(経営方針、経営環境及び対処すべき課題)
当社は、一昨年、創立101周年の「新世紀元年」を迎えたタイミングで、次の100年に向けたデンカグループの企業活動の根幹をなす企業理念“ The Denka Value ”を制定いたしました。
2017年度は、この“The Denka Value”の下、経営計画「Denka 100」の最終年度を迎えた中で、その成長戦略の具体的な取組みを着実に実行してまいりました。
「インフラ」分野での取組みとしては、セメント事業において、住友大阪セメント株式会社との間で、セメント出荷基地の統廃合と共同利用化等、かねてより実施していた業務提携を強化することを決定し、効率的な経営資源投入とコスト削減を図っております。
将来大きく成長が見込まれる「ヘルスケア」分野では、主要グループ会社であるデンカ生研株式会社において、「small,dense LDLコレステロール(「sd LDL-C」)」の測定試薬が、米国食品医薬品局(「FDA」)の承認を取得したほか、検査試薬 「クイックナビ™シリーズ」を拡充し、マイコプラズマ抗原キット「クイックナビ™-マイコプラズマ」およびインフルエンザウイルスキット「クイックナビ™-Flu2」の発売を開始しております。また、台湾に本社を置く当社の戦略パートナーであるPlexBio社と共同で、感染症分野における大きな課題の一つである病原体微生物同定・薬剤耐性遺伝子検査の迅速化を実現するシステム(機器・試薬等)の開発を行うことで基本合意しました。
このように当社は、前経営計画「Denka100」で掲げた成長戦略を着実に実行し、成果を挙げてまいりました。
2018年度は、この「Denka100」を引き継ぐ新経営計画「Denka Value-Up」のスタートの年であります。今後は、「Denka Value-Up」で定めた3つの成長ビジョンを実現させるため、事業ポートフォリオの変革と革新的プロセスの導入という2つの成長戦略を果断に実行に移してまいります。特に、革新的プロセスに関しては、生産・研究開発・業務の各プロセスにおいて、従来のやり方にとらわれず、最先端のICTの導入や業務の本質追求、プロセス標準化を進め、革新的な生産性の向上、新事業の創出、働き方改革やダイバーシティ推進による組織の活性化を図ってまいります。
また、これら「Denka Value-Up」の諸施策を進めると同時に、昨今、世界的に注目されている「ESG(環境・社会・ガバナンス)」に対する社会的要請に応えてまいります。
◇The Denka Value(企業理念)
The Denka Value(企業理念)は、最上位としての「Denkaの使命(Denka Mission)」と、グループ社員一人ひ
とりが行動する上での規範となる「Denkaの行動指針(Denka Principles)」から構成されます。
The Denka Valueは経営企画を含むすべての企業活動の上位概念であり、当社は、このThe Denka Valueを実践することで、社会からの期待と信頼に応えることを目指しております。
・Denkaの使命(Denka Mission)
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化学の未知なる可能性に挑戦し、新たな価値を創造(つくる)ことで、社会発展に |
*コーポレートスローガン:「できるをつくる。」「Possibility of Chemistry.」
・Denkaの行動指針(Denka Principles)
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わたしたちは、 |

(ご参考)
新経営計画「Denka Value-Up」 ~Specialty-Fusion Companyを目指して~
2017年11月、デンカは2018年度から2022年度までの5ヵ年の新経営計画「Denka Value-Up」を策定いたしました。
前経営計画「Denka100」では、「生産体制の最適化」「徹底したコストの総点検」「成長ドライバーへの集中と次世代製品開発」の3つの成長戦略を立て、重点分野である「健康、環境・エネルギー、インフラ」を中心に、計画前と比べて着実に成長への種まきとして積極的な投資を行い、個々の事業の収益力向上の基盤固めを進めてきました。
新経営計画「Denka Value-Up」では、企業の成長持続に必要不可欠な「安全最優先」「環境への配慮」「人財の育成・活用」「社会貢献」を基本精神に掲げ、グローバルで飛躍的な成長を遂げるための新たな成長戦略により、当社が「スペシャリティーの融合体“Specialty-Fusion Company”」となり、持続的且つ健全な成長を目指します。
