当社グループは、「会社の永遠の発展を追求し、地球環境との調和を図りながら適正な利益を確保することにより、株主、ユーザー、従業員と共に繁栄する企業を目指して持続可能な社会づくりに貢献する。」を経営の理念としております。これを実現するために、当社独自の技術と心のこもったサービスでユーザーの期待に応え、誠意・創造性・迅速な対応・自然との調和をモットーに、信頼される企業を築き上げるべく全社をあげて事業の発展に取り組んでまいります。
a.市場成長に対応する能力増強(半導体・液晶向け特殊ガス、電池材料)
b.顧客が求める(高性能、低GWP※)半導体ガス製品の市場投入
c.海外拠点との有機的連携
d.半導体ガス製品、電池材料製品の開発力強化
e.原料から最終製品までのグループ内一貫生産体制構築
※GWP:Global Warning Potential(地球温暖化係数)の頭文字。二酸化炭素を基準にして、ほかの温室効果ガスがどれだけ温暖化する能力があるか表した数字。
a.DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進による生産性向上
b.品質保証能力の向上
a.人材開発、戦略的教育プログラムの導入
b.社員のwell-being追及(働きがいを実感)
c.ジェンダー、多様性の推進
a.サステナビリティに対する活動推進
b.エネルギー多消費型製品事業の縮小と脱炭素への取組強化
c.リサイクルの推進
半導体・液晶向け特殊ガスにおいては、デジタル社会の進展を受けて長期的な成長が期待できる最先端エッチング・低GWP値ガスへの要望に応え、投資・開発を加速させていきます。
また、技術をリードすることにより成長を継続させ、需要の広がりとともに製造拠点の分散化・BCP対策を進め、顧客のニーズに応えていきます。
電池材料においては、EV需要の急増を受け供給数量の大幅な拡大を要請されています。今後、増産投資を継続していくとともに生産性の高い最先端の技術を開発し、より一層のコストダウンを進め顧客需要に応えていきます。
また、開発を進めている使用済みリチウムイオン2次電池からリチウムを再資源化する技術を世界規模で実現し、脱炭素・循環型社会に貢献していきます。
基礎化学品事業は、当社の基盤事業として原料供給機能の強化とキャッシュ・フローの最大化を図っていきます。
鉄系事業は、成長率の高い地域と製品に経営資源を集中させていきます。
また、グローバル展開を加速させ、再び成長軌道に乗せる事業展開を図っていきます。
研究開発部門は、新規製品の継続的な投入を果たし、「2024年度開発品売上高:50億円」を目指し取り組んでいきます。
開発重点テーマ
a.新事業開発分野<先端技術を支える材料>
・新電池材料、半導体材料、フッ化物、塩化物
・医療用材料
・通信用材料としての低誘電率材料
b.生産技術の開発<既存事業・新事業を支える技術>
・リサイクル(リチウム、リン、フッ素、タングステン他)
・環境改善技術(電解技術活用による省エネ、サステナビリティ)
・マテリアルズ・インフォマティクス(MI)計算ソフトによる開発支援
・既存事業の周辺技術、フッ素系ガスの原料製造、新製造技術
内部留保資金は、自己資本比率50%を目途に財務の健全性を確保しつつ、経営基盤の強化や成長分野への投資に優先して使用します。配当につきましては、配当性向20%を目安に適正な配当を継続して実施し、資本コストを意識した経営に努めます。
精密化学品の拡大を一層進めることにより成長を加速するとともに、温室効果ガス排出の削減と脱炭素に向けた技術開発を進め、サステナブルな社会に貢献する「創造的開発型企業」へ成長する。
a.精密化学品事業の成長を果たしながら、CO2排出原単位を改善
b.再生可能エネルギーの投入
c.プロダクトミックスによるCO2排出削減
d.環境配慮型製品の開発推進
2013年度比30%削減を目標とする。(Scope1、Scope2対象)
当社グループの経営成績および財務状況等に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、ここに記載した事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループがリスクとして判断したものですが、当社グループに係る全てのリスクを網羅したものではありません。
当社グループの主力製品は半導体・液晶用フッ素系製品であります。半導体・液晶業界は循環的な市況変動が大きい業界であり、需給環境に大きな変化があった場合、業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループ製品の川下における技術革新により、関係する製品に対する需要そのものがなくなる可能性があります。
