文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営の基本方針
当社グループは、2018年11月、「素材と機能の可能性を追求し、化学の力で新しい幸せをあなたへ届けます。」に企業理念を改定することを発表し、顧客や社会の未来を見据え、化学事業を通じて新しい価値の創造と提供に挑戦し続ける価値創造型企業グループを目指すことを基本方針といたしました。
(2) 経営環境
世界経済は、米国を起点とする保護主義の高まりや中国経済の減速、英国のEU離脱(BREXIT)の行方など2018年から積み残された諸問題がより先鋭化し、不透明感の強い状況が続くと見込まれます。日本経済は、雇用環境の改善が続くと期待されますが、グローバル経済の変調や2019年10月に予定されている消費税増税などが実体経済に及ぼす影響が懸念されます。また、化学業界におきましては、原油をはじめとした資源価格の変動や米国のシェール由来化学製品の輸出入動向、また中国をはじめとした各国環境規制の動きなど先行きを見通し難い状況が続くと予想されます。
(3) 中期的な経営戦略および会社の対処すべき課題
当社グループは、2025年の東亞合成グループビジョンを策定し、そのビジョンを実現するための第一歩として、2017年から2019年までの3年間を対象とする中期経営計画「成長への軌道 2019」を実行しております。
本中期経営計画では、高付加価値製品事業を強化し、海外展開を含む成長戦略を推進することを主眼に、各部門にアクションプランを設定し、確実に実行する体制を整備しております。
※本中計の内容につきましては、2016年12月20日に対外発表し、当社ホームページに掲示しております『中期経営計画(2017~2019年)について-東亞合成グループ中期経営計画「成長への軌道2019」-』をご参照ください。
(当社ホームページ…http://www.toagosei.co.jp/)
本中期経営計画の中間年である2018年は、タイの子会社において第1期プロジェクト(アクリルポリマー)の工場が稼働を開始し、引き続き第2期プロジェクト(エラストマーコンパウンド)の工場建設に着工しました。国内の工場におきましては、アクリルポリマーや光硬化型樹脂などのアクリル川下製品や高純度無機化学品、無機機能材料などについて将来の成長に向けての積極的な設備投資を行い、中期経営計画「成長への軌道 2019」に掲げたアクションプランは着実に進展しました。
中期経営計画「成長への軌道 2019」の最終年となる2019年は、
・新製品・新事業の創出
・海外事業展開の加速
・業務変革および生産性の向上
・社員が力を発揮できる環境の整備
・CSR活動の深化
を重要課題として設定し、2020年から開始する予定の次期中期経営計画に向けた経営基盤の強化を進めてまいります。
<2025年のグループビジョン>
・技術と高付加価値製品で存在感のある化学企業グループ
・国内外で生産販売活動を展開している海外売上高比率25%以上の化学企業グループ
・事業拡大を担う優秀で意欲的な社員を豊富に擁する化学企業グループ
・安定した収益基盤を有する売上高2,000億円以上の化学企業グループ
<中期経営計画「成長への軌道2019」連結数値目標>
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2019年目標 |
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売上高 |
1,550億円 |
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営業利益 |
180億円 |
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売上高営業利益率 |
11.6% |
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親会社株主に帰属する当期純利益 |
125億円 |
(注)2019年目標の前提条件:ナフサ価格 32,000円/KL、為替 105円/USD
(4) 会社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
① 基本方針の内容
当社は、当社の企業価値が、「化学事業を通じてより多くの人々とより多くの幸福を分かち合う」という企業理念に基づき、化学関連の事業を推進することにより、当社およびその子会社の株主・取引先・地域住民等のステークホルダーの皆様の利益・幸せを実現していくことにその淵源を有することに鑑み、特定の者またはグループによる当社の総議決権の20%以上に相当する議決権を有する株式の取得により、このような当社の企業価値または株主の皆様共同の利益が毀損されるおそれが存する場合には、かかる特定の者またはグループは当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切であるとして、法令および定款によって許容される限度において、当社の企業価値または株主の皆様共同の利益の確保・向上のための相当な措置を講じることを、その基本方針といたします。
