当社グループは、「会社の永遠の発展を追求し、適正な利益を確保することにより、株主、ユーザー、従業員とともに繁栄する企業を目指して豊かな社会づくりに貢献する。」を経営の理念としております。これを実現するために、当社独自の技術と心のこもったサービスでユーザーの期待に応え、誠意・創造性・迅速な対応・自然との調和をモットーに、信頼される企業を築き上げるべく全社をあげて事業の発展に取り組んでまいります。
グローバル最適生産・販売体制を確立し、地産地消による利益最大化を実現する。また、海外生産拠点の安定稼働を実現させ、顧客密着と顧客提案力強化により新製品開発のスピードを加速させる。
既存技術の深化、革新的製造技術の確立、品質評価能力の向上により競合他社に負けない高品質とコストダウンを実現させる。また、急速なデジタル化の進展に対応するため、IoT・AIを活用した生産の革新、業務の効率化を推進する。
研究開発部門の活性化を図り多様な人材を育成するとともに、当社の基盤技術と優位性を活かした新規製品の開発を強化する。また、当社収益の柱となる製品の早期市場投入と、新事業創出を推進する。
「安全第一主義」を徹底し、グループ企業と一体となって長期的な成長を促す組織づくりを実現させる。また、グローバルな人材を確保し、育成を強化することで、海外事業戦略の拡大と充実を図る。
企業価値向上と社会的貢献を果たすためESG*、SDGs*を意識した経営を推進し、持続可能な社会の実現に貢献する。また、ダイバーシティ・マネジメントを推進し、多様な人材を育成するとともに、活気と働きがいのある職場を構築する。
*ESG :Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)の頭文字。企業経営や成長において、各々の観点を持った上で配慮が必要だという考え方。
*SDGs:「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称であり、平成27年9月に国連で開かれたサミットの中で世界のリーダーによって決められた、国際社会共通の目標。
(以下「本基本方針」といいます。)
当社は、公開会社として当社株式の自由な売買を認めております。従いまして、「当社の財務および事業の方針の決定を支配する者」を誰にするかは、最終的には株主の皆様のご意向が反映されるべきものと考えており、当社株券等の大規模買付行為につきましても、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の中長期的な確保・向上の観点から、不適切または不十分なものでない限り、これを否定するものではありません。
しかしながら、大規模買付者のなかには、当社取締役会や株主に対して、当該大規模買付者が「当社の財務および事業の方針の決定を支配する者」として適切か否かを判断するための十分な情報や時間を提供しない者もないとはいえません。また、大規模買付行為の目的等から見て、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に対して明白な侵害をもたらすものや、株主に対して当社株券等の売却を事実上強要するもの等、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の中長期的な確保・向上の観点から、不適切または不十分な者もないとはいえません。
以上より、当社取締役会は、大規模買付者に対して、当社が設定し事前に開示する一定のルール(以下「大規模買付ルール」といいます。)に従って、当該買付行為を開始するよう要請しております。
当社は、経営方針として、「会社の永遠の発展を追求し、適正な利益を確保することにより、株主、ユーザー、従業員と共に繁栄する企業を目指して豊かな社会づくりに貢献する。これを実現するために、当社独自の技術と心のこもったサービスでユーザーの期待に応え、誠意・創造性・迅速な対応・自然との調和をモットーに信頼される関東電化を築き上げる。」ことを掲げております。つまり、当社は、「企業価値を高めるとともに豊かな社会づくりに貢献する」ことを企業目標にしており、この実現のために、株主、地域社会、ユーザー、従業員等のステークホルダーの皆様と良好な関係を築くことに取り組んでおります。
また、当社の企業価値の源泉は、地道な研究活動から生み出される「当社独自の技術」であり、その土台は、「人を大切にする企業風土」と「まじめで誠実な従業員」と考えております。一方、昭和13年の会社設立以来、電解等の専門技術やノウハウ、とりわけ、高純度のフッ素を効率よく大量に発生させるフッ酸電解技術、および、電池材料、医農薬等幅広い応用分野を持つフッ素関連技術についての知識を蓄積し、今日に至っております。今後も、人材力を高めつつ、蓄積された専門技術等を活かして「当社独自の技術」を生み出し続け、企業価値を高めるとともに豊かな社会づくりに貢献してまいりたいと考えております。
