第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、「会社の永遠の発展を追求し、適正な利益を確保することにより、株主、ユーザー、従業員とともに繁栄する企業を目指して豊かな社会づくりに貢献する。」を経営の理念としております。これを実現するために、当社独自の技術と心のこもったサービスでユーザーの期待に応え、誠意・創造性・迅速な対応・自然との調和をモットーに、信頼される企業を築き上げるべく全社をあげて事業の発展に取り組んでまいります。

 

(2) 中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題

当社グループは、平成28年度より、新中期経営計画をスタートさせております。本計画においては、平成30年9月に迎える創立80周年を見据えて、外部環境の変化に耐え得る強靭な企業体質づくりにより更なる成長を目指すとともに、普遍的なものづくり力と技術的ソリューションを提案することにより間断なく新規製品を開発し市場に提供する「創造的開発型企業」を目指してまいります。

① 基本3課題(安全第一主義・稼ぐ関東電化の実現・全員開発)の推進

上記3課題を当社の企業活動の基本課題と位置づけ、全社員が安全・利益・改善・開発を常に意識した横断的な基礎体力強化活動の推進を図ってまいります。

② 既存事業の収益力強化

主力製品がライバル企業に負けることなく、既存製品がいつまでも利益を上げ続けられるように、常に生産革新と省力化による生産性の向上を図ってまいります。

③ 新規製品の早期創出

当社の事業戦略と連動した研究開発を強化していくとともに、研究開発を行う当事者が成功へのストーリーを意識し語れるような研究開発の推進を図ってまいります。

④ 経営の安定化

事業の成長戦略と財務のバランスを取った効率的な経営資源の配分を実施し、財務体質の強化を図るとともに、為替変動リスクを低減するために海外生産拠点の新設も検討いたします。

 

(3) 株式会社の支配に関する基本方針について

① 当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方についての基本方針(概要)

(以下「本基本方針」といいます。)

当社は、公開会社として当社株式の自由な売買を認めております。従いまして、「当社の財務および事業の方針の決定を支配する者」を誰にするかは、最終的には株主の皆様のご意向が反映されるべきものと考えており、当社株券等の大規模買付行為につきましても、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の中長期的な確保・向上の観点から、不適切または不十分なものでない限り、これを否定するものではありません。

しかしながら、大規模買付者のなかには、当社取締役会や株主に対して、当該大規模買付者が「当社の財務および事業の方針の決定を支配する者」として適切か否かを判断するための十分な情報や時間を提供しない者もないとはいえません。また、大規模買付行為の目的等から見て、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に対して明白な侵害をもたらすものや、株主に対して当社株券等の売却を事実上強要するもの等、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の中長期的な確保・向上の観点から、不適切または不十分な者もないとはいえません。

以上より、当社取締役会は、大規模買付者に対して、当社が設定し事前に開示する一定のルール(以下「大規模買付ルール」といいます。)に従って、当該買付行為を開始するよう要請しております。

② 本基本方針の実現に資するための企業価値向上の取組み(概要)

当社は、経営方針として、「会社の永遠の発展を追求し、適正な利益を確保することにより、株主、ユーザー、従業員と共に繁栄する企業を目指して豊かな社会づくりに貢献する。これを実現するために、当社独自の技術と心のこもったサービスでユーザーの期待に応え、誠意・創造性・迅速な対応・自然との調和をモットーに信頼される関東電化を築き上げる。」ことを掲げております。つまり、当社は、「企業価値を高めるとともに豊かな社会づくりに貢献する」ことを企業目標にしており、この実現のために、株主、地域社会、ユーザー、従業員等のステークホルダーの皆様と良好な関係を築くことに取り組んでおります。

また、当社の企業価値の源泉は、地道な研究活動から生み出される「当社独自の技術」であり、その土台は、「人を大切にする企業風土」と「まじめで誠実な従業員」と考えております。一方、昭和13年の会社設立以来、電解等の専門技術やノウハウ、とりわけ、高純度のフッ素を効率よく大量に発生させるフッ酸電解技術、および、電池材料、医農薬等幅広い応用分野を持つフッ素関連技術についての知識を蓄積し、今日に至っております。今後も、人材力を高めつつ、蓄積された専門技術等を活かして「当社独自の技術」を生み出し続け、企業価値を高めるとともに豊かな社会づくりに貢献してまいりたいと考えております。