② 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は、基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの一つとして、2007年3月29日開催の当社第94回定時株主総会において、「当社株式の大規模買付行為に関する対応方針(買収防衛策)」の導入について株主の皆様のご承認をいただきました。
その後、2010年3月30日開催の当社第97回定時株主総会、2013年3月28日開催の当社第100回定時株主総会および2016年3月30日開催の当社第103回定時株主総会において、それぞれ所要の変更を行ったうえで、買収防衛策の継続について株主の皆様のご承認をいただいております(以下、継続された現在の買収防衛策を「本プラン」といいます)。なお、当社は特別委員会を設置し、特別委員会委員として、北村康央、佐藤勝、安田昌彦の3氏を選任しております。
本プランの概要は、以下に記載のとおりですが、本プランの詳細につきましては、2016年2月4日付の当社プレスリリース「当社株式の大規模買付行為に関する対応方針(買収防衛策)の一部変更および継続に関するお知らせ」をご参照下さい。
(イ) 本プランの導入の目的
本プランは、大規模買付者に対して事前に大規模買付行為に関する必要な情報の提供および考慮・交渉のための期間を確保することを求めることによって、当該大規模買付行為に応じるべきか否かを株主の皆様が適切に判断されること、取締役会が、当該大規模買付行為に対する賛否の意見または代替案を株主の皆様に対して提示すること、あるいは、株主の皆様のために大規模買付者と交渉を行うこと等を可能とし、もって基本方針に照らして不適切な者(具体的には、本プランに違反をした大規模買付者および濫用的買収者ならびにこれらの者と一定の関係にある者等)によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止し、企業価値ないし株主共同の利益を確保・向上することを目的として導入されたものです。
(ロ) 本プランに基づく対抗措置の発動に係る手続
(ⅰ) 対象となる大規模買付行為
次の(a)から(c)までのいずれかに該当する行為(ただし、取締役会があらかじめ承認をした行為を除きます)またはその可能性のある行為がなされ、またはなされようとする場合に、本プランに基づく対抗措置が発動される場合があります。
(a) 当社が発行者である株券等に関する当社の特定の株主の株券等保有割合が20%以上となる当該株券等の買付けその他の取得
(b) 当社が発行者である株券等に関する当社の特定の株主の株券等所有割合とその特別関係者の株券等所有割合との合計が20%以上となる当該株券等の買付けその他の取得
(c) 上記(a)または(b)に掲げる各行為がなされたか否かにかかわらず、当社の特定株主グループが、当社の他の株主(複数である場合を含みます。以下、本(c)において同じとします)との間で、当該他の株主が当該特定株主グループに属する株主の共同保有者に該当するに至るような合意その他の行為、または当該特定株主グループと当該他の株主との間にその一方が他方を実質的に支配しもしくはそれらの者が共同ないし協調して行動する関係を樹立する行為(ただし、当社が発行者である株券等につき当該特定グループに属するすべての株主と当該他の株主との株券等保有割合の合計が20%以上となるような場合に限ります)
(ⅱ) 大規模買付者に対する情報提供の要求
大規模買付者には、大規模買付行為の開始に先立ち、意向表明書および大規模買付情報を提供していただきます。
(ⅲ) 大規模買付者との交渉等
取締役会は、対価を現金(円貨)のみとする公開買付けによる当社のすべての株券等の買付けが行われる場合には、60日間、それ以外の場合には、90日間の期間を、取締役会評価期間として設定し、当社の企業価値および株主の皆様共同の利益の確保・向上の観点から評価、検討、意見形成、代替案立案および大規模買付者との交渉を行うものとします。なお、当該取締役会評価期間は、必要な範囲内で最大30日間延長することができるものとします。
(ⅳ) 特別委員会の勧告および取締役会の決議
特別委員会は、大規模買付者が大規模買付ルールにつきその重要な点において違反した場合で、取締役会がその是正を書面により当該大規模買付者に対して要求した後10営業日以内に当該違反が是正されない場合には、原則として、取締役会に対して、大規模買付行為に対する対抗措置の発動を勧告します。
