当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社は、法律を遵守し健全で透明な企業経営を行うことを基本に、「化学」を通じ優れた製品を提供することにより社会の発展に貢献するとともに、お客様、株主・投資家、取引先、従業員及び地域社会などのステークホルダーの皆様からの期待と信頼に応え、また、環境に配慮した事業活動を行うことを経営理念としております。
この経営理念のもと、当社は独自の特色ある技術の活用により高付加価値製品の開発を進め、グローバルな視野で化学を中心に事業を展開する技術指向型の企業グループを目指しております。
(2) 経営環境
新型コロナウイルス感染症による影響から経済活動が回復に向かう一方で、原燃料価格が引き続き高値で推移する見込みであること、また地政学リスクの高まりや為替変動リスク等により、先行き不透明な状況が続くものと予想されます。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループでは、長期経営ビジョン(2021年3月期~2030年3月期)及び中期経営計画(2024年3月期~2026年3月期)の基本戦略である「高効率な事業構造への変革」に向けて、高付加価値事業の拡大と、資産効率性を重視した構造改革と成長投資により、企業価値を向上させるとともに、研究技術戦略の推進により中核技術を確立・高度化し、新規事業の創出を推進いたします。
中期経営計画につきましては、2023年5月10日に開示しております中期経営計画「かがくで、かがやく。Stage Ⅱ」(2023年度~2025年度)をご参照ください。
(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
中期経営計画(2024年3月期~2026年3月期)におきまして、2026年3月期の数値目標を、親会社株主に帰属する当期純利益170億円、ROE(自己資本当期純利益率)10%としております。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
地球規模での環境・社会・経済の持続可能性を求める国際社会の動きに伴い、当社グループを取り巻く状況は日々大きく変化しています。この変化が中長期にわたって当社グループの事業に与える影響を捉え、事業を継続的に発展させることで、サステナブルな社会の実現と企業価値の向上の両立を図ります。当社グループは、このような中長期的な視野に立って長期ビジョン「かがくで、かがやく。2030」(2020年度~2029年度)及び中期経営計画「かがくで、かがやく。Stage Ⅱ」(2023年度~2025年度)を策定し経営を実践するとともに、CSR推進委員会のもと「企業価値を高めるCSR」・「企業価値を守るCSR」に取り組み、必要に応じ横断的な組織を設置し社会課題の解決に取り組んでいます。
気候変動に関して、当社グループは、国際社会が直面する共通の課題として早期の対策が必要であると認識しており、国際社会の一員として二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガス(GHG)排出量の削減に取り組みます。また、地球温暖化による環境の変化や、その防止に向けた産業構造の変化が中長期にわたって当社グループの事業に与えるリスクと機会を把握し、事業を継続的に発展させます。当社グループは、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明しています。また、「GHG排出量削減ワーキンググループ」を設置し、数値目標の設定や対策の検討、及び対策結果の検証を推進しています。
人的資本に関して、少子高齢化や雇用の流動化が進む中、当社は人材確保を重要なテーマと捉え、取り組みを進めております。人材確保のためには、当社で働くことに対する社員の動機付けが不可欠ですが、まずは企業としての生産性の向上と利益の確保が、社員にとっても重要な動機付けになると考えております。それを踏まえ、長期ビジョン及び中期経営計画において、人的資本に基づく方針を掲げ、各種施策を推進しております。
なお、人的資本に関する戦略並びに指標及び目標について、当社グループにおける記載が困難であるため、当社のみの内容を記載しております。
(1)ガバナンス
社長執行役員を委員長とする「CSR推進委員会」を設置し、気候変動対応及び人的資本を含むCSR活動を推進する全社的な最高意思決定機関としています。「CSR推進委員会」は、当社の全取締役、執行役員、事業場長及び国内主要グループ会社の役員で構成され、定期的に年2回の委員会を開催し、経営層による目標設定、評価、見直しを実施することで継続的改善を図り、PDCAサイクルをスパイラルアップさせます。
(2)戦略
気候変動リスクに関して、炭素価格などの規制対応コストの増加による影響が大きいと判断しており、気候変動の評価指標として「GHG排出量」を選定しています。また、平均気温の上昇による病害虫の増加に対応する農薬や、水資源の保護につながる水処理剤、水素社会の実現に向けた水素製造・貯蔵関連技術など、環境に配慮した製品ニーズに応えるべく、開発に取り組んでいます。
