文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社は、法律を遵守し健全で透明な企業経営を行うことを基本に、「化学」を通じ優れた製品を提供することにより社会の発展に貢献するとともに、株主、取引先、社員及び地域社会等のステークホルダーからの期待と信頼に応え、また、環境に配慮した事業活動を行うことを経営理念としております。
この理念のもと、当社は独自の特色ある技術を活用することにより高付加価値製品の開発を進め、グローバルな視野で化学を中心に事業を展開する技術指向型の企業グループを目指しております。
(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「中期経営計画(2018年3月期~2020年3月期)」において掲げる目標は、営業利益率6.5%以上(商社事業を除く営業利益率8.0%以上)、経常利益2020年3月期 130億円、ROE 7.0%以上、投資金額3年間 500億円(成長投資100億円、維持更新投資200億円、M&A等200億円)としております。
(3) 経営環境
引き続き雇用環境の改善などによる緩やかな景気の回復が期待されるものの、通商問題の動向が世界経済に与える影響や、為替の変動などの不確実性により、先行き不透明な状況が続くものと予想されます。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当社グループにつきましては、化学品事業において、二次電池材料の販売本格化や、セルロース誘導体事業・機能性高分子事業における拡販を見込むとともに、引き続き工業薬品の価格改定などの収益改善に取り組みます。
その一方で、農業化学品事業においては、殺虫剤「モスピラン」・新規殺菌剤「ピシロック」類の拡販や、前年度において買収が完了した事業による寄与を見込むものの、海外市場における既存製品の競争激化や、新規農薬の開発や既存製品の適用拡大に伴う研究開発費・委託試験費が高い水準で推移することが見込まれます。
かかる経営環境の中、「中期経営計画(2018年3月期~2020年3月期)」の最終年である2020年3月期は、数値目標の達成は困難な見通しでありますが、主題である「事業収益力の向上」と「新規事業の創出」を推進し、さらなる企業価値の向上に向けた諸施策に全力で取り組みます。
当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす主要なリスクには以下のようなものがあります。
なお、これらは当連結会計年度末において当社グループが判断したものであり、当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではありません。
1.市場に関するリスク
(1)当社グループの事業のなかには、市況変動の影響を受け、急激な価格変動を起こす製品があるため、市況が大きく下落した場合、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(2)当社グループの農業化学品事業は、売上に季節性があり、かつ天候に左右されやすい傾向があるため、天候の変動等により出荷量が減少することで、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
2.為替レートの変動リスク
当社グループは、輸出取引に係る為替リスクについて一部為替予約等によりリスク低減を図っておりますが、急激な円高が当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
また、海外の連結子会社や持分法適用会社は連結財務諸表上の円換算額が為替相場に左右されるため、急激な円高が当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
3.金利変動リスク
当社グループでは、借入金に係る金利変動リスクについて一部金利スワップ等によりリスク低減を図っておりますが、将来金利が上昇した場合には支払利息が増加し、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
4.研究開発
当社グループでは、新製品の開発に多くの経営資源を投入しておりますが、特に農業化学品事業における研究開発では、その有効性や安全性の確認のため開発期間が長期にわたるため、研究テーマが実用化されなかった場合には、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
5.原材料調達リスク
当社グループでは、原材料の安定的な調達に努めておりますが、必要な主要原材料が確保出来ない場合や、原材料価格が急激に上昇する場合は、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
6.退職給付債務に関するリスク
当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、年金資産の運用収益率や割引率などの数理計算上の前提に基づいて算出されているため、年金資産の運用環境の悪化や割引率の変更等により当社の業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
7.製品の品質保証