③ 本基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み(概要)

当社は、本基本方針に沿って、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の中長期的な確保・向上を目的として、平成30年6月28日開催の株主総会において、「当社株券等の大規模買付行為への対応方針(買収防衛策)」(以下「本対応方針」といいます。)を決定し、そのなかで「大規模買付ルール」を定めております。その骨子は、ア.当社は、大規模買付者に対して大規模買付行為に関する必要かつ十分な情報の提供を求め、イ.当社取締役会のための一定の評価期間を確保した上で、ウ.当社取締役会が株主の皆様に当社経営陣の計画、代替案等の提示や、大規模買付者との交渉を行い、エ.当該大規模買付行為に対し対抗措置を発動するか否かについて原則として株主の皆様の意思を確認するための株主総会等を開催する手続を定め、かかる株主の皆様の意思を確認する機会を確保するため、大規模買付者には、ア.からエ.の手続が完了するまで大規模買付行為の開始をお待ちいただくことを要請する、というものです。

 

(注) なお、本対応方針の詳細については、当社ホームページ(http://www.kantodenka.co.jp/)で公表している平成30年5月15日付プレスリリース「当社株券等の大規模買付行為への対応方針(買収防衛策)に関するお知らせ」をご参照ください。

 

④ 本対応方針が本基本方針に沿うものであること、当社の株主の共同の利益を損なうものではないこと、および当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないこと、並びにその理由
ア.本対応方針が本基本方針に沿うものであること

本対応方針は、大規模買付者が大規模買付行為に関する必要かつ十分な情報を当社取締役会に事前に提供すること、および当社取締役会のための一定の評価期間が経過し、株主の皆様に当社取締役会が対抗措置をとることの是非を、原則として株主総会等において直接的に確認した後にのみ当該大規模買付行為を開始することを求め、これを遵守しない大規模買付者に対して当社取締役会が対抗措置を講じることがあることを明記しています。また、大規模買付ルールが遵守されている場合であっても、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の中長期的な確保・向上の観点から、不適切または不十分なものと当社取締役会が判断した場合、原則として当社株主総会等における株主の皆様のご判断に基づいて、かかる大規模買付者に対して対抗措置を講じることがあることを明記しています。このように本対応方針は、本基本方針の考え方に沿って設計されたものであります。

イ.本対応方針が当社株主の共同の利益を損なうものではないこと

本対応方針は、本基本方針の考え方に沿って設計され、当社株主の皆様が大規模買付行為に応じるか否かを判断するために必要な情報や当社取締役会の意見の提供、代替案の提示を受ける機会の提供を保障し、最終的には大規模買付行為の提案を受けた時点における株主の皆様により対抗措置の発動の是非を判断していただくことを目的としております。本対応方針によって、当社株主および投資家の皆様は適切な投資判断を行うことができますので、本対応方針は当社株主の共同の利益を損なうものではなく、むしろその利益に資するものであります。

ウ.本対応方針が当社役員の地位の維持を目的とするものではないこと

本対応方針は、大規模買付行為を受け入れるか否かが最終的には当社株主の皆様の判断に委ねられるべきことを大原則としつつ、当社株主共同の利益を守るために必要な範囲で大規模買付ルールの遵守の要請や対抗措置の発動を行うものです。本対応方針は当社取締役会が対抗措置を発動する場合を事前かつ詳細に開示しており、当社取締役会による対抗措置の発動はかかる本対応方針に従って行われます。また、大規模買付行為に関して当社取締役会が対抗措置をとる場合には、原則として、株主総会等を開催して株主の判断を仰ぐこととしており、例外的に取締役会決議限りで判断を行う場合その他本対応方針に係る重要な判断に際しては、必要に応じて外部専門家等の助言を得るとともに、当社の業務執行を行う経営陣から独立している委員で構成される特別委員会へ諮問し、同委員会の勧告を最大限尊重するものとされています。このように、本対応方針には、当社取締役会による適正な運用を担保するための手続きも盛り込まれています。以上から、本対応方針が当社役員の地位の維持を目的とするものでないことは明らかであります。

