文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2020年3月27日)現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営の基本方針
当社グループは、「素材と機能の可能性を追求し、化学の力で新しい幸せをあなたへ届けます。」に企業理念を改定し、顧客や社会の未来を見据え、化学事業を通じて新しい価値の創造と提供に挑戦し続ける価値創造型企業グループを目指すことを基本方針といたしました。
(2) 経営環境
世界経済は、中国で発生した新型コロナウイルス(COVID-19)感染症の拡大がアジア地域のみならず地球規模の懸念材料となっており、さらに米国の通商政策や英国のEU離脱(BREXIT)後の影響など、先行きの予断を許さない、不透明な状況が続くと予想されます。また、化学業界におきましては、中東地域をはじめとした地政学リスクの高まりなどが原油などの資源価格に及ぼす影響のほか、気候変動や環境問題についてよりスピード感のある対応が求められています。
(3) 中期的な経営戦略および会社の対処すべき課題
当社グループは、2020年から2022年までを対象とする中期経営計画「Stage up for the Future」をスタートしました。本中期経営計画にいては、前中期経営計画「成長への軌道2019」で注力してきた新製品開発と積極的な設備投資を継続するとともに、新事業創出と研究開発の機能をより一層強化することにより、高付加価値製品事業のさらなる拡大を図ってまいります。
①中期経営計画の基本方針
(イ)高付加価値製品事業の拡大
高付加価値製品事業の拡大に向けて、成長牽引事業の販売強化と新製品開発に着実に取り組み、2022年に売上高1,630億円を達成する。
(ロ)将来を支える「第4の柱」事業を含む新ビジネスユニットの創出
当社グループのコア技術を起点として、従来の事業領域を超えた新規キーマテリアルやサービスを新たなビジネスユニットとして複数創出する。
(ハ)基盤事業の強靭化
収益基盤を強化するため、基盤事業の計画的投資と継続的合理化を進め、成長が見込めない事業を整理、縮小する。
②重要施策
(イ)新事業創出機能と研究開発機能の強化
新設した新事業企画部による新事業創出機能を加速し、オープンイノベーションや知財戦略強化、マテリアルズインフォマティクス(MI)導入により研究開発の効率化と高度化を推進する。
(ロ)瞬間接着剤等の海外展開推進
北米における事業を再構築するとともに、アジア等の新興国市場へ本格参入する。
(ハ)デジタルトランスフォーメーション(DX)による競争優位性拡大と機能強化
全社情報処理網の一元化と情報の高度利用により、顧客ニーズに応える製品開発と生産革新を推進する。
(ニ)成長戦略の担い手となる人材の確保と育成
人材採用・育成方法を見直し強化し、海外人材の登用、多様化する社会に対応した社内環境の整備などを推進する。
(ホ)サスティナブル経営の推進、ステークホルダーとの共存共栄
新設したサスティナビリティ推進部を中心に、地球環境保全に資する新ビジネス・新製品開発の推進およびステークホルダーとの対話を強化する。
③中期経営計画「Stage up for the Future」数値目標
(イ)設備投資計画
前中期経営計画に引き続き、高付加価値製品の投資に注力するとともに、基幹化学品事業の設備更新と工場自動化、情報関連の投資を強化し、2020年から2022年までの3年累計で440億円を目標とする。
(ロ)海外展開計画
ポリマー・オリゴマー事業、接着材料事業、高機能無機材料事業を中心に、高付加価値製品事業の積極的な海外展開を推進し、2022年の海外売上高比率20%超を目指す。
(ハ)資本政策
資本効率性の向上、株主還元の強化に向け、次の資本政策を推進する。
・1株当たり純利益(EPS)と総資産経常利益率(ROA)を数値指標とし、収益力と資本効率性の強化・向上を図る。
・配当性向30%以上を目途とした安定配当を継続するとともに、自己株式の取得(2020年から2022年までの3年累計で100億円程度)により、連結総還元性向および1株当たり純利益(EPS)の向上を図る。
(4) 会社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
① 基本方針の内容
当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、中長期的観点からの安定経営、ステークホルダーとの信頼関係、蓄積した経営資源に関して十分な見識を有し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保、向上していくことのできる者であると考えます。
② 基本方針の実現に資する取組みの内容
当社は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保、向上するための取組みとして次の施策を実施しております。
(イ) 中期経営計画の実行
当社グループは2017年から2019年において、成長戦略の展開と基幹事業の強化を骨子とする中期経営計画「成長への軌道 2019」を実行してまいりました。
