文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社は、法律を遵守し健全で透明な企業経営を行うことを基本に、「化学」を通じ優れた製品を提供することにより社会の発展に貢献するとともに、株主、取引先、社員及び地域社会等のステークホルダーからの期待と信頼に応え、また、環境に配慮した事業活動を行うことを経営理念としております。
この理念のもと、当社は独自の特色ある技術を活用することにより高付加価値製品の開発を進め、グローバルな視 野で化学を中心に事業を展開する技術指向型の企業グループを目指しております。
(2) 経営環境
新型コロナウイルス感染症による経済への影響が長期化する可能性があり、極めて厳しい状況が続くものと予想されます。
当社グループの事業においては、化学品事業については、新型コロナウイルス感染症に伴う経済活動の停滞により、工業薬品・化成品・機能材料・エコケア製品・工業用殺菌剤等の需要が減少する可能性が懸念されますが、機能材料のうち通信インフラ・テレワーク関連向けは安定的と想定しており、医薬品添加剤は堅調な推移を想定しております。また、農業化学品事業については、新型コロナウイルス感染症の影響は軽微と想定しております。
当社グループとしては、感染拡大防止と従業員の安全確保を最優先に、政府や関係自治体の指示・要請に従い迅速に対応案を決定し実施するとともに、資金力を維持し柔軟な勤務体制を構築することで、安定経営と事業継続を維持してまいります。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループでは、長期経営ビジョン(2021年3月期~2030年3月期)及び中期経営計画(2021年3月期~2023年3月期)の基本戦略である「高効率な事業構造への変革」に向けて、高付加価値事業の拡大と不採算事業の整理を加速するとともに徹底した経営の効率化を推し進め、事業環境の変化に強く安定した収益を生み出す事業ポートフォリオへ変革するべく、諸施策を全力で実行に移してまいります。
長期経営ビジョン及び中期経営計画につきましては、2020年5月19日に開示しております『日本曹達グループ長期ビジョン「かがくで、かがやく。2030」、中期経営計画2020-2022「かがくで、かがやく。Stage I」』をご参照ください。
(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
中期経営計画(2021年3月期~2023年3月期)においては、資産効率の向上と積極的な資本政策の推進、並びに高付加価値事業の拡大と不採算事業の整理を基本目標に掲げており、2023年3月期の数値目標は、当期純利益70億円、ROE5%としております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
1.市場に関するリスク
(1)当社グループの事業の中には景気変動の影響を受ける製品・サービスがあるため、経済環境の変化により市況が大きく変動した場合、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(2)農業化学品事業においては需要に季節性があるため、第4四半期会計期間に収益が増加する傾向があります。また、天候に左右されやすい傾向があるため、天候の変動により当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
2.為替変動リスク
(1)当社グループはグローバルな事業展開を行っており、為替の変動は外国通貨建ての売上高や原材料の調達コストに影響を及ぼします。このため、為替予約などにより経営成績への影響の軽減を図っております。
(2)海外の連結子会社や持分法適用会社は連結財務諸表上の円換算額が為替相場に左右されるため、急激な為替の変動が当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
3.原材料調達に関するリスク
当社グループの製品で使用する原材料が確保できない場合、あるいは原材料価格が急激に変動した場合は、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。このため、原材料の安定的な調達に努めるとともに、原材料価格の上昇に対しては、原価の低減や販売価格への適正な転嫁などの施策を行うことにより経営成績への影響の軽減を図っております。
4.法的規制に関するリスク
当社グループは事業を営む国内外の法令を順守した事業活動を行っておりますが、環境問題に関する世界的な意識の高まりなどから、化学製品に対する規制は強化される傾向にあります。従って、将来において環境に関する規制が予想を超えて厳しくなり、新たに多額の投資が必要となった場合、当社の業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
5.研究開発に関するリスク
当社グループは新製品の開発に多くの経営資源を投入しておりますが、特に農業化学品事業における研究開発では、有効性や安全性の確認のための開発期間が長期にわたり、先行投資となる研究開発費・委託試験費が多額になるため、研究テーマが実用化されなかった場合、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
6.製品の品質保証に関するリスク
当社グループは化学品製造業として品質管理のレスポンシブル・ケア活動(自主的なリスク低減活動)に取り組み、特に「ISO9001」による管理改善に努めております。また、新製品の販売や品質改善時には、「ISO9001」に準じて事前に製造物責任(PL)のリスク評価を確実に実施することでPL問題の未然防止を図っております。しかしながら、すべての製品について欠陥がなくPL問題が発生しないという保証はありません。このため、PL保険に加入し万一の事故に備えておりますが、品質面での予期せぬ重大な欠陥が発生した場合、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