新経営計画「Denka Value-Up」の概要
1.成長ビジョン
(1)世界に存在感を示すスペシャリティーの融合体“Specialty-Fusion Company”となる。
グローバルマーケットで卓越した競争力を有する、スペシャリティーな事業・製品・技術・人財が融合した企業を目指す。
(2)革新的プロセスによる飛躍的な生産性向上で持続的成長“Sustained Growth”を目指す。
IoT/AIなどの最先端デジタル技術や業務の本質追求による革新的プロセスで、飛躍的な生産性向上を図り、いかなる外部環境であっても持続的に成長していく企業を目指す。
(3)働き方改革推進による健全な成長“Sound Growth”の実現。
多様なワークライフに応える労働環境を整備し、働く人びととともに、ステークホルダーの幸せを追求し、企業として健全な成長を目指す。
2.数値目標

※スペシャリティーの定義
独自性と高付加価値を兼ね備え、外部環境に左右されにくく、トップクラスのシェアを有する事業、及び近い将来その可能性を有する事業(ヘルスケア、環境・エネルギー、高付加価値インフラ、基盤事業の中でも新しいグレードやソリューションとの組み合わせによりスペシャリティーへ転換した事業)
3.成長戦略
(1)事業ポートフォリオの変革
①スペシャリティー事業の成長加速化
重点3分野への経営資源集中を図り、積極的な戦略投資(M&Aや事業提携、R&D強化、人的リソースの集中など)により数値目標の達成を目指す。
◇ヘルスケア
<方針>予防・早期診断に加え、がん・遺伝子領域への展開を通じ、世界の人々のQuality of Lifeの向上に貢献。
◇環境・エネルギー
<方針>ゼロエミッションや自動運転化など新たなトレンドへ、先端無機材料を中心とした当社コア技術を活かし た製品開発により、クリーンで安全な未来社会を実現。
◇高付加価値インフラ
<方針>最先端材料・ソリューションの提供による世界の高度インフラ整備ニーズに対応。
②基盤事業のスペシャリティー化
<方針>外部環境の影響を受けにくいスペシャリティーグレードの比率拡大、ソリューションビジネスへのシフト。
③コモディティー事業の位置付け再定義
<方針>スペシャリティー化への転換が難しいコモディティー事業は、新経営計画「Denka Value-Up」をグループ全体で推進していくための組織である「Denka Value-Up推進室」でその位置付けを再定義し、戦略の再構築を推進。
(2)革新的プロセス
従来のやり方の単なる踏襲ではなく、最先端のICT導入、業務の本質追及、プロセス標準化などを進め、革新的生産性の向上、新事業創出、働き方改革、ダイバーシティ推進を図る。
①生産プロセス改革
・ICTを駆使した次世代型スマート工場へ再生
・データプラットフォームの構築と管理のリアルタイム化
・ 生産性向上と高度な操業安定化の実現
②研究開発プロセス
・スペシャリティー志向の研究開発を目指すテーマ設定
・ICTの活用による研究開発支援システムの構築
・戦略的キャリアパスによる多様性を持つ人財の育成
③業務プロセス改革
・未来型オフィスによる社内コラボレーションの活性化
・業務の生産性向上(定型作業省力化、会議パフォーマンス向上など)
・仕事の場所を選ばない環境の整備
○働き方改革/ダイバーシティ
・時間の“量”から“質”へのシフトチェンジ
・Quality of lifeを向上
・多様な人財によるイノベーション創出
4.投融資計画
5ヵ年合計 2,000億円
内 戦略投資 750億円 (150億円/年)
M&A等 600億円
プロセス改革 150億円
通常投資 1,250億円 (250億円/年)
5.株主還元
総還元性向 50%を継続
還元方法は配当を重視し、自己株式は株価推移などに応じ、機動的に実施
※総還元性向=(配当+自己株式取得)÷連結当期純利益
※文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
(株式会社の支配に関する基本方針)
当社は、当社の企業理念である“The Denka Value”のもと、収益力や業容の拡大による事業基盤の強化を図る一方、社会の信頼と共感を得られる企業であり続けようとする姿勢をさらに徹底することで、中長期的な観点から当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるよう努めております。
