(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用情勢の改善等により緩やかな景気回復基調で推移したものの、新興国等の景気減速や英国のEU離脱問題等、海外経済の不確実性の高まりにより、先行き不透明な状況が続きました。
このような状況のもと当社グループにおきましては、製品の拡販等の積極的な営業活動とコスト削減を推進してまいりました。しかしながら、為替レートが前年度よりも円高で推移した影響等により、当連結会計年度の売上高は1,286億4千7百万円(前年度比9.9%減)、営業利益は53億6千5百万円(前年度比27.7%減)となりました。
経常利益は、当社持分法適用関連会社Novus International, Inc.(以下「Novus社」という。)の減益、および同社に対する所有持分比率が35%から20%に変動したこと等により、99億8百万円(前年度比47.7%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は87億8千5百万円(前年度比38.6%減)となりました。
セグメントの業績は次の通りであります。
[化学品事業]
化学品事業におきましては、需要の停滞や市況の弱含み等により、工業薬品の販売が低調に推移いたしました。また、一部の医薬品原料の販売が終了となりました。
この結果、当会計年度の売上高は371億5千4百万円(前年度比8.6%減)、営業利益は為替の影響等により、15億5千6百万円(前年度比27.3%減)となりました。
工業薬品は、カセイカリ等が堅調に推移したものの、青化ソーダおよびカセイソーダ等の減少により、減収となりました。
化成品は、特殊イソシアネート等が堅調に推移したことにより、前年度並みとなりました。
機能材料は、樹脂添加剤「NISSO-PB」等が減少し、減収となりました。
エコケア製品は、水処理剤「日曹ハイクロン」の輸出向けおよび重金属固定剤「ハイジオン」等の減少により、減収となりました。
医薬品・医薬中間体は、一部の医薬品原料の販売終了により、減収となりました。
工業用殺菌剤は、住宅関連用途での防カビ剤等が減少し、減収となりました。
[農業化学品事業]
農業化学品事業におきましては、人口増加や新興国の経済発展による農産物需要の増大に伴い、中期的には農薬需要の増加が見込まれるものの、足元では円高による為替の影響や穀物価格の下落および一部地域における在庫調整の影響等により、輸出向け販売が低調に推移いたしました(海外販売比率56.7%)。また、2017年以降に順次販売開始を予定している新規農薬の開発に伴う研究開発費が、引き続き高い水準となりました。
この結果、当会計年度の売上高は400億7千3百万円(前年度比8.7%減)、営業利益は為替の影響等により、18億1百万円(前年度比24.3%減)となりました。
殺菌剤は、「ベフラン」等が堅調に推移したものの、「トリフミン」および「トップジンM」の輸出向け等の減少により、減収となりました。
殺虫剤・殺ダニ剤は、「モスピラン」の輸出向け等が減少し、減収となりました。
除草剤は、「ホーネスト」の輸出向け等が減少し、減収となりました。
[商社事業]
各種有機・無機薬品およびウレタン原料等が減少したものの、飼料添加物および機械・装置等が堅調に推移したことにより、当会計年度の売上高は330億3千9百万円(前年度比2.5%減)、営業利益は4億9千8百万円(前年度比85.2%増)となりました。
[運輸倉庫事業]
倉庫業および運送業が堅調に推移したものの、新倉庫の稼働に伴う固定費の増加により、当会計年度の売上高は39億9千8百万円(前年度比2.6%増)、営業利益は4億8百万円(前年度比9.1%減)となりました。
[建設事業]
プラント建設工事の減少により、当会計年度の売上高は79億5千4百万円(前年度比40.3%減)、営業利益は5億8千1百万円(前年度比58.2%減)となりました。
[その他]
当会計年度の売上高は64億2千7百万円(前年度比9.3%減)、営業利益は3億8千7百万円(前年度比53.6%減)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ186億5千1百万円増加し、当連結会計年度末には331億4千6百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、412億3千6百万円の収入(前連結会計年度は106億3千9百万円の収入)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益105億6百万円(非キャッシュ項目である持分法による投資利益48億9千8百万円を含む)、減価償却費63億9千7百万円に加え、持分法適用関連会社であるNovus社から受領した特別配当金などの利息及び配当金の受取額320億4百万円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、78億5千8百万円の支出(前連結会計年度は94億2千4百万円の支出)となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出73億2千8百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、146億2千万円の支出(前連結会計年度は13億2千3百万円の支出)となりました。これは主として、借入金の減少による支出102億7千8百万円、自己株式の取得による支出20億2千4百万円等によるものであります。