当社は、本基本方針に沿って、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の中長期的な確保・向上を目的として、平成30年6月28日開催の株主総会において、「当社株券等の大規模買付行為への対応方針(買収防衛策)」(以下「本対応方針」といいます。)を決定し、そのなかで「大規模買付ルール」を定めております。その骨子は、ア.当社は、大規模買付者に対して大規模買付行為に関する必要かつ十分な情報の提供を求め、イ.当社取締役会のための一定の評価期間を確保した上で、ウ.当社取締役会が株主の皆様に当社経営陣の計画、代替案等の提示や、大規模買付者との交渉を行い、エ.当該大規模買付行為に対し対抗措置を発動するか否かについて原則として株主の皆様の意思を確認するための株主総会等を開催する手続を定め、かかる株主の皆様の意思を確認する機会を確保するため、大規模買付者には、ア.からエ.の手続が完了するまで大規模買付行為の開始をお待ちいただくことを要請する、というものです。
(注) なお、本対応方針の詳細については、当社ホームページ(https//www.kantodenka.co.jp/)で公表している平成30年5月15日付プレスリリース「当社株券等の大規模買付行為への対応方針(買収防衛策)に関するお知らせ」をご参照ください。
本対応方針は、大規模買付者が大規模買付行為に関する必要かつ十分な情報を当社取締役会に事前に提供すること、および当社取締役会のための一定の評価期間が経過し、株主の皆様に当社取締役会が対抗措置をとることの是非を、原則として株主総会等において直接的に確認した後にのみ当該大規模買付行為を開始することを求め、これを遵守しない大規模買付者に対して当社取締役会が対抗措置を講じることがあることを明記しています。また、大規模買付ルールが遵守されている場合であっても、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の中長期的な確保・向上の観点から、不適切または不十分なものと当社取締役会が判断した場合、原則として当社株主総会等における株主の皆様のご判断に基づいて、かかる大規模買付者に対して対抗措置を講じることがあることを明記しています。このように本対応方針は、本基本方針の考え方に沿って設計されたものであります。
本対応方針は、本基本方針の考え方に沿って設計され、当社株主の皆様が大規模買付行為に応じるか否かを判断するために必要な情報や当社取締役会の意見の提供、代替案の提示を受ける機会の提供を保障し、最終的には大規模買付行為の提案を受けた時点における株主の皆様により対抗措置の発動の是非を判断していただくことを目的としております。本対応方針によって、当社株主および投資家の皆様は適切な投資判断を行うことができますので、本対応方針は当社株主の共同の利益を損なうものではなく、むしろその利益に資するものであります。
本対応方針は、大規模買付行為を受け入れるか否かが最終的には当社株主の皆様の判断に委ねられるべきことを大原則としつつ、当社株主共同の利益を守るために必要な範囲で大規模買付ルールの遵守の要請や対抗措置の発動を行うものです。本対応方針は当社取締役会が対抗措置を発動する場合を事前かつ詳細に開示しており、当社取締役会による対抗措置の発動はかかる本対応方針に従って行われます。また、大規模買付行為に関して当社取締役会が対抗措置をとる場合には、原則として、株主総会等を開催して株主の判断を仰ぐこととしており、例外的に取締役会決議限りで判断を行う場合その他本対応方針に係る重要な判断に際しては、必要に応じて外部専門家等の助言を得るとともに、当社の業務執行を行う経営陣から独立している委員で構成される特別委員会へ諮問し、同委員会の勧告を最大限尊重するものとされています。このように、本対応方針には、当社取締役会による適正な運用を担保するための手続きも盛り込まれています。以上から、本対応方針が当社役員の地位の維持を目的とするものでないことは明らかであります。
当社グループの経営成績および財務状況等に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、ここに記載した事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループがリスクとして判断したものですが、当社グループに係る全てのリスクを網羅したものではありません。
当社グループの主力製品は半導体・液晶用フッ素系製品であり、半導体・液晶業界の動向が、業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループ製品の川下における技術革新により、関係する製品に対する需要そのものがなくなる可能性があります。