また、この基本方針のもと、経営計画「Denka Value-Up」(2018年度から5年間)を策定し、持続的かつ健全な成長の実現に取り組んでおります。
当社は、いわゆる買収防衛策は定めておりませんが、当社の企業価値を毀損するおそれのある大量買付けや、これに応じるか否かを判断するために株主のみなさまに十分な情報と時間が提供されない大量買付けなどについては、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を損ねることのないよう、法令等、金融商品取引所の規則などが認める範囲内において適切に対応してまいります。
当社グループの経営成績及び財務状況などに重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、次のようなものがあります。但し、ここに記載した事項は、当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではありません。
当社グループの経営成績は、自動車や電子部品、鉄鋼産業などの需要動向により影響を受けるほか、原油や基礎石油化学製品などの原燃料市況ならびに為替の影響を受ける可能性があります。
当社グループは、顧客の信頼を第一に考え、安心して使用できる製品の提供に万全の対策を講じておりますが、製造やサービスの提供は高度かつ複雑な技術の集積であり、また原材料の外部調達もあることなどから品質保証の管理は複雑化しております。当社グループの製品やサービスに予期せぬ品質問題が発生した場合は当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
有利子負債につきましては、当連結会計年度末において1,082億69百万円(借入金依存度22.8%)であります。当社グループでは、今後有利子負債の削減に努めてまいりますが、将来の金利変動により当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待収益率に基づいて算出されておりますが、実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、費用及び計上される債務に影響を及ぼします。近年の割引率の低下及び年金資産運用の悪化により当社グループの年金費用は増加してきておりますが、一層の割引率の低下や運用利回りの悪化は当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
保有有価証券の市況変動につきましては、主に取引先との関係構築・維持のための政策上の投資として株式を保有しておりますが、株式相場の大幅な下落または株式保有先の財政状態の悪化や倒産等により株式の評価が著しく下落し、回復の可能性が望めない場合には、株式の減損処理及び評価損の発生により、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
繰延税金資産の回収可能性につきましては、将来の課税所得を合理的に見積り回収可能性を判断し繰延税金資産を計上しておりますが、実際の課税所得が見積りと異なり回収可能性の見直しが必要となった場合、もしくは税率の変更を含む税制の改正等があった場合には、繰延税金資産の取崩しが必要となり、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
訴訟等につきましては、当社グループ倫理規定をはじめ各種社内規定に基づき、国内外の法令遵守はもちろんのこと、当社グループの社会における信頼を維持・確保することに努めておりますが、広範な事業活動を行う中で訴訟やその他の法律的手続きの対象となり、重要な訴訟等の提起を受けた場合には、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
その他、国内外の経済・政治情勢、技術革新、産業事故、環境汚染および地震をはじめとした自然災害等が、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
当期のわが国経済は、個人消費や輸出で持ち直しの動きがみられたほか、設備投資や生産も上向くなど、景気は緩やかに回復しました。世界経済は、米国景気が堅調に推移するなど、全体として緩やかな回復基調が続きました。
化学工業界におきましては、期後半には円高の動きや原燃料価格の上昇もありましたが、企業収益は総じて堅調に推移しました。