(1)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
化学品事業(百万円) |
42,274 |
101.1 |
|
農業化学品事業(百万円) |
24,969 |
89.6 |
|
報告セグメント計(百万円) |
67,244 |
96.5 |
|
その他(百万円) |
8,083 |
90.1 |
|
合計(百万円) |
75,327 |
95.8 |
(注)1.金額は平均売上実績単価により算出しており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)製品・商品仕入実績
当連結会計年度における製品・商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
化学品事業(百万円) |
5,593 |
99.2 |
|
農業化学品事業(百万円) |
4,990 |
80.9 |
|
商社事業(百万円) |
18,037 |
92.8 |
|
報告セグメント計(百万円) |
28,621 |
91.6 |
|
その他(百万円) |
1,345 |
115.0 |
|
合計(百万円) |
29,966 |
92.4 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
建設事業 |
8,549 |
88.5 |
5,634 |
112.3 |
(注)1.セグメント間の内部振替後の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(4)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
化学品事業(百万円) |
37,154 |
91.4 |
|
農業化学品事業(百万円) |
40,073 |
91.3 |
|
商社事業(百万円) |
33,039 |
97.5 |
|
運輸倉庫事業(百万円) |
3,998 |
102.6 |
|
建設事業(百万円) |
7,954 |
59.7 |
|
報告セグメント計(百万円) |
122,220 |
90.1 |
|
その他(百万円) |
6,427 |
90.7 |
|
合計(百万円) |
128,647 |
90.1 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社は、法律を遵守し健全で透明な企業経営を行うことを基本に、「化学」を通じ優れた製品を提供することにより社会の発展に貢献するとともに、株主、取引先、社員及び地域社会等のステークホルダーからの期待と信頼に応え、また、環境に配慮した事業活動を行うことを経営理念としております。
この理念のもと、当社は独自の特色ある技術を活用することにより高付加価値製品の開発を進め、グローバルな視野で化学を中心に事業を展開する技術指向型の企業グループを目指しております。
(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「新中期経営計画(2017年度~2019年度)」において掲げる目標は、営業利益率6.5%以上(商社事業を除く営業利益率8.0%以上)、経常利益2020年3月期 130億円、ROE 7.0%以上、投資金額3年間 500億円(成長投資100億円、維持更新投資200億円、M&A等200億円)としております。
(3) 経営環境
引き続き政府の各種政策等による景気の回復が期待されるものの、不安定な国際情勢や、米国新政権の政策による影響等、海外経済の不確実性により先行き不透明な状況が続くものと予想されます。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当社グループにつきましては、化学品事業において、需要の回復や工業薬品の市況の回復及びセルロース誘導体事業・機能性高分子事業等における拡販や用途開発の進展を見込んでおります。その一方、農業化学品事業において、需要の堅調な推移及び新規殺菌剤の販売開始を見込んでおりますが、新規農薬の開発に伴う研究開発費が引き続き高い水準で推移することが見込まれます。また、持分法適用関連会社であるNovus社において、飼料添加物メチオニンの市況低迷による減益を見込んでおります。
かかる経営環境の中、当社グループといたしましては、2013年度~2016年度の前中期経営計画に続く「新中期経営計画(2017年度~2019年度)」を策定し、企業価値の向上に向けた諸施策を全力で実行に移してまいります。
「新中期経営計画(2017年度~2019年度)」の詳細につきましては、平成29年5月19日付当社プレスリリース「新中期経営計画(2017年度~2019年度)の策定に関するお知らせ」をご参照ください。
(当社ウェブサイト http://www.nippon-soda.co.jp/)
(5) 会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
①基本方針の内容
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の経営理念や当社企業価値の様々な源泉、当社を支えるステークホルダーとの信頼関係を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させる者でなければならないと考えております。