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種別 |
内容 |
顕在化時期 |
事業影響度 |
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移行リスク |
政策・法規制 |
炭素価格など各種規制対応コストの増加 |
中期 |
大 |
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技術 |
低炭素技術への移行のための投資・研究開発コストの増加 |
中期 |
中 |
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市場 |
ユーザー選考の変化による既存製品の需要の減少 |
中期 |
小 |
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|
物理リスク |
急性リスク |
台風・洪水、渇水などの自然災害による生産への影響 |
短期 |
中 |
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慢性リスク |
平均気温上昇による病害虫の増加や農作物の収量減少 |
中期~長期 |
大 |
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|
水資源確保の困難化 |
長期 |
小 |
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機会 |
資源効率性 |
生産や輸送の高効率化によるエネルギーコストの削減 |
長期 |
中 |
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製品 |
病害虫の増加に対応する農薬や環境配慮製品の需要の増加 |
中期 |
大 |
|
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市場 |
総合型病害虫・雑草管理(IPM)への対応 |
長期 |
中 |
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人的資本に関して、当社は、長期ビジョン「かがくで、かがやく。2030」及び中期経営計画「かがくで、かがやく。Stage Ⅱ」において、人的資本経営ビジョン「社員もかがやく」を策定し、各種施策を推進しております。
各種施策の推進においては、多様な価値観と強みを持つ社員一人ひとりが活き活きと活躍し、組織が活性化されることで、生産性と利益の向上を達成し、さらなる社員の活躍に繋がるという好循環を作り出すべく、取り組みを進めております。主たる方針と施策に関しては以下となります。
ⅰ)人材育成方針
「社員もかがやく」においては、職群や職級に関わらず、当社人材像のあるべき姿として、社員それぞれが「自律し、主体的に学び、考え、行動すること」を掲げております。それを主軸に、女性基幹職の増加を主とした会社の構成人材の変化や、ベテラン層から次の世代への円滑な交代、また働き方やキャリアに対する考え方の多様化に対応するべく、各種施策の検討・実施を行っております。
近年では、基幹職を対象とした複線型人事制度の導入(各人の適性を考慮したリーダー・エキスパートのコース分け)やキャリア開発支援制度(入社15年目までを対象とした個別アンケート、人事及び上司による面談、キャリア研修)、管理職への早期抜擢制度、製造現場社員を対象とした「日曹技能研修センター」の設立(技術伝承や、安全かつ生産性が高い製造現場の運営ができる人材の育成を目的とする)などを実施しております。
ⅱ)社内環境整備方針
「社員もかがやく」においては、前段の内容に加え、社員が「柔軟で効率的な働き方を実践することにより、その能力を最大限に発揮すること」を掲げております。それを踏まえ、まず本社及び営業所において、オフィススペースをフリーアドレス化するとともに、在宅勤務制度や時差出勤制度を設けています。また、一部の営業所社員を対象に、居住地と担当エリア間の移動負担を減らすため、ホームオフィス制度を設けております。そのほか育児をする社員の仕事と私生活の両立を支援するため、子の看護休暇や所定外労働等の制限、短時間勤務について、法定を超えた、小学校6年生までの子を養育する者を対象としております。
また当社では、健康経営についても積極的に推進しております。健康維持や健康増進については、各人の生活の質の向上のみならず、モチベーションの向上を通じた所属組織の活性化や企業業績の向上にも繋がるものと捉えております。2022年度からは、「健康経営推進課」を設置し、それまで事業場ごとに取り組んできた産業保健職の活動を統括して、全社一体となった健康施策を推進しております。
その他、社内環境整備の一環として、2022年度より社員を対象としたエンゲージメントサーベイを開始いたしました。今後の社内環境改善に繋げるべく、定点観測していきます。
