当社グループは、社会全体の大きな変革の中で、直面する事業環境にあわせて、当社の経営理念としての存在意義を「化学を礎に、環境と調和した幸せな未来を顧客と共に創造する」と定義しました。持続可能な社会に貢献するために環境と調和して事業を継続させ、顧客と共に未来を創造することのできるトクヤマでありたいとの思いを込めています。
そして、存在意義に基づいた経営方針として、以下のありたい姿を策定しています。
①マーケティングと研究開発から始める価値創造型企業
②独自の強みを磨き、活かし、新領域に挑み続ける企業
③社員と家族が健康で自分の仕事と会社に誇りを持てる企業
④世界中の地域・社会の人々との繋がりを大切にする企業
当社は、中長期的な当社の経営戦略として2021年2月25日に中期経営計画2025を策定し、3項目の重点課題を設定しました。当連結会計年度における課題の対応及び進捗等は以下のとおりです。
1.事業ポートフォリオの転換
成長事業を「電子」「健康」「環境」と位置付け、重点的に投資を行ってまいりました。成長事業の連結売上高比率を2025年度に50%以上とした上、2030年度に60%以上を目指します。化成品・セメント事業は効率化を進め、安定的に収益を確保いたします。
「電子」分野では、当連結会計年度にベトナムにおいて半導体用多結晶シリコンの製造販売子会社を設立しました。一方で、マレーシアにおいてOCIグループと半導体用多結晶シリコンの半製品の共同生産を行うことを目的とした会社の設立を進めています。このように、将来の半導体市場拡大に伴う多結晶シリコンの需要増加を見据え、半導体用多結晶シリコンの生産・供給体制の構築を推進しております。
「健康」分野では、株式会社トクヤマデンタルが生産する歯科充填用コンポジットレジンの需要が欧米を中心に拡大する中、同社鹿島工場でロボットや自動化システムを導入して同製品を生産する新棟が竣工しました。これにより人員増加を最小限に抑えながら供給拡大を図ってまいります。
「環境」分野では、北海道における使用済み太陽光パネルのリサイクル事業について、リサイクルノウハウを持つ株式会社鈴木商会と連携することで合意しました。また、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と共同研究中の太陽光パネル低温熱分解リサイクル技術を活用した事業の実現に向けて、取り組みを加速させています。急速に普及した太陽光パネルは、今後廃棄・リサイクルが大きな課題となると予想されており、当社はこれらの課題解決に向けた取り組みを一層強化してまいります。
水素関連の事業化に向けては、バイオコーク技研株式会社と共同で、水素化マグネシウム(MgH2)を製造するための反応器を徳山製造所に導入し、年産 30トンを目標に量産を開始しました。水素化マグネシウムは、常温・常圧下での高密度の水素貯蔵を可能にし、次世代水素キャリアとして期待されています。また、当社グループでは、株式会社Beingと共同で製品改良を行い、株式会社トクヤマソーダ販売を通じて水素化マグネシウムを含有する石油燃料添加剤「ECOMAX」の販売を開始いたしました。両社がもつ強みを生かし、環境負荷低減に貢献してまいります。
さらに、海外展開を加速させるため、将来的に大きな成長が見込めるインドにおいて当社グループ製品を販売する子会社の設立を決定しました。同社の設立により現地における電子・健康・環境の成長事業のマーケティングを一層強化し、中期経営計画2025に掲げる事業ポートフォリオ転換をより確実なものにしてまいります。
2.地球温暖化防止への貢献
世界的な環境意識の高まりを受け、当社グループは「2050年度カーボンニュートラル達成」を目標として掲げました。その達成のために原燃料の脱炭素化、環境に貢献する製品の開発・実装および水素やアンモニアなどの次世代エネルギーの技術開発の加速、事業化を進めてまいります。また、徳山製造所内のプロセス改善に取り組むとともに、国内外のバイオマス燃料の開発・利活用を推進し、2030年度に温室効果ガス(GHG)排出量(Scope1、2)を30%削減(2019年度比)することを実現します。サプライチェーンのGHG排出量についても、Scope3のカテゴリー1、3、4について、2030年度までに10%削減(2022年度比)を目指します。
当連結会計年度においては、バイオマス混焼のための設備改造(混焼開始は2025年秋を予定)、カレット製造における燃料転換の検討開始、ソーダ灰製造における低炭素化プロセスの開発、セメントなど材料由来のGHG排出量を実質ゼロとした環境配慮型の歩道用舗装材「バイオ炭インターロッキングブロック」の開発(株式会社フジタと共同)、燃料アンモニア混焼についての事業性検討等を実施しました。これらの取り組みを通じ、環境に配慮した生産活動およびCO2をはじめとするGHG排出削減を推進してまいります。
3.CSR経営の推進
当社グループは、社会に必要とされる企業であり続けるために企業価値を追求し、サステナブルな社会の実現に向けて活動しています。その実現に向けてCSR(サステナビリティ)経営に関わる社会的な課題を抽出しマテリアリティ(CSRの重要課題)として、以下の10項目を特定し各課題の解決に取り組んでいます。
①地球温暖化防止への貢献 ②環境保全 ③無事故・無災害 ④社会課題解決型製品・技術の開発
⑤化学品管理・製品安全の強化 ⑥地域社会との共存、連携、貢献 ⑦CSR調達の推進 ⑧人材育成
⑨多様性(ダイバーシティ)と働きがいの重視 ⑩心と体の健康推進
当連結会計年度において、当社は経済産業省と東京証券取引所が共同で選定する「健康経営銘柄」に3年連続で選定され、また「健康経営優良法人(大規模法人部門)ホワイト500」に4年連続で認定されました。従業員とその家族の心と体の健康づくりと働きやすい職場づくりを実現するために、経営トップである社長が健康経営統括責任者を務めています。今後も適切な職場環境を築くことで、生産性の向上などの組織の活性化を図り、事業を通じた持続可能な社会の発展に貢献してまいります。
また、当社グループはESG投資指数「FTSE Blossom Japan Index」の構成銘柄に初めて選定され、「FTSE Blossom Japan Sector Relative Index」にも引き続き選定されました。今回の選定は、当社グループのESGへの着実な施策が評価されているものととらえ、引き続き社会から求められるESGへの取り組みを進めてまいります。

最終年度における達成目標は以下のとおりです。
なお、当該将来に関する事項については、その作成時点での予想や一定の前提に基づいており、その達成及び将来の業績について保証するものではありません。
「化学を礎に、環境と調和した幸せな未来を顧客と共に創造する」という存在意義のもと、様々な社会課題の中から私たちの強みを活かせる領域を「電子」「健康」「環境」に特定し、これら3分野を新たな成長市場と位置づけています。100年超の歴史の中で培った特有技術や価値観を共有する人材、ステークホルダーとの関係といった経営資源を活かしつつ「ありたい姿」に向けた変革を行います。そしてこれらの成長市場に向け、他社にない価値を提供するソリューション型のビジネスを展開していくことで、持続可能な未来の実現に寄与します。この取り組みの流れを価値創造プロセスとして示します。
なお、詳細につきましては2025年7月に当社ウェブサイトへ掲載予定の統合報告書をご参照ください。