このような経済環境のもと、当社グループは、国内外での拡販やコストの削減に努め、業容の拡大と収益の確保に注力いたしました。この結果、当期の業績は、クロロプレンゴムや電子・先端プロダクツ製品を中心に販売数量が増加したほか、原材料価格の上昇に応じた販売価格の改定により、売上高は3,956億29百万円と前年同期に比べ329億82百万円(9.1%)の増収となり、過去最高を更新しました。収益面では、ヘルスケア分野などで将来に向けた先行投資による費用負担が増加しましたが、販売数量の増加や交易条件の改善が収益拡大に寄与し、営業利益は336億52百万円(前年同期比78億7百万円増、30.2%増益)、経常利益は314億99百万円(前年同期比83億40百万円増、36.0%増益)、親会社株主に帰属する当期純利益は230億35百万円(前年同期比48億90百万円増、26.9%増益)となり、それぞれ過去最高益を大きく更新しました。
セグメントの経営成績は、次の通りであります。
なお、平成29年4月1日付で、デンカグループのすべての健康関連事業を統括する「ライフイノベーション部門」を新設し、従来「生活・環境プロダクツ部門」に区分していた健康関連事業を「ライフイノベーション部門」に移管しました。以下の営業概況説明では、前年同期の数値を変更後の区分方法により作成し記載しております。
<エラストマー・機能樹脂>
クロロプレンゴムは、資源関連用途での需要回復などによる販売数量の増加や、採算是正を目的とした販売価格の改定により増収となりました。アセチレンブラックは、リチウムイオン電池や高圧送電ケーブル向けの販売数量が増加し増収となりました。また、スチレンモノマーやABS樹脂、シンガポールの子会社デンカシンガポール社のポリスチレン樹脂等の販売は堅調に推移しました。
この結果、当セグメントの売上高は1,784億44百万円(前年同期比267億38百万円増(17.6%増))、営業利益は168億8百万円(前年同期比90億34百万円増(116.2%増))となりました。
<インフラ・ソーシャルソリューション>
農業・土木用途向けのコルゲート管や耐火断熱材などに使用されるアルミナ繊維は、販売数量が増加し増収となりました。また、セメントや肥料の販売は堅調に推移しましたが、特殊混和材の販売は前年を下回りました。
この結果、当セグメントの売上高は531億46百万円(前年同期比13億29百万円増(2.6%増))、営業利益は1億89百万円(前年同期比6億70百万円減(77.9%減))となりました。
<電子・先端プロダクツ>
電子部品・半導体の搬送用部材である“デンカサーモフィルムALS”等の機能フィルムや、半導体封止材向け球状溶融シリカフィラー、球状アルミナは、旺盛な需要により出荷増となりました。また、電子回路基板および高信頼性放熱プレート“アルシンク”は販売数量が増加し増収となり、LED用サイアロン蛍光体“アロンブライト”も好調な出荷が続きました。
この結果、当セグメントの売上高は542億79百万円(前年同期比80億27百万円増(17.4%増))、営業利益は95億12百万円(前年同期比24億35百万円増(34.4%増))となりました。
<生活・環境プロダクツ>
プラスチック雨どいや工業用テープは販売数量が増加し増収となり、食品包材用シートやデンカポリマー株式会社の加工品の販売も堅調に推移しました。また、合繊かつら用原糸“トヨカロン”の販売は概ね前年同期並となりましたが、耐候性フッ素系アロイフィルム“DXフィルム”は前年を下回りました。
この結果、当セグメントの売上高は409億80百万円(前年同期比2億7百万円減(0.5%減))、営業利益は8億17百万円(前年同期比7億11百万円減(46.5%減))となりました。
<ライフイノベーション>
デンカ生研株式会社の試薬は国内、輸出とも販売数量が増加し増収となりましたが、インフルエンザワクチンの出荷は前年を下回りました。
この結果、当セグメントの売上高は323億38百万円(前年同期比16億82百万円減(4.9%減))、営業利益は55億41百万円(前年同期比23億93百万円減(30.2%減))となりました。
<その他>
株式会社アクロス商事等の商社は取扱高が前年を下回りました。また、デンカエンジニアリング株式会社は完成工事高が前年を下回りました。
この結果、売上高は364億39百万円(前年同期比12億22百万円減(3.2%減))、営業利益は7億58百万円(前年同期比1億82百万円増(31.6%増))となりました。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ201億42百万円増加の4,750億86百万円となりました。流動資産は、売上債権の増加などにより前連結会計年度末に比べ175億65百万円増加の1,864億67百万円となりました。固定資産は、連結子会社Icon Genetics GmbHの完全子会社化に伴うのれんの増加などにより、前連結会計年度末に比べ25億76百万円増加の2,886億18百万円となりました。
