始以降、アルゼンチン、メキシコ、カナダ、韓国及びフィリピンに販売地域を拡大し、2021年には米国及び日本で混合剤を上市しました。水稲用除草剤ランコトリオンは、国内で2019年に単剤登録が、2020年に混合剤登録が認可され、2021年より販売を開始しました。
さらに、国内の食の安全・安心指向の高まりや、抵抗性発達のために有効な既存化学農薬が不足しているなどの市場ニーズに対応するため、微生物殺菌剤、接触型忌避剤及び天敵昆虫などのバイオラショナル製品群の開発にも注力しております。特に2種の天敵昆虫類については、農家の利便性に配慮した簡易型組立資材(バンカーシート)を付帯した製品を開発、農食事業26070Cで実用化技術を確立し、2016年からバンカーシートと組み合わせた3製品をJA全農の全国組織を通じて販売しております。また、2019年より食品添加物を有効成分とするコナジラミ忌避剤ベミデタッチを販売開始し、難防除の植物ウイルス病を低減できる剤として好評を得ております。当社は、近未来の植物防疫の姿を見据え、これら一連のバイオラショナル製品と、安全性が高く環境負荷に配慮した当社創製化学農薬群を組み合わせて、独自のIPMやICMプログラムを確立していきます。また、従来の農業用化学農薬コンセプト・分野とは異なる防疫、環境保全などの様々な場面においても、当社全製品を含む有機化学技術の普及拡大を目指しております。
当社の農薬事業は、自社の創生・開発の新農薬をベースとしておりますが、環境変化の激しい昨今、他社開発剤の導入や他社との共同開発にも積極的に取り組んでおり、2010年以降、海外企業から導入した水稲除草剤を国内で開発・上市したほか、2015年には海外他社の非選択性除草剤を全世界で共同開発する契約を同企業と締結し、昨年より米国で販売を開始しております。既に、カナダ、ブラジル及びアルゼンチン等でも登録申請を済ませており、更に東南アジア、中南米各国でも開発、登録作業を進めております。
農薬以外では、ヘルスケア事業(医薬・動物用医薬品関連)についても、特色ある商品開発を進めております。長年にわたる研究開発で培った技術とシーズ化合物を活かし、IKV-741(フザプラジブナトリウム)が、動物用医薬品の第一弾であるイヌ膵炎急性期用抗炎症剤として、2021年3月より自社製品『ブレンダ』として発売されております。本薬剤は米国でも開発を進めており、2022年度の商業化を目指しております。さらに、皮膚系疾患や内分泌系疾患の治療薬において、後続するパイプラインの整備を推進中であります。
また、人体用医薬原薬「セビメリン塩酸塩」の製造受託事業においてもその拡大に取り組んでおります。
当事業における研究開発費は、
なお、当連結会計年度におけるセグメントに帰属しない全社共通の研究開発費の金額は