(3)リスク管理
リスクを所管する関連部署と協議のうえ、リスクの特定、影響度の評価及び重要な要素の抽出を年1回行い、特定されたリスクに対する計画を策定します。この計画は、「CSR推進委員会」において経営層による点検、見直しを行い、企業全体の経営計画に組み入れます。
(4)指標及び目標
気候変動に関して、評価指標として「GHG排出量」を選定しています。また、「GHG排出量」としてスコープ1、2、3の実績を開示しています。当社グループは、GHG排出量(スコープ1、スコープ2)の削減目標を設定し、2025年度までに2013年度比で20%以上の削減、また2029年度までに2013年度比で30%以上の削減を目指しています。2021年度のGHG排出量実績(日本曹達単体ベース スコープ1、スコープ2)は対前年度比で1.1%の増加となりました(生産量増加のため)。
人的資本に関して、指標及び目標は以下のとおりです。
ⅰ)女性管理職比率の向上
2022年度実績 4.9% → 目標(2030年度)10%の達成
ⅱ)キャリア開発支援制度
・対象者(基幹職の新卒~入社15年目相当)の上司面談実施率
2022年度実績 98.3% → 目標(2023年度以降)100%の達成と維持
・対象者(基幹職の入社5年目・10年目・15年目相当)の人事面談実施率
2022年度実績 100% → 目標(2023年度以降)100%の維持
そのほか、健康経営に関することとして、2022年度までは健診要精密検査受診率の改善(目標:92%以上)を掲げ、概ね達成できたと判断しております(2022年度実績:91.1%)。2023年度は新たな目標として「ヘルスリテラシーの向上」を掲げておりますが、指標につきましては現在策定中であります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
1.市場に関するリスク
(1)当社グループの事業の中には景気変動の影響を受ける製品・サービスがあるため、経済環境の変化により市況が大きく変動した場合、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(2)農業化学品事業においては需要に季節性があるため、第4四半期会計期間に収益が増加する傾向があります。また、天候に左右されやすい傾向があるため、天候の変動により当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(3)当社グループは、化学品事業・農業化学品事業を中心にグローバルな事業展開を行っており、両事業における海外売上比率は約60%となっております。各国・各地域における予期せぬ現地法規制の変更や、大規模な伝染病の流行、戦争・暴動・テロ等の地政学リスクや偶発的要因、国家や地域間の対立による貿易戦争等により、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社ではグローバル拠点として現地法人を設置し、各国・各地域におけるリスク情報収集並びにビジネス動向の分析を行っています。
2.為替変動リスク
(1)当社グループはグローバルな事業展開を行っており、為替の変動は外国通貨建ての売上高や原材料の調達コストに影響を及ぼします。このため、為替予約等により経営成績への影響の軽減を図っております。
(2)海外の連結子会社や持分法適用会社は連結財務諸表上の円換算額が為替相場に左右されるため、急激な為替の変動が当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
3.原材料調達に関するリスク
当社グループの製品で使用する原材料が確保できない場合、あるいは原材料価格が急激に変動した場合は、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。このため、原材料の安定的な調達に努めるとともに、原材料価格の上昇に対しては、原価の低減や販売価格の改定等の施策を行うことにより経営成績への影響の軽減を図っております。
4.法的規制に関するリスク
当社グループは事業を営む国内外の法令を遵守した事業活動を行っておりますが、環境問題に関する世界的な意識の高まりなどから、化学製品に対する規制は強化される傾向にあります。従って、将来において環境に関する規制が予想を超えて厳しくなり、新たに多額の投資が必要となった場合、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
5.研究開発に関するリスク
当社グループは新製品の開発に多くの経営資源を投入しておりますが、特に農業化学品事業における研究開発では、有効性や安全性の確認のための開発期間が長期にわたり、先行投資となる研究開発費・委託試験費が多額になるため、研究テーマが実用化されなかった場合、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
6.製品の品質保証に関するリスク
