第2 【事業の状況】

1 【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2 【経営上の重要な契約等】

当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。

 

3 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社および連結子会社)が判断したものであります。

 

(1) 業績の状況

当第1四半期連結累計期間のわが国経済は、個人消費や輸出、生産が持ち直すなど、景気は緩やかに回復しました。世界経済は、全体として緩やかな回復基調が続きました。
 このような経済環境のもと、当社グループは、国内外での拡販やコストの削減に努め、業容の拡大と収益の確保に注力いたしました。この結果、当第1四半期連結累計期間の業績は、クロロプレンゴムや電子・先端プロダクツ製品を中心に販売数量が増加したほか、原材料価格の上昇に応じた販売価格の改定により、売上高は905億88百万円と前年同期に比べ86億3百万円(10.5%)の増収となりました。収益面では、販売数量の増加が収益拡大に寄与し、営業利益は64億30百万円(前年同期比21億35百万円増、49.7%増益)となりました。また、経常利益は73億89百万円(前年同期比50億24百万円増、212.5%増益)、親会社株主に帰属する四半期純利益は60億43百万円(前年同期比38億10百万円増、170.7%増益)と第1四半期連結累計期間として過去最高益となりました。
 報告セグメントおよびその他事業の業績は次のとおりであります。なお、当第1四半期連結会計期間より、従来の4区分に「ライフイノベーション」を加えた5区分の報告セグメントに変更しております。平成29年4月1日付でデンカグループのすべての健康関連事業を統括する「ライフイノベーション部門」を新設したことに伴い、「ライフイノベーション」セグメントを新たに設け、従来「生活・環境プロダクツ」に区分していた健康関連事業を「ライフイノベーション」セグメントに移管しています。当第1四半期連結会計期間の比較・分析は変更後の区分によって行っております。
 

<エラストマー・機能樹脂部門>
 クロロプレンゴムは販売数量増や採算是正を目的とした価格改定により増収となりました。スチレンモノマーやABS樹脂、デンカシンガポール社のポリスチレン樹脂等の販売も堅調に推移しました。
 この結果、当セグメントの売上高は425億99百万円(前年同期比72億20百万円増(20.4%増))、営業利益は30億92百万円(前年同期比8億75百万円増(39.5%増))となりました。
 
<インフラ・ソーシャルソリューション部門>
 農業土木用コルゲート管やセメントは販売数量が増加し増収となり、特殊混和材や肥料、耐火物・鉄鋼用材料の販売も堅調に推移しました。
 この結果、当セグメントの売上高は123億53百万円(前年同期比11億93百万円増(10.7%増))、営業利益は3億10百万円(前年同期は2億1百万円の営業損失)となりました。
 
<電子・先端プロダクツ部門>
 LED用サイアロン蛍光体“アロンブライト” や電子部品・半導体搬送用部材の機能フィルムは旺盛な需要により出荷増となり、半導体封止材向け球状溶融シリカフィラーや球状アルミナの販売も増加しました。また、電子回路基板の販売も前年を上回りました。
 この結果、当セグメントの売上高は127億97百万円(前年同期比19億62百万円増(18.1%増))、営業利益は24億83百万円(前年同期比10億13百万円増(68.9%増))となりました。

 


<生活・環境プロダクツ部門>
 プラスチック雨どいや工業用テープは販売数量が増加し増収となり、食品包材用シートやデンカポリマー株式会社の加工品も堅調に推移しましたが、合繊かつら用原糸“トヨカロン”の販売は前年を下回りました。
 この結果、当セグメントの売上高は102億60百万円(前年同期比62百万円減(0.6%減))、営業利益は4億1百万円(前年同期比96百万円減(19.3%減))となりました。
 
<ライフイノベーション部門>
 デンカ生研株式会社の試薬の販売は国内、輸出とも前年を上回りました。
 この結果、当セグメントの売上高は46億26百万円(前年同期比1億9百万円減(2.3%減))、営業損失は22百万円(前年同期は2億46百万円の営業利益)となりました。
 
<その他部門>
 株式会社アクロス商事等の商社は取扱量が前年を下回りました。
 この結果、当セグメントの売上高は79億50百万円(前年同期比16億円減(16.8%減))、営業利益は1億48百万円(前年同期比1億18百万円増(382.0%増))となりました。