文中の将来に対する記載事項は、当社グループが有価証券報告書提出日現在において合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果とは様々な要因により異なる可能性があります。
当社グループでは、「化学を礎に、環境と調和した幸せな未来を顧客と共に創造する」という存在意義、ありたい姿、価値観から成るトクヤマのビジョンのもと、当社グループの持続的成長と中長期的な企業価値向上を目指す8項目の「サステナビリティ基本原則」を2023年4月に制定しました。当ビジョンおよび基本原則に則り、当社グループは事業活動に起因する環境負荷を最小化しながら、社会課題の解決に資する製品の供給を通じて、環境と調和した新しい価値を創造していきます。


① ガバナンス(サステナビリティ・ガバナンス)
取締役会は、サステナビリティを巡る課題への対応はリスクの減少のみならず機会にもつながる重要な経営課題であると認識し、中長期的な企業価値向上の観点から「サステナビリティ基本原則」を策定し、これらの課題に積極的・能動的に取り組みます。また、サステナビリティに関する重要な方針や計画は取締役会の決議あるいは報告事項とし、指導・監督を行っています。2024年度の取締役会においては、サステナビリティ(環境・社会・ガバナンス)に関して41件の議題が挙がり、決議あるいは報告されています(下表参照)。
〔2024年度取締役会におけるサステナビリティ関連議題の決議・報告(一部抜粋)〕
一方執行側においては、サステナビリティに関する方針と目標を決定し、活動を円滑に進めるため、社長執行役員が議長となり、全執行役員が委員であり、かつ社外取締役を含む監査等委員も出席可能なCSR推進会議(開催頻度:原則1回/年)において、適切なコーポレート・ガバナンスの推進およびサステナビリティ課題に関するリスクと機会を含む重要事項を議論しました。2024年度のサステナビリティ課題に関する会議体の全体像と、その開催回数を下図に示します。

2025年4月より、社長執行役員を議長、全執行役員を委員とし、かつ社外取締役を含む監査等委員も出席可能な「サステナビリティ会議」を、CSR推進会議から改組して設置しました。その目的は、サステナビリティ経営をさらに推進し内部統制を有効かつ効率的に実行することにあります。従来の会議体では報告が主体となっており、経営戦略と不可分である個々のサステナビリティ課題に対し、執行側・取締役側がタイムリーに審議し決議できる体制としては不十分でした。そこで、報告が議題の中心であるサステナビリティ会議を年1回実施するとともに、都度挙げられた案件について、月2回開催される経営会議の中で「サステナビリティの部(=サステナビリティ会議)」として執行側が審議・決議する体制とし、意思決定のスピードアップを図ります。
サステナビリティ会議では、全社的なサステナビリティに関する課題の認識、計画の策定と執行の確認、および内部統制上の重要事項を審議・決定します。サステナビリティに関する重要な開示事項についても、本会議で議論・決定します。そのサステナビリティ会議傘下には、サステナビリティならびに内部統制の観点で、特に専門性および重要性の高い分野(コンプライアンス、財務報告、独占禁止法・競争法遵守、安全保障貿易管理、サイバーおよび情報セキュリティ、保安・環境対策、製品安全・品質)について専門委員会を設置しています。それぞれの専門委員会は、担当する取締役が委員長となります。
サステナビリティ会議の内容は取締役会に報告され監督を受けています。また、決裁規則に定められた案件については取締役会の決議を受けています。さらに監査室が、サステナビリティに関するマネジメントシステムについて、定期的な監査を行っています。この監査結果は、社長および取締役会へ報告されます。

② 戦略
サステナビリティを巡る課題を重要な経営課題であると認識し、中期経営計画2025の重点課題の一つとして「CSR経営の推進」を掲げ、持続的な成長と中長期的な企業価値向上のため、取り組みを強化しています。
取り組みの基本となる姿勢・考え方として、「サステナビリティ基本原則」および「行動憲章」を掲げ、方針類の体系を下図のように整備しました。さらに、当社のコーポレート・ガバナンスに対する思想を明文化し取締役の役割と責務を明確にするため、2024年4月1日に「コーポレートガバナンス・ポリシー」を制定しました。これにより、サステナビリティを含む経営課題への取り組みをガバナンス面から促進するとともに、取締役の職務執行の実効性をより高める体制を築いています。

これら方針のもと、トクヤマとして取り組むべきサステナビリティ課題として「マテリアリティ(CSRの重要課題)」を抽出しました。具体的には「地球温暖化防止への貢献」「環境保全」「無事故・無災害」「社会課題解決型製品・技術の開発」「化学品管理・製品安全の強化」「地域社会との共存、連携、貢献」「CSR調達の推進」「人材育成」「多様性(ダイバーシティ)と働きがいの重視」「心と体の健康推進」の10項目で、それぞれへの取り組みを進めています。マテリアリティ特定の理由や事業への影響、目指す姿などの詳細は、「④ 指標と目標」に示しています。
当社グループでは、期待される組織目標の達成や事業の持続性に影響を及ぼし、企業経営において企業価値の毀損あるいは向上に繋がるような事象・要因のうち、組織横断的な対応が必要となるものを「重要リスク」ととらえ、確実に対応するためのマネジメントシステムを構築しています。
サステナビリティに関するリスクを含む、全社的なリスクマネジメントの体制として、CSR推進会議の中にCSR担当取締役を委員長とするリスク・コンプライアンス委員会(開催頻度:原則2回/年)を設置し、本委員会を中心に内部統制の中核かつ両輪と位置付けているリスクマネジメントとコンプライアンスの推進を図っています。併せて、特に専門性・重要性の高い分野については、リスク・コンプライアンス委員会から分離させた専門委員会(委員長:各担当取締役)を設置しています。
重要リスクの特定プロセスを、下図に示します。リスク・コンプライアンス委員会では、現在認識している重要リスクについて発生頻度・蓋然性と損害・影響規模の観点から位置づけを見直すとともに、新たに加えるべきものについて議論をします。重要リスクにはそれぞれ管掌する専門委員会を紐づけており、対応する方針の決定および施策の立案と実施を行います。CSR推進会議では、全体を統括します。2025年度の重要リスクの一覧と、それらを損害・影響規模と発生頻度・蓋然性の観点からマッピングした図を示します。



