第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度(平成27年1月1日から平成27年12月31日まで)におけるわが国経済は、原油を初めとした資源価格安と円安ドル高基調が続く中、堅調な企業業績や雇用情勢に支えられ、景気は緩やかに回復しました。一方、世界経済は、米国経済が好調に推移しましたものの、中国を初めとした新興国経済の減速が年後半に入り一段と鮮明になるなど、全般的に先行き不透明感が強い状況が見られました。

当社グループを取り巻く事業環境につきましては、半導体や電子材料、自動車部品向けなどに使用される高機能、高付加価値製品の需要は、期末にかけて在庫調整の影響を受けましたものの、概ね堅調に推移しました。資源価格安は、製品価格の引き下げ圧力となりましたが、製造原価のコストダウンによる採算改善要因となりました。一方、アジア地域におけるアクリル酸エステル製品の価格下落が年間を通して収益を大幅に圧迫しました。

この結果、当連結会計年度の売上高は1,398億4千8百万円(前年度比6.1%減収)、営業利益は123億4千7百万円(前年度比2.8%増益)、経常利益は132億1百万円(前年度比2.4%増益)となりました。また、当期純利益はシンガポール子会社において減損損失を計上したことなどから66億9千6百万円(前年度比20.4%減益)となりました。

セグメントの業績は次のとおりです。

 

①  基礎化学品事業

苛性ソーダおよび無機塩化物は、原料価格の低下と需給アンバランスの拡大により販売価格が弱含みで推移したことから大幅に減収となりました。無機高純度品は、主力の半導体向けの需要は期末にかけて低調となりましたが、年間を通しては堅調に推移し増収となりました。硫酸は、繊維用途向けの販売が不振で減収となりました。工業用ガスは、底堅い需要により増収となりました。これらの結果、当セグメントの売上高は424億5千8百万円(前年度比4.2%減収)となりました。

営業利益は、無機高純度品の増益に加え、電解製品における変動費の低下や固定費削減効果などから、33億6千8百万円(前年度比18.5%増益)となりました。

 

②  アクリル製品事業

アクリル酸およびアクリル酸エステルは、原料価格の低下に伴う製品価格の値下がりや販売競争の激化などから大幅な減収となりました。アクリル系ポリマーは、高機能、高付加価値品の販売が好調に推移し増収となりました。光硬化型樹脂は、原料価格の低下に伴い製品価格が弱含みで推移したことから減収となりました。これらの結果、当セグメントの売上高は520億3千9百万円(前年度比11.5%減収)となりました。

営業利益は、アクリル系ポリマーや高分子凝集剤は増益となりましたが、アクリル酸およびアクリル酸エステルの採算悪化が大きく影響し、32億1千万円(前年度比18.4%減益)となりました。

 

③  機能製品事業

接着剤は、瞬間接着剤の販売はほぼ前年並みで推移し、また機能性接着剤は携帯端末や電子部品向けなどが好調な販売を維持し、全体として増収となりました。建築・土木製品と無機機能材料は、販売数量が低調に推移し減収となりました。エレクトロニクス材料は、半導体向けのシリコン系高純度ガスの販売好調により増収となりました。これらの結果、当セグメントの売上高は175億1千4百万円(前年度比4.0%増収)となりました。

営業利益は、機能性接着剤やシリコン系高純度ガスの増益などにより、43億4千6百万円(前年度比14.3%増益)となりました。

 

 

④  樹脂加工製品事業

管工機材製品は、期終盤にかけて市場環境の改善は見られたものの物件規模の縮小や受注量減少の影響などから減収となりました。ライフサポート製品は、厳しい販売競争下、新製品の投入や販売価格の改定を行い前年並みの販売となりました。エラストマーコンパウンドは、底堅い需要と新規販売先の獲得などにより増収となりました。これらの結果、当セグメントの売上高は246億9千5百万円(前年度比3.9%減収)となりました。