他方、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合、特別委員会は、原則として、取締役会に対して、大規模買付行為に対する対抗措置の不発動を勧告しますが、大規模買付ルールが遵守されている場合であっても、当該大規模買付者がいわゆるグリーンメイラーである場合等一定の事情を有していると認められる者である場合には、取締役会に対して、対抗措置の発動を勧告します。
取締役会は、特別委員会の勧告を最大限尊重したうえで、対抗措置の発動または不発動その他必要な決議を行うものとします。
(ⅴ) 株主意思確認総会の開催
上記(ⅳ)にかかわらず、下記のいずれかの事由に該当し、かつ、取締役会が、株主総会の開催に要する時間等を勘案したうえで、取締役の善管注意義務に照らし株主の皆様の意思を確認することが適切と判断する場合には、株主総会(以下「株主意思確認総会」といいます)において対抗措置の発動に関する株主の皆様の意思を確認することができるものとします。
(a) 特別委員会が対抗措置の発動に関して、あらかじめ株主総会の承認を得るべき旨の留保を付した場合
(b) 取締役会が、当該大規模買付行為が、当社の企業価値または株主の皆様共同の利益を著しく損なうおそれがあると判断した場合
株主意思確認総会において、対抗措置の発動または不発動について決議された場合、取締役会は、当該株主意思確認総会の決議に従って対抗措置の発動または不発動の決議を行うものとします。
(ハ) 本プランの特徴
(ⅰ) 基本方針の制定
本プランは、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する「基本方針」を制定したうえで、導入されたものです。
(ⅱ) 特別委員会の設置
当社は、本プランの必要性および相当性を確保するために特別委員会を設置し、取締役会が対抗措置を発動する場合には、その判断の公正を担保し、かつ、取締役会の恣意的な判断を排除するために、特別委員会の勧告を最大限尊重するものとしております。
(ⅲ) 株主総会における本プランの承認
本プランの法的安定性を高めるため、本プランにつきましては、当社第103回定時株主総会において本プランの導入に関する承認議案の付議を通じて、株主の皆様のご意思を確認させていただいております。
(ⅳ) 適時開示
取締役会は、本プラン上の必要な事項について、適用ある法令等および金融商品取引所規則に従って、適時かつ適切な開示を行います。
(ⅴ) 本プランの有効期間
本プランの有効期間は、2019年3月31日までとします。ただし、かかる有効期間の満了前であっても、取締役会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合、本プランはその時点で廃止されるものとします。また、取締役会は、企業価値ないし株主の皆様共同の利益の確保・向上の観点から、必要に応じて本プランを見直し、または変更する場合があります。ただし、当社は、本プランの内容に重要な変更を行う場合には、株主の皆様の意思を適切に反映する機会を得るため、変更後のプランの導入に関する承認議案を株主総会に付議するものとし、変更後のプランは、その承認議案につき、株主の皆様のご承認が得られることを条件に効力を生じるものとします。
(ニ) 株主および投資家の皆様への影響
(ⅰ) 本プランの効力発生時に株主および投資家の皆様へ与える影響
本プランの効力発生時には、新株予約権の発行自体は行われません。したがって、本プランが本プランの効力発生時に株主および投資家の皆様の権利および経済的利益に直接具体的な影響を与えることはありません。
(ⅱ) 新株予約権の発行時に株主および投資家の皆様へ与える影響
取締役会が対抗措置として新株予約権の無償割当ての決議をした場合、基準日における最終の株主名簿に記録された株主の皆様は、新株予約権の無償割当ての効力発生日に、当然に新株予約権者となります。そして、当社が新株予約権を取得する場合、株主の皆様は、行使価額相当の金銭を払い込むことなく、当社による新株予約権の取得の対価として、当社普通株式の交付を受けることになります。ただし、例外事由該当者につきましては、その有する新株予約権が取得の対象とならないことがあります。
③ 上記の取組みに対する取締役会の判断およびその判断に係る理由