2020年以降においても2020年から2022年までを対象とする中期経営計画「Stage up for the Future」を策定し、「高付加価値製品事業の拡大」「将来を支える『第4の柱』事業を含む新ビジネスユニットの創出」「基盤事業の強靭化」を基本方針として、持続的成長と中長期的な企業価値の向上を図ってまいります。
(ロ) コーポレートガバナンスの強化
当社は、「素材と機能の可能性を追求し、化学の力で新しい幸せをあなたへ届けます。」との企業理念に基づき、企業の社会的責任を果たすべく、コーポレートガバナンスの充実を経営上の重要な課題の一つと位置付けております。当社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図るため、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を実現する実効的なコーポレートガバナンスを追求し、その充実に継続的に取り組んでおります。
③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための
取組み
当社は、当社株式に対する大規模買付を行おうとする者に対しては、大規模買付の是非を株主の皆様が適切に判断するために必要かつ十分な情報の提供を求め、合わせて当社取締役会の意見等を開示し、株主の皆様の検討のための時間の確保に努める等、金融商品取引法、会社法その他関係法令の許容する範囲内において、適宜適切な措置を講じます。
④ 上記の取組みに対する取締役会の判断およびその理由
上記②および③の取組みは当社の企業価値の向上を目的としたものであることから、上記①の基本方針に沿うものであり、株主共同の利益を損なうものではなく、また、当社の取締役の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
有価証券報告書に記載した事業の概況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものが含まれております。
なお、以下記載の中には将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日(2020年3月27日)現在において判断したものであります。
(1) 競合他社との価格競争の影響について
当社グループが製造・販売する製品には、性質・性能面において他社製品との差別化が困難なものが多く、激化する価格競争の環境下においては、営業活動の強化および生産コストの低減に取り組んでいるものの、当社グループの製品と同等の製品をより低価格で販売可能な競合他社に対して、当社グループが優位性を維持することができなくなり、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼすおそれがあります。
(2) 原油・ナフサ価格の変動による影響について
当社グループが製造・販売する製品の主原料購入価格は、原油・ナフサ価格の変動に影響されるため、当該価格変動を反映した製品価格の是正および合理化が十分に実施できなかった場合、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼすおそれがあります。
(3) 製造物責任による影響について
製品の品質維持には万全の体制で取り組んでいるものの、当社グループが製造・販売する製品の予期せぬ欠陥に起因して、顧客および第三者に対して損害を与えた場合、発生する損失すべてを製造物賠償責任保険によって補填できない可能性があり、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼすおそれがあります。
(4) 災害による影響について
当社グループの生産拠点は、主に東海地区に立地しており、東海地震等の震災が発生した場合、操業の停止をはじめとした多くの損害が予想され、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼすおそれがあります。
(5) 重要な訴訟等による影響について
当社グループの事業活動に関して、重要な訴訟等が提起された場合、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼすおそれがあります。
(6) 繰延税金資産の回収可能性による影響について
当社グループの繰延税金資産は、将来の課税所得の予測を基に回収可能性を判断し、計上した金額を基礎としております。将来の課税所得の予測と実績に乖離が生じた場合などは、当社グループの経営成績および財政状況に影響を及ぼすおそれがあります。
(7) 為替レート変動による影響について
当連結会計年度の当社グループにおける海外売上高の割合は15.6%となっております。また、海外に連結子会社9社、持分法適用関連会社1社を有しております。そのため、為替レートの変動は、当社グループの経営成績および財政状況に影響を及ぼすおそれがあります。
(8) 金利変動による影響について
当社グループは、事業運営に必要な資金調達を行っており、金利変動が当社グループの経営成績および財政状況に影響を及ぼすおそれがあります。