当社グループは、化学品製造業として、品質等についてレスポンシブル・ケア活動(自主的なリスク低減活動)に取り組み、特に「ISO9001」による管理改善に努めております。また、新製品上市・品質改善時には、「ISO9001」に準じて事前に製造物責任(PL)のリスク評価を確実に実施することでPL問題の未然防止を図っております。しかし、すべての製品について欠陥がなくPL問題が発生しないという保証はないため、製造物責任賠償についてはPL保険に加入し、万一の事故に備えておりますが、予期せぬ重大な事故が起きたり、品質面での重大な欠陥が発生した場合には、当社の業績に重要な影響を与える可能性があります。
8.事故・災害
当社グループは、化学品製造業として製造に係るリスクを強く認識し、品質、環境保全、労働安全衛生、保安防災、物流安全、化学品・製品安全等についてレスポンシブル・ケア活動(自主的なリスク低減活動)に取り組み、生産設備や化学製品の保管貯蔵施設での事故の未然防止に努めております。しかしながら、不測の事故あるいは大規模な自然災害等の発生により、製造設備で人的・物的被害が生じた場合、あるいは工場周辺地域に被害が生じた場合、当社グループの社会的信用が低下し、事故災害への対策費用や生産活動停止による機会損失により、当社の業績に重要な影響を与える可能性があります。
9.法的規制
当社グループは、事業を営む国内外の法令に従って事業活動を行っておりますが、環境問題に関する世界的な意識の高まりなどから、化学製品に対する規制はますます強化される傾向にあります。従って将来環境に関する規制が予想を超えて厳しくなり、新たに多額の投資が必要となった場合、当社の業績に重要な影響を与える可能性があります。
10.知的財産の侵害リスク
当社グループは、保有する知的財産権を厳正に管理しておりますが、特定の国においては完全に保護されず、第三者による侵害を完全には防止できない可能性があり、その場合当社の業績に重要な影響を与える可能性があります。
当社は、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りです。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用環境や企業収益の改善により緩やかな景気回復基調で推移したものの、米中貿易摩擦をはじめとした通商問題による海外経済の不確実性や為替の変動など、先行き不透明な状況が続きました。
このような状況のもと当社グループにおきましては、「中期経営計画(2018年3月期~2020年3月期)」の主題である「事業収益力の向上」と「新規事業の創出」を推進し、さらなる企業価値の向上に取り組みました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下の通りとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ32億4千4百万円減少し、2,162億1千2百万円となりました。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ33億5千9百万円減少し、712億9千5百万円となりました。
また、純資産は前連結会計年度末に比べ1億1千4百万円増加し、1,449億1千6百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高1,456億6千3百万円(前年度比3.1%増)、営業利益79億6百万円(前年度比23.7%増)、経常利益88億8千8百万円(前年度比3.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益58億2百万円(前年度比9.0%減)となりました。
セグメントの経営成績は次の通りです。
化学品事業は、売上高412億8千7百万円(前年度比4.5%増)、営業利益24億5千1百万円(前年度比50.3%増)となりました。
農業化学品事業は、売上高431億1千9百万円(前年度並み)、営業利益22億9千万円(前年度比15.7%増)となりました。
商社事業は、売上高369億4千3百万円(前年度比5.7%増)、営業利益6億6千5百万円(前年度並み)となりました。
運輸倉庫事業は、売上高42億6千4百万円(前年度比5.0%増)、営業利益4億6千1百万円(前年度比5.5%増)となりました。
建設事業は、売上高121億7千5百万円(前年度比4.2%増)、営業利益11億7千1百万円(前年度比16.1%減)となりました。
その他は、売上高78億7千3百万円(前年度並み)、営業利益5億8千7百万円(前年度比25.6%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は110億4千9百万円減少し、165億3千6百万円となりました。その主な内訳は、税金等調整前当期純利益85億3千1百万円に加え、減価償却費69億6千6百万円、利息及び配当金の受取額15億8千8百万円などがあった一方、有形固定資産の取得による支出85億2千6百万円、事業譲受による支出52億2千9百万円、借入金の減少による支出56億3千6百万円があったことなどによるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
化学品事業(百万円) |
45,788 |
105.2 |
|
農業化学品事業(百万円) |
23,627 |
96.9 |
|
報告セグメント計(百万円) |
69,415 |
102.2 |
|
その他(百万円) |
9,296 |
107.7 |
|
合計(百万円) |
78,712 |