営業利益は、ライフサポート製品の販売競争激化の影響などから、12億7千万円(前年度比10.3%減益)となりました。

 

⑤  その他の事業

新規製品の研究開発事業、輸送事業、商社事業などにより構成される当セグメントは、売上高は31億4千1百万円(前年度比4.2%減収)、営業利益は5千4百万円となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

営業活動によるキャッシュ・フローは、運転資金の減少および法人税等の支払額が減少しましたため、前連結会計年度に比べ収入が72億1千4百万円増加し、233億1千3百万円の収入となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産および長期前払費用の取得による支出が減少しましたため、前連結会計年度に比べ支出が93億8千8百万円減少し、45億9千2百万円の支出となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の借換がなく収入が減少しましたため、前連結会計年度に比べ支出が8億8千5百万円増加し、39億4千9百万円の支出となりました。

以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は539億7千7百万円となり、前連結会計年度末に比べ146億9千1百万円の増加となりました。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1)  生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前年度比(%)

基礎化学品事業

35,553

△4.9

アクリル製品事業

46,186

△10.8

機能製品事業

16,515

4.1

樹脂加工製品事業

24,006

△7.2

合計

122,261

△6.6

 

(注) 1  その他の事業につきましては、主としてサービス業ですので記載しておりません。

2  金額は、販売価格により算出しております。

3  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)  受注状況

 当社および各社は受注生産はほとんど行わず、主として見込み生産であります。

 

(3)  販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

構成比(%)

前年度比(%)

基礎化学品事業

42,458

30.4

△4.2

アクリル製品事業

52,039

37.2

△11.5

機能製品事業

17,514

12.5

4.0

樹脂加工製品事業

24,695

17.7

△3.9

その他の事業

3,141

2.2

△4.2

合計

139,848

100.0

△6.1

 

(注) 1  総販売実績に対し10%以上に該当する販売先はありません。

2  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

当社グループは、いかなる経済環境においても安定して高い収益を確保できる事業体質への転換を図っていくため、平成26年から平成28年までの3年間を実行期間とする中期経営計画「ALL TOA 2016“強靭化そして創造へ”」に取り組んでいます。本中期経営計画では、既存事業や事業体質の強靭化を図るとともに、新事業、新製品の開発と創造を推し進め、魅力ある会社への質的転換を果たすことを戦略の主眼に据えています。本中期経営計画の最終年である平成28年は、外部環境が大きく変化した影響などから数値目標の達成は困難な見通しでありますが、アクションプランに掲げた目標に変更はありません。成長性、収益性を重視した「攻め」の経営をより一層強め、平成29年から開始する予定の新たな中期経営計画期間につながる基盤づくりを推進してまいります。

 

① 事業強靭化の推進

基礎化学品の電解事業のさらなる効率化による競争力向上を喫緊の課題と位置付け、徳島工場に続くガス拡散電極法設備導入の方向性を定めるなど事業強靭化のためのアクションプランを迅速に実行してまいります。また高純度液化塩化水素は横浜工場と徳島工場の2拠点からの安定供給体制を早期に確立し、増強能力を活用した海外市場向けの拡販を進めてまいります。またアクリル製品事業につきましては、シンガポールにおけるアクリル酸エステル事業の構造改革を早期に具体化します。

 

② 新規事業の創造

水溶性ポリマーや光硬化型樹脂などのアクリル川下製品の海外展開を加速するため、米国、アジア市場を重点対象に海外事業戦略の立案、検討を進めます。また「水・食料・ヘルスケア」、「環境・エネルギー」、「社会インフラ」の3分野をターゲット領域に、当社が強みとするコア技術(光硬化・重合技術、粘・接着技術、有機合成技術、無機合成技術、配合・樹脂成型技術、分析・評価・解析技術)を相互に活用、融合し、「粘・接着剤を含む高機能性樹脂」を重点研究分野とした新製品開発を進めてまいります。