当社グループは化学品製造業として品質管理のレスポンシブル・ケア活動(自主的なリスク低減活動)に取り組み、特に「ISO9001」による管理改善に努めております。また、新製品の販売や品質改善時には、「ISO9001」に準じて事前に製造物責任(PL)のリスク評価を確実に実施することでPL問題の未然防止を図っております。しかしながら、全ての製品について欠陥がなくPL問題が発生しないという保証はありません。このため、PL保険に加入し万一の事故に備えておりますが、品質面での予期せぬ重大な欠陥が発生した場合、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
7.事故・災害に関するリスク
当社グループは化学品製造業として製造に係るリスクを強く認識し、品質、環境保全、労働安全衛生、保安防災、物流安全、化学品・製品安全等についてレスポンシブル・ケア活動に取り組み、生産設備や化学製品の保管貯蔵施設での事故の未然防止に努めております。しかしながら、不測の事故あるいは大規模な自然災害等の発生により、製造設備で人的・物的被害が生じた場合、あるいは工場周辺地域に被害が生じた場合、当社グループの社会的信用の低下や、事故災害への対策費用や生産活動停止による機会損失により、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
8.減損会計適用に関するリスク
当社グループの事業資産の価値が大幅に下落した場合、あるいは収益性の低下等により投資額の回収が見込めなくなった場合、減損処理を行うことにより当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
9.退職給付債務に関するリスク
当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、年金資産の運用収益率や割引率等の数理計算上の前提に基づいて算出されているため、市場環境の急変等により実際の結果が前提条件と大幅に異なる場合、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
10.知的財産の侵害リスク
当社グループは保有する知的財産権を厳正に管理しておりますが、特定の国においては完全に保護されず、第三者による侵害を完全には防止できない可能性があり、その場合当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
11.情報セキュリティに関するリスク
当社グループは事業に関する機密情報等を有しております。情報管理体制には万全を期しておりますが、予期せぬ事態によりこれらの情報が社外に流失した場合、事業活動の停滞や信用の低下により、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。このため、当社グループでは情報管理に関する社内規程を制定し、従業員には教育によって管理意識や取り扱いルールの浸透を図るとともに、機密情報等を共有するステークホルダーとは秘密保持契約を締結し、情報管理体制の強化に努めております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的流行に伴い停滞している経済活動の持ち直しの動きがみられたものの、世界的な海上輸送の混乱や原燃料価格の上昇、及び地政学リスクの高まりなどにより、先行き不透明な状況が続きました。
このような状況のもと、当社グループにおきましては、長期経営ビジョン(2021年3月期〜2030年3月期)及び中期経営計画(2021年3月期~2023年3月期)を推進し、企業価値の向上に向けた諸施策に全力で取り組みました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ57億6千4百万円増加し、2,513億5千万円となりました。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ68億9千6百万円減少し、803億9千万円となりました。
また、純資産は前連結会計年度末に比べ126億6千1百万円増加し、1,709億5千9百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高1,728億1千1百万円(前年度比13.3%増)、営業利益168億9千3百万円(前年度比41.6%増)、経常利益264億5千6百万円(前年度比60.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益166億9千2百万円(前年度比31.6%増)となりました。
セグメントの経営成績は次のとおりです。
化学品事業は、売上高475億9千5百万円(前年度比8.4%増)、営業利益27億9千6百万円(前年度比13.1%増)となりました。
農業化学品事業は、売上高587億5千6百万円(前年度比16.2%増)、営業利益94億7千1百万円(前年度比71.8%増)となりました。