2025年4月より、リスク・コンプライアンス委員会を廃止し、CSR推進会議を改組したサステナビリティ会議を設置しています。サステナビリティ会議には、社長執行役員を含む全執行役員が出席し、社外取締役を含む監査等委員も出席可能となっています。これまでリスク・コンプライアンス委員会で議論していた重要リスクを含むサステナビリティに関するリスクと機会はサステナビリティ会議で議論し、事業部および傘下の専門委員会に対し指示あるいは移譲して対応を行います。
各担当取締役が委員長となる専門委員会では、管掌する重要リスクについて対応方針(低減、回避、移転、保有)を検討・決定します。決定した方針に基づき、リスクへの施策を立案・実行し定期的なレビューを行うなど、マネジメントシステムに沿った実行管理をしています。
なお、それぞれのリスクの詳細および対応については、次項の「3 事業等のリスク」で記載します。
また、リスクだけでなくサステナビリティに係る機会を的確に捉え、企業価値向上に繋げていくため、2024年度は8つの専門委員会のひとつであるサステナビリティ委員会において、積極的にサステナビリティ課題に取り組み、開示を進めました。人権対応の一環として、全事業活動にかかわる人権への負の影響をリストアップの上マッピングに落とし込み、優先順位の高い「サプライチェーンにおける人権デュー・ディリジェンス」と「救済メカニズムの構築」に取り組みました。具体的には、取引先に対し自己評価アンケート(SAQ)や対話による関係構築といったエンゲージメントを継続するとともに、調達基本方針およびサステナブル調達ガイドラインを改定し役務・サービスの提供についても調達活動のスコープとして明示しました。救済メカニズムの構築としては、海外グループ会社向けに、現地従業員が母国語で通報・相談できる「グローバル内部通報窓口」を構築しました。これにより、当社グループのすべての役職員は何らかの通報窓口が利用できる体制となりました。
また、サステナビリティ委員会の管掌である気候変動に係る情報開示について、TCFDレポートの開示内容の拡充やGXリーグが定める基準に沿ったGHG排出量削減目標の設定などを行いました(「(2)気候変動への対応」に詳細を記載)。
なお、サステナビリティ委員会は2025年4月をもってサステナビリティ会議に統合され、サステナビリティに係るリスクと機会についてよりタイムリーに議論できる体制となります。それに伴い、前述の人権対応は2025年4月に設置したコンプライアンス委員会に、気候変動に係る取り組みは環境対策委員会下のカーボンニュートラルワーキンググループに、それぞれ管掌が引き継がれます。
〔2024年度 人権対応の一覧(抜粋)〕
当社グループは、マテリアリティへの取り組みを強化することで、社会との信頼関係をより強固なものとすることを目指しています。
各マテリアリティには指標(KPI)と目標などを設定し、それぞれの進捗状況については、サステナビリティに関する方針と目標を決定し活動を推進していくCSR推進会議において定期的にモニタリングされ、取り組みの調整・強化などを図りました。2025年度以降は、サステナビリティ会議においてマテリアリティの確認を行います。
[マテリアリティおよび指標]
当社グループは、TCFD提言に賛同し、TCFDのフレームワークに基づいて気候変動に対する検討を重ねています。
① ガバナンス
当社グループでは、気候変動を最も大きな経営リスクの一つに位置づけています。中期経営計画2025では「地球温暖化防止への貢献」を重点課題の一つとして掲げており、取締役会から移譲を受けた社長執行役員の責任の下、施策を進めています。
気候変動のうち、特に全社的なカーボンニュートラルに関する活動が実践フェーズへ移行したことにともない、2023年4月からは独立した部門相当となる「カーボンニュートラル戦略本部」を設置し、カーボンニュートラルに対する対策立案と施策を進めています。
a)取締役会の監督
気候変動に係る事項(気候変動に取り組む会社方針や、それらに対応するための中長期戦略の策定や投資案件の選定等)は随時経営会議での審議を経て決議され、取締役会にも報告され監督を受けていますが、中でも特に重要性が高い案件は、経営会議での審議を経て取締役会において決議されます。
b)経営陣の役割
2024年度は、CSR推進会議およびその傘下の「サステナビリティ委員会」(開催頻度:原則2回/年)、「環境対策委員会」(開催頻度:原則1回/年)において、気候変動に係る取り組みを行いました。それぞれの会議・委員会において、当社グループの事業に影響を及ぼす気候変動のリスクと機会を分析し、対応を行っています。

2025年度からは、CSR推進会議・サステナビリティ委員会に代わり、報告が議題の中心であるサステナビリティ会議を年1回実施するとともに、都度挙げられた案件について、月2回開催される経営会議の中で「サステナビリティの部」としてサステナビリティ会議を開催し、全体統括とリスク・機会の検討を行う体制としました。投資等の施策の実施については、従来通り経営会議にて審議および検討を行っております。

② 戦略
中期経営計画2025には、インターナルカーボンプライシングの導入による炭素コストの見える化の影響、顧客の調達方針の変更による影響、金融・投資会社の方針変更による資金調達への影響といった「リスク」と、環境領域での新たな「事業機会」を織り込んでいます。また、IEA(国際エネルギー機関)作成のNZE等の移行リスクシナリオ、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)のRCP8.5やSSP-7.0等の物理リスクシナリオを参照し、現時点から2050年までの時間軸で、1.5℃シナリオと4℃シナリオの分析を実施しました。エネルギー多消費型から価値創造型企業への事業ポートフォリオ転換によって、気候変動のリスクを低減しつつ、有望な事業機会の収益化を目指します。
a)短期・中期・長期の気候関連のリスクと機会 および c)組織戦略のレジリエンス
2021年度より気候変動による当社グループのリスクと機会の分析を行っています。2022年度は、それらリスクや機会が当社に及ぼす財務への影響度、発生時期、事業への影響度、優先順位を評価しました。その結果を基に2023年度から具体的な対策の検討を進め、実施しています。
リスク分析とそれに基づく具体的な対策を定期的に見直すことにより、組織戦略のレジリエンスを高めています。
[気候変動によるリスク(シナリオ分析)]
短期:~2025年度 中期:~2030年度 長期:~2050年度
[気候変動による機会(シナリオ分析)]
短期:~2025年度 中期:~2030年度 長期:~2050年度
b)事業、戦略、財務計画に及ぼす影響
気候変動による機会の分析から、環境領域での新たな「事業機会」の検討についても、より内容を具体化すると共に、時間的範囲、財務への影響度、優先順位を評価しました。
[気候変動による事業機会の検討]
短期:~2025年度 中期:~2030年度 長期:~2050年度
③ リスク管理
a)リスクの特定と評価プロセス
当該項目の説明につきましては、前述の「(1)サステナビリティに関する考え方 ③ リスク管理」をご参照ください。
b)リスクマネジメントのプロセス
リスク・コンプライアンス委員会では「脱炭素社会への対応リスク」を最も大きなリスクと位置づけ、複数の専門委員会による対応を決定しました。環境に関する法規制とGHGなどの排出量の把握は環境対策委員会、製造拠点における高潮などの物理リスクは保安対策委員会、気候変動に対するイニシアチブや外部開示に関するソフトロー対応はサステナビリティ委員会が受け持ち、連携して対応を進める体制としました。
サステナビリティ委員会では、積極的にサステナビリティ課題に向き合い、取り組み事項についての開示を行いました。気候変動に係る情報開示では、TCFDレポートの開示内容の拡充と当社グループ全体でのScope 3の目標設定に取り組みました。
気候変動に関連する個別の活動としては、例えば当社グループにおける最大のGHG排出源である徳山製造所では、製造所長を委員長とするエネルギー管理委員会を定期的に開催し、原単位改善を含む省エネルギー活動の計画を協議し進捗を確認しています。さらに、経営に関連する重要案件については、必要に応じ経営会議や取締役会に報告されます。
2025年度以降はリスク・コンプライアンス委員会とサステナビリティ委員会の改組に伴い、当該リスク対応を全社横断的に行うため、サステナビリティ会議と環境対策委員会が取り組みを管掌する体制としています。
c)全社リスクへの統合(重要リスクの特定プロセス)
当社グループの中期経営計画2025では、社会の潮流が脱炭素へと加速する中、これまで強みとしてきたエネルギー多消費型事業を中心とした事業構造からの脱却が不可欠であると判断しました。
当社は徳山製造所のインテグレートされた高効率な生産プロセスが競争力の源泉であり、石炭火力発電所に依存したエネルギー多消費型事業が収益を牽引してまいりました。しかし産業構造の変化が加速し、循環型社会実現に向けての環境意識の向上や規制強化が進むことが想定され、これまでの延長線上にない事業の構築・成長によって収益力・競争力を確保していくことが必須であると考えています。
そのため、中期経営計画2025では、私たちの存在意義を「化学を礎に、環境と調和した幸せな未来を顧客と共に創造する」と定義し、重点課題の一つとして「地球温暖化防止への貢献」を挙げ、全社的な取り組みを進めています。
サステナビリティ上の機会とリスクについては、前述のとおりサステナビリティ会議を頂点とする体制で取り組みますが、投資判断など経営に関連する重要な意思決定を伴うものについては、必要に応じ経営会議や取締役会において議論・承認されます。
④ 指標と目標
当社グループは、短期を2025年度(中期経営計画2025の設定年度)、中期を2030年度、長期を2050年度ととらえ、指標と目標を定めて管理しています。
a)気候関連の指標
当社グループはこれまで、GHG排出量および原単位、エネルギー消費原単位を管理してきましたが、中期経営計画2025ではGHG排出量(Scope 1、2)を単体および連結生産子会社において測定・管理指標に定め、下図のとおり2030年度には2019年度比で30%の削減、2050年度にはカーボンニュートラルを達成することを目標に定めました。
また、全執行役員の役員報酬算定時に、当社が定めたマテリアリティのうち関連するものを指標として組み込み、貢献度による評価を行っています。これにより、具体的な役割や責任などを一定の要素として勘案しています。
GHG排出量(Scope 1、2) 中長期削減目標