当社グループは、韓国・中国・台湾メーカーとの激しい競争を繰り広げております。当社製品の技術・品質面での優位性がなくなり、韓国・中国・台湾メーカーとの価格競争となった場合には、販売シェアのダウンまたは販売価格低下により、業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、東アジアを中心に海外事業活動を強化しておりますが、地域によっては政治的および社会的なリスクがあり、これらのリスクが発生した場合、業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、電力が最大の原材料であります。また、当社グループは、原材料として、リチウム化合物、無水フッ酸、タングステン、工業塩、エチレン等を購入しております。製造にあたっては、効率的な資材購入と製品価格への転嫁を図っておりますが、電力をはじめ原燃料の価格変動や調達状況が、業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、収益の柱となるような新規製品の開発に経営資源を投入しておりますが、開発が計画どおりに進捗しない場合や、開発した製品が市場投入時に市場ニーズにマッチしない場合には、業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、安全には万全を期しておりますが、万一、当社工場にて大規模事故災害が発生した場合には、社会的信用の失墜、補償などの費用の発生、生産活動停止に伴う機会損失等により、業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、安定運転、品質の維持に努めておりますが、製造トラブルや品質トラブルが発生し、その回復に時間がかかる場合には、業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、地震等の自然災害や感染症の流行に対しては各種訓練や防災対策、事業継続対策は行っておりますが、災害等により製造拠点等が影響を受けた場合には、業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、化学物質を取り扱う企業として環境対策に万全を期しておりますが、万一、有害物質が社外に流出した場合には、社会的信用の失墜、補償などの費用の発生、生産活動停止に伴う機会損失等により、業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループは、土壌・地下水汚染、大気汚染、水質汚濁、廃棄物処理等各種の環境規制に服しています。これらの規制の動向等により、過去、現在および将来の当社グループの事業活動に関し、法的または社会的責任の観点から対応を行う場合は、業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、金融機関から資金を調達しております。金利スワップによるヘッジは行っておりますが、金利が大幅に上昇した場合は金利負担が増加し、業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、事業活動を行うにあたって、各種の法令・規制に服しております。グループをあげてコンプライアンスの遵守に注力しておりますが、重大な法令違反があった場合には、業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、事業の優位性確保のため、新規開発技術の特許保護を重視する戦略をとっておりますが、開発した技術やノウハウの外部への流失や、知的財産権についての係争により、業績に影響を与える可能性があります。
「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
(1) 経営成績等の状況の概要
① 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、輸出や生産の一部に弱さがみられたものの、各種政策の効果もあり、緩やかな回復基調が続きました。一方、海外においては、通商問題の動向が世界経済に与える影響や、中国経済の不確実性、金融資本市場の変動リスクについても留意する必要があり、先行き不透明な状況が続きました。
化学工業におきましても、各種資源価格の上昇や、中国経済の減速等もあり、引き続き厳しい事業環境にありました。
このような情勢下におきまして、当社グループは、基礎化学品事業、精密化学品事業および鉄系事業の収益力を強化するとともに、当社の強みであるフッ素関連技術を活かした新規製品の開発に取り組んでまいりました。