当社は、前記②(イ)記載のとおり、本プランは企業価値ないし株主の皆様共同の利益の確保・向上という目的をもって導入されたものであり、基本方針に沿うものと考えております。特に本プランは、(a)当社第103回定時株主総会において本プランの導入について株主の皆様のご意思を確認させていただいており、一定の場合に、本プランに定める対抗措置の発動の是非について、株主意思確認総会において株主の皆様の意思を確認するものとしている点において株主の皆様のご意思を重視していること、(b)対抗措置の発動に際しては、必要に応じて、取締役会から独立した第三者的立場にある専門家の意見を取得できること、(c)独立性の高い特別委員会の設置を伴うものであり、対抗措置の発動に際しては必ず特別委員会の勧告を経る仕組みとなっているうえ、特別委員会はさらに独立した第三者的立場にある外部専門家の意見を取得できること、(d)対抗措置の発動または不発動その他必要な決議に関する判断の際によるべき基準が設けられていること等から、当社は、本プランは当社の企業価値ないし株主の皆様共同の利益を損なうものではなく、当社の取締役の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
(ご参考) 買収防衛策の非継続(廃止)について
本プランの有効期間は2019年3月31日までとなっております。当社は2019年2月13日開催の取締役会において、本プランを継続せず廃止することを決議いたしました。詳細につきましては、当社ホームページに掲載の2019年2月13日付「当社株式の大規模買付行為に関する対応方針(買収防衛策)の非継続(廃止)について」をご参照ください。
(当社ホームページ…http://www.toagosei.co.jp/)
有価証券報告書に記載した事業の概況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものが含まれております。
なお、以下記載の中には将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日(2019年3月28日)現在において判断したものであります。
(1) 競合他社との価格競争の影響について
当社グループが製造・販売する製品には、性質・性能面において他社製品との差別化が困難なものが多く、激化する価格競争の環境下においては、営業活動の強化および生産コストの低減に取り組んでいるものの、当社グループの製品と同等の製品をより低価格で販売可能な競合他社に対して、当社グループが優位性を維持することができなくなり、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼすおそれがあります。
(2) 原油・ナフサ価格の変動による影響について
当社グループが製造・販売する製品の主原料購入価格は、原油・ナフサ価格の変動に影響されるため、当該価格変動を反映した製品価格の是正および合理化が十分に実施できなかった場合、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼすおそれがあります。
(3) 製造物責任による影響について
製品の品質維持には万全の体制で取り組んでいるものの、当社グループが製造・販売する製品の予期せぬ欠陥に起因して、顧客および第三者に対して損害を与えた場合、発生する損失すべてを製造物賠償責任保険によって補填できない可能性があり、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼすおそれがあります。
(4) 災害による影響について
当社グループの生産拠点は、主に東海地区に立地しており、東海地震等の震災が発生した場合、操業の停止をはじめとした多くの損害が予想され、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼすおそれがあります。
(5) 重要な訴訟等による影響について
当社グループの事業活動に関して、重要な訴訟等が提起された場合、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼすおそれがあります。
(6) 繰延税金資産の回収可能性による影響について
当社グループの繰延税金資産は、将来の課税所得の予測を基に回収可能性を判断し、計上した金額を基礎としております。将来の課税所得の予測と実績に乖離が生じた場合などは、当社グループの経営成績および財政状況に影響を及ぼすおそれがあります。
(7) 為替レート変動による影響について
当連結会計年度の当社グループにおける海外売上高の割合は16.4%となっております。また、海外に連結子会社9社、持分法適用関連会社1社を有しております。そのため、為替レートの変動は、当社グループの経営成績および財政状況に影響を及ぼすおそれがあります。
(8) 金利変動による影響について
当社グループは、事業運営に必要な資金調達を行っており、金利変動が当社グループの経営成績および財政状況に影響を及ぼすおそれがあります。
(9) 固定資産の減損会計適用による影響について
当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準を適用しております。この基準の適用に伴い、今後の土地等の時価や事業環境の大幅な変動によって、当社グループの経営成績および財政状況に影響を及ぼすおそれがあります。