 

 

(2) 財政状態の分析

当第1四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ14億36百万円増加の4,563億80百万円となりました。流動資産は、棚卸資産の増加などにより前連結会計年度末に比べ27億73百万円増加の1,716億76百万円となりました。固定資産は、有形固定資産の減価償却などにより前連結会計年度末に比べ13億37百万円減少の2,847億4百万円となりました。

負債は、未払法人税等の減少などにより前連結会計年度末に比べ9億10百万円減少の2,265億45百万円となりました。

非支配株主持分を含めた純資産は前連結会計年度末に比べ23億46百万円増加して2,298億34百万円となりました。

以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の49.1%から49.5%となりました。

 

(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。

 

(株式会社の支配に関する基本方針)

Ⅰ.基本方針の内容

当社は、石灰石資源と自家発電所を基盤としたカーバイドと化学肥料の生産を出発点として1915年(大正4年)に創業し、カーバイド化学により培った電炉技術・高温反応制御技術・有機合成技術などを基に無機化学から有機化学、さらには電子材料、樹脂加工や医薬等まで非常に幅広い事業領域を有するユニークな化学メーカーとして成長してまいりました。

このような歴史を有する当社事業は、原材料から最終製品に至るまでの工程が非常に長い製品や、多様な領域の自社技術を複合的に活用した製品が多いことを特徴としております。
 また、これらの事業は、地道な研究開発や保安活動、長期的な視点に基づく設備投資や人材育成、取引先や地域社会との信頼関係などの長年にわたる努力の積み重ねの上に成立しています。換言すれば、多様な技術とそれを複合的に活用できる知識と経験を有する人材が当社の企業価値の源泉であり、脈々と受け継いできた経営資源や信頼関係が企業価値を支える基盤であると当社は認識しています。

 

グローバル化、情報化の進む昨今においては、経営環境の変化は早く、市場におけるニーズや経済構造の変化を見逃せば、立ちどころに事業基盤を失う時代になっております。わが国においても、企業の成長戦略としてM&A(企業の合併・買収)・業務提携が多用されるようになってきておりますが、当社取締役会もこのような市場原理に基づくダイナミズムの活用が社会および当社を含む企業の持続的成長と中長期的な企業価値の向上を図る一手段として重要なものであると認識しております。
 また、当社は株式を上場している企業として、多様な価値観を有する株主の存在を認めており、大量買付けを含む当社の支配権の異動については株主の皆様が最終的な判断を下すべきものであると考えております。しかしながら、現実におこなわれてきた大量買付けの中には、対象となる会社の企業価値や株主共同の利益を毀損するおそれのあるものや、これに応じるか否かを判断するために十分な情報と時間が提供されないものなどがあり、すべての大量買付けを無条件に認めることは株主の皆様の付託を受けている経営者として、責任を全うしているとは言いがたいものと考えております。
 当社取締役会は、当社の財務および事業の方針を支配する者は、当社の企業価値の源泉を十分に理解し、中長期的な視点に立って、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上していく者である必要があると考えており、下記の項目に該当するような当社株式の大量買付け等に原則として反対することを表明いたします。

また、当社株式の大量買付け等が下記の項目に当てはまるか否かを当社または株主が判断するに足る十分な情報と時間を提供しないような場合にも、当社取締役会はそのような大量買付け等に原則として反対の立場をとることといたします。
 このような要件に該当する当社株式の大量買付けがおこなわれようとした場合、当社取締役会は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益が侵害されるのを防止するため、また、株主の皆様それぞれが納得のいく判断を下すことが可能となる環境を確保するため、法令、金融商品取引所等の諸規則および当社定款の定めが認める範囲内において必要かつ相当な対抗策を講じることを検討してまいります。当社取締役会は、当社株式の大量買付け等について日常的にチェック活動をおこない、株主共同の利益や企業価値を損なうことがないよう、機動的に対応していく所存です。

 

 