当連結会計年度の売上高は、精密化学品事業部門の販売数量増加や、基礎化学品事業部門の価格修正効果などにより、552億00百万円と前期に比べ38億91百万円、7.6%の増加となりました。損益につきましては、経常利益は、95億90百万円と前期に比べ5億93百万円、6.6%の増加となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、65億52百万円と前期に比べ4億35百万円、7.1%の増加となりました。
(無機製品)
か性ソーダは、販売数量は減少したものの価格修正効果により、前期に比べ増収となりました。塩酸は、販売数量の減少により、前期に比べ減収となりました。
(有機製品)
塩素系有機製品につきましては、トリクロールエチレンは、販売数量の増加により、前期に比べ増収となりました。パークロールエチレンは、前期並の売上高となりました。
以上の結果、基礎化学品事業部門の売上高は、68億18百万円となり、前期に比べ7億99百万円、13.3%の増加となりました。営業損益につきましては、営業利益2億71百万円となりました(前期は営業損失44百万円)。
(特殊ガス製品)
半導体・液晶用特殊ガス類につきましては、三フッ化窒素は、販売数量の減少により、前期に比べ減収となりました。六フッ化タングステンは、販売数量の増加により、前期に比べ増収となりました。
(電池材料製品)
電池材料の六フッ化リン酸リチウムは、販売数量の増加により、前期に比べ増収となりました。
以上の結果、精密化学品事業部門の売上高は、414億00百万円となり、前期に比べ34億67百万円、9.1%の増加となりました。営業損益につきましては、原燃料費用の上昇や固定費の増加などにより、営業利益83億52百万円となり、前期に比べ1億04百万円、1.2%の減少となりました。
複写機・プリンターの現像剤用であるキャリヤーは、販売数量は減少したものの、新規製品への切り替えが進み、前期並の売上高となりました。鉄酸化物は、着色剤の販売減少により、前期に比べ減収となりました。
以上の結果、鉄系事業部門の売上高は、24億83百万円となり、前期に比べ29百万円、1.2%の減少となりました。営業損益につきましては、営業利益4億63百万円となり、前期に比べ83百万円、15.3%の減少となりました。
商事事業につきましては、化学工業薬品の販売増加により、前期に比べ増収となりました。
以上の結果、商事事業部門の売上高は、23億41百万円となり、前期に比べ26百万円、1.1%の増加となりました。営業損益につきましては、営業利益1億26百万円となり、前期に比べ32百万円、34.6%の増加となりました。
化学設備プラントおよび一般産業用プラント建設は、請負工事の減少により、前期に比べ減収となりました。
以上の結果、設備事業部門の売上高は、21億55百万円となり、前期に比べ3億72百万円、14.7%の減少となりました。営業損益につきましては、工事原価の改善により、営業利益3億42百万円となり、前期に比べ2億36百万円、222.4%の増加となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末(以下「前期末」という)に比べ49億36百万円増加し、180億90百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は、106億64百万円となりました(前年同期は72億43百万円の資金の獲得)。これは主に、売上債権の増加額が13億51百万円、たな卸資産の増加額が10億84百万円、法人税等の支払額が28億74百万円となったことにより減少した一方で、税金等調整前当期純利益が94億73百万円、減価償却費が50億50百万円となったことにより増加したものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、93億15百万円となりました(前年同期は74億72百万円の資金を使用)。これは主に、精密化学品事業部門のうち、半導体・液晶用特殊ガス類製造設備の成長投資やその他の維持投資ならびに海外子会社における製造設備の新設に伴う有形固定資産の取得によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により獲得した資金は、36億16百万円となりました(前年同期は30億43百万円の資金の獲得)。これは主に、長期借入金の返済による支出が12億71百万円、配当金の支払額が6億90百万円となった一方で、長期借入れによる収入が61億48百万円となったことによるものであります。なお、長期借入れによる収入につきましては、主に精密化学品事業部門のうち、半導体・液晶用特殊ガス類製造設備の成長投資やその他の維持投資ならびに海外子会社における製造設備の新設の目的によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、基本的に販売価格によっておりますが、設備事業の金額は、当連結会計年度の製造費用によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度の設備事業の受注状況を示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は816億01百万円となり、前期末に比べ109億80百万円増加しました。