7.事故・災害に関するリスク
当社グループは化学品製造業として製造に係るリスクを強く認識し、品質、環境保全、労働安全衛生、保安防災、物流安全、化学品・製品安全等についてレスポンシブル・ケア活動に取り組み、生産設備や化学製品の保管貯蔵施設での事故の未然防止に努めております。しかしながら、不測の事故あるいは大規模な自然災害等の発生により、製造設備で人的・物的被害が生じた場合、あるいは工場周辺地域に被害が生じた場合、当社グループの社会的信用の低下や、事故災害への対策費用や生産活動停止による機会損失により、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
8.減損会計適用に関するリスク
当社グループの事業資産の価値が大幅に下落した場合、あるいは収益性の低下などにより投資額の回収が見込めなくなった場合、減損処理を行うことにより当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
9.退職給付債務に関するリスク
当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、年金資産の運用収益率や割引率などの数理計算上の前提に基づいて算出されているため、市場環境の急変などにより実際の結果が前提条件と大幅に異なる場合、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
10.知的財産の侵害リスク
当社グループは保有する知的財産権を厳正に管理しておりますが、特定の国においては完全に保護されず、第三者による侵害を完全には防止できない可能性があり、その場合当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
11.新型コロナウイルス感染症に関するリスク
当社グループの事業の中には景気変動の影響を受ける製品・サービスがあるため、新型コロナウイルス感染症による経済環境の変化により市況が大きく変動した場合、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りです。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用環境や個人消費の改善により緩やかな景気回復基調で推移したものの、米中貿易摩擦をはじめとした通商問題による海外経済の不確実性や為替の変動など先行き不透明な状況が続きました。加えて、新型コロナウイルス感染症の世界的流行により、景気の不透明感が一層強まる状況となりました。
このような状況のもと当社グループにおきましては、「中期経営計画(2018年3月期~2020年3月期)」の主題である「事業収益力の向上」と「新規事業の創出」を推進し、さらなる企業価値の向上に取り組みました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下の通りとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ56億5千6百万円減少し、2,105億5千6百万円となりました。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ51億7千9百万円減少し、661億1千6百万円となりました。
また、純資産は前連結会計年度末に比べ4億7千6百万円減少し、1,444億4千万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高1,447億3千9百万円(前年度並み)、営業利益81億3千5百万円(前年度比2.9%増)、経常利益103億1千2百万円(前年度比16.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益67億5千9百万円(前年度比16.5%増)となりました。
セグメントの経営成績は次の通りです。
化学品事業は、売上高403億8千5百万円(前年度比2.2%減)、営業利益22億1千7百万円(前年度比9.6%減)となりました。
農業化学品事業は、売上高433億8千8百万円(前年度並み)、営業利益22億4千万円(前年度比2.2%減)となりました。
商社事業は、売上高349億9千5百万円(前年度比5.3%減)、営業利益6億3千7百万円(前年度比4.3%減)となりました。
運輸倉庫事業は、売上高41億9千5百万円(前年度比1.6%減)、営業利益4億9千2百万円(前年度比6.7%増)となりました。
建設事業は、売上高144億2千3百万円(前年度比18.5%増)、営業利益16億7千7百万円(前年度比43.2%増)となりました。
その他は、73億5千万円(前年度比6.6%減)、営業利益6億4千4百万円(前年度比9.7%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は6億6千4百万円増加し、172億円となりました。その主な内訳は、税金等調整前当期純利益80億2千7百万円(非キャッシュ項目である持分法による投資利益18億4千1百万円を含む)に加え、減価償却費75億7千8百万円、利息及び配当金の受取額13億5千万円などがあった一方、有形固定資産の取得による支出104億8千1百万円などがあったことによるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
化学品事業(百万円) |
46,724 |
102.0 |
|
農業化学品事業(百万円) |
25,436 |
107.7 |
|
報告セグメント計(百万円) |
72,160 |
104.0 |