負債は、買入債務の増加などにより前連結会計年度末に比べ48億49百万円増加の2,323億5百万円となりました。
非支配株主持分を含めた純資産は前連結会計年度末に比べ152億92百万円増加の2,427億80百万円となりました。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の49.1%から50.3%となり、1株当たり純資産は2,526円42銭から2,727円94銭となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、141億1百万円となり、前連結会計年度末と比べ39億26百万円の増加となりました。なお、当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の増加などにより、前年比92億18百万円収入増の487億76百万円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、設備投資の支払い増加に加え、Icon Genetics GmbHの株式取得による支払いがあったため、前年比70億40百万円支出増の292億98百万円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、株主還元は増加したものの、前年に長期借入金の返済があったため、前年比34億60百万円支出減の158億58百万円の支出となりました。
なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは以下のとおりです。
|
|
平成26年3月 |
平成27年3月 |
平成28年3月 |
平成29年3月 |
平成30年3月 |
|
自己資本比率(%) |
43.5 |
46.9 |
47.7 |
49.1 |
50.3 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
38.2 |
48.7 |
46.7 |
56.2 |
65.8 |
|
債務償還年数(年) |
4.4 |
3.4 |
2.8 |
2.9 |
2.2 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
27.0 |
36.5 |
51.3 |
48.2 |
77.1 |
自己資本比率………………………………自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率………………株式時価総額/総資産
債務償還年数………………………………有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ……営業キャッシュ・フロー/利息支払額
(注) 1.いずれの指標も連結ベースの財務数値により算出しております。
2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品がほとんどであるため、セグメントごとに生産規模および受注規模を金額あるいは数量で示すことは行っておりません。
このため「生産、受注及び販売の実績」については、「①財政状態及び経営成績の状況」におけるセグメントの経営成績に関連付けて記載しております。
文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成30年6月21日)現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠して作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、重要な会計方針と合理的と考えられる見積りに基づき、収益、費用、資産、負債の計上について判断しております。
当社グループの連結財務諸表の作成においては、例えば一般債権に対する貸倒引当金の引当については主として過去の貸倒実績率を、繰延税金資産の計上については将来の税務計画を、退職給付債務については、昇給率、割引率などを使用して見積っておりますが、見積りにつきましては不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。