(流動資産)
流動資産は469億64百万円で、前期末に比べ71億20百万円増加しました。その主な要因は、現金及び預金が49億55百万円、受取手形及び売掛金が10億76百万円、たな卸資産が9億89百万円増加したためであります。
(固定資産)
固定資産は346億36百万円で、前期末に比べ38億59百万円増加しました。その主な要因は、投資有価証券が19億50百万円減少した一方で、有形固定資産が51億68百万円、繰延税金資産が7億51百万円増加したためであります。なお、有形固定資産の増加につきましては、主に精密化学品事業部門のうち、半導体・液晶用特殊ガス類製造設備の成長投資やその他の維持投資ならびに海外子会社における製造設備の新設によるものであります。
(流動負債)
流動負債は202億54百万円で、前期末に比べ17億99百万円増加しました。その主な要因は、短期借入金が5億01百万円減少した一方で、支払手形及び買掛金が7億86百万円、流動負債のその他が13億73百万円増加したためであります。
(固定負債)
固定負債は172億46百万円で、前期末に比べ48億71百万円増加しました。その主な要因は、長期借入金が47億87百万円増加したためであります。これは主に、精密化学品事業部門のうち、半導体・液晶用特殊ガス類製造設備の成長投資やその他の維持投資ならびに海外子会社における製造設備の新設の目的によるものであります。受取手形割引高及び社債を含む有利子負債の残高は208億37百万円となり、前期末に比べ42億98百万円の増加となりました。
(純資産)
純資産合計は441億00百万円となり、前期末に比べ43億09百万円増加しました。その主な要因は、その他有価証券評価差額金が12億05百万円減少した一方、利益剰余金が当期純利益により58億56百万円増加したためであります。
③ 経営成績の分析
当連結会計年度の売上高は552億00百万円となり、前期に比べ38億91百万円、7.6%の増加となりました。これは、設備事業部門が減収となった一方で、精密化学品事業部門のうち半導体・液晶用特殊ガス類が旺盛な需要により増収となったためであります。なお、事業別の売上の概要につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①業績」に記載のとおりであります。
売上原価は、原材料価格の上昇や減価償却費等の固定費の増加により30億62百万円増加しております。また、販売費及び一般管理費は輸送費等が増加しました。以上の結果、営業利益は94億47百万円となり、前期に比べ4億00百万円、4.4%の増加となりました。
営業外収益は前期にデリバティブ評価益を計上したこと等により12百万円減少しております。また、営業外費用は前期に為替差損を計上したことにより2億05百万円減少しております。以上の結果、経常利益は95億90百万円となり、前期に比べ5億93百万円、6.6%の増加となりました。
特別利益は投資有価証券売却益を計上したため66百万円増加しております。特別損失は固定資産除却損が増加したことにより27百万円増加しております。以上の結果、税金等調整前当期純利益は94億73百万円となりました。法人税等および非支配株主に帰属する当期純利益を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は65億52百万円となり、前期に比べ4億35百万円、7.1%の増加となりました。
④ 資本の財源および資金の流動性
ア.キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
イ.資金需要
当社グループの主な資金需要は、設備投資、子会社株式の取得等の長期資金ならびに原材料の購入、製造費用、販売費及び一般管理費等の運転資金であります。
ウ.財務政策
長期資金については自己資金のほかに金融機関からの長期借入、短期資金については自己資金のほかに金融機関からの短期借入による調達を基本としております。また、運転資金の効率的な調達・安定性に配慮し、取引銀行との間でコミットメントライン契約を締結しております。
なお、当社グループは、事業活動に必要な資金を安定的に確保することを基本方針としており、財務状況や金融・経済情勢に応じて最適と判断した手段により資金を調達しております。
⑤ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
特記すべき事項はありません。