当社グループは、以上のような事項発生の可能性を十分に認識し、当社および各社の経営成績および財政状態への影響を最小限に抑えるべく、適切な対応に努めてまいります。
(1) 経営成績等の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度のわが国経済は、雇用・所得環境は着実に改善しましたが、年後半にかけて輸出に陰りが見られるなど景気の伸びに力強さを欠く展開となりました。世界経済は、米国経済は概ね好調に推移しましたが、米中貿易戦争に代表される保護主義の高まりや金融資本市場の変動などから先行きに対する不透明感が増しました。
当社グループを取り巻く事業環境につきましては、緩やかに回復する国内景気を背景に汎用製品の需要は底堅く推移しましたが、一方、原燃料価格の上昇や年後半から顕著となった一部のエレクトロニクス関連製品の需要減退などが利益を圧迫する要因となりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は1,500億6千6百万円(前年度比3.7%増収)、営業利益は164億8百万円(前年度比6.0%減益)、経常利益は174億3百万円(前年度比5.9%減益)、親会社株主に帰属する当期純利益は127億4千8百万円(前年度比1.3%減益)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
基幹化学品事業
電解製品は、全般的に販売数量が堅調に推移するとともに、年前半に実施したカセイソーダの販売価格是正が寄与し増収となりました。アクリルモノマー製品は、シンガポール子会社において一部製品の生産を停止した影響などから販売数量は減少しましたが、原料価格の上昇に伴う販売価格の是正を行い増収となりました。工業用ガスは、底堅い国内需要により増収となりました。これらの結果、当セグメントの売上高は699億8百万円(前年度比4.9%増収)となりました。
営業利益は、アクリルモノマー製品が減販や国内における大型定修の影響などから減益となりましたが、カセイソーダや工業用ガスの増益により、66億5千4百万円(前年度比14.8%増益)となりました。
ポリマー・オリゴマー事業
アクリルポリマーは、リチウムイオン二次電池向けや化粧品原料などに使用される高付加価値製品の販売が拡大し増収となりました。アクリルオリゴマーは、国内外の市場において販売が好調に推移し増収となりました。高分子凝集剤は、販売数量が増加したほか販売価格の是正を進めたことなどから増収となりました。これらの結果、当セグメントの売上高は295億6百万円(前年度比5.0%増収)となりました。
営業利益は、原料価格の引き上げに対する販売価格の是正が遅れたことに加え、アクリルポリマーの増産対応やタイ子会社での操業開始関連費用の増加などが利益を圧迫し、29億7千7百万円(前年度比32.8%減益)となりました。
接着材料事業
瞬間接着剤は、コンビニエンスストア向けや工業用途向けなど国内販売は堅調に推移しましたが、海外市場における販売減少などが影響し減収となりました。機能性接着剤は、高機能情報端末向けなどに使用される反応型接着剤の需要は低調でしたが、自動車関連材料向け製品の販売が底堅く推移したことなどから増収となりました。これらの結果、当セグメントの売上高は119億1千4百万円(前年度比0.8%減収)となりました。
営業利益は、海外市場における瞬間接着剤や高付加価値の機能性接着剤が減販となった影響などから、25億6千7百万円(前年度比3.5%減益)となりました。
高機能無機材料事業
高純度無機化学品は、旺盛な半導体需要が継続し液化塩化水素など高純度製品の販売数量が増加したことなどから増収となりました。無機機能材料は、無機抗菌剤の輸出減少やエレクトロニクス関連製品の出荷が低調に推移したことなどが影響し減収となりました。これらの結果、当セグメントの売上高は80億9千5百万円(前年度比3.9%増収)となりました。
営業利益は、無機機能材料が減販の影響などから減益となりましたが、高純度無機化学品の増販が寄与し、25億4千8百万円(前年度比6.3%増益)となりました。
樹脂加工製品事業
管工機材製品は、夏場の天候不順による工事遅延や販売競争激化の影響などから減収となりました。建材・土木製品は、受注物件数の増加などから増収となりました。ライフサポート製品は、新製品の販売が寄与したことなどから増収となりました。エラストマーコンパウンドは、販売数量の増加などから増収となりました。これらの結果、当セグメントの売上高は271億6千7百万円(前年度比1.3%増収)となりました。
営業利益は、ライフサポート製品や建材・土木製品は増益となりましたが、管工機材製品が原材料費の上昇などから採算が悪化し、14億2千7百万円(前年度比26.7%減益)となりました。