|
その他(百万円) |
8,905 |
95.8 |
|
合計(百万円) |
81,066 |
103.0 |
(注)1.金額は平均売上実績単価により算出しており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.製品・商品仕入実績
当連結会計年度の製品・商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
化学品事業(百万円) |
5,548 |
90.8 |
|
農業化学品事業(百万円) |
7,814 |
96.2 |
|
商社事業(百万円) |
19,948 |
97.5 |
|
報告セグメント計(百万円) |
33,310 |
96.0 |
|
その他(百万円) |
1,461 |
70.8 |
|
合計(百万円) |
34,772 |
94.6 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
建設事業 |
9,444 |
61.4 |
7,989 |
61.7 |
(注)1.セグメント間の内部振替後の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
化学品事業(百万円) |
40,385 |
97.8 |
|
農業化学品事業(百万円) |
43,388 |
100.6 |
|
商社事業(百万円) |
34,995 |
94.7 |
|
運輸倉庫事業(百万円) |
4,195 |
98.4 |
|
建設事業(百万円) |
14,423 |
118.5 |
|
報告セグメント計(百万円) |
137,389 |
99.7 |
|
その他(百万円) |
7,350 |
93.4 |
|
合計(百万円) |
144,739 |
99.4 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣はこの判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。また、当社グループは、特に次の重要な会計方針が、連結財務諸表の作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
a.固定資産の減損処理
当社グループは主として独立してキャッシュ・フローを生み出す製品グループとして、工場別営業部門別に資産のグルーピングを行っております。また、一部の連結子会社については独立した事業毎に資産のグルーピングを行っております。収益性の低下等により、投資額の回収が見込めなくなった固定資産については、帳簿価額を回収可能価額まで減額しております。回収可能価額は正味売却価額と使用価値のいずれか高い方の金額となりますが、正味売却価額につきましては不動産鑑定評価額等を基礎として合理的に算定された価格とし、使用価値につきましては将来キャッシュ・フローに基づき算定しております。
なお、当連結会計年度において減損損失16億9百万円を計上しております。主たる減損損失は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結損益計算書関係) ※6 減損損失」に記載のとおりです。当該主たる減損損失の回収可能価額は使用価値により算定しておりますが、その際に用いられる将来キャッシュ・フローは資産グループの現在の使用状況や合理的な使用計画等を考慮し見積り、税引前の割引率は借入資本コストと自己資本コストを加重平均した資本コストによっております。
b.退職給付費用及び債務
当社グループ従業員の退職給付費用及び債務は、簡便法を採用している一部の連結子会社を除き、割引率・将来の昇給率・退職率・死亡率及び年金資産の収益率等の前提条件を決定の上、数理計算結果に基づき算定しております。退職給付債務等の前提条件のうち、割引率については長期国債の期末における利回りに基づき決定しております。
なお、実際の結果が前提条件と異なる場合や、将来前提条件が変更された場合には、その影響額は数理計算上の差異として累積され、従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数による定額法により処理する事としております。
c.繰延税金資産の回収可能性
当社グループは繰延税金資産の計上について、将来の課税所得計画を慎重に見積り、回収可能性が高いと考えられる金額へ減額するために評価性引当額を計上しております。
繰延税金資産の全部または一部を将来回収できないと判断した場合は、当該判断を行った連結会計年度において繰延税金資産を取崩し費用として計上いたします。同様に、現時点で評価性引当額として繰延税金資産を計上していない部分について回収可能と判断した場合は繰延税金資産を計上し、当該判断を行った連結会計年度において利益を増加させる事となります。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が少なくとも一定期間続くと仮定しておりますが、2020年度後半にかけて緩やかに回復していくことを想定しており、重要な会計上の見積りに及ぼす影響は限定的であると考えております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
(a)財政状態
当連結会計年度末の総資産は、受取手形及び売掛金が減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ56億5千6百万円減少し、2,105億5千6百万円となりました。
負債につきましては、支払手形及び買掛金が減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ51億7千9百万円減少し、661億1千6百万円となりました。