当社グループは、サプライチェーン全体のカーボンニュートラルに挑戦するため、新たにScope 3についても、排出量削減目標を設定しています。
当社グループのScope 3は、カテゴリー1、3、4が全体の90%以上を占めるので、この三つのカテゴリーの総量に対し、2030年度までに10%削減(2022年度比)を目指します。目標達成に向けて、サプライチェーンエンゲージメント活動の強化を図ります。
GHG排出量 (Scope 3) 中長期削減目標 (カテゴリー1、3、4)

その他、気候変動に関連する重要な目標は下記のとおりです。
・SBT(Science Based Targets)認定を目指し検討中
2023年3月に認定機関へコミットメントレターを提出。SBT認定要件改定の状況にも留意しながら、認定取得の可能性について引き続き多角的に検討しております。
・エネルギーに関する目標
当社グループは、2030年度に燃料起源GHG排出量のうち、自家発電由来のGHG排出量を2019年度比で50%削減する努力目標を設定しており、自家発電における非化石燃料(バイオマス、アンモニア)への転換を行う計画にしています。また、2030年度までに再生可能エネルギーとアンモニアのエネルギー合計で30%達成を目指します。バイオマスは2023年度から段階的に混焼率を上げていき、2024年度には木質ペレットの混焼を行うために、設備改造工事を開始しました。2025年秋頃から混焼を開始する予定です。アンモニアは2030年度までの混焼開始を目指し、2023年度から検討を開始しました。検討には以下の支援を受けています。
2023年度:資源エネルギー庁『令和5年度石油供給構造高度化事業費補助金(次世代燃料安定供給のためのトランジション促進事業)』
2024年度:資源エネルギー庁『令和6年度非化石エネルギー等導入促進対策費補助金(水素等供給基盤整備事業)』
2024年度におけるグループ全体での再生可能エネルギーの比率は3.5%でした。
再生可能エネルギーの実績と目標
(再生可能エネルギー由来として、バイオマス・太陽光発電/アンモニアによる発電分を集計)

・GXリーグ
当社は、2022年度より経済産業省が公表した「GXリーグ基本構想」への賛同を表明し、2023年度より本格稼働した「GXリーグ」に参画しました。GXリーグ参画にあたっては、GXリーグの定める基準に沿ってGHG排出量削減目標を定めることになっており、当社がGHGプロトコルに準拠して設けたGHG排出量削減目標とは別に、単体および国内連結生産子会社のScope 1について目標を定めています。
GXリーグのデータは、GHGプロトコルに準拠して設定したものとは基準年度や排出量の計算方法が異なりますが、元となるデータは共通のものであり、削減目標も整合を取っています。
GXリーグのGHG排出量(Scope 1)削減目標

・インターナルカーボンプライシング(ICP)の導入に関する指標(取り組み)
当社は、GHG排出量削減策を促進するため、2019年度に投資案件の評価基準にICPを導入しました。当初は欧州連合域内排出量取引制度(EU-ETS)取引価格を参考にして、3,700円/t-CO2に設定していましたが、GHG排出量削減の更なる取組強化のため、2022年度より10,000円/t-CO2に引き上げました。これにより短中期的に脱炭素に向けた活動を推進していきます。
b)Scope 1、2、3のGHG排出量
下表は、GHG排出量(Scope 1、2、3)の推移を表したものです。2024年度は、バイオマス混焼や積極的な省エネ活動により、GHG排出量(Scope 1、2)は基準年度2019年度比で19%削減しました。
GHG排出量(Scope 1、2、3)の推移

下表は、カテゴリー別の内訳を示したものです。
GHG排出量(Scope 3)は、基準年度2022年度比で6%削減しました。
GHG排出量 Scope 3 カテゴリー別排出量

下表はGHG排出量(GXリーグ)の推移を示したものです。2024年度のScope 1とScope 2の合計は、基準年度(2019~2021年度の平均)比で17%削減しました。
GHG排出量(GXリーグ)の推移

c)目標およびその目標に対するパフォーマンス
当社グループは、燃料起源GHG排出量削減を目指すとともに、原料起源GHG排出量の削減や革新的技術開発等によりカーボンニュートラルを目指しています。下図は、2030年度、2050年度に向けた削減の内訳と多方面に渡るアプローチを表しています。
GHG排出量削減を着実に進めることが企業としての責任である一方で、製品が世の中で使われることによるGHG排出量削減も重要な役割であると認識しています。今後、更なる革新的技術開発を行っていくことで、世界のカーボンニュートラル達成に貢献していきます。
GHG排出量(Scope 1、2)の中長期削減目標