その他の事業
新規製品の研究開発事業、輸送事業、商社事業などにより構成される当セグメントは、売上高は34億7千4百万円(前年度比3.7%増収)、営業利益は2億3千万円となりました。
財政状態につきましては、当社グループの当連結会計年度末の総資産は「現金及び預金」および「機械装置及び運搬具」が増加しましたため、前連結会計年度末に比べ26億3千3百万円、1.1%増加し、2,419億7千1百万円となりました。
負債合計は、「繰延税金負債」が減少しましたため、前連結会計年度末に比べ11億7千5百万円、2.3%減少し、506億7千5百万円となりました。
純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により「利益剰余金」が増加しましたため、前連結会計年度末に比べ38億8百万円、2.0%増加し、1,912億9千6百万円となり、自己資本比率は77.0%となりました。
当連結会計年度における現金および現金同等物は、前連結会計年度末に比べ28億5千3百万円増加し、当連結会計年度末には449億9千万円となりました。
営業活動におけるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益は減少しましたものの、法人税等の支払額が減少しましたため、前連結会計年度に比べ収入が46億7千5百万円増加し、198億4千1百万円の収入となりました。
投資活動におけるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出が増加しましたものの、3か月超の資金運用に大きな増減がなかった結果、前連結会計年度に比べ支出が112億7千6百万円減少し、119億1千万円の支出となりました。
財務活動におけるキャッシュ・フローは、連結子会社の株式取得および長期借入金の一部返済による支出が増加しましたため、前連結会計年度に比べ支出が8億6千1百万円増加し、49億8百万円の支出となりました。
なお、キャッシュ・フローに関する指標は以下のとおりです。
(参考)当社グループのキャッシュ・フロー指標の推移
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2016年12月期 |
2017年12月期 |
2018年12月期 |
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自己資本比率(%) |
76.5 |
76.3 |
77.0 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
69.0 |
78.9 |
65.9 |
|
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) |
0.6 |
0.8 |
0.6 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
216.8 |
159.7 |
207.1 |
(注) 1 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値を用いて、以下の計算式により算出しております。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年度比(%) |
|
基幹化学品事業 |
57,722 |
3.1 |
|
ポリマー・オリゴマー事業 |
27,316 |
4.5 |
|
接着材料事業 |
12,265 |
△5.4 |
|
高機能無機材料事業 |
7,463 |
9.2 |
|
樹脂加工製品事業 |
25,111 |
0.9 |
|
合計 |
129,880 |
2.4 |
(注) 1 その他の事業につきましては、主としてサービス業ですので記載しておりません。
2 金額は、販売価格により算出しております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社および各社は受注生産はほとんど行わず、主として見込み生産であります。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
金額(百万円) |
構成比(%) |
前年度比(%) |
|
基幹化学品事業 |
69,908 |
46.6 |
4.9 |
|
ポリマー・オリゴマー事業 |
29,506 |
19.7 |
5.0 |
|
接着材料事業 |
11,914 |
7.9 |
△0.8 |
|
高機能無機材料事業 |
8,095 |
5.4 |
3.9 |
|
樹脂加工製品事業 |
27,167 |
18.1 |
1.3 |
|
その他の事業 |
3,474 |
2.3 |
3.7 |
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合計 |