一方、金融商品取引所に上場する株式会社としての当社株主の在り方は、当社株式の市場における自由な取引を通じて決まるものであり、当社の支配権の移転を伴う買付提案がなされた場合にこれに応じるべきか否かの判断も、最終的には株主の皆様の全体の意思に基づき行われるべきものと考えております。
しかしながら、株式の大規模買付行為や買付提案の中には、その目的等から見て企業価値ひいては株主共同の利益に対して明白な侵害をもたらすおそれのあるもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれのあるもの、対象会社の株主や取締役会が買付行為や買付提案の内容等について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提示するために合理的に必要十分な時間や情報を提供することのないもの、買付条件等が対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益に照らして著しく不十分または不適当であるもの、対象会社の企業価値の維持・増大に必要不可欠なステークホルダーとの関係を破壊する意図のあるもの等、対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものも少なくありません。
当社は、上記の例を含め当社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある大規模な買付等を行う者は、例外的に当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切と考えております。
②財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取組み
当社は、法律を遵守し健全で透明な企業経営を行うことを基本に、「化学」を通じ優れた製品を提供することにより社会の発展に貢献するとともに、株主、取引先、社員及び地域社会等のステークホルダーからの期待と信頼に応え、また、環境に配慮した事業活動を行うことを経営理念としております。この理念のもと、当社は独自の特色ある技術の活用により高付加価値製品の開発を進め、グローバルな視野で化学を中心に事業を展開する技術指向型の企業グループを目指しております。
この経営の方針を踏まえ、厳しい事業環境のもとでも安定的な利益を確保できる事業構造・体制を目指し、農業化学品、機能化学品等の分野において新規製品の開発を推進し企業化を図るとともに、生産効率のさらなる追求や利益管理の徹底により既存事業の競争力強化を進める一方、スリムで効率的な組織への改革や人的パワーの活性化を促進する等、経営基盤の強化を図っているほか、生産・財務・購買を中心にグループ各社と連携を深め、グループ全体として経営資源の効率化や利益の最大化に取組んでおります。さらに、環境保全への取組み、経営情報のディスクロージャー、法令倫理面の社内体制強化等も推し進め、社会からの信頼性向上を図ってまいります。
当社は、これらの取組みとともに株主の皆様をはじめ顧客、取引先、社員及び関係会社等のステークホルダーとの信頼関係をより強固なものにし、企業価値の中長期安定的な向上を目指して努力しております。
③基本方針に照らして不適切な者によって財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
中長期的な企業価値の向上を目指す当社の経営にあたっては、幅広いノウハウと豊富な経験、並びに顧客、取引先、社員及び関係会社等のステークホルダーとの間に築かれた関係等への十分な理解が不可欠であります。特に、農業化学品や機能化学品において高付加価値製品の開発を推進するためには、中長期的観点から経営資源を継続的、重点的に投入する必要があり、また、この開発を支える「当社独自の特色ある技術」を今後とも確保し継承するには、国内外の取引先をはじめ社員及び関係会社等と安定的かつ強固な信頼関係を維持することが不可欠であります。これらの当社の事業特性に関する十分な理解がなくては、株主の皆様が将来実現することのできる株主価値を適正に判断することはできません。
突然大規模買付行為や買付提案がなされたときに、大規模買付者の提示する当社株式の取得対価が妥当かどうかを株主の皆様が短期間のうちに適切に判断するためには、大規模買付者及び当社取締役会の双方から適切かつ十分な情報が提供される必要があります。株主の皆様は、当社取締役会の意見を参考にしつつ、大規模買付者の提案を検討することが可能となり、最終的な応否を適切に決定する機会を与えられることとなります。
これらを考慮し、当社取締役会は、当社株式に対して大規模買付等が行われた場合に、株主の皆様が適切な判断をするために、必要な情報や時間を確保し、買付者等との交渉等が一定の合理的なルールに従って行われることが企業価値ひいては株主共同の利益に合致すると考え、大規模買付時における情報提供等に関する一定のルールを設定し、会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって大規模買付等がなされた場合の対応方針を含めた、「当社株式の大規模買付行為への対応策(買収防衛策)」を導入しております。
[当社株式の大規模買付行為への対応策(買収防衛策)の概要]
本対応策では、特定株主グループの議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株券等の大規模買付行為を対象といたします。