 

③ 企業の社会的責任(CSR)の深化

コーポレートガバナンス体制に対する社会的要請が高まる中、平成28年3月30日開催の第103回定時株主総会の決議に基づき、取締役会の監督機能をより一層強化するとともに、監督と業務執行を分離し迅速な意思決定を行うため、社外取締役が過半数を占める監査等委員会を有する監査等委員会設置会社に移行いたしました。この他、法令遵守(コンプライアンス)の徹底に向けた活動を推進し、またレスポンシブル・ケア(RC)活動の充実を行うなど、すべてのステークホルダーを重視した経営の充実を図ります。

 

(会社の支配に関する基本方針)

(1) 基本方針の内容

当社は、当社の企業価値が、「化学事業を通じてより多くの人々とより多くの幸福を分かち合う」という企業理念に基づき、化学関連の事業を推進することにより、当社およびその子会社の株主・取引先・地域住民等のステークホルダーの皆様の利益・幸せを実現していくことにその淵源を有することに鑑み、特定の者またはグループによる当社の総議決権の20%以上に相当する議決権を有する株式の取得により、このような当社の企業価値または株主の皆様共同の利益が毀損されるおそれが存する場合には、かかる特定の者またはグループは当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切であるとして、法令および定款によって許容される限度において、当社の企業価値または株主の皆様共同の利益の確保・向上のための相当な措置を講じることを、その基本方針といたします。

 

(2) 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

当社は、基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの一つとして、平成19年3月29日開催の当社第94回定時株主総会において、「当社株式の大規模買付行為に関する対応方針(買収防衛策)」の導入について株主の皆様のご承認をいただきました。その後、平成22年3月30日開催の当社第97回定時株主総会および平成25年3月28日開催の当社第100回定時株主総会において、それぞれ所要の変更を行った上で、買収防衛策の継続について株主の皆様のご承認をいただいております(以下、「旧プラン」といいます)。

 

また、当社は、旧プラン導入以後の法令の改正、買収防衛策に関する議論の動向等を踏まえ、平成28年2月4日開催の取締役会において、旧プランに所要の変更を行った上で、買収防衛策を継続することを決定し(以下、かかる変更後のプランを「本プラン」といいます)、平成28年3月30日開催の当社第103回定時株主総会(以下、「第103回定時株主総会」といいます)において、本プランについて株主の皆様のご承認をいただきました。

なお、当社は特別委員会を設置し、特別委員会委員として、北村康央、佐藤勝、安田昌彦の3氏を選任しております。

本プランの概要は、以下に記載のとおりですが、本プランの詳細につきましては、平成28年2月4日付の当社プレスリリース「当社株式の大規模買付行為に関する対応方針(買収防衛策)の一部変更および継続に関するお知らせ」をご参照ください。

(当社ホームページ…http://www.toagosei.co.jp/)

 

①  本プランの導入の目的

本プランは、大規模買付者に対して事前に大規模買付行為に関する必要な情報の提供および考慮・交渉のための期間を確保することを求めることによって、当該大規模買付行為に応じるべきか否かを株主の皆様が適切に判断されること、取締役会が、当該大規模買付行為に対する賛否の意見または代替案を株主の皆様に対して提示すること、あるいは、株主の皆様のために大規模買付者と交渉を行うこと等を可能とし、もって基本方針に照らして不適切な者(具体的には、本プランに違反をした大規模買付者および濫用的買収者ならびにこれらの者と一定の関係にある者等)によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止し、企業価値ないし株主共同の利益を確保・向上することを目的として導入されたものです。

 

②  本プランに基づく対抗措置の発動にかかる手続

(イ) 対象となる大規模買付行為

次の(ⅰ)から(ⅲ)までのいずれかに該当する行為(ただし、取締役会があらかじめ承認をした行為を除きます)またはその可能性のある行為がなされ、またはなされようとする場合に、本プランに基づく対抗措置が発動される場合があります。