当社は、前経営計画「Denka100」で、「生産体制の最適化」「徹底したコストの総点検」「成長ドライバーへの集中と次世代製品開発」の3つの成長戦略を立てるとともに、「健康、環境・エネルギー、インフラ」を重点3分野として、様々な施策を実行し、計画前と比べて着実に成果を出すことができました。また、将来の成長への種まきとして積極的な投資をおこない、個々の事業の収益向上の基盤固めを進めてまいりました。
その結果、当連結会計年度の経営成績は、前経営計画「Denka100」の数値目標には未達であったものの、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益とも、それぞれ過去最高を大きく更新しました。
エラストマー・機能樹脂部門は、クロロプレンゴムの出荷増と採算是正が進んだことや、スチレンモノマーが非定修年であったことから、前年に比べ大幅な増益となりました。
インフラ・ソーシャルソリューション部門は、アルミナ繊維、農業・土木用コルゲート管の出荷が増加したものの、原材料価格上昇等のコストアップにより、前年比減益となりました。
電子・先端プロダクツ部門は、電子部品・半導体搬送材料用部材の機能フィルム、半導体封止材向け溶融シリカや球状アルミナの出荷が増加し、前年に比べ増益となりました。
生活・環境プロダクツ部門は、食品包装材料の原材料価格の上昇に応じた販売価格の改定が進んだものの、耐候性フッ素アロイフィルムのDXフィルムの価格競争激化などから、前年に比べ減益となりました。
ライフイノベーション部門は、試薬販売数量が増加したものの、インフルエンザワクチン製造株の選定遅れにより、製造・販売が前年を下回ったことや、研究開発費等の負担増から、前年に比べ減益となりました。
当社グループは、将来の安定的な成長を持続するためには、良好な財務バランスを維持することが重要と考えており、資金需要に見合った資金調達を行うことを基本的な方針としております。
当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金、設備投資資金、株式取得資金等であり、必要資金の調達については、自己資金を主とし、運転資金の一部を短期借入金やコマーシャル・ペーパーによって、設備資金等の長期資金の一部を長期借入金や社債によって外部調達しております。
資金の流動性については、適正な水準の現預金を保持した上で、不測の事態に対応するため、取引金融機関と貸出コミットメント契約を締結することで流動性を確保しております。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析は次のとおりです。
当連結会計年度は、設備投資に加えて、Icon Genetics GmbHの株式追加取得による支出があったほか、前連結会計年度を上回る株主還元を行いましたが、業績が好調であったことから、これらを上回る営業キャッシュ・フローを確保でき、余剰資金を有利子負債の返済に充当致しました。
この結果、財務体質の改善が進み、当連結会計年度末の有利子負債残高は前連結会計年度末に比べ54億78百万円減少し1,082億69百万円となり、現金及び預金を差し引いたネット有利子負債は941億54百万円と1千億円を下回りました。また、自己資本比率も前連結会計年度末に比べ1.2%改善し50.3%となりました。
技術援助契約の概要
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契約会社名 |
契約締結先 |
内容 |
対価 |
契約期間 |
契約年 |
|
デンカ㈱ (当社) |
独立行政法人物質・材料研究機構 (日本) |
サイアロン蛍光体基本技術 |
実施料 |
平成16年9月1日~ 特許消滅日まで |
平成16年 |
|
デンカ㈱ (当社) |
独立行政法人物質・材料研究機構 (日本) |
赤色蛍光体およびそれを用いる発光デバイスに関わる特許の実施許諾 |
頭金 他に実施料 |
平成22年10月7日~ 特許消滅日まで |
平成24年 |
|
デンカ㈱ (当社) |
日亜化学工業㈱ (日本) |
赤色蛍光体およびそれを用いる発光デバイスに関わる特許の実施許諾 |
頭金 他に実施料 |
平成24年4月10日~ 特許消滅日まで |
平成24年 |
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デンカ生研㈱ (連結子会社) |
メディミューン (アメリカ) |
ワクチン製造に用いるウイルス株の調整方法であるリバースジェネティスク法技術 |
頭金 他に実施料 |
平成21年9月20日開始 |
平成21年 |
|
デナールシラン㈱ (連結子会社) |