大規模買付行為に賛同するか否かは、最終的には株主の皆様の自由な意思に依拠するべきものであると考えますが、その判断の前提として、当該買付行為に関する必要かつ十分な情報提供と判断のための十分な考慮期間の確保が必要と考えており、そのため、大規模買付行為に関するルール(以下「大規模買付ルール」といいます)を設定しております。
大規模買付ルールにおきましては、①株主の皆様のご判断及び当社取締役会としての意見形成のために必要かつ十分な情報(以下「本必要情報」といいます)を提供すること及び②本必要情報の提供完了後、最長60日間(対価を現金のみとする公開買付による当社全株式の買付の場合)または最長90日間(その他の大規模買付行為の場合)を当社取締役会による評価、検討、交渉、意見形成、代替案立案のための期間(以下「取締役会評価期間」といいます)として設定しております。
大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しなかった場合、または当該大規模買付行為が、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと当社取締役会が判断する場合には、新株予約権の無償割当等の対抗措置を講じることがあります。
当社取締役会は、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合において、対抗措置を発動すべきと判断した場合には、株主の皆様に対抗措置を発動することの可否を十分にご検討いただくための期間(以下「株主検討期間」といいます)として最長60日間の期間を設定したうえで、当該株主検討期間中に当社株主総会を開催し、必ず株主の皆様のご意思を確認することといたします。当社取締役会は、対抗措置を発動することの可否について、当該株主総会の決議に従うものといたします。
大規模買付行為は、取締役会評価期間と株主検討期間の経過後にのみ開始できるものといたします。
この「当社株式の大規模買付行為への対応策(買収防衛策)」の詳細につきましては、平成27年5月19日付当社プレスリリース「当社株式の大規模買付行為への対応策(買収防衛策)の継続について」をご参照ください。(当社ウェブサイト http://www.nippon-soda.co.jp/)
④上記取組みの合理性等の確保について
本対応策は、基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みであり、当社役員の地位維持を目的としたものではなく、且つ当社の企業価値ひいては株主共同の利益を損なうものでもないと考えております。
また、本対応策は、当社株式に対する大規模買付行為がなされた際に、当該大規模買付行為に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報や時間を確保し、または株主の皆様のために買付者等と交渉を行うこと等を可能とすることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させるという目的をもっております。
さらに、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合において、当該大規模買付行為が、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうおそれがあることを理由として対抗措置を発動する場合には、必ず株主総会において対抗措置発動の可否について決議をとることとしており、株主の皆様のご意思を反映し当社取締役会の恣意的な判断による対抗措置の発動を防止する仕組みが確保できております。
なお、本対応策における対抗措置を発動するか否かの判断に際しては、本対抗措置を適正に運用し、当社取締役会によって恣意的な判断がなされることを防止し、その判断の客観性及び合理性を担保するために、当社の業務執行を行う経営陣から独立している委員で構成される特別委員会へ諮問し、同委員会の勧告を最大限尊重するものとされており、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するよう、本対応策の透明な運用を担保するための手続きも確保されております。
当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす主要なリスクには以下のようなものがあります。
なお、これらは当連結会計年度末において当社グループが判断したものであり、当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではありません。
1.市場に関するリスク
(1)当社グループの事業のなかには、市況変動の影響を受け、急激な価格変動を起こす製品があるため、市況が大きく下落した場合、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(2)当社グループの農業化学品事業は、売上に季節性があり、かつ天候に左右されやすい傾向があるため、天候の変動等により出荷量が減少することで、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
2.為替レートの変動リスク
当社グループは、輸出取引に係る為替リスクについて一部為替予約等によりリスク低減を図っておりますが、急激な円高が当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