(3)人的資本の拡充
当社グループは、人材を企業の持続的成長に不可欠な最重要の「経営資本」と位置付けています。その視点から、2019年には、トクヤマグループのビジョンを実現するために人材に期待するあるべき姿や成長の方向性を、普遍的な「人事ポリシー」として明文化しました。この人事ポリシーに基づき、ビジョンに掲げる4つの価値観を体現する人材の育成に取り組むとともに、多様性と高い生産性を兼ね備えた人的資本の形成を目指しています。
① ガバナンス
当社では人的資本・人事に関する会議体を定期的に開催し、多様性と高い生産性を兼ね備えた人的資本の形成に向けた重要な施策や戦略の実行、人材計画や人材の配置について決定しております。また、従業員に関する人事施策や人事異動の実施に関しては、予め労使間で協議を行った上で、十分な従業員の理解を得ながら進めています。
監督機能である取締役会においては重要な人的資本に関する施策や戦略に関して経営視点での議論に参加し方向付けを行うとともに、策定された中期単位の人材戦略を決議しています。また、年度単位で事業計画に応じて策定される人材計画から課題を把握し、戦略の進捗状況と合わせて継続的に議論することで、当社グループの人的資本経営が適正に行われていることを監督しています。
なお、役員の人事および報酬に関しては、委員の過半数を社外取締役で構成する指名・報酬委員会において、後継者計画の策定および役員候補者の選出・評価、役員報酬制度、基本報酬・賞与の個別支給額などを審議し、取締役会に適切な答申又は提言を行っています。
[人事に関する報告・決定プロセス・モニタリングの仕組み]
■人材戦略の位置付け
当社グループでは中期経営計画2025に定める経営戦略を実現するために、2024年度から実行すべき人材戦略を策定しました。当社グループが持続的に成長していくためには、石炭火力による自家発電を基軸に発展してきた過去から脱却し、地球温暖化防止への貢献を目指すとともに、電子・健康・環境の成長事業への事業ポートフォリオ転換という過去最大のトランジションを実現する必要があり、活動の軸となる考え方を人事ポリシーの理念を踏まえつつ戦略として策定したものです。経営戦略の実現や当社グループの企業価値向上につながるストーリーを具体的に示し、働き方のニーズに応じた多様で生産性が高い人的資本がエンゲージメント高く活躍する事を目的としています。