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績および財務状況等に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、ここに記載した事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループがリスクとして判断したものですが、当社グループに係る全てのリスクを網羅したものではありません。

 

(1) 事業環境の変化

当社グループの主力製品は半導体・液晶用フッ素系製品であり、半導体・液晶業界の動向が、業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループ製品の川下における技術革新により、関係する製品に対する需要そのものがなくなる可能性があります。

(2) 競争の激化

当社グループは、韓国・中国・台湾メーカーとの激しい競争を繰り広げております。当社製品の技術・品質面での優位性がなくなり、韓国・中国・台湾メーカーとの価格競争となった場合には、販売シェアのダウンまたは販売価格低下により、業績に影響を与える可能性があります。

(3) 海外事業活動

当社グループは、東アジアを中心に海外事業活動を強化しておりますが、地域によっては政治的および社会的なリスクがあり、これらのリスクが発生した場合、業績に影響を与える可能性があります。

(4) 原燃料価格の変動および調達状況

当社グループは、電力が最大の原材料であります。また、当社グループは、原材料として、リチウム化合物、無水フッ酸、タングステン、工業塩、エチレン等を購入しております。製造にあたっては、効率的な資材購入と製品価格への転嫁を図っておりますが、電力をはじめ原燃料の価格変動や調達状況が、業績に影響を与える可能性があります。

(5) 新規製品の開発の遅れ

当社グループは、収益の柱となるような新規製品の開発に経営資源を投入しておりますが、開発が計画どおりに進捗しない場合や、開発した製品が市場投入時に市場ニーズにマッチしない場合には、業績に影響を与える可能性があります。

(6) 事故災害

当社グループは、安全には万全を期しておりますが、万一、当社工場にて大規模事故災害が発生した場合には、社会的信用の失墜、補償などの費用の発生、生産活動停止に伴う機会損失等により、業績に影響を与える可能性があります。

(7) 製造・品質トラブル

当社グループは、安定運転、品質の維持に努めておりますが、製造トラブルや品質トラブルが発生し、その回復に時間がかかる場合には、業績に影響を与える可能性があります。

(8) 自然災害

当社グループは、地震等の自然災害や感染症の流行に対しては各種訓練や防災対策、事業継続対策は行っておりますが、災害等により製造拠点等が影響を受けた場合には、業績に影響を与える可能性があります。

(9) 環境規制

当社グループは、化学物質を取り扱う企業として環境対策に万全を期しておりますが、万一、有害物質が社外に流出した場合には、社会的信用の失墜、補償などの費用の発生、生産活動停止に伴う機会損失等により、業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループは、土壌・地下水汚染、大気汚染、水質汚濁、廃棄物処理等各種の環境規制に服しています。これらの規制の動向等により、過去、現在および将来の当社グループの事業活動に関し、法的または社会的責任の観点から対応を行う場合は、業績に影響を与える可能性があります。

(10) 資金調達

当社グループは、金融機関から資金を調達しております。金利スワップによるヘッジは行っておりますが、金利が大幅に上昇した場合は金利負担が増加し、業績に影響を与える可能性があります。

 

(11) 法令・規制

当社グループは、事業活動を行うにあたって、各種の法令・規制に服しております。グループをあげてコンプライアンスの遵守に注力しておりますが、重大な法令違反があった場合には、業績に影響を与える可能性があります。

(12) 知的財産の保護

当社グループは、事業の優位性確保のため、新規開発技術の特許保護を重視する戦略をとっておりますが、開発した技術やノウハウの外部への流失や、知的財産権についての係争により、業績に影響を与える可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

① 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の各種政策を背景に企業収益や雇用・所得環境の改善が見られるなど、緩やかな回復基調が続きました。一方、海外においては、中国ならびにアジア新興国経済の景気下振れリスクのほか、米国の経済政策の不確実性が及ぼす影響や金融資本市場の変動リスクについても留意する必要があり、先行き不透明な状況のまま推移いたしました。

化学工業におきましては、原油をはじめとした各種資源価格の上昇もあり、引き続き厳しい事業環境にありました。

このような情勢下におきまして、当社グループは、基礎化学品事業、精密化学品事業および鉄系事業の収益力を強化するとともに、当社の強みであるフッ素関連技術を活かした新規製品の開発に取り組んでまいりました。