商社事業は、売上高393億5千2百万円(前年度比10.3%増)、営業利益15億2千万円(前年度比29.8%増)となりました。
運輸倉庫事業は、売上高42億7千5百万円(前年度比4.2%減)、営業利益6億7千3百万円(前年度比1.8%減)となりました。
建設事業は、売上高130億7千9百万円(前年度比59.2%増)、営業利益18億9千4百万円(前年度比65.7%増)となりました。
その他は、売上高97億5千1百万円(前年度並み)、営業利益5億7千5百万円(前年度比45.9%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は5億8千6百万円増加し、184億8千4百万円となりました。その主な内訳は、税金等調整前当期純利益242億1千7百万円(非キャッシュ項目である持分法による投資利益78億4千1百万を含む)に加え、減価償却費90億7千8百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入66億6千万円等があった一方、有形固定資産の取得による支出108億7千8百万円、棚卸資産の増加111億6百万円、配当金の支払額59億7千9百万円、法人税等の支払額35億7千8百万円があったこと等によるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
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化学品事業(百万円) |
47,567 |
103.3 |
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農業化学品事業(百万円) |
29,393 |
106.8 |
|
報告セグメント計(百万円) |
76,961 |
104.6 |
|
その他(百万円) |
9,381 |
89.5 |
|
合計(百万円) |
86,342 |
102.7 |
(注)金額は平均売上実績単価により算出しており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
b.製品・商品仕入実績
当連結会計年度の製品・商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
化学品事業(百万円) |
4,899 |
88.6 |
|
農業化学品事業(百万円) |
8,585 |
130.3 |
|
商社事業(百万円) |
32,746 |
146.5 |
|
報告セグメント計(百万円) |
46,231 |
134.1 |
|
その他(百万円) |
2,082 |
108.9 |
|
合計(百万円) |
48,313 |
132.8 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
c.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
建設事業 |
15,360 |
164.1 |
11,732 |
124.1 |
(注)セグメント間の内部振替後の数値によっております。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
化学品事業(百万円) |
47,595 |
108.4 |
|
農業化学品事業(百万円) |
58,756 |
116.2 |
|
商社事業(百万円) |
39,352 |
110.3 |
|
運輸倉庫事業(百万円) |
4,275 |
95.8 |
|
建設事業(百万円) |
13,079 |
159.2 |
|
報告セグメント計(百万円) |
163,059 |
114.2 |
|
その他(百万円) |
9,751 |
100.3 |
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合計(百万円) |
172,811 |
113.3 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣はこの判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。また、当社グループは、特に次の重要な会計方針が、連結財務諸表の作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
a.固定資産の減損処理
当社グループは主として独立してキャッシュ・フローを生み出す製品グループとして、工場別営業部門別に資産のグルーピングを行っております。また、一部の連結子会社については独立した事業ごとに資産のグルーピングを行っております。収益性の低下等により、投資額の回収が見込めなくなった固定資産については、帳簿価額を回収可能価額まで減額しております。回収可能価額は正味売却価額と使用価値のいずれか高い方の金額となりますが、正味売却価額につきましては不動産鑑定評価額等を基礎として合理的に算定された価格とし、使用価値につきましては将来キャッシュ・フローに基づき算定しております。