当社グループは、韓国・中国・台湾等のメーカーとの激しい競争を繰り広げております。競争力の維持・強化に向けた様々な取り組みを進めておりますが、当社製品の技術・品質面での優位性がなくなり、競合メーカーとの価格競争となった場合には、販売シェアのダウンまたは販売価格低下により、業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、東アジアを中心に海外事業活動を強化しておりますが、予期しない法令または規制の変更、政治および社会情勢の変化、テロ、感染症等のリスクがあり、これらのリスクが発生した場合、業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、電力が最大の原材料であります。また、当社グループは、原材料として、リチウム化合物、無水フッ酸、タングステン、工業塩、エチレン、重油等を購入しております。製造にあたっては、効率的な資材購入と製品価格への転嫁を図っておりますが、電力をはじめ原燃料の価格変動や調達状況が、業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、収益の柱となるような新規製品の開発に経営資源を投入しておりますが、開発が計画どおりに進捗しない場合や、開発した製品が市場投入時に市場ニーズにマッチしない場合には、業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、安全には万全を期しておりますが、万一、当社工場にて大規模事故災害が発生した場合には、社会的信用の失墜、補償などの費用の発生、生産活動停止に伴う機会損失等により、業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、安定運転、品質の維持に努めておりますが、製造トラブルや品質トラブルが発生し、その回復に時間がかかる場合には、業績に影響を与える可能性があります。また、生産物賠償責任保険には加入しておりますが、この保険が最終的に負担する全ての費用を十分にカバーできない可能性があります。
当社グループは、地震等の自然災害や感染症の流行に対しては各種訓練や防災対策、事業継続対策は行っておりますが、災害等により製造拠点等が影響を受けた場合には、業績に影響を与える可能性があります。
新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大は、社会活動や経済活動に多大な影響を及ぼしております。当社グループは、社長を本部長とする緊急対策本部を立ち上げ、本感染症に対するリスク管理対応を行っておりますが、従業員が本感染症に罹患した場合や、物流網の停滞により原材料の調達に遅延が生じた場合、生産活動が一時的に停止し、業績に影響を与える可能性があります。また、顧客の事業活動の停止や生産計画の見直しにより当社製品の需要が減少した場合、売上高が減少し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、製造設備など多数の固定資産を有しておりますが、今後、各製品において事業収益性が大幅に悪化した場合や、保有資産の時価が著しく低下した場合等は、減損損失の計上が必要となり、業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、化学物質を取り扱う企業として環境対策に万全を期しておりますが、万一、有害物質が社外に流出した場合には、社会的信用の失墜、補償などの費用の発生、生産活動停止に伴う機会損失等により、業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループは、土壌・地下水汚染、大気汚染、水質汚濁、廃棄物処理等各種の環境規制に服しています。これらの規制の動向等により、過去、現在および将来の当社グループの事業活動に関し、法的または社会的責任の観点から対応を行う場合は、業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、金融機関から資金を調達しております。種々の借入条件を組み合わせることで、急激な金利変動に備えておりますが、金利が大幅に上昇した場合は金利負担が増加し、業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、事業活動を行うにあたって、各種の法令・規制に服しております。グループをあげてコンプライアンスの遵守に注力しておりますが、重大な法令違反があった場合には、業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、事業の優位性確保のため、新規開発技術の特許保護を重視する戦略をとっておりますが、開発した技術やノウハウの外部への流失や、知的財産権についての係争により、業績に影響を与える可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
① 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、各種政策の効果により持ち直しの動きが見られたものの、依然として厳しい状況にありました。海外においても、新型コロナウイルス感染症の感染再拡大が経済活動に与える影響に加え、地政学リスクの高まりや金融資本市場の変動等にも留意する必要があり、先行き不透明な状況が続きました。
化学工業におきましても、需要回復の動きは見られたものの、原燃料価格の上昇や物流網の混乱等により、引き続き厳しい事業環境にありました。
このような情勢下におきまして、当社グループは、基礎化学品事業、精密化学品事業および鉄系事業の収益力を強化するとともに、当社の強みであるフッ素関連技術を活かした新規製品の開発に取り組んでまいりました。
当期の売上高は、主に精密化学品事業部門が増収となったため、622億86百万円と前期に比べ103億59百万円、19.9%の増加となりました。損益につきましては、経常利益は、111億45百万円と前期に比べ55億62百万円、99.6%の増加となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、77億62百万円と前期に比べ41億57百万円、115.3%の増加となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しております。この結果、従来の会計処理と比べ、売上高は242百万円減少し、売上原価は203百万円減少し、営業利益、経常利益及び税金等調整前当期純利益はそれぞれ38百万円減少しております。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(会計方針の変更)」をご参照ください。