当連結会計年度の売上高は、精密化学品事業部門が販売数量の増加により増収となったため、513億09百万円と前連結会計年度(以下「前期」という)に比べ52億66百万円、11.4%の増加となりました。損益につきましては、原燃料費用や減価償却費の増加等により、経常利益は、89億96百万円と前期に比べ4億19百万円、4.5%の減少となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、61億16百万円と前期に比べ5億69百万円、8.5%の減少となりました。

 

なお、セグメント別の概況は、次のとおりであります。

 

ア.基礎化学品事業部門

(無機製品)

か性ソーダは、価格修正効果により、前期に比べ増収となりました。塩酸は、販売数量の減少により、前期に比べ減収となりました。

(有機製品)

塩素系有機製品につきましては、トリクロールエチレンおよびパークロールエチレンは、販売数量の減少により、前期に比べ減収となりました。

以上の結果、基礎化学品事業部門の売上高は、60億19百万円となり、前期に比べ62百万円、1.1%の増加となりました。営業損益につきましては、原燃料費用の増加等により、営業損失44百万円となりました(前期は営業利益1億80百万円)。

 

イ.精密化学品事業部門

(特殊ガス製品)

半導体・液晶用特殊ガス類につきましては、三フッ化窒素は、販売価格は低下したものの販売数量の増加により、前期に比べ増収となりました。六フッ化タングステンは、販売数量の増加により、前期に比べ増収となりました。

(電池材料製品)

電池材料の六フッ化リン酸リチウムは、販売数量は増加したものの販売価格の低下により、前期並みの売上高となりました。

以上の結果、精密化学品事業部門の売上高は、379億33百万円となり、前期に比べ49億81百万円、15.1%の増加となりました。営業損益につきましては、営業利益84億56百万円となり、前期に比べ2億07百万円、2.5%の増加となりました。

 

ウ.鉄系事業部門

複写機・プリンターの現像剤用であるキャリヤーは、販売数量の減少により、前期に比べ減収となりました。鉄酸化物は、着色剤の販売減少により、前期に比べ減収となりました。

以上の結果、鉄系事業部門の売上高は、25億13百万円となり、前期に比べ1億80百万円、6.7%の減少となりました。営業損益につきましては、営業利益5億47百万円となり、前期に比べ21百万円、3.7%の減少となりました。

 

 

エ.商事事業部門

商事事業につきましては、化学工業薬品の販売増加により、前期に比べ増収となりました。

以上の結果、商事事業部門の売上高は、23億15百万円となり、前期に比べ2億13百万円、10.1%の増加となりました。営業損益につきましては、営業利益94百万円となり、前期に比べ51百万円、35.3%の減少となりました。

 

オ.設備事業部門

化学設備プラントおよび一般産業用プラント建設は、請負工事の増加により、前期に比べ増収となりました。

以上の結果、設備事業部門の売上高は、25億27百万円となり、前期に比べ1億89百万円、8.1%の増加となりました。営業損益につきましては、営業利益1億06百万円となり、前期に比べ3億39百万円、76.2%の減少となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末(以下「前期末」という)に比べ29億11百万円増加し、131億54百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により獲得した資金は、72億43百万円となりました(前年同期は67億53百万円の資金の獲得)。これは主に、売上債権の増加額が18億79百万円、たな卸資産の増加額が18億15百万円、法人税等の支払額が27億66百万円となったことにより減少した一方で、税金等調整前当期純利益が88億42百万円、減価償却費が43億81百万円となったことにより増加したものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により使用した資金は、74億72百万円となりました(前年同期は65億30百万円の資金を使用)。これは主に、精密化学品事業部門のうち半導体・液晶用特殊ガス類製造設備の成長投資やその他の維持投資に伴う有形固定資産の取得によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により獲得した資金は、30億43百万円となりました(前年同期は25億61百万円の資金の使用)。これは主に、長期借入金の返済による支出が38億69百万円、配当金の支払額が5億75百万円となった一方で、長期借入れによる収入が76億60百万円となったことによるものであります。なお、長期借入れによる収入につきましては、主に精密化学品事業部門のうち半導体・液晶用特殊ガス類製造設備の成長投資やその他の維持投資の目的によるものであります。