また、海外の連結子会社や持分法適用会社は連結財務諸表上の円換算額が為替相場に左右されるため、急激な円高が当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
3.金利変動リスク
当社グループでは、借入金に係る金利変動リスクについて一部金利スワップ等によりリスク低減を図っておりますが、将来金利が上昇した場合には支払利息が増加し、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
4.研究開発
当社グループでは、新製品の開発に多くの経営資源を投入しておりますが、特に農業化学品事業における研究開発では、その有効性や安全性の確認のため開発期間が長期にわたるため、研究テーマが実用化されなかった場合には、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
5.原材料調達リスク
当社グループでは、原材料の安定的な調達に努めておりますが、必要な主要原材料が確保出来ない場合や、原材料価格が急激に上昇する場合は、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
6.退職給付債務に関するリスク
当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、年金資産の運用収益率や割引率などの数理計算上の前提に基づいて算出されているため、年金資産の運用環境の悪化や割引率の変更等により当社の業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
7.製品の品質保証
当社グループは、化学品製造業として、品質等についてレスポンシブル・ケア活動(自主的なリスク低減活動)に取り組み、特に「ISO9001」による管理改善に努めております。また、新製品上市・品質改善時には、「ISO9001」に準じて事前に製造物責任(PL)のリスク評価を確実に実施することでPL問題の未然防止を図っております。しかし、すべての製品について欠陥がなくPL問題が発生しないという保証はないため、製造物責任賠償についてはPL保険に加入し、万一の事故に備えておりますが、予期せぬ重大な事故が起きたり、品質面での重大な欠陥が発生した場合には、当社の業績に重要な影響を与える可能性があります。
8.事故・災害
当社グループは、化学品製造業として製造に係るリスクを強く認識し、品質、環境保全、労働安全衛生、保安防災、物流安全、化学品・製品安全等についてレスポンシブル・ケア活動(自主的なリスク低減活動)に取り組み、生産設備や化学製品の保管貯蔵施設での事故の未然防止に努めております。しかしながら、不測の事故あるいは大規模な自然災害等の発生により、製造設備で人的・物的被害が生じた場合、あるいは工場周辺地域に被害が生じた場合、当社グループの社会的信用が低下し、事故災害への対策費用や生産活動停止による機会損失により、当社の業績に重要な影響を与える可能性があります。
9.法的規制
当社グループは、事業を営む国内外の法令に従って事業活動を行っておりますが、環境問題に関する世界的な意識の高まりなどから、化学製品に対する規制はますます強化される傾向にあります。従って将来環境に関する規制が予想を超えて厳しくなり、新たに多額の投資が必要となった場合、当社の業績に重要な影響を与える可能性があります。
10.知的財産の侵害リスク
当社グループは、保有する知的財産権を厳正に管理しておりますが、特定の国においては完全に保護されず、第三者による侵害を完全には防止できない可能性があり、その場合当社の業績に重要な影響を与える可能性があります。
(持分法適用関連会社の増資及び配当に関する契約の締結)
当社は、平成28年3月18日開催の取締役会にて、当社の持分法適用関連会社であるNovus社の増資を合弁パートナーである三井物産株式会社が米国子会社を通して引き受けることおよびNovus社の利益剰余金を一括配当することを主な内容とする当社と三井物産株式会社間の契約書の締結を決議し、同年4月1日付で基本合意書および株主間協定書を締結しました。これにより、Novus社は平成28年5月10日に利益剰余金の配当を実施し、当社は配当金305億9千3百万円を受領しました。また、同社は同年5月11日付で増資を行い、その結果、当社のNovus社に対する所有持分比率は35%から20%となりました。
(株式譲渡契約の締結)
当社は、平成28年12月9日開催の取締役会にて、Certis Europe B.V.社(以下「Certis社」という。)の株式147株の譲渡を受けることを主な内容とする当社とMitsui AgriScience International S.A./N.V.社との契約およびCertis社の株式442株の譲渡を受けることを主な内容とする当社と当社の連結子会社であるNISSO CHEMICAL EUROPE GmbH社との契約の締結を決議し、同年12月20日付で株式譲渡契約を締結しました。
1.株式取得の目的
Certis社は欧州において化学農薬及び生物農薬の販売を行っており、世界的な農産物需要の増大に伴い、同
社の業績は堅調に推移しております。
今回の株式取得を契機に、当社はCertis社を欧州における重要パートナーと位置付け、当社製品の拡販と、
今後発売を予定している新規農薬の速やかなシェア拡大を図ります。
2.取得した株式に係る会社の名称、事業内容、規模
(1)名称 Certis Europe B.V.