(無機製品)
か性ソーダおよび塩酸は、販売価格は低下したものの販売数量の増加により、前期に比べ増収となりました。
(有機製品)
有機製品につきましては、トリクロールエチレンは、価格修正効果により、前期に比べ増収となりました。パークロールエチレンは、販売数量は減少したものの価格修正効果により、前期に比べ増収となりました。
以上の結果、基礎化学品事業部門の売上高は、79億66百万円となり、前期に比べ21億90百万円、37.9%の増加となりました。営業損益につきましては、営業損失69百万円となりました(前期は営業損失2億40百万円)。
(特殊ガス製品)
半導体・液晶用特殊ガス類につきましては、三フッ化窒素は、販売数量は減少したものの価格修正効果により、前期に比べ増収となりました。六フッ化タングステンは、販売数量は増加したものの販売価格の低下により、前期に比べ減収となりました。ヘキサフルオロ-1,3-ブタジエンは、販売価格は低下したものの販売数量の増加により、前期に比べ増収となりました。
(電池材料製品)
電池材料の六フッ化リン酸リチウムは、販売数量の増加と価格修正効果により、前期に比べ増収となりました。
以上の結果、精密化学品事業部門の売上高は、490億00百万円となり、前期に比べ86億66百万円、21.5%の増加となりました。営業損益につきましては、営業利益100億42百万円となり、前期に比べ46億71百万円、87.0%の増加となりました。
複写機・プリンターの現像剤用であるキャリヤーは、販売数量の増加により、前期に比べ増収となりました。鉄酸化物は、着色剤の販売増加により、前期に比べ増収となりました。
以上の結果、鉄系事業部門の売上高は、25億80百万円となり、前期に比べ7億52百万円、41.2%の増加となりました。営業損益につきましては、営業利益5億39百万円となり、前期に比べ3億33百万円、161.3%の増加となりました。
商事事業につきましては、当期より収益認識に関する会計基準を適用した影響等により、前期に比べ減収となりました。
以上の結果、商事事業部門の売上高は、8億37百万円となり、前期に比べ15億76百万円、65.3%の減少となりました。営業損益につきましては、営業利益1億94百万円となり、前期に比べ41百万円、27.4%の増加となりました。
化学設備プラントおよび一般産業用プラント建設の売上高は、請負工事の増加により前期に比べ増収となりました。
以上の結果、設備事業部門の売上高は、19億01百万円となり、前期に比べ3億25百万円、20.7%の増加となりました。営業損益につきましては、営業利益3億79百万円となり、前期に比べ1億35百万円、55.3%の増加となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末(以下「前期末」という)に比べ30億33百万円増加し、263億72百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は、111億76百万円となりました(前年同期は119億84百万円の資金の獲得)。これは主に、税金等調整前当期純利益が111億60百万円、減価償却費が66億80百万円となったことにより増加した一方で、売上債権の増加額が32億86百万円、棚卸資産の増加額が24億17百万円となったことにより減少したものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、111億20百万円となりました(前年同期は98億72百万円の資金を使用)。これは主に、精密化学品事業の成長投資及び維持投資に伴う有形固定資産の取得によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により獲得した資金は、24億16百万円となりました(前年同期は43億50百万円の資金の獲得)。これは主に、長期借入れによる収入が89億88百万円となった一方で、長期借入金の返済による支出が53億09百万円となったことによるものであります。なお、長期借入れによる収入につきましては、主に精密化学品事業の成長投資及び維持投資に使用予定であります。
③ 生産、受注及び販売の状況
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、基本的に販売価格によっておりますが、設備事業の金額は、当連結会計年度の製造費用によっております。
当連結会計年度の設備事業の受注状況を示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(注) 当連結会計年度のキオクシア株式会社に対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
なお、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大による影響は不確実性が大きく、当社グループの業績に与える影響額を合理的に算定することが困難ではありますが、提出日現在で入手可能な情報を基に検証等を行っております。
(固定資産の減損)