また、純資産は前連結会計年度末に比べ4億7千6百万円減少し、1,444億4千万円となりました。この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は67.1%となりました。
(b)経営成績
当連結会計年度は、建設事業におけるプラント建設工事が増加したものの、商社事業における販売減少などにより、売上高は1,447億3千9百万円(前年度並み)、営業利益は81億3千5百万円(前年度比2.9%増)となりました。
経常利益は、当社持分法適用関連会社Novus International, Inc.において前年度に計上した損失が縮小したことなどにより、103億1千2百万円(前年度比16.0%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、67億5千9百万円(前年度比16.5%増)となりました。
(c)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載の通りです。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営に重要な影響を与える要因には、市場動向、為替動向、原燃料価格の動向並びに新型コロナウイルス感染症による影響などがあります。
化学品事業においては、新型コロナウイルス感染症に伴う経済活動の停滞により、工業薬品・化成品・機能材料・エコケア製品・工業用殺菌剤等の需要が減少する可能性が懸念されますが、成長事業である医薬品添加剤事業・樹脂添加剤事業のさらなる拡大を推進するとともに、不採算事業の整理を進めます。
農業化学品事業においては、為替の影響や、海外市場における既存製品の競争激化が想定されますが、新規殺菌剤「ピシロック」の拡販や新規殺ダニ剤「ダニオーテ」・新規殺菌剤NF-180の着実な開発推進・販売開始、及び既存製品の販売数量拡大に取り組みます。なお、新型コロナウイルス感染症による影響は、農薬全般では軽微と想定しております。
当社グループでは、長期経営ビジョン(2021年3月期~2030年3月期)及び中期経営計画(2021年3月期~2023年3月期)」の基本戦略である「高効率な事業構造への変革」に向けて、高付加価値事業の拡大と不採算事業の整理を加速するとともに徹底した経営の効率化を推し進め、事業環境の変化に強く安定した収益を生み出す事業ポートフォリオへ変革するべく、諸施策を全力で実行に移してまいります。
なお、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす主要なリスクにつきましては、「 第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載の通りです。
c.資本の財源及び資金の流動性
(a)資金需要
資金需要の主なものは、設備資金、運転資金、借入金の返済及び利息の支払い並びに配当金及び法人税等の支払いであります。
(b)資金の源泉
主として営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金により対応しております。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、法律を遵守し健全で透明な企業経営を行うことを基本に、「化学」を通じ優れた製品を提供することにより社会の発展に貢献するとともに、株主、取引先、社員及び地域社会などのステークホルダーからの期待と信頼に応え、また、環境に配慮した事業活動を行うことを経営理念としております。
この理念のもと、当社は独自の特色ある技術の活用により高付加価値製品の開発を進め、グローバルな視野で化学を中心に事業を展開する技術指向型の企業グループを目指しております。
中期経営計画(2018年3月期~2020年3月期)においては、営業利益率6.5%以上、経常利益2020年3月期130億円、ROE7.0%以上を数値目標としておりました。同計画の最終年度である当連結会計年度においては、既存事業は販売堅調により目標を上回ったものの、計画に織り込んでいたM&Aや事業提携について進捗が無かったこと、また持分法による投資利益が計画を下回って推移したことなどにより、営業利益率5.6%、経常利益103億1千2百万円、ROE4.8%となりました。
e.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
[化学品事業]
二次電池材料の販売を開始したものの、工業薬品の販売が減少しました。また、連結子会社Alkaline SASが減収減益となりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は403億8千5百万円(前年度比2.2%減)、営業利益は22億1千7百万円(前年度比9.6%減)となりました。
工業薬品は、カセイソーダ及び青化ソーダが減少したことにより、減収となりました。
化成品は、特殊イソシアネートが減少したものの、二次電池材料の販売を開始したことなどにより、増収となりました。
機能材料は、KrFフォトレジスト材料「VPポリマー」及び樹脂添加剤「NISSO-PB」が減少したことにより、減収となりました。
エコケア製品は、前年並みとなりました。
医薬品・工業用殺菌剤は、医薬品添加剤「NISSO HPC」及び医薬品原料が堅調に推移したことにより、増収となりました。
[農業化学品事業]
殺虫剤「モスピラン」の輸出向けが伸長したものの、新規農薬の開発や既存製品の適用拡大に伴う委託試験費が増加しました。
この結果、当連結会計年度の売上高は433億8千8百万円(前年度並み)、営業利益は22億4千万円(前年度比2.2%減)となりました。
殺菌剤は、前年度に買収した「アグリマイシン」が収益に寄与しましたが、「トリフミン」の輸出向けが減少したことなどにより、減収となりました。
殺虫剤・殺ダニ剤は、殺虫剤「モスピラン」の輸出向けの伸長により、増収となりました。