 

 

③ 生産、受注及び販売の状況

ア.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

基礎化学品事業

6,312

5.1

精密化学品事業

33,830

14.2

鉄系事業

2,629

△2.0

設備事業

4,266

△14.2

合計

47,037

8.7

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.金額は、基本的に販売価格によっておりますが、設備事業の金額は、当連結会計年度の製造費用によっております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

イ.受注状況

当連結会計年度の設備事業の受注状況を示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

設備事業

2,215

2.9

1,083

△23.1

合計

2,215

2.9

1,083

△23.1

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

ウ.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

基礎化学品事業

6,019

1.1

精密化学品事業

37,933

15.1

鉄系事業

2,513

△6.7

商事事業

2,315

10.1

設備事業

2,527

8.1

合計

51,309

11.4

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

Samsung Electronics Co., Ltd.

6,818

14.8

9,396

18.3

 

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

文中における将来に関する記述は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成にあたって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4.会計方針に関する事項」に記載のとおりであります。

 

② 財政状態の分析

当連結会計年度末の総資産は706億68百万円となり、前期末に比べ98億77百万円増加しました。

(流動資産)

流動資産は403億84百万円で、前期末に比べ71億01百万円増加しました。その主な要因は、現金及び預金が29億34百万円、たな卸資産が19億32百万円、受取手形及び売掛金が17億11百万円増加したためであります。

(固定資産)

固定資産は302億83百万円で、前期末に比べ27億75百万円増加しました。その主な要因は、繰延税金資産が2億91百万円減少した一方で、有形固定資産が16億51百万円、投資有価証券が11億93百万円増加したためであります。なお、有形固定資産の増加につきましては、主に精密化学品事業部門のうち半導体・液晶用特殊ガス類製造設備の成長投資やその他の維持投資によるものであります。

(流動負債)

流動負債は184億55百万円で、前期末に比べ31億88百万円減少しました。その主な要因は、電子記録債務が4億37百万円増加した一方で、1年内返済予定の長期借入金が25億97百万円、流動負債のその他が9億41百万円減少したためであります。

(固定負債)

固定負債は124億22百万円で、前期末に比べ64億44百万円増加しました。その主な要因は、長期借入金が63億88百万円増加したためであります。これは主に、精密化学品事業部門のうち半導体・液晶用特殊ガス類製造設備の成長投資やその他の維持投資の目的によるものであります。なお、受取手形割引高及び社債を含む有利子負債の残高は165億38百万円となり、前期末に比べ37億13百万円の増加となりました。

(純資産)

純資産合計は397億90百万円となり、前期末に比べ66億21百万円増加しました。その主な要因は、利益剰余金が当期純利益により55億41百万円、その他有価証券評価差額金が6億61百万円増加したためであります。

 

 

③ 経営成績の分析

当連結会計年度の売上高は513億09百万円となり、前期に比べ52億66百万円、11.4%の増加となりました。これは、鉄系事業部門が減収となった一方で、精密化学品事業部門のうち半導体・液晶用特殊ガス類が旺盛な需要により増収となったためであります。なお、事業別の売上の概要につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①業績」に記載のとおりであります。

売上原価は、原材料価格の上昇や減価償却費等の固定費の増加により52億35百万円増加しております。また、販売費及び一般管理費は輸送費等が増加しました。以上の結果、営業利益は90億47百万円となり、前期に比べ3億16百万円、3.4%の減少となりました。

営業外収益はデリバティブ評価益を計上したこと等により1億18百万円増加しております。また、営業外費用は為替差損が増加したこと等により2億21百万円増加しております。以上の結果、経常利益は89億96百万円となり、前期に比べ4億19百万円、4.5%の減少となりました。

特別利益は前期に投資有価証券売却益を計上したため60百万円減少しております。特別損失は固定資産除却損が減少したことにより12百万円減少しております。以上の結果、税金等調整前当期純利益は88億42百万円となりました。法人税等および非支配株主に帰属する当期純利益を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は61億16百万円となり、前期に比べ5億69百万円、8.5%の減少となりました。