102.9 |
(注)1.金額は平均売上実績単価により算出しており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.製品・商品仕入実績
当連結会計年度の製品・商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
化学品事業(百万円) |
6,113 |
110.6 |
|
農業化学品事業(百万円) |
8,121 |
125.0 |
|
商社事業(百万円) |
20,452 |
108.1 |
|
報告セグメント計(百万円) |
34,687 |
112.1 |
|
その他(百万円) |
2,064 |
106.6 |
|
合計(百万円) |
36,751 |
111.8 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
建設事業 |
15,381 |
97.6 |
12,956 |
133.2 |
(注)1.セグメント間の内部振替後の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
化学品事業(百万円) |
41,287 |
104.5 |
|
農業化学品事業(百万円) |
43,119 |
99.8 |
|
商社事業(百万円) |
36,943 |
105.7 |
|
運輸倉庫事業(百万円) |
4,264 |
105.0 |
|
建設事業(百万円) |
12,175 |
104.2 |
|
報告セグメント計(百万円) |
137,790 |
103.3 |
|
その他(百万円) |
7,873 |
100.6 |
|
合計(百万円) |
145,663 |
103.1 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。
当社グループは、特に次の重要な会計方針が、連結財務諸表の作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
a.固定資産の減損処理
当社グループは、事業資産については主として工場別営業部門別に資産のグルーピングを行っております。減損の測定にまで至った場合に見積もる事となる回収可能価額は、将来キャッシュ・フローを現在価値に割り引いて算定される使用価値により測定しております。
また、当社グループが保有する土地については、回収可能価額は正味売却価額により測定し、時価は賃貸資産については不動産鑑定評価により、遊休土地については固定資産税評価額により算定しております。
b.退職給付費用及び債務
当社グループ従業員の退職給付費用及び債務は、簡便法を採用している一部の連結子会社を除き、割引率・将来の昇給率・退職率・死亡率及び年金資産の収益率等の前提条件を決定の上、数理計算結果に基づき算定しております。退職給付債務等の前提条件のうち、割引率については長期国債の期末における利回りに基づき決定しております。
なお、実際の結果が前提条件と異なる場合や、将来前提条件が変更された場合には、その影響額は数理計算上の差異として累積され、従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数による定額法により処理する事としております。
c.繰延税金資産の回収可能性
当社グループは繰延税金資産の計上について、将来の課税所得計画を慎重に見積り、回収可能性が高いと考えられる金額へ減額するために評価性引当額を計上しております。
繰延税金資産の全部または一部を将来回収できないと判断した場合は、当該判断を行った連結会計年度において繰延税金資産を取崩し費用として計上いたします。同様に、現時点で評価性引当額として繰延税金資産を計上していない部分について回収可能と判断した場合は繰延税金資産を計上し、当該判断を行った連結会計年度において利益を増加させる事となります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
(a)財政状態
当連結会計年度末の総資産は、ゾエティス・ジャパン株式会社プラントヘルス事業の買収により無形固定資産が増加する一方で、現金及び預金が減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ32億4千4百万円減少し、2,162億1千2百万円となりました。
負債につきましては、借入金が減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ33億5千9百万円減少し、712億9千5百万円となりました。
また、純資産は前連結会計年度末に比べ1億1千4百万円増加し、1,449億1千6百万円となりました。
この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は65.6%となりました。
(b)経営成績
当連結会計年度は、原燃料価格の上昇の影響を受けたものの、化学品事業において価格改定を実施したことや、研究開発費・委託試験費の減少などにより、売上高は1,456億6千3百万円(前年度比3.1%増)、営業利益は79億6百万円(前年度比23.7%増)となりました。
経常利益は、当社持分法適用関連会社Novus International, Inc.の減益などにより、88億8千8百万円(前年度比3.4%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、58億2百万円(前年度比9.0%減)となりました。