(ⅰ) 当社が発行者である株券等に関する当社の特定の株主の株券等保有割合が20%以上となる当該株券等の買付けその他の取得

(ⅱ) 当社が発行者である株券等に関する当社の特定の株主の株券等所有割合とその特別関係者の株券等所有割合との合計が20%以上となる当該株券等の買付けその他の取得

(ⅲ) 上記(ⅰ)または(ⅱ)に掲げる各行為がなされたか否かにかかわらず、当社の特定株主グループが、当社の他の株主(複数である場合を含みます。以下、本(ⅲ)において同じとします)との間で、当該他の株主が当該特定株主グループに属する株主の共同保有者に該当するに至るような合意その他の行為、または当該特定株主グループと当該他の株主との間にその一方が他方を実質的に支配しもしくはそれらの者が共同ないし協調して行動する関係を樹立する行為(ただし、当社が発行者である株券等につき当該特定グループに属するすべての株主と当該他の株主との株券等保有割合の合計が20%以上となるような場合に限ります)

(ロ) 大規模買付者に対する情報提供の要求

大規模買付者には、大規模買付行為の開始に先立ち、意向表明書および大規模買付情報を提供していただきます。

(ハ) 大規模買付者との交渉等

取締役会は、対価を現金(円貨)のみとする公開買付けによる当社のすべての株券等の買付けが行われる場合には、60日間、それ以外の場合には、90日間の期間を、取締役会評価期間として設定し、当社の企業価値および株主の皆様共同の利益の確保・向上の観点から評価、検討、意見形成、代替案立案および大規模買付者との交渉を行うものとします。なお、当該取締役会評価期間は、必要な範囲内で最大30日間延長することができるものとします。

 

(ニ) 特別委員会の勧告および取締役会の決議

特別委員会は、大規模買付者が大規模買付ルールにつきその重要な点において違反した場合で、取締役会がその是正を書面により当該大規模買付者に対して要求した後10営業日以内に当該違反が是正されない場合には、原則として、取締役会に対して、大規模買付行為に対する対抗措置の発動を勧告します。

他方、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合、特別委員会は、原則として、取締役会に対して、大規模買付行為に対する対抗措置の不発動を勧告しますが、大規模買付ルールが遵守されている場合であっても、当該大規模買付者がいわゆるグリーンメイラーである場合等一定の事情を有していると認められる者である場合には、取締役会に対して、対抗措置の発動を勧告します。

なお、特別委員会は、大規模買付行為に関する勧告を行うに際し、対抗措置の発動に関して、あらかじめ株主意思の確認を得るべき旨の留保を付すことができるものとします。

取締役会は、特別委員会の勧告を最大限尊重したうえで、対抗措置の発動または不発動その他必要な決議を行うものとします。

(ホ) 株主意思確認総会の開催

上記(ニ)にかかわらず、下記のいずれかの事由に該当し、かつ、当社取締役会が、株主総会の開催に要する時間等を勘案した上で、取締役の善管注意義務に照らし株主の皆様の意思を確認することが適切と判断する場合には、株主総会(以下「株主意思確認総会」といいます)において対抗措置の発動に関する株主の皆様の意思を確認することができるものとします。

(ⅰ) 特別委員会が対抗措置の発動に関して、あらかじめ株主総会の承認を得るべき旨の留保を付した場合

(ⅱ) 当社取締役会が、当該大規模買付行為が、当社の企業価値または株主の皆様共同の利益を著しく損なうおそれがあると判断した場合

株主意思確認総会において、対抗措置の発動または不発動について決議された場合、当社取締役会は、当該株主意思確認総会の決議に従って対抗措置の発動または不発動の決議を行うものとします。

なお、大規模買付者は、株主意思確認総会が招集された場合には、株主意思確認総会の終結時まで、大規模買付行為を開始することができないものとします。

 