 

④ 資本の財源および資金の流動性

ア.キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

イ.資金需要

当社グループの主な資金需要は、設備投資、子会社株式の取得等の長期資金ならびに原材料の購入、製造費用、販売費及び一般管理費等の運転資金であります。

ウ.財務政策

長期資金については自己資金のほかに金融機関からの長期借入、短期資金については自己資金のほかに金融機関からの短期借入による調達を基本としております。また、運転資金の効率的な調達・安定性に配慮し、取引銀行との間でコミットメントライン契約を締結しております。

なお、当社グループは、事業活動に必要な資金を安定的に確保することを基本方針としており、財務状況や金融・経済情勢に応じて最適と判断した手段により資金を調達しております。

 

⑤ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、平成28年度を初年度とする第10次中期経営計画(3ヵ年)において、最終年度の業績について以下の数値目標を設定しております。

数値目標(最終年度)

売上高  : (連結) 550億円

営業利益 : (連結) 100億円

本計画の2年目にあたる当連結会計年度の売上高は513億09百万円、営業利益は90億47百万円となりました。なお、当該目標達成に向けた経営戦略と課題につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題」に記載のとおりであります。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

特記すべき事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

平成28年4月より3ケ年にわたる第10次中期経営計画をスタートさせました。平成31年3月までの、この中期経営計画期間におきましては、「安全第一主義」、「稼ぐ関東電化」、「全員参加」の3つを、当社企業活動の基本課題として位置づけ、間断なく新製品を市場に提供する「創造的開発型企業」を目指して進めております。

研究開発部門における重点目標としては、「新規製品の早期創出」を掲げて取り組んでおります。これは会社として次の収益の柱となる新規製品を、更には新しい事業を創出し、育成していきたいという主旨であります。この重点目標を達成するために、経営資源を投入して研究開発を進めております。

当連結会計年度の研究体制としましては、営業と開発の一体化を図るために、平成29年4月に新製品開発本部を組織改編し、精密化学品開発部を設けました。これは開発活動が精密化学品各事業に連動したものとなるように意図したものです。営業部門からの情報がいち早く開発活動に反映できるよう、連携を強める開発体制にしました。また、同様に新設した開発企画部が、新規テーマの探索や事業化計画を策定し、個々の開発テーマを進捗管理していくと共に、基礎化学品事業と連動してテーマ探索活動を進めることにより、市場が期待する新製品を創出する開発体制を目指しています。また更に、新設の市場開発部は、電解、フッ素化、微細化、重合、コーティング技術などの各種コア技術を深耕した新製品、例えば、有機-無機ハイブリット材料などを開発し、市場に投入する活動に取り組んでおります。加えて、このような開発活動の中で創出された成果を整理し、事業戦略に沿った特許権利網の構築を研究・知的財産部が推進しております。これら4つの部門が、渋川開発研究所、水島開発研究所、および基礎研究所の3つの研究所と共に、各事業分野での“新規事業の創出”と“既存事業の強化”に取り組んでおります。

この第10次中期経営計画実行期間にあたる当連結会計年度の研究開発投資額は、11億30百万円でありました。

 

次に、主要研究テーマの概要および今後の方向性を以下に説明いたします。研究テーマは、半導体・液晶製造用の特殊ガス、電池材料、有機ファインケミカルズ、機能性フッ素系樹脂、鉄系材料・有機-無機ハイブリット材料の、主要5テーマであります。更に、これら以外の分野における新規材料の探索にも積極的に取り組んでおります。

 

(1) 半導体・液晶製造用の特殊ガス

現在、市場では半導体・液晶製造用ガスとして三フッ化窒素、四フッ化炭素、六フッ化タングステンおよびヘキサフルオロ-1,3-ブタジエン等の特殊ガスが使用されております。当社はこのような各種フッ素系ガス製品を、独自の特徴ある技術により開発し、世界でも有数の製造能力と品質とを合わせもつ半導体・液晶用特殊ガスメーカーであります。顧客密着によるタイムリーな開発を目標に、韓国に生産・開発拠点を設置する計画が進行中であります。上記各種製品の用途としては、主に、半導体基板の表面に回路パターンを刻むエッチング用途と、半導体製造装置や液晶製造装置の内面を清浄にするためのクリーニング用途があります。ムーアの法則に従って年々微細化が進む半導体分野において、当社では微細エッチング用のガス:C4F6(ヘキサフルオロ-1,3-ブタジエン)、COS(硫化カルボニル)、CH3F(モノフルオロメタン)等を開発し、市場に提供してまいりました。また、最近の3D化等の新技術や地球温暖化防止に対応する新規ガスや、パワー半導体用途の新規ガスの開発に注力しております。