150,066 |
100.0 |
3.7 |
(注) 1 総販売実績に対し10%以上に該当する販売先はありません。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、以下記載の中には将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日(2019年3月28日)現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表][注記事項](連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
連結財務諸表の作成においては、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき見積りおよび判断を行っておりますが、見積りにつきましては不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、売上高は、接着材料事業セグメントは前連結会計年度に比べ減少しましたが、その他の事業セグメントはいずれも増収となり、1,500億6千6百万円(前年度比3.7%増加)となりました。営業利益は、一部の高付加価値製品において原材料費などの変動費上昇分の価格転嫁が遅れたことや、ポリマー・オリゴマーなどの高付加価値製品において積極的な設備投資を実施したことに伴う固定費の増加などから、164億8百万円(前年度比6.0%減少)となりました。なお、セグメントごとの売上高と営業利益につきましては、(1)経営成績等の概要 ①財政状態および経営成績の状況をご参照ください。
経常利益は、持分法投資利益が減少しましたものの固定資産賃貸料の増加などから営業外損益はほぼ前年並みとなり、174億3百万円(前年度比5.9%減少)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、特別損益は前年比減益となりましたが、法人税等の減少により、127億4千8百万円(前年度比1.3%減少)となりました。
当社グループの資本の財源および資金の流動性については、必要資金は自己資金のほか、金融機関からの借入などで確保しています。2019年は、樹脂加工製品事業の管工機材製造設備の増強、タイにおけるエラストマーコンパウンド製造設備の新設などの設備投資を予定しており、主に自己資金を充当する予定です。また、必要に応じて、当社グループの財政状態および市場環境等を考慮しながら、金融機関からの借入や資本市場からの資金調達などを総合的に勘案し、最適な方法で資金調達を実施する予定です。当社グループの資金の流動性については、グループ内資金の効率的な活用と金融費用の削減を目的にキャッシュ・マネジメント・システムを導入しており、グループ全体の資金効率化を図っています。また、緊急時の資金調達手段の確保を目的として、一部の取引銀行と当座貸越契約および債権流動化契約を締結しており、資金流動性を確保しております。
中期経営計画「成長への軌道 2019」は、売上高・営業利益・営業利益率・親会社株主に帰属する当期純利益を数値目標としており、売上高1,550億円・営業利益180億円・営業利益率11.6%・親会社株主に帰属する当期純利益125億円を目標としております。
2018年12月期の業績は、売上高1,500億6千6百万円(進捗率96.8%)・営業利益164億8百万円(進捗率91.1%)・営業利益率10.9%・親会社株主に帰属する当期純利益127億4千8百万円(進捗率101.9%)となり、2019年12月期の業績予想は、売上高1,500億円・営業利益165億円・営業利益率11.0%・親会社株主に帰属する当期純利益119億円としております。
以上のような経営成績の状況に関する認識および分析、検討内容を踏まえ、当社グループは、事業環境の変化に柔軟に対処しつつ、「第2[事業の状況]1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等](3)中期的な経営戦略および会社の対処すべき課題」に記載しました重要事項や2019年を最終年とする中期経営計画「成長への軌道 2019」で掲げたアクションプランを着実に実行し、当社グループの2025年のビジョン達成に向けた新製品・新事業の創出と海外事業の拡大に拍車をかけてまいります。
<2019年12月期連結業績予想>
通期(2019年1月1日~2019年12月31日)
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(単位:百万円) |
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2018年12月期 |
2019年12月期 |