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) (日本) |
トリクロルシラン製造技術 |
実施料 |
平成30年1月1日~ 平成34年12月31日 |
平成29年 |
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デナールシラン㈱ (連結子会社) |
エア・リキード (フランス) |
モノシランガス取り扱いに関するノウハウ |
実施料 |
昭和63年4月1日~ 平成20年12月31日 以後1年ごとの自動更新 |
昭和63年 |
当社グループは、保有している固有の基盤技術の深耕による既存事業を核とし、重点3分野『ヘルスケア』『環境・エネルギー』『インフラ』における高機能製品群の開発を進めるとともに、次世代新製品開発および新事業創出に取り組んでおります。
研究開発方針としてチャレンジ&オープンイノベーションを掲げ、2014年にオープンしたデンカイノベーションセンター本館をベースとして、多くの国内外産学官とのコラボレーション研究を推進しております。物質材料研究機構(NIMS)とのNIMS-Denka次世代材料研究センター、山形大学および新潟大学との包括共同研究を展開する等、引き続き積極的な外部連携強化を推進致します。
これらの研究開発、製品化をさらに加速するため、「研究推進部」と「新事業開発部」が緊密に連携し、社内外のオープンイノベーションを戦略的、効率的且つ、スピーディーに進めます。事業部門との連携をこれまで以上に強化し、市場の動向を直視し、次世代の市場ニーズに確実かつ迅速に対応することで、早期の実需化につなげたいと考えております。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は138億68百万円、研究要員は801名であり、当連結会計年度に国内で出願された特許は216件、国内で登録された特許(実用新案を含む)は115件となりました。
当連結会計年度における各事業部門別の研究の目的、主要課題、研究成果および研究開発費は次のとおりであります。
(1)エラストマー・機能樹脂
透明樹脂、耐熱樹脂、シュリンクラベル用樹脂など特長あるスチレン系機能性樹脂分野では、生産技術の深耕、品質向上、新規用途展開並びに新高機能製品の開発につき、シンガポール子会社と一体となり推進しております。またクロロプレンゴム、ERゴム、アセチレンブラック等の分野でも、海外市場を含めた事業拡大のために生産技術の強化を進めるとともに、特にクロロプレンゴムは世界トップシェア維持を確実なものとすべく従来の用途展開に加え、米国デュポン社よりクロロプレン事業を譲り受けたデンカパフォーマンスエラストマー(DPE)社と研究開発、生産技術を含む総合的なシナジーを推進しております。
さらに、新規用途展開のために、新しい重合技術やポリマーアロイ技術を駆使した新規高分子材料の開発にチャレンジし、新規機能性樹脂の市場開発や高機能エラストマーの材料開発を進めています。
アセチレンブラックはリチウムイオン二次電池市場での事業拡大を目指し、2015年に千葉工場に新たなプラントを建設して商業運転を開始し、2017年に同じく千葉工場に研究開発拠点として新たに電池導電材料開発室を開設し、超高純度かつ高機能品の開発と事業化に取り組んでいます。また、本事業分野に関連して国内外の研究機関と多数の共同研究を進めており、新製品開発を図っております。
当セグメントに係わる研究開発費は34億円でした。
(2)インフラ・ソーシャルソリューション
セメント・特殊混和材分野では、高温焼成反応などを活用した粉体合成技術と特性評価技術を基盤に、コンクリートの高機能化や建設構造物の長寿命化など社会の多様なニーズに応える研究開発を推進しております。二酸化炭素排出量を削減する環境対応製品の技術開発を進めており、さらに製品を使用・施工する機械を含めたトータルシステムの開発と事業化、また社会資本の維持補修に関する診断技術など、診断ソリューションの研究開発を進めております。特殊混和材は海外事業展開にも注力しており、主にアジア地域にて開発と製造の現地化を進めております。
無機製品分野では、耐火物として実績のあるアルミナ繊維の自動車分野への展開に向けた研究開発を進めており、高機能、高性能製品開発と生産技術向上を進めております。
アグリプロダクツ分野では従来の肥料事業のみならず、次世代農業資材の開発から圃場の維持管理技術、栽培技術および施肥技術をベースにした農業ソリューションビジネスへの展開を目指しております。