③  本プランの特徴

(イ) 基本方針の制定

本プランは、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する「基本方針」を制定したうえで、導入されたものです。

(ロ) 特別委員会の設置

当社は、本プランの必要性および相当性を確保するために特別委員会を設置し、取締役会が対抗措置を発動する場合には、その判断の公正を担保し、かつ、取締役会の恣意的な判断を排除するために、特別委員会の勧告を最大限尊重するものとしております。

(ハ) 株主総会における本プランの承認

本プランの法的安定性を高めるため、本プランにつきましては、第103回定時株主総会において本プランの導入に関する承認議案の付議を通じて、株主の皆様のご意思を確認させていただいております。

(ニ) 適時開示

取締役会は、本プラン上必要な事項について、適用ある法令等および金融商品取引所規則に従って、適時かつ適切な開示を行います。

(ホ) 本プランの有効期間

本プランの有効期間は、平成31年3月31日までとします。ただし、かかる有効期間の満了前であっても、当社の取締役会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合、本プランはその時点で廃止されるものとします。また、当社は、当社の取締役会において、企業価値ないし株主の皆様共同の利益の確保・向上の観点から、必要に応じて本プランを見直し、または変更する場合があります。ただし、当社は、本プランの内容に重要な変更を行う場合には、株主の皆様の意思を適切に反映する機会を得るため、変更後のプランの導入に関する承認議案を株主総会に付議するものとし、変更後のプランは、その承認議案につき、株主の皆様のご承認が得られることを条件に効力を生じるものとします。

 

 

④  株主の皆様への影響

(イ) 本プランの導入時に株主の皆様に与える影響

本プランの導入時には、新株予約権の発行自体は行われません。したがいまして、本プランが本プラン導入時に株主の皆様の権利および経済的利益に直接具体的な影響を与えることはありません。

(ロ) 新株予約権の発行時に株主および投資家の皆様へ与える影響

取締役会が対抗措置として新株予約権の無償割当ての決議をした場合、基準日における最終の株主名簿に記録された株主の皆様は、新株予約権の無償割当ての効力発生日に、当然に新株予約権者となります。そして、当社が新株予約権を取得する場合、株主の皆様は、行使価額相当の金銭を払い込むことなく、当社による新株予約権の取得の対価として、当社普通株式の交付を受けることになります。ただし、例外事由該当者につきましては、その有する新株予約権が取得の対象とならないことがあります。

 

(3) 上記の取組みに対する取締役会の判断およびその判断にかかる理由

当社は、前記(2)①記載のとおり、本プランは企業価値ないし株主共同の利益の確保・向上という目的をもって導入されたものであり、基本方針に沿うものと考えております。特に本プランは、(a)第103回定時株主総会において本プランの導入について株主の皆様のご意思を確認させていただいており、一定の場合に、本プランに定める対抗措置の発動の是非について、株主意思確認総会において株主の皆様の意思を確認するものとしている点において株主の皆様のご意思を重視していること、(b)対抗措置の発動に際しては、必要に応じて、取締役会から独立した第三者的立場にある専門家の意見を取得できること、(c)独立性の高い特別委員会の設置を伴うものであり、対抗措置の発動に際しては必ず特別委員会の勧告を経る仕組みとなっているうえ、特別委員会はさらに独立した第三者的立場にある外部専門家の意見を取得できること、(d)対抗措置の発動または不発動その他必要な決議に関する判断の際によるべき基準が設けられていること等から、当社は、本プランは当社の企業価値ないし株主共同の利益を損なうものではなく、当社の取締役の地位の維持を目的とするものではないと考えております。

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の概況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものが含まれております。

なお、以下記載の中には将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日(平成28年3月30日)現在において判断したものであります。

 