(c)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営に重要な影響を与える要因には、市場動向、為替動向、原燃料価格の動向などがあります。
化学品事業においては、原燃料価格上昇の影響が懸念されますが、新製品の円滑な販売開始や、セルロース誘導体事業・機能性高分子事業における拡販に取り組むとともに、工業薬品などの価格改定により収益改善を図ります。
農業化学品事業においては、為替の影響や、海外市場における既存製品の競争激化、及び新規農薬の開発や既存製品の適用拡大に伴う研究開発費・委託試験費が高い水準で推移することが見込まれますが、新規殺菌剤「ピシロック」類の拡販や既存製品の販売数量拡大、及び自社開発新規農薬の着実な開発推進・販売開始に取り組みます。
当社グループでは、引き続き「中期経営計画(2018年3月期~2020年3月期)」の主題である「事業収益力の向上」と「新規事業の創出」を推進し、さらなる企業価値の向上に向けて、強固な企業基盤の構築を進めてまいります。
なお、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす主要なリスクにつきましては、「 第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載の通りです。
c.資本の財源及び資金の流動性
(a)資金需要
資金需要の主なものは、設備資金、運転資金、借入金の返済及び利息の支払い並びに配当金及び法人税等の支払いであります。
(b)資金の源泉
主として営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金により対応しております。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、法律を遵守し健全で透明な企業経営を行うことを基本に、「化学」を通じ優れた製品を提供することにより社会の発展に貢献するとともに、株主、取引先、社員及び地域社会などのステークホルダーからの期待と信頼に応え、また、環境に配慮した事業活動を行うことを経営理念としております。
この理念のもと、当社は独自の特色ある技術の活用により高付加価値製品の開発を進め、グローバルな視野で化学を中心に事業を展開する技術指向型の企業グループを目指しております。
「中期経営計画(2018年3月期~2020年3月期)」において掲げる目標は、営業利益率6.5%以上(商社事業を除く営業利益率8.0%以上)、経常利益2020年3月期130億円、ROE 7.0%以上としております。
当連結会計年度においては営業利益率5.4%(商社事業を除く営業利益率6.7%)、経常利益88億8千8百万円、ROE4.1%であり、引き続き目標達成に向け取り組んでまいります。
e.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
[化学品事業]
原燃料価格の上昇の影響を受けたものの、価格改定の実施や需要の増加により、工業薬品及び医薬品の販売が堅調に推移しました。また、連結子会社Alkaline SASの収益が向上しました。
この結果、当連結会計年度の売上高は412億8千7百万円(前年度比4.5%増)、営業利益は24億5千1百万円(前年度比50.3%増)となりました。
工業薬品は、カセイソーダ及び青化ソーダが伸長したことにより、増収となりました。
化成品は、PCB無害化処理薬剤が減少したものの、感熱紙用顕色剤が伸長したことなどにより、増収となりました。
機能材料は、KrFフォトレジスト材料「VPポリマー」及び樹脂添加剤「NISSO-PB」が堅調に推移したものの、IT産業向け材料の減少などにより、前年並みとなりました。
エコケア製品は、前年並みとなりました。
医薬品・工業用殺菌剤は、防腐剤が減少したものの、医薬品添加剤「NISSO HPC」及び医薬品原体が堅調に推移したことなどにより、増収となりました。
[農業化学品事業]
中国における環境規制の強化により、原材料調達の遅れに伴う生産の遅れや、原燃料価格の上昇の影響を受けた一方で、新規農薬の開発や既存製品の適用拡大に伴う研究開発費・委託試験費が減少しました。また、ゾエティス・ジャパン株式会社プラントヘルス事業(殺虫剤「グリンガード」・殺菌剤「アグリマイシン」)の買収が完了し、収益に寄与しました。
この結果、当連結会計年度の売上高は431億1千9百万円(前年度並み)、営業利益は22億9千万円(前年度比15.7%増)となりました。
殺菌剤は、「パンチョ」の輸出向けの増加や「アグリマイシン」の販売開始などにより、増収となりました。
殺虫剤・殺ダニ剤は、殺虫剤「グリンガード」の販売を開始したものの、殺虫剤「モスピラン」の輸出向けの減少などにより、減収となりました。
除草剤は、輸出向け販売の増加により、増収となりました。
[商社事業]
各種無機・有機薬品が堅調に推移したことにより、当連結会計年度の売上高は369億4千3百万円(前年度比5.7%増)、営業利益は6億6千5百万円(前年度並み)となりました。
[運輸倉庫事業]
運送業及び倉庫業が堅調に推移したことにより、当連結会計年度の売上高は42億6千4百万円(前年度比5.0%増)、営業利益は4億6千1百万円(前年度比5.5%増)となりました。
[建設事業]