平成28年4月から平成31年3月までの第10次中期経営計画におきましては、「新規製品の早期創出」を重点目標に掲げて研究開発に取り組んだ結果、2品目の新規製品を上市いたしました。第11次中期経営計画におきましては、複数製品の上市を目標に研究開発を進めております。
研究開発体制に関しましては、精密化学品開発部を各事業と連動させ顧客密着型の開発を強化することにより、事業化を加速してきました。市場開発部は、自社技術を深耕した新製品の市場投入に向けて活動しております。開発企画部は、研究開発計画の立案から評価までを統括管理しております。研究・知的財産部は、事業戦略に沿った特許権利網の構築に取り組んでおります。これら4部門が、渋川開発研究所、水島開発研究所、及び基礎研究所の3研究所と連携して研究開発活動に取り組んでおります。
この第10次中期経営計画実行期間にあたる当連結会計年度の研究開発投資額は、
次に、研究開発テーマの概要及び今後の方向性を説明します。
「既存事業の強化」を目的に半導体・液晶製造用特殊ガス、電池材料、有機機能性材料、基礎化学品及び鉄系材料分野における新製品開発を推進するとともに、「新規事業の創出」を目的とした機能性フッ素系樹脂や有機‐無機ハイブリッド材料等の新規事業分野の開拓にも積極的に取り組んでいきます。
現在、半導体・液晶市場ではNF3(三フッ化窒素)、CF4(四フッ化炭素)、及びWF6(六フッ化タングステン)等の各種フッ素系特殊ガスが、シリコン基板表面に回路パターンを刻むエッチング用途、及び製造装置内面のクリーニング用途に使用されています。当社は独自の技術によりこれらの特殊ガス製品を開発してまいりました。ムーアの法則に従って年々微細化が進む半導体分野においては、微細エッチング用のガスとして、C4F6(ヘキサフルオロ-1,3-ブタジエン)、COS(硫化カルボニル)やCH3F(モノフルオロメタン)等を開発し、市場に提供してまいりました。さらに、近年の3D化や地球温暖化防止に対応する新規ガスや、配線用途及びパワー半導体用途の新規材料開発にも注力しております。また、世界有数の製造能力と品質とを合わせもつ半導体・液晶用特殊ガスメーカーである当社では、顧客に密着したタイムリーな開発を促進するため、平成29年に韓国に生産・開発拠点の設置を決定いたしました。
リチウムイオン二次電池(LiB)業界では、今後の飛躍的な成長が期待される車載用等の大型電池分野をターゲットに更なる高容量化、長寿命化、難燃化等の研究が盛んに行われており、当社でもLiB用電解質LiPF6(六フッ化リン酸リチウム)の開発に成功し、この分野に参入いたしました。また、LiPF6に続く新製品として、LiBF4(ホウフッ化リチウム)を平成29年4月より市場に投入いたしました。現在、高性能電解液用の各種添加剤を開発中であり、ラインナップ強化を図っていく計画です。さらに、次世代電池材料の探索も行なっており、電池材料事業の拡大を目指してまいります。
当社が得意とするフッ素化技術をはじめ様々な有機合成技術を活用した事業展開を目的として、平成25年に複数の受託テーマをひと括りとした「有機機能性材料事業」を立ち上げ、平成29年には1製品を追加いたしました。現在は、市況や顧客ニーズの変化に合わせ、将来の収益性を確保できるようポートフォリオの再構築を行なっております。
基礎化学品事業の収益力強化を目的に、新規製品の開発に着手しております。環境規制対象となっている既存製品の代替を目指し、鋭意検討を進めております。
当社では、導電性の鉄、フェライト、マグネタイト等のコア材表面に各種絶縁性樹脂をコーティングした現像剤用キャリヤーを複写機、プリンター等画像形成装置市場に提供しております。さらに、このコーティング技術を活かした新規鉄系材料の開発、及びその用途開拓を推進することで鉄系事業の拡大を目指します。
「新規事業の創出」に関しては、耐候性や防汚性に優れた撥水撥油性のフッ素系樹脂「エフクリア」(平成16年商標登録)を開発し、機能に応じて市場開発を進めております。ニッチ分野に加え、自動車向けトップコート等を中心に国内外への展開を図ることにより、採用件数は年々増えております。さらに、市場ニーズを先取りした高機能を備えた高付加価値品の開発や新規用途の開拓にも取り組んでおります。
また、鉄系事業で培ってきた微細化技術をベースに開発した無機ナノ材料、及び無機ナノ化合物と高分子化合物を複合化した有機‐無機ハイブリッド材料の開発も進めており、多方面への用途展開を目指しております。
さらに、5~10年先の新規コア事業の創出を目的に、電子・情報通信分野、環境・エネルギー分野、及びライフサイエンス・ヘルスケア分野における当社の独自技術を活かした製品開発に長期的視点で取り組んでおります。
研究開発テーマの進捗管理の見える化を推進するため、平成29年度にステージゲート制を導入しました。また、研究開発の効率化とスピードアップを図るため、平成30年度よりAIを活用したマテリアルズインフォマティクスの構築にも着手しております。