■基本コンセプトおよびそれを実現するための戦略
経営戦略の実現に向けて、当社グループの人的資本に関する課題は、従来から続く安定的な事業成長を前提とした、内向きで同質性が高い人的資本にあると考えています。この課題を解決し、経営戦略を実現するためには、「Pay for job」、「事業競争力強化」、「クリエイティブ人材育成」、「継続的な人材確保」を基本コンセプトに掲げ、それを実現する5つの戦略を設定しています。
具体的には、中期経営計画2025の実現を図り、またその延長線上にある当社グループの経営環境を推定すると、電子・健康・環境の成長事業においてグローバルに活躍できる人材や、厳しい環境における事業やプロジェクトを運営できる人材、M&Aのマネジメントをできる人材といった「クリエイティブ人材育成」が今後更に必要となります。現有の人的資本と将来想定される必要人材とのギャップを埋めるために、多角的な採用ルートと人材の育成を行う「会社の成長を推進する人材の採用と創出」に取り組んでいます。また事業計画に応じて毎年作成される人材計画において、将来の事業計画に対する人材の質と量に関する人材ポートフォリオをシミュレートした結果、成長事業において化学系の技術者および、グループ企業における人材不足が起こる可能性が具体的に特定されているため、グループを横断した「グループ人事体制の構築」と「成長分野、新規PJへの人材供給」にも合わせて取り組みを開始しております。また、既存の事業においては競争環境が激しくなることが想定され、「業務の生産性向上」が喫緊の課題です。
これらの5つの戦略を機能させるために、2024年度の「基幹職ジョブ型人事制度」の導入に引き続き、2025年度には組合員層の人事制度改定を行い、その中において具体的な施策を展開しています。施策の内容は個々の従業員の生活コストに寄り添ってきた従来型の賃金制度から、仕事による会社への貢献度を強く意識した評価・賃金制度にシフトする「Pay for job」を念頭に置いた設計となっており、新しく設けられた複線型のコース制度の下、従業員が貢献に応じて正しく評価されることで、公平に熱意高く働けるようにすることを中心としています。
この様な施策は「クリエイティブ人材育成」の後押しとなり、また、流動化している労働市場において、「継続的な人材確保」を行っていくために魅力的な施策となっていくことを見込んでいます。当社グループのマテリアリティにも掲げている多様性への取り組みも、昨今の労働市場の強いニーズの一つである事は充分に認識しているところであり、「知恵と経験の多様性確保」を実施しています。
■ベースとなる戦略
サステナブルな企業成長に繋げていくためには、労働市場のニーズに合った人材体制を整えることも必要です。少子高齢化により労働力が減少した日本の労働市場から優秀な人材を確保し、当社グループの中で成長・活躍するための基盤整備は、多様性確保への取り組みに加えて、「従業員エンゲージメント向上」であると捉えており、これらの課題に積極的に取り組むことで、投資市場からも昨今において注目度が高い企業成長を支える優秀な人的資本の安定的な確保を実現します。
2023年度に実施したエンゲージメント調査では全従業員の94.7%が設問に回答し、回答結果からエンゲージメントに関わる課題を明らかにしました。一般的に日本企業に欠けているとされている仕事への熱意の不足については当社も同様の傾向が見受けられ、2024年度は、その結果を踏まえ、課題が多い職場から現場主導でのエンゲージメント向上への対策を開始しており、今後も継続的に監視・対策のサイクルを進めて参ります。
最近ではDXの発展に伴い人事関連業務においても、タレントマネジメントシステムなどを利用したデータ活用が盛んになっています。当社においては既にタレントマネジメントシステムを導入済みですが、2024年度から導入した管理職ジョブ型人事制度とのシナジーを追求し、各管理職ポストに必要なスキルや経験を見える化し、個々人が保有するスキルとマッチングさせることで、経営戦略実現に重要な管理職ポストに対する戦略的な人材配置と、適正な後継者計画を策定しております。このような「人的資本データの見える化と活用」により科学的で戦略的な人材配置を実現するとともに、各戦略がしっかりと進捗していることを示す推進・定着をモニタリングする「KPI設定」を行う事で着実に人的資本経営を展開します。
③ リスク管理
人的資本に関するリスクは、その特定プロセスを「サステナビリティに関する考え方及び取組」内の「(1)サステナビリティに関する考え方 ③リスク管理」に記載するとともに、「3 事業等のリスク」にも内容を記載していますが、人材戦略を作成する過程においても改めて抽出を行いました。
人的資本に関わるリスクについては、人材戦略を作成、推進する過程において調査を行い、経営戦略を実現するにあたって発生する可能性があるリスクを概念的に抽出しており、事業ポートフォリオ転換を推進するためには現有の人的資本のマインドチェンジが必要であると理解しています。また、定量的には、事業計画に応じて策定される必要な人材の質と量を調査する人材計画の策定において、人材ポートフォリオのあるべき姿と現状のギャップを評価しており、毎年ローリングで更新を行っています。定量面において、当社グループにおける具体的なリスクを概括的に記載すると、少子高齢化による労働力人口の減少や人材の流動化が進む中で、採用競争力が低下して計画通りの人材獲得が進まなくなること、社員の離職により組織の総合力が低下し、成長事業に必要な人材の投入が進まず事業ポートフォリオ転換が阻害されることが最大のリスクと考えています。
当社グループが認識するリスクについては、人材戦略の中に網羅的に組み込み、取締役会等において関連するKPIとともに取り組み状況の進捗を報告することで、適切に管理して参ります。
当社グループは人材戦略の戦略軸に応じてKPIを設定し、主要な施策について目標を明確にするとともに、その目標に対する進捗状況を管理しています。
(注)1 単体
(注)2 単体および国内連結子会社
(注)3 インセンティブ制度を2025年度に導入
(注)4 「NBL研修」:「Next Business Leader研修」
将来の会社の発展を担う経営人材や事業ポートフォリオ転換に必要なハイパフォーマーを育成する研修制度
(注)5 障がい者の雇用については、法定雇用率の充足を目指し、バリアフリー化など職場環境の整備に努めています。加えて、2021年10月には障がい者雇用施設「ゆうゆうてらす」を開設し、2021年12月には、障がい者の自立支援と地域社会への貢献に向けた農業法人「株式会社トクヤマゆうゆうファーム」を設立するなど、新しい取り組みも始めています。
(注)6 当社グループは、従業員とその家族の心と体の健康づくりと働きやすい職場づくりを目指しています。この考えに基づき、当社は2020年10月1日に「健康経営宣言」を表明し、その後2022年から4年連続で健康経営優良法人ホワイト500に認定されているとともに、経済産業省と東京証券取引所が共同で選定する「健康経営銘柄」に3年連続で選定されました。また、健康経営の推進をグループ全体に浸透すべく、2024年3月に「トクヤマグループ健康経営基本方針」を制定し、グループ会社への周知を図っています。
■その他の取り組み
a)ワークライフバランス支援
当社グループでは、ライフスタイルに応じた柔軟な働き方の実現を目指しています。例えば、当社ではフレックスタイム勤務や在宅勤務を導入しています。仕事と育児の両立支援制度では、短時間勤務、フレックスタイムの弾力運用、有給育児休暇、育児休業など、法定を超えた制度や当社独自の制度を整備しています。介護休業についても法定を超えた日数の取得が可能な制度となっています。また、育児・介護等によりやむなく退職した社員の復職を受け入れる退職者復職登録制度も整えています。
b)DXの推進
当社グループはDX推進を、事業ポートフォリオの転換という大きな変革の実現に向けたグループ全体で取り組む重要施策と位置づけ、トクヤマDXとして取り組んでいます。DX推進で得られたキャッシュや人材余力などの経営資源は今後、成長事業と定義した3つの領域に投入し、企業価値の向上を図っていきます。
2024年度は、2022年度に策定したDX教育計画に従い、全社員を対象としたリテラシー教育を開始し、2,300名が受講しました。また、役割ごとのスキル向上研修を段階的に進めていきます。
なお、DX推進の詳細については、2024年12月3日に当社ウェブサイトに掲載しておりますDXレポート2024をご参照ください。
c)幹部人材の育成
人材育成という視点においては、2018年より各部門から将来の経営層候補として選抜した人材を対象としたネクストビジネスリーダー研修(NBL研修)を実施しており、2024年度終了時点ではキャリア採用者や女性を含む多様な約70名の人材が研修修了者として位置づけられています。研修の内容としては外向きでポートフォリオ転換へ向けた実戦的な内容になる事を意識しながら、外部リソースを積極的に活用し、人的資本投資を行っております。これらの人材の一部は2025年から施行される新人事制度においても、意図的に経営層となるための経験を積ませるローテーションの対象となりますが、既に研修受講者の中からは管理職への若手早期昇格が実現しており、今後の更なる活躍が期待されます。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を以下に記載します。ただし、以下に記載した事項が当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではなく、記載事項以外にも投資家の判断に影響を及ぼす可能性のあるリスクが存在するものと考えられます。リスク選出のプロセスは、前項の「サステナビリティに関する考え方及び取組」内の「(1)サステナビリティに関する考え方 ③ リスク管理」をご参照ください。