なお、当連結会計年度において減損損失9億4千1百万円を計上しております。主たる減損損失については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結損益計算書関係) ※8 減損損失」に記載のとおりです。
b.退職給付費用及び債務
当社グループ従業員の退職給付費用及び債務は、簡便法を採用している一部の連結子会社を除き、割引率・将来の昇給率・退職率・死亡率及び年金資産の収益率等の前提条件を決定のうえ、数理計算結果に基づき算定しております。退職給付債務等の前提条件のうち、割引率については長期国債の期末における利回りに基づき決定しております。
なお、実際の結果が前提条件と異なる場合や、将来前提条件が変更された場合には、その影響額は数理計算上の差異として累積され、従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数による定額法により処理することとしております。
c.繰延税金資産の回収可能性
当社グループは繰延税金資産の計上について、将来の課税所得計画を慎重に見積り、回収可能性が高いと考えられる金額へ減額するために評価性引当額を計上しております。
繰延税金資産の全部または一部を将来回収できないと判断した場合は、当該判断を行った連結会計年度において繰延税金資産を取崩し費用として計上いたします。同様に、現時点で評価性引当額として繰延税金資産を計上していない部分について回収可能と判断した場合は繰延税金資産を計上し、当該判断を行った連結会計年度において利益を増加させることとなります。
d.環境対策引当金
当社グループは環境対策引当金の計上について、土壌汚染対策工事費用など、環境対策等に係る支出に備えるため、今後発生すると見込まれる金額を計上しております。
なお、新型コロナウイルス感染症による当社グループへの影響は、収束時期等の見通しが不透明な状況であるものの、現時点においては、会計上の見積りに及ぼす影響は限定的であると考えております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
(a)財政状態
当連結会計年度末の総資産は、Alkaline S.A.S.の連結除外に伴う有形固定資産の減少や受取手形、売掛金及び契約資産が減少したものの、棚卸資産の増加や、持分法による投資利益を計上したことなどによる投資有価証券の増加により、前連結会計年度末に比べ57億6千4百万円増加し、2,513億5千万円となりました。
負債につきましては、Alkaline S.A.S.の連結除外に伴う支払手形及び買掛金の減少や借入金が減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ68億9千6百万円減少し、803億9千万円となりました。
また、純資産は前連結会計年度末に比べ126億6千1百万円増加し、1,709億5千9百万円となりました。この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は67.3%となりました。
(b)経営成績
当連結会計年度は、農業化学品事業や化学品事業、及び商社事業において販売が増加するとともに、建設事業においてプラント建設工事が増加したこと、また原燃料価格の大幅な上昇を踏まえて、販売価格の改定を実施したこと等により、売上高は1,728億1千1百万円(前年度比13.3%増)、営業利益は168億9千3百万円(前年度比41.6%増)となりました。
経常利益は、持分法による投資利益が増加したこと等により、264億5千6百万円(前年度比60.2%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、連結子会社であったAlkaline S.A.S.の全株式の譲渡に伴い特別利益を計上したこと、また構造改革の実施に伴い特別損失を計上したこと等により、166億9千2百万円(前年度比31.6%増)となりました。
(c)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営に重要な影響を与える要因には、市場動向、為替動向、原燃料価格の動向等があります。
ケミカルマテリアルにおきましては、連結子会社であったAlkaline S.A.S.が当社連結から除外されたことに伴い、売上高が減少となるものの、引き続き原燃料価格の上昇に伴う価格改定に取り組むとともに、樹脂添加剤「NISSO-PB」や、機能性ポリマー「液状1,2-SBS」、及び医薬品添加剤「NISSO HPC」等の拡販に取り組みます。
アグリビジネスにおきましては、自社開発農薬である殺菌剤「ミギワ」「ピシロック」や殺ダニ剤「ダニオーテ」のさらなる拡販に取り組みます。
当社グループでは、長期経営ビジョン(2021年3月期~2030年3月期)及び2023年5月10日に開示しました中期経営計画(2024年3月期~2026年3月期)の基本戦略である高付加価値事業の拡大と、資産効率性を重視した構造改革と成長投資により企業価値を向上させるべく、諸施策を全力で実行に移してまいります。