(1) 競合他社との価格競争の影響について

当社グループが製造・販売する製品には、性質・性能面において他社製品との差別化が困難なものが多く、激化する価格競争の環境下においては、営業活動の強化および生産コストの低減に取り組んでいるものの、当社グループの製品と同等の製品をより低価格で販売可能な競合他社に対して、当社グループが優位性を維持することができなくなり、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼすおそれがあります。

 

(2) 原油・ナフサ価格の変動による影響について

当社グループが製造・販売する製品の主原料購入価格は、原油・ナフサ価格の変動に影響されるため、当該価格変動を反映した製品価格の是正および合理化が十分に実施できなかった場合、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼすおそれがあります。

 

(3) 製造物責任による影響について

製品の品質維持には万全の体制で取り組んでいるものの、当社グループが製造・販売する製品の予期せぬ欠陥に起因して、顧客および第三者に対して損害を与えた場合、発生する損失すべてを製造物賠償責任保険によって補填できない可能性があり、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼすおそれがあります。

 

(4) 災害による影響について

当社グループの生産拠点は、主に東海地区に立地しており、東海地震等の震災が発生した場合、操業の停止をはじめとした多くの損害が予想され、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼすおそれがあります。

 

(5) 重要な訴訟等による影響について

当社グループの事業活動に関して、重要な訴訟等が提起された場合、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼすおそれがあります。

 

(6) 繰延税金資産の回収可能性による影響について

当社グループの繰延税金資産は、将来の課税所得の予測を基に回収可能性を判断し、計上した金額を基礎としております。将来の課税所得の予測と実績に乖離が生じた場合などは、当社グループの経営成績および財政状況に影響を及ぼすおそれがあります。

 

(7) 為替レート変動による影響について

当連結会計年度の当社グループにおける海外売上高の割合は16.5%となっております。また、海外に連結子会社7社、持分法適用関連会社1社を有しております。そのため、為替レートの変動は、当社グループの経営成績および財政状況に影響を及ぼすおそれがあります。

 

(8) 金利変動による影響について

当社グループは、事業運営に必要な資金調達を行っており、金利変動が当社グループの経営成績および財政状況に影響を及ぼすおそれがあります。

 

(9) 固定資産の減損会計適用による影響について

当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準を適用しております。この基準の適用に伴い、今後の土地等の時価や事業環境の大幅な変動によって、当社グループの経営成績および財政状況に影響を及ぼすおそれがあります。

 

当社グループは、以上のような事項発生の可能性を十分に認識し、当社および各社の経営成績および財政状態への影響を最小限に抑えるべく、適切な対応に努めてまいります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

(1) 平成27年12月31日における技術導入契約の状況は次のとおりであります。

契約会社名

契約の相手方

契約の内容

許可年月日

契約期間

対価の支払

東亞合成㈱
(当社)

アメリカ

S.C.ジョンソンポリマー社 ※

 

SGO技術導入および共同技術開発

平成10年5月20日

調印日から10年および自動継続

(1) 契約時一定額の一時金

(2) 純販売金額によるロイヤリティ

 

※  なお、現在の契約の相手方は、BASF社(ドイツ)となっております。

 

(2) アロン化成との吸収分割契約

当社は、平成27年10月26日開催の取締役会において、平成28年1月1日を効力発生日として、会社分割の方法により、当社の建材・土木事業のうち建築補修材(アロンコート®、アロンウオール®等)および土木補修材(アロンブルコート®)の販売事業を完全子会社であるアロン化成株式会社(以下「アロン化成」といいます)に承継させることを決議し、同日付で吸収分割契約を締結いたしました。

会社分割の概要は以下のとおりであります。

 

① 会社分割の目的

当社の建材・土木事業は、昭和48年建物の外壁防水を目的とするアクリルゴム系塗膜防水材「アロンコート®」の発売に始まり、化学メーカーとしての優れた技術力を背景に40年以上にわたる歴史を重ね、着実に成長してまいりました。