固定資産の減損損失の認識に際して用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、回収可能性の判断にあたり、現時点で入手可能な情報に基づいた将来の課税所得を見積り、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ課税所得が減少した場合、繰延税金資産が取り崩されて税金費用が増加する可能性があります。
(退職給付費用)
退職給付費用および債務の計算は、数理計算上で設定される前提条件に基づき算出されております。これらの前提条件には、割引率、利息費用、年金資産の長期期待運用収益率、死亡率などの要素が含まれております。実際の結果がこれらの前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、当社グループの退職給付費用および債務に影響を与える可能性があります。
② 財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は1,099億02百万円となり、前期末に比べ175億77百万円増加しました。
(流動資産)
流動資産は617億05百万円で、前期末に比べ110億04百万円増加しました。その主な要因は、受取手形、売掛金及び契約資産(前連結会計年度は「受取手形及び売掛金」)が31億17百万円、現金及び預金が30億44百万円、棚卸資産が25億50百万円増加したためであります。
(固定資産)
固定資産は481億96百万円で、前期末に比べ65億72百万円増加しました。その主な要因は、有形固定資産が67億90百万円増加したためであります。なお、有形固定資産の増加につきましては、主に精密化学品事業の成長投資及び維持投資によるものであります。
(流動負債)
流動負債は272億65百万円で、前期末に比べ65億27百万円増加しました。その主な要因は、支払手形及び買掛金が22億00百万円、未払法人税等が20億48百万円、流動負債のその他が17億09百万円増加したためであります。
(固定負債)
固定負債は227億27百万円で、前期末に比べ35億64百万円増加しました。その主な要因は、長期借入金が31億16百万円増加したためであります。受取手形割引高及び社債を含む有利子負債の残高は309億11百万円となり、前期末に比べ39億43百万円の増加となりました。
(純資産)
純資産合計は599億08百万円となり、前期末に比べ74億85百万円増加しました。その主な要因は、利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純利益により68億99百万円増加したためであります。
③ 経営成績の分析
当連結会計年度の売上高は622億86百万円となり、前期に比べ103億59百万円、19.9%の増加となりました。これは、主に当社が成長基盤事業と位置付けている精密化学品事業の販売数量増加により増収となったためであります。
なお、事業別の売上の概要につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①業績」に記載のとおりであります。
売上原価は、販売数量の増加や原材料価格の上昇により40億58百万円増加しております。また、販売費及び一般管理費は人件費や租税公課等が増加しました。以上の結果、営業利益は111億64百万円となり、前期に比べ54億95百万円、97.0%の増加となりました。
営業外収益は為替差益が増加したこと等により2億32百万円増加しております。また、営業外費用は支払利息が増加したこと等により1億65百万円増加しております。以上の結果、経常利益は111億45百万円となり、前期に比べ55億62百万円、99.6%の増加となりました。
特別利益は投資有価証券売却益を計上したことにより1億31百万円増加しております。特別損失は前期に投資有価証券評価損を計上したこと等により2億87百万円減少しております。以上の結果、税金等調整前当期純利益は111億60百万円となりました。法人税等および非支配株主に帰属する当期純利益を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は77億62百万円となり、前期に比べ41億57百万円、115.3%の増加となりました。
④ 資本の財源および資金の流動性
ア.キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
イ.資金需要
当社グループの主な資金需要は、設備投資、子会社株式の取得等の長期資金ならびに原材料の購入、製造費用、販売費及び一般管理費等の運転資金であります。
資金調達の方法及び状況ならびに資金の主要な使途を含む資金需要の動向につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題 ④ 財務戦略」に記載のとおりであります。
ウ.財務政策
長期資金については自己資金のほかに金融機関からの長期借入、短期資金については自己資金のほかに金融機関からの短期借入による調達を基本としております。また、運転資金の効率的な調達・安定性に配慮し、取引銀行との間でコミットメントライン契約を締結しております。
なお、当社グループは、事業活動に必要な資金を安定的に確保することを基本方針としており、財務状況や金融・経済情勢に応じて最適と判断した手段により資金を調達しております。
⑤ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2022年度を初年度とする第12次中期経営計画(3ヵ年)において、最終年度の連結経営指標について以下の数値目標を設定しております。