(9) 固定資産の減損会計適用による影響について
当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準を適用しております。この基準の適用に伴い、今後の土地等の時価や事業環境の大幅な変動によって、当社グループの経営成績および財政状況に影響を及ぼすおそれがあります。
当社グループは、以上のような事項発生の可能性を十分に認識し、当社および各社の経営成績および財政状態への影響を最小限に抑えるべく、適切な対応に努めてまいります。
(1) 経営成績等の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境は改善しましたが、10月に入り製造業を中心に企業業績の見通しが下方修正されるなど景気悪化懸念が高まりました。また、世界経済は、米国経済は好調に推移しましたものの、米中貿易戦争の長期化に伴い、中国を中心に東アジア経済の停滞が続くなど先行きに対する不透明感はより一層増しました。
当社グループを取り巻く事業環境につきましては、年後半にかけてアクリルモノマー製品や機能性接着材料製品の需要減退がより顕著になり、売上高の減少や利益の圧迫要因となりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は1,449億5千5百万円(前年度比3.4%減収)、営業利益は137億8千2百万円(前年度比16.0%減益)、経常利益は152億3千万円(前年度比12.5%減益)、親会社株主に帰属する当期純利益は103億8千7百万円(前年度比18.5%減益)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
基幹化学品事業
電解製品は、昨年販売価格を改定したカセイソーダや次亜塩素酸ソーダの価格是正効果が寄与し増収となりました。アクリルモノマー製品は、シンガポール子会社における一部製品の生産停止や販売価格下落の影響などから減収となりました。工業用ガスは、販売数量が減少し減収となりました。これらの結果、当セグメントの売上高は656億6千7百万円(前年度比6.1%減収)となりました。
営業利益は、一部電解製品の販売価格是正は増益要因となりましたが、アクリルモノマー製品や工業用ガスの収益悪化が利益を圧迫し、54億4千2百万円(前年度比18.2%減益)となりました。
ポリマー・オリゴマー事業
アクリルポリマーは、タイ子会社での生産、出荷が開始したことやリチウムイオン二次電池向け製品の販売好調などから増収となりました。アクリルオリゴマーは、海外での販売が低迷したことなどから減収となりました。高分子凝集剤は、国内販売は堅調でしたが輸出が減少し減収となりました。これらの結果、当セグメントの売上高は291億1千2百万円(前年度比1.3%減収)となりました。
営業利益は、減価償却費などの固定費は増加しましたが、アクリルポリマーの増販や高分子凝集剤の価格是正などが寄与し、35億2千6百万円(前年度比18.4%増益)となりました。
接着材料事業
瞬間接着剤は、米国市場をはじめとした海外での販売不振の影響などから減収となりました。機能性接着剤は、高機能情報端末などに使用される反応型接着剤などの需要減退が続き減収となりました。これらの結果、当セグメントの売上高は111億7千4百万円(前年度比6.2%減収)となりました。
営業利益は、製品販売の減少が利益を圧迫したほか、海外市場における販売強化関係費用や機能性接着剤の研究開発費用などの固定費負担が増加したことなどから、13億5千6百万円(前年度比47.1%減益)となりました。
高機能無機材料事業
高純度無機化学品は、半導体需要は世界的に低調でしたが、液化塩化水素の需要は底堅く推移し、かつ当社の販売体制強化策などが奏功したことから増収となりました。無機機能材料は、欧米向けの無機抗菌剤の輸出が減少したことなどから減収となりました。これらの結果、当セグメントの売上高は81億4千8百万円(前年度比0.7%増収)となりました。
営業利益は、液化塩化水素の増販は増益要因となりましたが、無機機能材料の販売減少や減価償却費、研究開発費用が増加したことなどから、21億1千6百万円(前年度比17.0%減益)となりました。
樹脂加工製品事業
管工機材製品は、販売価格の是正は進展しましたが販売数量減少の影響などから減収となりました。建材・土木製品は、販売数量の減少から減収となりました。ライフサポート製品は、新製品投入などが寄与し増収となりました。エラストマーコンパウンドは、販売数量の減少などから減収となりました。これらの結果、当セグメントの売上高は270億7千9百万円(前年度比0.3%減収)となりました。
営業利益は、管工機材製品の販売価格是正やライフサポート製品の増販は増益要因となりましたが、減価償却費やタイ子会社の操業開始関連費用などが増加し、12億3千3百万円(前年度比13.5%減益)となりました。
その他の事業
新規製品の研究開発事業、輸送事業、商社事業などにより構成される当セグメントは、売上高は37億7千2百万円(前年度比8.6%増収)、営業利益は1億3千2百万円となりました。