さらに、環境保護の観点からも建物や橋梁などの建築物を長寿命化することへの社会的要請は強く、建築補修材や土木補修材への需要は今後とも拡大すると見込まれています。

このような中、当社の建材・土木事業と市場や顧客基盤が近いアロン化成に本事業を移管し、同社の持つ営業・販売体制などの経営資源を有効活用することで、本事業の一層の拡大を図るものです。

 

② 会社分割の方法

当社を吸収分割会社とし、アロン化成を吸収分割承継会社とする吸収分割です。なお、本会社分割は、当社においては会社法784条第3項に定める簡易吸収分割の規定により株主総会の承認の手続きを経ずに行いました。

 

③ 会社分割の期日

平成28年1月1日

 

④ 分割に係る割当の内容

アロン化成の全株式を保有しており、本会社分割に際して株式その他の金銭等の交付は行っておりません。

 

⑤ 承継会社が承継する権利義務

アロン化成は、効力発生日において、吸収分割契約書に基づき、本事業を遂行する上で必要と判断される資産・その他の権利義務および契約上の地位(ただし、雇用契約を除く)を継承しました。

 

⑥ 承継会社の概要

商  号 アロン化成株式会社

住  所 東京都港区西新橋二丁目8番6号

代 表 者 代表取締役社長 杉浦 伸一

資 本 金 4,220百万円

事業内容 合成樹脂製品およびその関連製品ならびにこれらの原料の製造加工および販売等

 

 

6 【研究開発活動】

中長期的な観点に立った研究開発テーマの探索と基礎・応用研究推進、既存開発テーマの集中的取り組みによる早期効果発現、一人ひとりの自律的成長による研究開発力の強化を基本方針とし、人財の柔軟かつ効果的活用により、研究開発テーマの改廃や採用の迅速化を進めるとともに、全体最適を目指した各テーマの進捗管理および事業部との連携強化を図り、新製品上市までのスピードアップと効率的な開発を推進して参りました。また、関係会社と共同で研究開発を推進し、グループ全体の最適化に努めています。上記の施策に基づき、当社グループは「特色ある高機能製品を継続的に生み出すとともに、新製品・新事業を創出し、成長を続ける価値創造型高収益企業」を目指し、研究開発を行ってまいります。

当連結会計年度の当社グループ全体の研究開発費は、3,720百万円です。

以下、セグメント別に説明いたします。

 

(1) 基礎化学品事業

当社グループの基幹事業である電解事業につきましては、革新的プロセス技術開発の一貫として、大幅な電力消費削減が可能なガス拡散電極法電解技術の実機での実証化を進めています。また、重点事業の一つである無機高純度品事業の研究開発に取り組んでおり、高純度液化塩化水素、高純度アルカリ、高品位過塩化鉄液などを取り扱っております。

当セグメントに係る研究開発費は320百万円です。

 

(2) アクリル製品事業

光硬化型樹脂関連では、新規オリゴマーの開発、光硬化型樹脂「アロニックス」およびその配合品の開発など高付加価値製品の研究開発に取り組んでおります。また、種々の機能性アクリル系高分子を電子・電機、自動車、建材分野などへ応用展開するとともに、機能性複合材料の研究開発を行っています。

当セグメントに係る研究開発費は1,085百万円です。

 

(3) 機能製品事業

接着剤関連商品としては瞬間接着剤アロンアルフアをはじめ、自動車・精密機器などの工業用や医療用に至るまでの幅広い分野で、各種機能性接着剤の研究開発を推進しております。また、建材関係では、コンクリートの劣化を防ぎ建物を強靱化、長寿命化できる外壁保護剤や工法の開発・改良に注力しており、環境問題や建物の資産価値向上に貢献しています。その他にも抗菌剤や消臭剤などの無機機能材料やシリコン系有機無機ハイブリッド材料の開発を行っております。

当セグメントに係る研究開発費は1,153百万円です。

 