なお、記載している事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものです。
(1)経営成績に関する分析
当期の世界経済は、ウクライナ情勢や中東紛争による地政学リスクの高まりに加え、世界的なインフレーションや原材料コストの高騰、異常気象による自然災害の多発、国際貿易における緊張の高まりなどが重なり、不透明な状況が続きました。
日本経済においては、インバウンド需要の回復や、企業の設備投資および賃上げ努力により景気はゆるやかに持ち直しを続けました。一方、物価高や金利上昇の影響により消費支出の低迷が続き、景気回復の力強さには欠けました。
このような経済環境のもと、当社は中期経営計画2025の重点課題である「事業ポートフォリオの転換」「地球温暖化防止への貢献」「CSR経営の推進」に取り組んでまいりました。
業績につきましては、半導体関連製品の販売が堅調に推移したこと、および製造コストの改善が進んだこと等により、増収増益となりました。
(売上高)
半導体関連製品の販売が堅調に推移したこと等により、前期より1,083百万円増加し、343,073百万円(前期比0.3%増)となりました。
(売上原価)
製造コストの改善が進んだこと等により、前期より7,540百万円減少し、234,929百万円(前期比3.1%減)となりました。
(販売費及び一般管理費)
研究開発費および物流費の増加等により、前期より4,292百万円増加し、78,175百万円(前期比5.8%増)となりました。
(営業利益)
半導体関連製品の販売が堅調に推移したこと、および製造コストの改善が進んだこと等により、前期より4,330百万円増加し、29,968百万円(前期比16.9%増)となりました。
(営業外損益・経常利益)
営業外損益は、為替差益および持分法による投資利益が減少したこと等により、前期より1,034百万円悪化しました。
以上の結果、経常利益は前期より3,296百万円増加し、29,588百万円(前期比12.5%増)となりました。
(特別損益・税金等調整前当期純利益・当期純利益・親会社株主に帰属する当期純利益)
特別損益は、政策保有株式の縮減を進め投資有価証券売却益が増加したこと、およびポリオレフィンフィルム事業の再編に伴う関係会社株式交換益を計上したこと等により、前期より2,163百万円改善しました。
以上の結果、税金等調整前当期純利益は、前期より5,459百万円増加し、31,315百万円(前期比21.1%増)となりました。
応分の税金費用を加味した当期純利益は、前期より5,867百万円増加し、23,278百万円(前期比33.7%増)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、前期より5,636百万円増加し、23,388百万円(前期比31.8%増)となりました。
② 当期のセグメント別の状況
(セグメント別の状況)
当連結会計年度より、一部子会社の経営管理区分の変更を行っており、以下の前期比較については、当該変更を反映した前期の数値で比較しております。
(注) 各セグメントの売上高、営業利益又は営業損失(△)にはセグメント間取引を含めております。
(化成品セグメント)
苛性ソーダは、輸出数量は増加したものの、国内の販売数量が低調に推移したこと等により、減益となりました。
塩化ビニルモノマーおよび塩化ビニル樹脂は、販売数量は低調に推移しましたが、塩化ビニル樹脂の国内の販売価格改定を進めたこと等により、前期並みの業績となりました。
ソーダ灰は、販売数量が減少したこと等により、減益となりました。
以上の結果、当セグメントの売上高は115,002百万円(前期比0.5%減)、営業利益は10,832百万円(前期比6.0%減)で減収減益となりました。
(セメントセグメント)
セメントは、国内出荷は前期比で微減となったものの、適正な販売価格を維持し、製造コストの改善が進んだこと等により、増益となりました。
以上の結果、当セグメントの売上高は64,705百万円(前期比3.7%減)、営業利益は7,453百万円(前期比11.1%増)で減収増益となりました。
(電子先端材料セグメント)
半導体向け多結晶シリコンは、販売数量が増加したこと等により、増益となりました。
ICケミカルは、台塑德山精密化學股份有限公司の稼働率の向上等により、収益が改善しました。
乾式シリカは、円安による為替の影響や徳山化工(浙江)有限公司における製造コストの低減等により、増益となりました。
放熱材は、半導体製造装置向けを中心に販売数量が増加したこと等により、増益となりました。
以上の結果、当セグメントの売上高は87,054百万円(前期比11.7%増)、営業利益は9,583百万円(前期比186.8%増)で増収増益となりました。
(ライフサイエンスセグメント)
歯科器材は、販売は前期並みだったものの、拡販に向けた販売費、および研究開発費が増加したこと等により、減益となりました。
プラスチックレンズ関連材料は、海外向けの販売数量が堅調に推移したこと等により、増益となりました。
医薬品原薬・中間体は、製品ミックスの変動等により、減益となりました。
以上の結果、当セグメントの売上高は41,955百万円(前期比1.4%増)、営業利益は7,816百万円(前期比9.1%減)で増収減益となりました。
(環境事業セグメント)
イオン交換膜は、出荷が減少したことにより、減益となりました。
廃石膏ボードリサイクルは、廃石膏ボード収集は堅調に推移したものの、製造コストが増加したこと等により、前期並みの業績となりました。
樹脂サッシの製造・加工・販売を行う株式会社エクセルシャノンの株式の一部を譲渡したことに伴い、前連結会計年度より、同社を連結の範囲から除外しました。
以上の結果、当セグメントの売上高は5,216百万円(前期比29.4%減)、営業利益は52百万円(前期は営業損失102百万円)となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 金額は、販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
環境事業セグメントの一部を除いて受注生産を行っておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) セグメント間の取引については、相殺消去しております。
(注) D/Eレシオ :有利子負債/自己資本
ネットD/Eレシオ :(有利子負債-現金及び現金同等物)/自己資本
自己資本比率 :自己資本/資産合計
時価ベースの自己資本比率 :株式時価総額/資産合計
(資産)
商品及び製品が5,849百万円、繰延税金資産が3,450百万円減少した一方、現金及び預金が26,860百万円、有形固定資産が3,536百万円増加しました。
以上の結果、資産は前連結会計年度末に比べ18,847百万円増加し、476,207百万円となりました。
(負債)
コマーシャル・ペーパーが15,000百万円減少した一方、社債が20,000百万円増加しました。
以上の結果、負債は前連結会計年度末に比べ4,938百万円増加し、202,349百万円となりました。
(純資産)
その他有価証券評価差額金が2,034百万円減少した一方、親会社株主に帰属する当期純利益の積み上げ等により利益剰余金が16,534百万円増加しました。
以上の結果、純資産は前連結会計年度末に比べ13,909百万円増加し、273,858百万円となりました。
(財務指標)
当連結会計年度におきましては、有利子負債が4,906百万円増加しましたが、自己資本が12,305百万円増加したことにより、D/Eレシオは前連結会計年度末並みの0.42倍となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益31,315百万円、減価償却費19,688百万円などの資金増加要因により、営業活動の結果得られた資金は、52,368百万円(前期比3,460百万円の減少)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
有形固定資産の取得による支出22,598百万円などの資金減少要因により、投資活動の結果使用した資金は、23,478百万円(前期比6,926百万円の減少)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
社債の発行による収入19,909百万円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の売却による収入2,704百万円などの資金増加要因に対し、コマーシャル・ペーパーの減少額15,000百万円、配当金の支払額6,839百万円、長期借入金の返済による支出2,234百万円などの資金減少要因により、財務活動の結果使用した資金は、1,106百万円(前期比45,401百万円の減少)となりました。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
(経営目標の状況)
当社グループでは2021年度を初年度とする5年間の中期経営計画2025を策定し取り組んでおります。当社が経営上の目標として掲げる指標については「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)中期経営計画2025 達成目標」に記載のとおりです。
(重点施策の状況)
中期経営計画2025では、重点施策として、「事業ポートフォリオの転換」、「地球温暖化防止への貢献」、「CSR経営の推進」の3つを掲げており、それぞれについての取り組み状況については「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)対処すべき課題とその対応」に記載のとおりです。