増 減 |
増 減 |
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売上高 |
150,066 |
150,000 |
△66 |
△0.0% |
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営業利益 |
16,408 |
16,500 |
92 |
0.6% |
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経常利益 |
17,403 |
17,600 |
197 |
1.1% |
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親会社株主に帰属する当期純利益 |
12,748 |
11,900 |
△848 |
△6.7% |
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契約会社名 |
契約の相手方 |
契約の内容 |
許可年月日 |
契約期間 |
対価の支払 |
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東亞合成㈱ |
アメリカ S.C.ジョンソンポリマー社 ※
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SGO技術導入および共同技術開発 |
1998年5月20日 |
調印日から10年および自動継続 |
(1) 契約時一定額の一時金 (2) 純販売金額によるロイヤリティ |
※ なお、現在の契約の相手方は、BASF社(ドイツ)となっております。
中長期的な観点に立った研究開発テーマの創出と早期実績化、顧客動向に基づく継続的な新規テーマの発掘および一人ひとりの自律的成長による研究開発力の強化を基本方針とし、引き続き「重点テーマの開発促進」「R&D部門の全体最適化」「コラボレーションやオープンイノベーション機会の創出活動」に重点を置き、効率的な研究開発を進めました。また、関係会社と共同で研究開発を推進し、グループ全体の最適化に努めています。上記の施策によって、当社グループは、新製品・新事業を継続的に創出することを目指していきます。
当連結会計年度の当社グループ全体の研究開発費は3,686百万円です。
以下、セグメント別に説明いたします。
(1) 基幹化学品事業
当社グループの基幹事業である電解事業につきましては、革新的プロセス技術開発による大幅な電力消費削減方法として、ガス拡散電極法電解技術の実証を進めています。
当セグメントに係る研究開発費は188百万円です。
(2) ポリマー・オリゴマー事業
光硬化型樹脂関連では、光硬化型樹脂「アロニックス」の改良や新規オリゴマーの開発など高付加価値製品の研究開発に取り組んでおります。また、種々の機能性アクリル系高分子を電子・電機、自動車、建材分野などへ応用展開するとともに、機能性複合材料の研究開発を行っています。さらに、建材関係では、コンクリ-トの劣化を防ぎ建物を強靱化、長寿命化できる外壁保護剤や工法の開発・改良に注力しており、環境問題や建物の資産価値向上に貢献しています。
当セグメントに係る研究開発費は1,191百万円です。
(3) 接着材料事業
接着剤関連商品としては瞬間接着剤「アロンアルフア」をはじめ、自動車・精密機器などの工業用や医療用に至るまでの幅広い分野で、各種機能性接着剤の研究開発を推進しております。
当セグメントに係る研究開発費は1,023百万円です。
(4) 高機能無機材料事業
重点事業の一つである高純度無機化学品の研究開発に取り組んでおり、高純度液化塩化水素、高純度アルカリ、高品位過塩化鉄液などを取り扱っております。また、抗菌剤や消臭剤などの無機機能材料の開発を行っております。
当セグメントに係る研究開発費は416百万円です。
(5) 樹脂加工製品事業
当社連結子会社のアロン化成株式会社では、提案型メーカーとしてものづくり力を強化し事業の変革を生み出す組織として「ものづくりセンター」を活用しています。樹脂加工技術を応用した管工機材の開発や介護・福祉など生活用品関連製品の開発に加え、当社「R&D総合センター」との連携の中で、エラストマーコンパウンドなどの新規合成樹脂の成形加工技術の開発にも取り組んでおります。
当セグメントに係る研究開発費は725百万円です。
(6) その他の事業
研究開発全般のレベルアップを目指し、基盤技術研究所では、分析・評価技術の向上、新規材料の設計、物性・構造解析および新規物質の合成に取り組んでおります。また、先端科学研究所では、京都大学iPS細胞研究所をはじめ多くの研究機関との共同研究など、機能性ペプチドを用いたバイオインフォマティックス関連の研究に取り組んでおります。
当セグメントに係る研究開発費は140百万円です。