財政状態につきましては、当社グループの当連結会計年度末の資産合計は、「建設仮勘定」および「機械装置及び運搬具」が増加しましたため、前連結会計年度末に比べ60億4千7百万円、2.5%増加し、2,472億1千1百万円となりました。
負債合計は、「支払手形及び買掛金」が減少しましたため、前連結会計年度末に比べ12億3千5百万円、2.5%減少し、486億3千2百万円となりました。
純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により「利益剰余金」が増加しましたため、前連結会計年度末に比べ72億8千2百万円、3.8%増加し、1,985億7千9百万円となり、自己資本比率は78.4%となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ18億7千6百万円減少し、当連結会計年度末には431億1千3百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が減少しましたため、前連結会計年度に比べ収入が12億2千6百万円減少し、186億1千5百万円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出が増加しましたため、前連結会計年度に比べ支出が39億4千5百万円増加し、158億5千5百万円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額が増加しましたものの、連結子会社の株式取得および長期借入金の返済による支出が減少しましたため、前連結会計年度に比べ支出が3億2千6百万円減少し、45億8千2百万円の支出となりました。
なお、キャッシュ・フローに関する指標は以下のとおりです。
(参考)当社グループのキャッシュ・フロー指標の推移
(注) 1 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値を用いて、以下の計算式により算出しております。
5 「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)を2019年12月 期の期首から適用しており、2017年12月期から2018年12月期の自己資本比率および時価ベースの自己資本比率は、当該会計基準を遡って適用した後の数値で算定しております。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 その他の事業につきましては、主としてサービス業ですので記載しておりません。
2 金額は、販売価格により算出しております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社および各社は受注生産はほとんど行わず、主として見込み生産であります。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 総販売実績に対し10%以上に該当する販売先はありません。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2020年3月27日)現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表][注記事項](連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
連結財務諸表の作成においては、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき見積りおよび判断を行っておりますが、見積りにつきましては不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、売上高は、高機能無機材料事業セグメントとその他の事業セグメントは前連結会計年度に比べ増加しましたが、それ以外の事業セグメントは販売数量の減少などから減収となり、1,449億5千5百万円(前年度比3.4%減少)となりました。営業利益は、年後半にかけてアクリルモノマー製品や機能性接着材料製品の需要減退がより顕著となったことや、ポリマー・オリゴマーや無機機能材料などの高付加価値製品において積極的な設備投資を実施したことに伴う固定費の増加などから、137億8千2万円(前年度比16.0%減少)となりました。なお、セグメントごとの売上高と営業利益につきましては、(1)経営成績等の概要 ①財政状態および経営成績の状況をご参照ください。
経常利益は、受取利息・受取配当金が増加したことに加え、当連結会計年度は為替差益を計上したため営業外損益は改善しましたものの営業利益の減少から、152億3千万円(前年度比12.5%減少)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券の売却益を計上しましたがシンガポール子会社における減損損失を計上したことから特別損益はほぼ前年並みとなり、法人税等の増加の影響から、103億8千7百万円(前年度比18.5%減少)となりました。