(経営成績等の分析)
経営成績の分析については「(1)経営成績に関する分析 ① 当期の業績全般に関する概況」に記載のとおりです。
財政状態の分析については「(2)財政状態に関する分析 ① 当期の資産、負債及び純資産の状況に関する分析」に記載のとおりです。
(中期経営計画2025(2021年度~2025年度)の目標達成状況)
化成品セグメントおよびセメントセグメントにおいて国内販売数量が低調に推移した一方、半導体関連製品の堅調な販売により電子先端材料セグメントでは増収となったことから、売上高は前期比0.3%の増収となりました。また、電子先端材料セグメントが大幅な増益となったこと、および製造コストの改善が進んだこと等により、ROEは9.2%となり、前期の水準を上回りました。
(セグメントごとの経営成績分析)
セグメントごとの内容は、「(1)経営成績に関する分析 ② 当期のセグメント別の状況」に記載のとおりです。
(キャッシュ・フローの状況の分析)
キャッシュ・フローの状況の分析については「(2)財政状態に関する分析 ② 当期のキャッシュ・フローの状況に関する分析」に記載のとおりです。
(資本の財源の分析)
当社グループでは、事業活動のための適切な運転資金の確保、および事業ポートフォリオの転換を目的とした成長分野への重点投資、地球温暖化防止への貢献を目的とした合理化・省エネ・GHG削減対策等の設備投資、戦略的投資を推進するために一定の資金を必要としています。主な資金手当ての手段としましては、継続的な事業収益の計上による自己資金の積み上げの他、金融機関からの借り入れ、社債の発行等となります。なお、次期の設備投資予定額は35,106百万円であり、主に自己資金、金融機関からの借入金で充当する予定です。
(資金の流動性の分析)
当社グループの当連結会計年度末の現金及び現金同等物は74,926百万円となっており、当社グループの事業活動を推進していく上で充分な流動性を確保していると考えています。また、金融機関との間にリボルビング・クレジット・ファシリティ契約や当座貸越契約、債権流動化契約も締結しており、流動性に一部支障をきたす事象が発生した場合にも、一定の流動性を維持できると考えています。加えて、不測の事態に備え流動性資金の確保のため、コミットメントラインの設定も必要に応じて実施してまいります。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
該当事項はありません。
当社グループは「化学を礎に、環境と調和した幸せな未来を顧客と共に創造する」ことを基本とし、研究開発本部は、特有技術の深耕と新たな技術の獲得によってトクヤマの技術力を進化させ、「電子」「健康」「環境」事業領域において、新規事業を創出する事で、当社グループの事業ポートフォリオ転換に貢献することを存在意義として活動しています。
研究開発本部は、つくば研究所、徳山研究所、技術戦略グループ、分析・解析センター、知的財産部、プロセス開発グループ、研究開発企画グループ、品質保証課の8組織により構成され、各セグメントに所属する事業部門開発グループと協働して、事業部門・グループ会社の次世代テーマや既存事業関連テーマの技術開発を行っています。
つくば研究所、徳山研究所では主な開発テーマとして、先端半導体周辺材料、有機無機複合材料、ナノ粒子材料、医療材料、動物医療材料、水電解用アニオン交換膜材料の開発を進めるとともに、フロー合成技術などのプロセス技術の改良を推進しました。中期経営計画2025で掲げた事業ポートフォリオ転換の達成を目的として開設したつくば第二研究所においては、医療材料や診断試薬開発等の健康領域、カーボンニュートラル関連材料等の環境領域の研究開発機能を整備し、開発を進めました。
德山台灣股份有限公司では、電子材料等の開発設備の拡充を行い、開発を推進しました。台湾の工業技術研究院(Industrial Technology Research Institute)との共同研究の実施に加え、自社開発機能の強化により、台湾における新規製品の開発・上市を加速いたします。
技術戦略グループでは、中長期テーマの提案およびロードマップの策定などを進めました。
研究開発企画グループは、研究開発本部のアドミ業務に加え、化学系人材の採用・育成・人材配置機能およびM&A、合弁会社の設立等の他社との交渉の開発側の担当業務を行いました。
知的財産部は、戦略的知財マネジメント能力により新規製品・事業の創出、マーケティング支援、およびグループ収益拡大に貢献すること、分析・解析センターは、分析・解析技術の高度化によって、グループ全体の事業遂行へ貢献することを目指した活動を行いました。
プロセス開発グループは、研究開発テーマの初期段階から開発チームと並走し、製造プロセス開発や設備対応など多方面から将来の量産化を見据えたサポートを行いました。
ニュービジネス本部は、電解事業化グループ、放熱アプリケーショングループ、SiNグループの3組織により構成され、研究開発本部の各テーマと比べて事業により近いテーマを事業部門と連携しながら進めています。
電解事業化グループは、山口県柳井市の先進技術事業化センターにおいて世界最高水準の省エネ性能を実現できる大型食塩電解槽の製作を開始するとともに、食塩電解事業で長年培った電解装置関連のオリジナルの技術の活用に加え、より低価格化を可能とする高圧AWEの開発・実証に取り組んでいます。
放熱アプリケーショングループは、パワー半導体や高度通信機器などの放熱性樹脂部材に用いられる窒化アルミニウムフィラーや窒化ホウ素フィラーの新規グレードの開発・特性改良と顧客評価を進めました。市場における放熱材料ニーズの多様化に対応するため各フィラーの粒子サイズや表面処理のラインナップを拡充しました。また、窒化アルミニウムフィラーの本格量産を開始いたしました。
SiNグループは、先端技術事業化センター内に建設した量産試作設備を用いて顧客へのサンプル作製および評価を行いました。顧客からの要請および今後のパワーデバイスの品質要求を見据え、現在は量産技術の改良に取り組んでいます。
当連結会計年度における当社グループの研究開発費は
セグメント別の研究開発の状況及び研究開発費は次のとおりです。
<化成品セグメント>
新第一塩ビの吸収合併に伴い、化成品開発グループ内にPVC製品に関わる開発チームを組織し、吸収合併に伴う業務移管に関する支援に加え、同社で保有していたグレードごとにPVC生産プロセスの最適化と技術継承を推進しました。製品開発では、PVC樹脂物性の多様な評価やペースト塩ビの新規製品開発等を主体に顧客密着型の技術サービス、開発業務に取り組み、新規開発の壁紙用途ペースト塩ビ3グレードを上市し、顧客に採用されました。今後も顧客のニーズを共有した製品開発を志し、顧客満足を追求します。
当セグメントに係わる研究開発費は
<セメントセグメント>
CO2排出量の削減を目指し、通常のセメントよりCO2排出量の少ないセメント代替材料の開発を当連結会計年度も継続し、セメントユーザーにサンプル提供する中で、材料の課題抽出・改良に注力しました。また、環境配慮型コンクリートで使用されるCO2固定型特殊混和材の開発も継続しており、主に廃棄物を原料に、混和材を製造する技術開発を行いました。この混和材はコンクリート製造時にCO2を固定することで実質CO2を削減すると同時に廃棄物を有効活用できる材料として期待されます。
セメントを基材とした各種製品の改良および新規グレードの開発にも注力しました。セメント系固化材は、各地域の特殊な土壌に対応するために既存製品の配合改良を行いました。建材製品分野では、断面修復材、道路床版の補修・補強材などコンクリート建造物の補修・補強に適用される製品の開発に注力しました。
当セグメントに係わる研究開発費は
<電子先端材料セグメント>
シリカについては、既存シリカ製品の特性改良や新規用途開拓に加え、微細化が進む半導体技術に対応した表面処理技術の開発やシリカ製造技術を応用した新規酸化物粉末の開発を進めました。市場から認められた開発品について顧客への供給を随時開始しました。
放熱材については、パワー半導体や高度通信機器などの放熱性樹脂部材に用いられる窒化アルミニウムフィラーや窒化ホウ素フィラーの新規グレードの開発・特性改良と顧客評価を進めました。市場における放熱材料ニーズの多様化に対応するため各フィラーの粒子サイズや表面処理のラインナップを拡充しました。また、窒化アルミニウムフィラーの本格量産を開始いたしました。
当セグメントに係わる研究開発費は
<ライフサイエンスセグメント>
プラスチックレンズ関連材料では次世代フォトクロミック材料の開発を進めました。医薬品原薬では次世代ジェネリック医薬品用原薬についてのプロセス開発を進めました。医療分野、臨床検査分野では、臨床検査用の試薬・電極や情報システム、検体検査に係わる装置や検査自動化システムの総合的な製品開発を進めました。歯科医療分野では、充填用コンポジットレジン、歯科用接着材料、金属代替歯冠用レジンブロックなどの製品開発を進めました。ヘルスケア材料関連では化粧品用シリカエアロゲルの開発を進めました。
当セグメントに係わる研究開発費は
<環境事業セグメント>
環境負荷低減に寄与する技術として、石膏ボードおよび太陽光パネルのリサイクル技術の開発に注力しました。石膏ボードについては、異物の除去を中心により効率的な処理技術の開発を継続しました。太陽光パネルについては、低温熱分解リサイクル技術の実用化に向け、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)との共同開発を継続し、リサイクル率の向上と処理コストの低減に関する開発目標を達成しました。
当セグメントに係わる研究開発費は