(2)事業内容 欧州における化学農薬・生物農薬の販売
(3)資本金の額 1,335千ユーロ(平成28年12月31日現在)
3.株式取得の時期
平成29年1月12日
4.取得した株式の数、取得価額及び取得後の持分比率
(1)取得した株式の数 147株
(2)取得価額 2,369千ユーロ
(3)取得後の持分比率 20.0%(追加取得前の持分比率15.0%)
(注)当社の連結子会社であるNISSO CHEMICAL EUROPE GmbH社から取得した442株については、連結会社間の譲渡であるため、上記(1)及び(2)に含めておりません。
当社グループは、「特徴ある独自技術に基づく高付加価値製品の開発」を進めるために、「知の融合」「技の融合」「グローバル」をキーワードに、化学品事業として機能性材料と精密合成技術を活用した各種化学品、および農業化学品事業として新規農薬開発を目指した研究開発に取り組んでおります。また、予想される事業環境の変化に備え現有製品の更なる強化・拡大を図り、既存事業周辺、重点指向分野での新製品の開発を強力に推進すると共に、関連会社との技術連携を通したグループ会社全体の技術力強化、新しい技術分野への参入や自社保有技術の積極的活用による新規事業の創生を目指しております。
当連結会計年度における各セグメント別の研究開発の状況は次のとおりであります。
なお、研究開発費の総額は64億9千5百万円(連結売上高比5.0%)であり、グループ全体で368名(総従業員比13.7%)体制であります。
[化学品事業]
機能性材料分野では、精密重合技術による新規ポリマー材料、塗装下地材料、エポキシ樹脂硬化用触媒、新規二次電池材料、有価資源回収用新規吸着材等の分野で技術的特徴を活かした開発を推進しております。また、当社の特徴ある既存製品であるセルロース誘導体、ポリブタジエン製品、顕色剤、エコケア・光触媒及びバイオサイドなど環境化学関連製品、ポリシラン製品等についても競争力強化を行いながら、新規分野への積極進出を図っております。
精密合成分野では、ホスゲン、青酸、金属ソーダ等の当社特有の原料を利用した重要中間体の開発及び新規製造技術開発による新製品の創出を目指しております。
なお、[化学品事業]における研究開発費は14億5千6百万円であります。
[農業化学品事業]
「食の安心•安全」にますます関心がもたれるなか、低薬量で活性を示し低残留性の畑作・果樹園芸農薬を中心とした研究に取組んでおります。
新規自社開発農薬につきましては、べと病、ピシウム病に卓効を示す殺菌剤「ピカルブトラゾクス(NF-171)」が、平成29年1月に芝用登録認可を受け、食用でも近々登録認可見込で年内上市予定です。生産体制整備についても計画通り進んでおります。海外開発も積極的に進めております。新規の作用性を有する殺ダニ剤「アシノピル(NA-89)」につきましても順調に開発が進んでおり、平成29年2月に国内登録申請を完了し、平成31年の登録認可を目指しております。また、海外開発も決定いたしました。広範囲の病害に有効な殺菌剤「NF-180」の開発も順調に推移しております。芝用防藻剤「アルテリア」については、平成28年本申請を完了し、平成30年上市を予定しております。さらに、これらに続く有望化合物についてもフェーズアップに向け鋭意研究中です。
化学農薬以外では、生物農薬として、「アグロケア」、「マスタピース」の販売は順調であり、今後とも微生物の多様な能力を活かした生物農薬製品群の充実に力を入れてゆきます。
なお、[農業化学品事業]における研究開発費は50億1千7百万円であります。
[その他]
環境開発事業では、各種難処理産業廃棄物の資源リサイクルプロセスの改善研究に取り組んでおります。
なお、[その他]における研究開発費は2千万円であります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。
当社グループは、特に次の重要な会計方針が、連結財務諸表の作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
①固定資産の減損処理
当社グループは、事業資産については主として工場別営業部門別に資産のグルーピングを行っております。減損の測定にまで至った場合に見積もる事となる回収可能価額は、将来キャッシュ・フローを現在価値に割り引いて算定される使用価値により測定しております。
また、当社グループが保有する土地については、回収可能価額は正味売却価額により測定し、時価は賃貸資産については不動産鑑定評価により、遊休土地については固定資産税評価額により算定しております。
②退職給付費用及び債務
当社グループ従業員の退職給付費用及び債務は、簡便法を採用している一部の連結子会社を除き、割引率・将来の昇給率・退職率・死亡率及び年金資産の収益率等の前提条件を決定の上、数理計算結果に基づき算定しております。退職給付債務等の前提条件のうち、割引率については長期国債の期末における利回りに基づき決定しております。