 

(2) 電池材料

リチウムイオン二次電池(LiB)は、今後の飛躍的な成長が期待される車載用等の大型電池分野をターゲットに更なる高容量化、長寿命化、難燃化等の研究が盛んに行われており、当社も、LiB用電解質としてLiPF6(六フッ化リン酸リチウム)の開発に成功し、この分野に参入いたしました。また、LiPF6に続くLiB用の新しい電解質の開発も進める中で、LiBF4(ホウフッ化リチウム)を平成29年4月より市場に投入しました。

さらに、当社が得意とするフッ素化技術を利用して、高性能電解液用添加剤などの新規電池材料の開発を推進すると共に、次世代電池材料の探索も行ない、LiB用添加剤を中心としたラインナップ強化を図っております。

 

 

(3) 有機ファインケミカルズ

当社が得意とするフッ素化技術をはじめ様々な有機合成技術を活用して、フッ素原子を含有する高付加価値化合物の開発に取り組んでおります。受託合成にも積極的に取り組んでおり、平成25年には、幾つかの受託合成テーマをひと括りとした「有機機能性材料事業」を立ち上げました。将来の収益性確保を狙い、当社が得意とする技術、今まで培ってきた技術等を駆使し、独自製品の創出に取り組んでおります。

 

(4) 機能性フッ素系樹脂

撥水撥油性を特徴とするフッ素系高分子材料分野では、耐候性や防汚性に優れたフッ素系樹脂「エフクリア」(平成16年商標登録)を開発し、その特性を活かした品種ごとの市場開発を進めております。ニッチな分野での採用件数は年々徐々に伸びており、現在では特にその防汚性を活かしたユーザー毎の各種材質(住宅建材:バス、キッチン等)向けトップコートなどを中心に海外への展開も推進しております。さらに耐久性、耐擦傷性、延伸性等の市場ニーズにマッチングする特性を兼ね備えた高付加価値品の開発や新規用途の開拓(機能性フィルム用等)を顧客に密着する形で推進しております。

 

(5) 鉄系材料・有機-無機ハイブリット材料

導電性の鉄、フェライト、マグネタイト等をコア材とし、その表面に絶縁性の樹脂を各種コーティングした鉄系材料として、複写機、プリンター等画像形成装置向けの現像剤用キャリヤーを市場に投入しており、その開発には、研究部門、製造部門、および営業部門が連携して取り組んでおります。

一方、市場ニーズに即した新規鉄系材料、およびその新規用途の探索も進めており、長年に亘り培ってきた微細化技術を利用し開発に取り組んでいます。また、鉄系材料以外の材料をも組み合わせた有機-無機ハイブリット材料を開発中であり、現在、高分子材料と無機ナノ材料とを複合化した新しいハイブリット材料の開発も進めており、多方面への用途展開を目指しております。

 

(6) 新規材料の探索研究

基礎化学品事業の継続を図るために、平成29年より新規洗浄剤の開発を推進しており、顧客と密着して早期の市場投入を目指して取り組んでおります。

また、5~10年先の新規コア事業の創出を目的に、中・長期的な視点で、電子・情報通信分野、環境・エネルギー分野、およびライフサイエンス・ヘルスケア分野等の成長分野への研究開発を進めております。大学等の外部研究機関と連携しながら、当社独自の電解技術、フッ素化技術や有機・無機合成技術を基盤に新規技術や新規材料の開発を推進しております。そして、開発テーマの進捗管理の見える化を推進するため、開発活動にステージゲート制を導入しました。また、研究開発がスピードアップを図るため、AIを活用したマテリアルズインフォマティクスの構築にも取り組み、開発期間の短縮や、開発の効率化を図ってまいります。