プラント建設工事が堅調に推移し、当連結会計年度の売上高は121億7千5百万円(前年度比4.2%増)となったものの、調達コストの増加などにより、営業利益は11億7千1百万円(前年度比16.1%減)となりました。
[その他]
当連結会計年度の売上高は78億7千3百万円(前年度並み)、営業利益は5億8千7百万円(前年度比25.6%増)となりました。
(3) 次期の見通し
今後の見通しにつきましては、引き続き雇用環境の改善などによる緩やかな景気の回復が期待されるものの、通商問題の動向が世界経済に与える影響や、為替の変動などの不確実性により、先行き不透明な状況が続くものと予想されます。
当社グループにつきましては、化学品事業において、二次電池材料の販売本格化や、セルロース誘導体事業・機能性高分子事業における拡販を見込むとともに、引き続き工業薬品の価格改定などの収益改善に取り組みます。
その一方で、農業化学品事業においては、殺虫剤「モスピラン」・新規殺菌剤「ピシロック」類の拡販や、前年度において買収が完了した事業による寄与を見込むものの、海外市場における既存製品の競争激化や、新規農薬の開発や既存製品の適用拡大に伴う研究開発費・委託試験費が高い水準で推移することが見込まれます。
かかる経営環境の中、「中期経営計画(2018年3月期~2020年3月期)」の最終年である2020年3月期は、数値目標の達成は困難な見通しでありますが、主題である「事業収益力の向上」と「新規事業の創出」を推進し、さらなる企業価値の向上に向けた諸施策に全力で取り組みます。
次期の業績予想につきましては、売上高1,530億円、営業利益70億円、経常利益83億円、親会社株主に帰属する当期純利益58億円を予想しております。
また、為替レートは1ドル=110円、1ユーロ=125円を想定しております。
当社は、2018年10月8日に、持分法適用会社である力菱ファインケミカル有限会社(以下「力菱」)の持分譲渡契
約を締結し、当社出資持分の全てを上海群力化工有限公司に譲渡いたしました。
1. 持分譲渡の理由
当社は2012年の出資を機に、力菱を、農薬関連製品をはじめとするファインケミカル製品の製造拠点と位置づけ、
競争力のある安定した供給体制構築を目指してまいりましたが、生産体制の再構築を含む競争力強化に向けた取り組
みの中で、力菱の当社出資持分は上海群力化工有限公司に譲渡するのが望ましいと判断いたしました。
2. 異動した持分法適用関連会社の概要
(1)名称 力菱ファインケミカル有限会社(中国名:常熟力菱精細化工有限公司)
(2)事業内容 農薬中間体・原体、その他ファインケミカル中間体の製造
(3)当社持分比率 19.5%
3. 譲渡先の名称
上海群力化工有限公司
4. 譲渡の内容
(1)譲渡価額 101.99万米国ドル
(2)譲渡に伴う損失 88百万円
(3)譲渡後の持分比率 0%
当社グループは、「特徴ある独自技術に基づく高付加価値製品の開発」を進めるために、「知の融合」「技の融合」「グローバル」をキーワードに、化学品事業として機能性材料と精密合成技術を活用した各種化学品、および農業化学品事業として新規農薬開発を目指した研究開発に取り組んでおります。また、予想される事業環境の変化に備え、現有製品の更なる強化・拡大を図り、既存事業周辺、重点指向分野での新製品の開発を強力に推進すると共に、関連会社との技術連携を通したグループ会社全体の技術力強化、新しい技術分野への参入や自社保有技術の積極的活用による新規事業の創生を目指しております。
当連結会計年度における各セグメント別の研究開発の状況は次のとおりであります。
なお、研究開発費の総額は
[化学品事業]
機能性材料分野では、精密重合技術による新規ポリマー材料、有価資源回収用新規吸着材、有機EL材料等の分野で技術的特徴を活かした開発を推進しております。また、当社の特徴ある既存製品であるセルロース誘導体、液状ポリブタジエン製品、顕色剤、エコケア・光触媒及びバイオサイドなど環境化学関連製品、有機金属関連製品等についても競争力強化を行いながら、新規分野への積極進出を図っております。
精密合成分野では、ホスゲン、青酸、金属ソーダ等の当社特有の原料を利用した重要中間体の開発及び新規製造技術開発による新製品の創出を目指しております。
なお、[化学品事業]における研究開発費は
[農業化学品事業]
「食の安心•安全」にますます関心がもたれるなか、低薬量で活性を示し、低残留性の農園芸用農薬を中心とした研究に取り組んでおります。
べと病やピシウム病に卓効を示す殺菌剤「ピカルブトラゾクス(NF-171)」につきましては、欧米をはじめとした海外開発を積極的に推進しております。用途には瓜類や葉菜類の茎葉散布と、とうもろこし等の種子処理が含まれます。また、新規の作用性を有する殺ダニ剤「アシノナピル(NA-89)」につきましては、国内上市に向けた準備を進めております。広範囲の病害に有効な殺菌剤「イプフルフェノキン(NF-180)」の開発も順調に推移しており、各種登録用試験をグローバルに実施中です。一方、芝用防藻剤「アルテリア」は昨年国内登録認可に至り、現在上市準備中です。さらに、これらに続く有望化合物についてもフェーズアップに向け鋭意研究中です。
化学農薬以外では、生物農薬として、「アグロケア」および「マスタピース」の販売が順調であり、今後も微生物の多様な能力を活かした生物農薬製品群の充実に力を入れます。
なお、[農業化学品事業]における研究開発費は
[その他]
環境開発事業では、各種難処理産業廃棄物の資源リサイクルプロセスの改善研究に取り組んでおります。
なお、[その他]における研究開発費は13百万円であります。