①下記に掲げる行為等により、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれのある買付け等である場合

(ⅰ) 株券等を買い占め、その株式等について当社または当社の関係者に対して高値で買取りを要求する行為

(ⅱ) 当社の経営を一時的に支配して、当社の重要な資産等を廉価に取得する等当社の犠牲のもとに買付け者等の利益を実現する経営をおこなうような行為

(ⅲ) 当社の資産を買付け者等やそのグループ会社等の債務の担保や弁済原資として流用する行為

(ⅳ) 当社の経営を一時的に支配して、当社の事業に当面関係していない高額資産等を処分させ、その処分利益をもって、一時的な高配当をさせるか、一時的高配当による株価の急上昇の機会をねらって高値で売り抜ける行為

②強圧的二段階買付け(最初の買付けで全株式の買付けを勧誘することなく、二段階目の買付け条件を不利に設定し、あるいは明確にしないで、公開買付け等の株式買付けをおこなうことをいう。)等株主に株式の売却を事実上強要するおそれのある買付け等である場合

③当社取締役会に、当該買付け等に対する代替案を提示するために合理的に必要な期間を与えない買付け等である場合

④当社株主に対して、必要情報その他買付け等の内容を判断するために合理的に必要とされる情報を十分に提供しない買付け等である場合

⑤買付け等の条件(対価の価額・種類、買付け等の時期、買付け等の方法の適法性、買付け等の実行の蓋然性、買付け等の後の経営方針または事業計画等を含む。)が当社の本源的価値に鑑み不十分または不適当な買付け等である場合

⑥当社の企業価値を生み出すうえで必要不可欠な当社の従業員、取引先等との関係や当社のブランド力を損なうこと等により、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に反する重大なおそれをもたらす買付け等である場合

⑦買付け者等の経営者または主要株主に反社会的勢力と関係を有する者が含まれている場合等、公序良俗の観点から買付け者等が当社の支配権を取得することが不適切である場合

 

Ⅱ.基本方針の実現に資する特別な取組みの概要

イ.基本的方針の実現に資する特別な取組み

当社は、持続的な成長と企業価値の向上を図るため、経営計画「Denka100」を推進しています。2013年(平成25年)4月からその戦略を見直しいたしました。目標年度を2017年(平成29年)として、業績の数値目標を達成するために「3つの新成長戦略」を設定し、それに基づいた多くの具体的施策を「攻め」の姿勢で積極的に実行してまいりました。
 [3つの新成長戦略]
  ①生産体制の最適化
  ②徹底したコストの総点検
  ③成長分野への資源集中と次世代製品開発
 [数値目標/2017年度]
  連結営業利益  600億円以上
  営業利益率   10%以上
  海外売上高比率 50%以上
 2014年(平成26年)には、同計画の最終成果である収益について、株主様への配分を定めた「株主還元方針」を策定するとともに、さらなる成長に向けて、M&Aなどの戦略投資の財源を明確化しております。
 また、同計画達成のための経営体制を強化するとともに、ガバナンス体制を拡充して、経営の透明性と健全性をさらに向上させるため、社外取締役の増員(2名から3名に増員)および取締役会の人数の減員(取締役の定員を2名減員)を含めた新体制を第156回定時株主総会で決議いたしました。これにより、「守り」と「攻め」を兼ね備えた経営体制の強化を図ってまいります。
 さらに、2015年(平成27年)の創立100周年を機に、全社員が心を一つにして同計画の達成に挑戦して行く決意を表すものとして、コーポレートロゴの一新およびコーポレートスローガンと社員の行動指針の制定をおこない、10月1日からの商号(社名)変更を第156回定時株主総会で決議いたしました。

 

ロ.基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

当社は、基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針を支配されることを防止するための取組みとして、過去、当社株式の大量取得行為に関する対応策(いわゆる事前警告型敵対的買収防衛策、以下「本プラン」という。)を導入した経緯がありますが、本プランの有効期限の終了をもって本プランを継続しないことを決議しております。
 今後とも基本方針を遵守することで企業価値の向上と株主共同の利益の確保に努めてまいります。

 

Ⅲ.取締役会の判断およびその判断に係る理由

当社取締役会は、上記Ⅱ.イに記載した取組みは、中長期的な視点に立って、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上させることを目的として実施するものであり、当社の基本方針実現に資するものであると考えております。そして、これらの取組みは、株主の共同の利益に合致したものであり当社役員の地位の維持を目的としたものではありません。

 

(4) 研究開発活動

当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、33億90百万円であります。

なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。