特記すべき事項はありません。
2019年4月から始まりました第11次中期経営計画におきましては、複数製品の上市を目標に掲げるとともに、当社の既存技術と、新たに導入する技術を融合させ、当社だからこそ活かせる独自技術の構築を推進してまいりました。
2021年度の具体的な活動内容として、半導体・液晶製造用特殊ガスおよび電池材料の分野をけん引している精密化学品開発部を新製品開発本部から事業本部へ編入し、顧客密着型の開発活動をそれぞれの本部の連携により進めております。基礎化学品事業分野の新規製品開発および有機機能材料製品の開発につきましては、市場開発部が中心となり、自社技術を深耕した新製品の市場投入に向けた活動を行っております。新規事業分野の探索および研究開発計画の立案から評価までの統括管理は、開発企画部が遂行しております。研究・知的財産部は、開発戦略に沿った特許権利網の構築に取り組んでおります。これら4部門と総合開発センター、総合開発センター渋川開発室、および総合開発センター水島開発室とが相互連携することで研究開発活動に取り組んでおります。
この第11次中期経営計画実行期間にあたる当連結会計年度の研究開発投資額は、1,488百万円でありました。
次に、研究開発テーマの概要および今後の方向性を説明します。
「既存事業の強化」を目的に半導体・液晶製造用特殊ガスと電池材料については事業本部と連携することにより新製品開発のスピードアップを図っていきます。
それと並行して、SDGsの概念に基づいた将来の製品開発のための基礎検討を推進します。具体的には半導体産業、エネルギー関係、環境対応製品および医療分野において、当社の優位性・独自性を活かした製品開発を目指しております。
現在、半導体・液晶市場ではNF3(三フッ化窒素)、CF4(四フッ化炭素)、およびWF6(六フッ化タングステン)等の各種フッ素系特殊ガスが、シリコン基板表面に回路パターンを刻むエッチング用途、および製造装置内面のクリーニング用途に使用されています。当社は独自の技術によりこれらの特殊ガス製品を開発してまいりました。年々微細化が進む半導体分野においては、微細エッチング用のガスとして、C4F6(ヘキサフルオロ-1,3-ブタジエン)、COS(硫化カルボニル)やCH3F(モノフルオロメタン)等を開発し、市場に提供してまいりました。さらに、近年の3D化や地球温暖化防止に対応する新規ガスや、配線用途およびパワー半導体用途の新規材料開発にも注力しております。また、世界有数の製造能力と品質とを合わせもつ半導体・液晶用特殊ガスメーカーである当社では、顧客に密着したタイムリーな開発を促進するため、2017年に韓国に拠点を設置し、現在は生産を開始しております。また、開発に関しては各種設備の設置に向けた準備を行っています。
リチウムイオン二次電池(LiB)業界では、今後の飛躍的な成長が期待される車載用等の大型電池分野をターゲットに更なる高容量化、長寿命化、難燃化等の研究が盛んに行われており、当社でもLiB用電解質LiPF6(六フッ化リン酸リチウム)の開発に成功し、この分野に参入いたしました。また、LiPF6に続く新製品として、LiBF4(ホウフッ化リチウム)を2017年4月より市場に投入いたしました。現在、高性能電解液用の各種添加剤を開発中であり、ラインナップ強化を図っていく計画です。さらに、次世代電池材料の探索も行なっており、電池材料事業の拡大を目指してまいります。
当社が得意とするフッ素化技術をはじめ様々な有機合成技術を活用した展開を目的とした事業展開を進めております。将来の収益性を確保していくために自社原材料や技術を用いた当社独自の付加価値を加えた新製品開発を推進することで、事業拡大を目指してまいります。
基礎化学品事業の収益力強化を目的に、新規製品の開発に着手しております。環境規制対象となっている既存製品の代替を目指し、鋭意検討を進めております。
当社では、導電性の鉄、フェライト、マグネタイト等のコア材表面に各種絶縁性樹脂をコーティングした現像剤用キャリヤーを複写機、プリンター等画像形成装置市場に提供しております。さらに、当社においてこれまでに培ってきた技術を活かした新規材料の開発、およびその用途開拓を推進することで鉄系事業の拡大を目指します。
SDGsの概念に基づいて、当社の独自性を活かし、競合他社に対して優位性を発揮できる新規材料の創出と、当社の基盤技術から派生する新しい技術開発を推進しております。
さらに、5~10年先の新規コア事業の創出を目的に、半導体産業、エネルギー関係、環境対応製品および医療分野における当社の独自技術を活かした製品開発に長期的視点で取り組んでおります。
「新しい技術開発」につきましては、ESGを考慮した環境対応技術やリサイクル技術の開発を目標に、自社開発や外部研究機関との連携により推進してまいります。
研究開発の効率化に関する施策は、以下のとおりです。
昨今のコロナ禍において、顧客とのオンライン面談や、学会・セミナーのオンライン参加を積極的に実施しております。
開発担当者が自由な発想で独創的な開発テーマを行えるように、業務時間のうちの20%を自由な時間に充当した「20%ルール」の運用を継続しております。
AIによる材料設計プラットフォームを構築し、開発テーマへの展開や、計算ソフトによる分子設計や物性予測による開発支援を行っております。
その他、社内外の開発リソースの効率的な運用による開発促進を目的に、大学などの外部研究機関との共同研究も積極的に推進してまいります。