当社グループの資本の財源および資金の流動性については、必要資金は自己資金のほか、金融機関からの借入などで確保しています。2020年は、樹脂加工製品事業の管工機材製造設備の増強などの設備投資および自己株式の取得を予定しており、主に自己資金を充当する予定です。また、必要に応じて、当社グループの財政状態および市場環境等を考慮しながら、金融機関からの借入や資本市場からの資金調達などを総合的に勘案し、最適な方法で資金調達を実施する予定です。当社グループの資金の流動性については、グループ内資金の効率的な活用と金融費用の削減を目的にキャッシュ・マネジメント・システムを導入しており、グループ全体の資金効率化を図っています。また、緊急時の資金調達手段の確保を目的として、一部の取引銀行と当座貸越契約および債権流動化契約を締結しており、代替調達手段を備えております。
2020年から2022年を対象期間とする中期経営計画「Stage up for the Future」は、売上高・営業利益・営業利益率など「第2 [事業の状況] 1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等](3)中期的な経営戦略および会社の対処すべき課題 ③中期経営計画「Stage up for the Future」数値目標」を2022年の目標としております。
2019年12月期の業績は、前連結会計年度に比べ減収減益となり、2020年12月期の業績予想は、売上高1,410億円・営業利益130億円・営業利益率9.2%・経常利益142億円、親会社株主に帰属する当期純利益97億円と、引き続き減収減益となることを見込んでおります。
以上のような、経営成績の状況に関する認識および分析、検討内容を踏まえ、当社グループは、中期経営計画「Stage up for the Future」で掲げる基本方針である「高付加価値製品事業の拡大」、「将来を支える『第4の柱』事業を含む新ビジネスユニットの創出」および「基盤事業の強靭化」の達成に向け、成長に向けた人的資源投資を積極化するとともにサスティナブル経営を推進し、創立100周年に向けて、より高いプレゼンスを発揮する企業グループへ成長、進化してまいります。
<2020年12月期連結業績予想>
通期(2020年1月1日~2020年12月31日)
(単位:百万円)
※ なお、現在の契約の相手方は、BASF社(ドイツ)となっております。
中長期的な観点に立った研究開発テーマの創出と早期実績化、顧客動向に基づく継続的な新規テーマの発掘および一人ひとりの自律的成長による研究開発力の強化を基本方針とし、引き続き「重点テーマの開発促進」「R&D部門の全体最適化」「コラボレーションやオープンイノベーション機会の創出活動」に重点を置き、効率的な研究開発を進めました。また、関係会社と共同で研究開発を推進し、グループ全体の最適化に努めています。上記の施策によって、当社グループは、新製品・新事業を継続的に創出することを目指していきます。
当連結会計年度の当社グループ全体の研究開発費は
以下、セグメント別に説明いたします。
(1) 基幹化学品事業
当社グループの基幹事業である電解事業につきましては、革新的プロセス技術開発による大幅な電力消費削減方法として、ゼロギャップ電解槽技術の実証を進めています。
当セグメントに係る研究開発費は
(2) ポリマー・オリゴマー事業
光硬化型樹脂関連では、光硬化型樹脂「アロニックス」の改良や新規オリゴマーの開発など高付加価値製品の研究開発に取り組んでおります。また、種々の機能性アクリル系高分子を電子・電機、自動車、建材分野などへ応用展開するとともに、機能性複合材料の研究開発を行っています。さらに、建材関係では、コンクリ-トの劣化を防ぎ建物を強靱化、長寿命化できる外壁保護剤や工法の開発・改良に注力しており、環境問題や建物の資産価値向上に貢献しています。
当セグメントに係る研究開発費は
(3) 接着材料事業
接着剤関連商品としては瞬間接着剤「アロンアルフア」をはじめ、自動車・精密機器などの工業用や医療用に至るまでの幅広い分野で、各種機能性接着剤の研究開発を推進しております。
当セグメントに係る研究開発費は
(4) 高機能無機材料事業
重点事業の一つである高純度無機化学品の研究開発に取り組んでおり、高純度液化塩化水素、高純度アルカリ、高品位過塩化鉄液などを取り扱っております。また、抗菌剤や消臭剤などの無機機能材料の開発を行っております。
当セグメントに係る研究開発費は
(5) 樹脂加工製品事業
当社連結子会社のアロン化成株式会社では、提案型メーカーとしてものづくり力を強化し事業の変革を生み出す組織として「ものづくりセンター」を活用しています。樹脂加工技術を応用した管工機材の開発や介護・福祉など生活用品関連製品の開発に加え、当社「R&D総合センター」との連携の中で、エラストマーコンパウンドなどの新規合成樹脂の成形加工技術の開発にも取り組んでおります。
当セグメントに係る研究開発費は
(6) その他の事業
研究開発全般のレベルアップを目指し、基盤技術研究所では、分析・評価技術の向上、新規材料の設計、物性・構造解析および新規物質の合成に取り組んでおります。また、先端科学研究所では、京都大学iPS細胞研究所をはじめ多くの研究機関との共同研究など、機能性ペプチドを用いたバイオインフォマティックス関連の研究に取り組んでおります。
当セグメントに係る研究開発費は