なお、実際の結果が前提条件と異なる場合や、将来前提条件が変更された場合には、その影響額は数理計算上の差異として累積され、従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数による定額法により費用処理する事としております。
③繰延税金資産の回収可能性
当社グループは繰延税金資産の計上について、将来の課税所得計画を慎重に見積り、回収可能性が高いと考えられる金額へ減額するために評価性引当金を計上しております。
繰延税金資産の全部または一部を将来回収できないと判断した場合は、当該判断を行った連結会計年度において繰延税金資産を取崩し費用として計上いたします。同様に、現時点で評価性引当金として繰延税金資産を計上していない部分について回収可能と判断した場合は繰延税金資産を計上し、当該判断を行った連結会計年度において利益を増加させる事となります。
(2) 経営成績の分析
①売上高及び営業利益
売上高
当連結会計年度の売上高は1,286億4千7百万円となり、前年同期に比べ140億6千3百万円減少いたしました。セグメントの業績につきましては、「1 業績等の概要 (1)業績」に記載のとおりであります。
原価、費用及び営業利益
当連結会計年度の営業利益は、製品の拡販等の積極的な営業活動を推進したものの、為替レートが円高で推移した影響等により、53億6千5百万円と、前年同期に比べ20億5千万円減少いたしました。
なお、営業利益率は4.2%となり、前年同期に比べ1.0ポイント減少いたしました。
②営業外損益及び経常利益
当連結会計年度は、持分法適用関連会社であるNovus社の減益、および同社に対する所有持分比率が35%から20%に変動したこと等により、持分法による投資利益が48億9千8百万円と、前年同期に比べ68億2千9百万円減少いたしました。
これにより営業外損益は45億4千3百万円の益(純額)となりました。
この結果、経常利益は99億8百万円となり、前年同期に比べ90億4千3百万円減少いたしました。
③特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益
Novus社持分比率の変動に伴う持分変動利益の計上等により、特別損益は5億9千7百万円の益(純額)となりました。また、法人税等(法人税等調整額含む)は前年同期に比べ29億2千1百万円減少し、15億9千2百万円となりました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は87億8千5百万円となり、前年同期に比べ55億2千8百万円減少いたしました。
(3) 財政状態の分析
①資産、負債及び純資産の状況
当連結会計年度末の総資産は、持分法適用関連会社であるNovus社からの特別配当金の受領等により、現金及び預金が186億5千4百万円増加する一方で投資有価証券が219億9百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ32億8千5百万円減少し、2,173億2百万円となりました。
負債につきましては、長期借入金が64億4千9百万円減少したことや、短期借入金が40億7千7百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ98億6千5百万円減少し、792億3千2百万円となりました。
純資産につきましては、利益剰余金が67億8千6百万円増加及びその他有価証券評価差額金が24億7千8百万円増加したこと等に加え、自己株式の取得22億1千1百万円及び為替換算調整勘定が9億9百万円減少したこと等により、純資産合計では前連結会計年度末に比べ65億7千9百万円増加し、1,380億6千9百万円となりました。
この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は62.3%となり、前連結会計年度末の58.5%から3.8ポイント増加いたしました。
②キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況につきましては、「1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。
(4) 次期(平成29年度)の見通し
当社グループといたしましては、2013年度~2016年度の前中期経営計画に続く「新中期経営計画(2017年度~2019年度)」を策定し、企業価値の向上に向けた諸施策を全力で実行に移してまいります。
次期の業績予想につきましては、売上高1,330億円、経常利益79億円、親会社株主に帰属する当期純利益55億円を予想しております。また、為替レートは1ドル=110円、1ユーロ=115円を想定しております。
(注)上記「次期の見通し」は、有価証券報告書提出日(平成29年6月29日)現在において当社グループが判断したものであります。