当セグメントに係わる研究開発費は18億74百万円でした。
(3) 電子・先端プロダクツ
電子部材分野では、市場の伸びが期待されるパワーモジュール、自動車電装用LED向けなどの回路基板や放熱材料について、当社固有のセラミックス技術や有機・無機ハイブリッド放熱材料技術をさらに進化させ、市場に対しトータル・サーマル・ソリューションを提案すべく各種高機能材料の研究開発を産学官と連携し推進しています。
接着剤分野では、ハードロックSGA(高機能構造用接着剤)の積極的な海外展開を含め、新グレード、新用途開発を推進し、ハードロックOP/UVでは紫外線硬化技術を応用した特殊高機能性接着剤の新製品開発や有機EL製造プロセスへの適用など、新規市場開拓にも注力しています。
機能フィルム分野では、当社が保有する樹脂素材技術、無機・有機複合材料設計技術に加え、シートやフィルムの先端加工技術を活かし、電子部品搬送テープ、半導体ウェハやパッケージの保護・仮固定用粘着テープなど、市場における最先端ニーズに対応した新規製品をタイムリーに市場に供給すべく開発を進めております。
先端機能材料分野では、半導体封止材用球状シリカの更なる高性能化を追求するとともに、白色LED向けサイアロン蛍光体の性能向上や放熱材料用途に加え化粧品用途への展開が進むBN粉、放熱材料や半導体封止用途向け球状アルミナのナノフィラーをはじめとする機能性粉体の開発を進めております。
当セグメントに係わる研究開発費は32億41百万円でした。
(4)生活・環境プロダクツ
住設資材、生活・産業資材、環境製品、生活包材の各分野における樹脂加工製品では、耐光性フィルムやそれに続く高機能性フィルム・シート、高機能の各種テープ、頭髪用合成繊維、電子レンジ対応容器等に用いる耐熱性透明シートなどの製品群の開発を引き続き推進しております。
また、コーポレート研究所であるポリマー・加工技術研究所を中核としたシート・フィルムの製膜、ラミネーション、精密塗工など各種加工技術の高度化など、当社グループ全体のポリマー・加工技術の新たな研究開発を加速するとともに、自社素材の活用を含めて関連グループ会社との連携を強化することで、多岐にわたる当社グループの樹脂加工製品の新規用途展開並びにそれらに適合した性能改善、新製品開発を積極的に進め、更なる事業拡大を図っております。
当セグメントに係わる研究開発費は13億64百万円でした。
(5) ライフイノベーション
ヘルスケア分野では、ライフイノベーション研究所(東京都町田市)、デンカ生研(新潟県五泉市)、Denka Life Innovation Research (DLIR, シンガポール)およびIcon Genetics(独)の4拠点体制で、ニーズ優先の研究開発に取り組んでいます。グローバルな視点で最先端の技術を積極的に導入しつつ、研究開発を推進します。
当社グループでは、新たな切り口での研究開発・新事業開発として、がん領域での新たな価値創造を目指しています。2017年2月に米KEW社のがん遺伝子変異検査技術を導入し、同社とのJVであるデンカ・キュー・ジェノミクス合同会社を設立しました。当分野の研究開発においては、国内大学医学部など研究施設とのコラボレーション推進により、技術の価値を高めつつ、更にその先にある技術への展開をめざしております。またデンカ生研では、ウイルス製剤「G47Δ(デルタ)」の製造設備が竣工し、実用化へ向けた大量生産法の開発を進めております。これにより、がんウイルス療法という新たな医療技術の開拓を進めます。
さらに、感染症領域では台湾PlexBio社が開発した、従来に比べ短時間かつ簡便で同時に多項目の細菌の測定が出来る画期的な測定システムIntelliPlex Ⓡシステムを用いた血流感染症の検査薬の開発にも取り組んでいます。
また、Icon Genetics社での植物の遺伝子組換え技術を用いて、抗体やワクチン抗原等の高分子タンパク質を産生する技術を駆使し、ノロウィルスワクチン等の新規ワクチンや検査試薬の開発を進めます。
既存技術周辺においても、デンカ生研による高品質ワクチンの開発、および感染症検査試薬や健康管理に欠かせない臨床生化学検査試薬や免疫検査試薬の新技術、新製品開発を引き続き推進しています。
当セグメントに係わる研究開発費は35億84百万円でした。
(6)その他事業
産業設備の設計・施工等を行なっているデンカエンジニアリング㈱では効率的な粉体の空気輸送設備の技術開発や廃水設備等の研究開発をおこなっている他、各事業所に設置している生産技術部を中心に、研究段階から事業化を見据えたプロセス設計、開発の充実を図っています。
その他事業に係わる研究開発費は4億3百万円でした。