除草剤は、輸出向け販売の減少により、減収となりました。
[商社事業]
ウレタン原料及び無機薬品の減少により、当連結会計年度の売上高は349億9千5百万円(前年度比5.3%減)、営業利益は6億3千7百万円(前年度比4.3%減)となりました。
[運輸倉庫事業]
運送業が減少したものの、倉庫業が堅調に推移したことなどにより、当連結会計年度の売上高は41億9千5百万円(前年度比1.6%減)、営業利益は4億9千2百万円(前年度比6.7%増)となりました。
[建設事業]
プラント建設工事の増加により、当連結会計年度の売上高は144億2千3百万円(前年度比18.5%増)、営業利益は16億7千7百万円(前年度比43.2%増)となりました。
[その他]
当連結会計年度の売上高は73億5千万円(前年度比6.6%減)、営業利益は6億4千4百万円(前年度比9.7%増)となりました。
(3) 次期の見通し
今後の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症による経済への影響が長期化する可能性もあり、極めて厳しい状況が続くものと予想されます。
このような経営環境の中ではありますが、当社グループといたしましては、2018年3月期~2020年3月期の前中期経営計画に続く長期経営ビジョン(2021年3月期~2030年3月期)及び中期経営計画(2021年3月期~2023年3月期)を策定し、企業価値の向上に向けた諸施策を全力で実行に移してまいります。
長期経営ビジョン及び中期経営計画につきましては、2020年5月19日に開示しております『日本曹達グループ長期ビジョン「かがくで、かがやく。2030」 中期経営計画2020-2022「かがくで、かがやく。Stage I」』をご参照ください。
なお、2021年3月期の連結業績予想につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響を現段階で合理的に算定することが困難なことから未定としております。今後、業績予想の開示が可能となった時点で速やかに公表いたします。
当社は、2019年11月15日開催の取締役会において、2020年4月1日を効力発生日として、当社の完全子会社である上越日曹ケミカル株式会社を吸収合併することを決議し、2019年12月13日付で吸収合併契約を締結いたしました。
1.合併の目的
上越日曹ケミカル株式会社は、カセイカリ、塩素、塩素製品、その他各種化学工業品の製造・加工・販売を行っております。同社を当社に吸収合併することで、経営のさらなる効率化を図ります。
2.合併の方式
当社を存続会社とする吸収合併方式で、上越日曹ケミカル株式会社は解散いたします。
3.合併に係る割当ての内容
本合併は、当社の完全子会社との吸収合併であるため、本合併による株式その他の金銭等の割当てはありません。
4.合併の効力発生日
2020年4月1日
5.引継資産・負債の状況
当社は、合併の効力発生日において、上越日曹ケミカル株式会社の資産・負債及び権利義務の一切を引継いたします。
6.吸収合併存続会社となる会社の概要
本合併後の当社の名称、所在地、代表者の役職・氏名、事業内容、資本金及び決算期に変更はありません。
当社グループは、「特徴ある独自技術に基づく高付加価値製品の開発」を進めるために、「知の融合」「技の融合」「グローバル」をキーワードに、化学品事業として機能性材料と精密合成技術を活用した各種化学品、および農業化学品事業として新規農薬開発を目指した研究開発に取り組んでおります。また、予想される事業環境の変化に備え、現有製品の更なる強化・拡大を図り、既存事業周辺、重点指向分野での新製品の開発を強力に推進すると共に、関連会社との技術連携を通したグループ全体の技術力強化、新しい技術分野への参入や自社保有技術の積極的活用による新規事業の創生を目指しております。
当連結会計年度における各セグメント別の研究開発の状況は次のとおりであります。
なお、研究開発費の総額は
[化学品事業]
機能性材料分野では、精密重合技術による新規ポリマー材料、有価資源回収用新規吸着材、有機EL材料等の分野で技術的特徴を活かした開発を推進しております。また、当社の特徴ある既存製品であるセルロース誘導体、液状ポリブタジエン製品、顕色剤、エコケア・光触媒及びバイオサイドなど環境化学関連製品、有機金属関連製品等についても競争力強化を行いながら、新規分野への積極進出を図っております。
精密合成分野では、ホスゲン、青酸、金属ソーダ等の当社特有の原料を利用した重要中間体の開発及び新規製造技術開発による新製品の創出を目指しております。
なお、[化学品事業]における研究開発費は
[農業化学品事業]
「食の安心•安全」にますます関心がもたれるなか、低薬量で活性を示し、低残留性の農園芸用農薬を中心とした研究に取り組んでおります。
べと病やピシウム病に卓効を示す殺菌剤「ピカルブトラゾクス(NF-171)」につきましては、欧米をはじめとした海外開発を積極的に推進しております。用途には瓜類や葉菜類の茎葉散布と、とうもろこし等の種子処理が含まれます。また、新規の作用性を有する殺ダニ剤「アシノナピル(NA-89)」につきましては、国内上市に向けた準備を進めております。広範囲の病害に有効な殺菌剤「イプフルフェノキン(NF-180)」の開発も順調に推移しており、各種登録用試験をグローバルに実施中です。さらに、これらに続く有望化合物についてもフェーズアップに向け鋭意研究中です。
化学農薬以外では、生物農薬として、「アグロケア」および「マスタピース」の販売が順調であり、今後も微生物の多様な能力を活かした生物農薬製品群の充実に力を入れます。
なお、[農業化学品事業]における研究開発費は
[その他]
環境開発事業では、各種難処理産業廃棄物の資源リサイクルプロセスの改善研究に取り組んでおります。
なお、[その他]における研究開発費は15百万円であります。