なお、2024年3月期より、グループ内セグメントの最適化に伴い、セグメント区分を「化学品事業」「農業化学品事業」「商社事業」「運輸倉庫事業」「建設事業」「その他」の6区分から、「ケミカルマテリアル」「アグリビジネス」「トレーディング&ロジスティクス」「エンジニアリング」「エコソリューション」の5区分に変更しております。
当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす主要なリスクにつきましては、「3.事業等のリスク」に記載のとおりです。
c.資本の財源及び資金の流動性
(a)資金需要
資金需要の主なものは、設備資金、運転資金、借入金の返済及び利息の支払い並びに配当金及び法人税等の支払いであります。
(b)資金の源泉
主として営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金により対応しております。
なお、運転資金の効率的な調達を行うため取引銀行2行と総額45億円のコミットメントライン契約を締結しております。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、法律を遵守し健全で透明な企業経営を行うことを基本に、「化学」を通じ優れた製品を提供することにより社会の発展に貢献するとともに、お客様、株主・投資家、取引先、従業員及び地域社会等のステークホルダーの皆様からの期待と信頼に応え、また、環境に配慮した事業活動を行うことを経営理念としております。
この経営理念のもと、当社は独自の特色ある技術の活用により高付加価値製品の開発を進め、グローバルな視野で化学を中心に事業を展開する技術指向型の企業グループを目指しております。
当連結会計年度におきましては、親会社株主に帰属する当期純利益166億9千2百万円、ROE10.3%となりました。
中期経営計画(2024年3月期~2026年3月期)におきましては、2026年3月期の数値目標を親会社株主に帰属する当期純利益170億円、ROE10%としております。引き続き目標達成に向け、企業価値の向上に向けた諸施策を全力で実行に移してまいります。
e.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
[化学品事業]
カセイカリ及び周辺事業の構造改革の実施により工業薬品やエコケア製品の販売が減少したものの、医薬品・工業用殺菌剤や化成品、及び機能材料の販売が増加しました。また、原燃料価格の大幅な上昇に伴う販売価格の改定を実施しました。
この結果、当連結会計年度の売上高は475億9千5百万円(前年度比8.4%増)、営業利益は27億9千6百万円(前年度比13.1%増)となりました。
工業薬品は、販売価格の改定によりカセイソーダが増加したものの、構造改革の実施によりカセイカリや炭酸カリが減少したこと、また青化ソーダが減少したこと等により、減収となりました。
化成品は、二次電池材料や感熱紙用顕色剤が増加したことにより、増収となりました。
機能材料は、樹脂添加剤「NISSO-PB」が減少したものの、KrFフォトレジスト材料「VPポリマー」が伸長したこと等により、増収となりました。
エコケア製品は、販売価格の改定により重金属固定剤「ハイジオン」が増加したものの、水処理剤「日曹ハイクロン」の輸出向けが減少したことにより、減収となりました。
医薬品・工業用殺菌剤は、医薬品添加剤「NISSO HPC」が伸長したことにより、増収となりました。
[農業化学品事業]
海外における旺盛な需要により、殺菌剤や殺虫剤・殺ダニ剤の輸出向けが伸長しました。
この結果、当連結会計年度の売上高は587億5千6百万円(前年度比16.2%増)、営業利益は94億7千1百万円(前年度比71.8%増)となりました。
殺菌剤は、「トップジンM」「ピシロック」「パンチョ」の輸出向けが伸長したことにより、増収となりました。
殺虫剤・殺ダニ剤は、殺虫剤「モスピラン」「ロムダン」や殺ダニ剤「ダニオーテ」の輸出向けが伸長したことにより、増収となりました。
除草剤は、「コンクルード」の国内向けが伸長したことにより、増収となりました。
[商社事業]
各種有機・無機薬品の増加により、当連結会計年度の売上高は393億5千2百万円(前年度比10.3%増)、営業利益は15億2千万円(前年度比29.8%増)となりました。
[運輸倉庫事業]
運送業が減少したことにより、当連結会計年度の売上高は42億7千5百万円(前年度4.2%減)、営業利益は6億7千3百万円(前年度比1.8%減)となりました。
[建設事業]
プラント建設工事の増加により、当連結会計年度の売上高は130億7千9百万円(前年度比59.2%増)、営業利益は18億9千4百万円(前年度比65.7%増)となりました。
[その他]
当連結会計年度の売上高は97億5千1百万円(前年度並み)、営業利益は5億7千5百万円(前年度比45.9%減)となりました。
(3) 次期の見通し