(4) 樹脂加工製品事業

当社連結子会社のアロン化成株式会社では、提案型メーカーとしてものづくり力を強化し事業の変革を生み出す組織として「ものづくりセンター」を活用しています。樹脂加工技術を応用した管工機材の開発や介護・福祉など生活用品関連製品の開発に加え、当社「R&D総合センター」との連携の中で、エラストマーなどの新規合成樹脂の成形加工技術の開発にも取り組んでおります。

当セグメントに係る研究開発費は840百万円です。

 

(5) その他の事業

研究開発全般のレベルアップを目指し、基盤技術研究所では、分析・評価技術の向上、新規材料の設計、物性・構造解析および新規物質の合成に取り組んでおります。先端科学研究所では、京都大学iPS細胞研究所との共同研究や慶應義塾大学との共同研究として「慶應義塾大学先導研究センターGSP(Genome Super Power)センター」を同研究所内に設置するなど、機能性ペプチドを用いたバイオインフォマティックス関連の研究に取り組んでおります。

当セグメントに係る研究開発費は319百万円です。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績の分析

①  売上高

前連結会計年度に比べ90億6千3百万円、6.1%減収の1,398億4千8百万円となりました。売上高につきましては、1 [業績等の概要] (1) 業績のとおりであります。

②  営業利益

アジア地域におけるアクリル酸エステル製品の価格下落が収益を圧迫しましたものの、高機能、高付加価値製品の堅調な需要や徹底したコストの削減により、前連結会計年度に比べ3億3千2百万円、2.8%増益の123億4千7百万円となりました。

なお、売上高営業利益率は、前連結会計年度に比べ0.7ポイント増加の8.8%となりました。

③  営業外損益

受取配当金が増加しましたものの、為替差益等が減少しましたため、前連結会計年度に比べ2千3百万円悪化し、8億5千3百万円の収益となりました。

④  経常利益

営業利益の増益を受け、前連結会計年度に比べ3億8百万円、2.4%増益の132億1百万円となりました。

なお、売上高経常利益率は、前連結会計年度に比べ0.7ポイント増加の9.4%となりました。

⑤  特別損益

シンガポール子会社において減損損失を計上したことなどにより、前連結会計年度に比べ16億1千万円悪化し、13億3千8百万円の損失となりました。

⑥  税金費用(法人税、住民税及び事業税・法人税等調整額)

税金費用は、前連結会計年度に比べ3億1千3百万円増加し、47億7千2百万円となりました。

法人税等の負担率(税金費用/税金等調整前当期純利益)は、減損損失を計上したことにより、前連結会計年度に比べ6.3ポイント増加の40.2%となりました。

⑦  当期純利益

以上の結果、前連結会計年度に比べ17億1千7百万円、20.4%減益の66億9千6百万円となりました。

なお、売上高当期純利益率は、前連結会計年度に比べ0.9ポイント減少の4.8%となりました。また、1株当たり当期純利益は、前連結会計年度に比べ13.02円減少の50.86円となりました。1株当たり当期純利益については、前連結会計年度の期首に普通株式2株につき1株の割合をもって株式併合が行われたと仮定し、算定しております。

 

(2) 財政状態の分析

①  資産、負債および純資産の状況

総資産合計は、手元流動性の上昇により「有価証券」が増加しましたため、前連結会計年度末に比べ68億4千9百万円、3.4%増加の2,080億1千8百万円となりました。

負債合計は、「未払法人税等」が増加しましたため、前連結会計年度末に比べ11億7千9百万円、2.7%増加の449億9千7百万円となりました。

純資産合計は、当期純利益の計上により「利益剰余金」が増加しましたため、前連結会計年度末に比べ56億7千万円、3.6%増加の1,630億2千万円となり、自己資本比率は76.0%となりました。

②  キャッシュ・フローの状況

キャッシュ・フローの状況につきましては、1 [業績等の概要] (2) キャッシュ・フローの状況のとおりです。