今後の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症による影響から経済活動が回復に向かう一方で、原燃料価格が引き続き高値で推移する見込みであること、また地政学リスクの高まりや為替変動リスク等により、先行き不透明な状況が続くものと予想されます。
このような経営環境の中ではありますが、当社グループといたしましては、長期経営ビジョン(2021年3月期~2030年3月期)及び中期経営計画(2024年3月期~2026年3月期)の達成に向け、企業価値の向上に向けた諸施策を全力で実行に移してまいります。
ケミカルマテリアルにおきましては、連結子会社であったAlkaline S.A.S.が当社連結から除外されたことに伴い、売上高が減少となるものの、引き続き原燃料価格の上昇に伴う価格改定に取り組むとともに、樹脂添加剤「NISSO-PB」や、機能性ポリマー「液状1,2-SBS」、及び医薬品添加剤「NISSO HPC」等の拡販に取り組みます。
アグリビジネスにおきましては、自社開発農薬である殺菌剤「ミギワ」「ピシロック」や殺ダニ剤「ダニオーテ」のさらなる拡販に取り組みます。
次期連結会計年度の業績予想につきましては、売上高1,640億円、営業利益147億円、経常利益195億円、親会社株主に帰属する当期純利益155億円を予測しております。
また、為替レートは1ドル=130円、1ユーロ=140円を想定しております。
当社は、当社のフランス連結子会社であり、金属ナトリウム、塩素などの製造および販売を行う事業会社であるMSSA S.A.S.の親会社であるAlkaline S.A.S.の全株式を、International Chemical Investors XVI S.A.に譲渡することを目的として、2023年1月19日に株式譲渡契約を締結いたしました。
詳細は「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。
当社グループは、「特徴ある独自技術に基づく高付加価値製品の開発」を進めるために、「知の融合」「技の融合」「グローバル」をキーワードに、化学品事業として機能性材料と精密合成技術を活用した各種化学品及び農業化学品事業として新規農薬開発を目指した研究開発に取り組んでおります。また、予想される事業環境の変化に備え、現有製品のさらなる強化・拡大を図り、既存事業周辺、重点指向分野での新製品の開発を強力に推進するとともに、関連会社との技術連携を通したグループ全体の技術力強化、新しい技術分野への参入や自社保有技術の積極的活用による新規事業の創生を目指しております。
当連結会計年度における各セグメント別の研究開発の状況は次のとおりであります。
なお、研究開発費の総額は
[化学品事業]
精密重合技術による新規ポリマー材料、有機EL材料等の分野で技術的特徴を活かした機能化学品の開発を推進しております。2022年1月には新規機能性ポリマーとして精密重合技術を活かし、「液状1,2-SBS(スチレンブタジエンスチレン)」を上市いたしました。次世代高速通信CCL(銅張積層板)向け用途、電子材料用途をはじめ、合成ゴム用途、粘接着剤用途へ販売してまいります。
医薬・食品分野向けにセルロース誘導体の新銘柄開発を当社CTAC(セルローステクニカルアプリケーションセンター)と連携して行っております。液状ポリブタジエン製品、感熱紙用顕色剤、エコケア・光触媒及びバイオサイドなど環境化学関連製品、有機金属関連製品等については、市場競争力強化を行いながら、新規用途、新銘柄開発等積極的な研究開発を行っております。
精密合成分野においては、ホスゲン、青酸、金属ソーダ等の当社特有の原料を利用した受託製造を始め、それら技術を基盤とした新製品の創出を目指しております。
なお、[化学品事業]における研究開発費は
[農業化学品事業]
「食の安心•安全」にますます関心がもたれるなか、低薬量で活性を示し、低残留性の畑作果樹園芸用農薬を中心とした研究に取り組んでおります。
べと病やピシウム病に卓効を示す殺菌剤「ピシロック」につきましては、海外開発を積極的に推進しています。米国では、とうもろこし等の種子処理やゴルフ場の芝で使用され好評を得ております。中国を含むアジアでも今後一層の販売増加が見込まれています。また、新規の作用性を有する殺ダニ剤「ダニオーテ」につきましては、2020年10月に国内で上市し、好評を得ております。広範囲の病害に有効な殺菌剤「ミギワ」は2022年12月より全国販売を開始しました。海外開発も順調に推移しており、2022年3月に米国で登録を取得しました。他の国々でも各種登録用試験をグローバルに実施中です。さらに、これらに続く有望化合物についてもフェーズアップに向け鋭意研究中です。
化学農薬以外では、生物農薬として、「アグロケア」及び「マスタピース」の販売が順調であり、今後も微生物の多様な能力を活かした生物農薬製品群の充実に力を入れます。
なお、[農業化学品事業]における研究開発費は
[その他]
環境開発事業では、各種難処理産業廃棄物の資源リサイクルプロセスの改善研究に取り組んでおります。
なお、[その他]における研究開発費は0百万円であります。