文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
① 経営の基本方針
当社は、「私たちは、人と地球環境を大切にし、革新的な技術で、豊かな社会の発展に貢献します」という企業理念の実現のために、「共有すべき行動精神」として「誠実」「和」「積極性」及び「イビテクノの進化」を掲げ、全役職員の行動の柱としております。この方針に基づき、社会に有用な技術・製品の開発・提供を行うとともに、全てのステークホルダーから信頼・評価される企業経営に努めております。
② 中期経営計画と活動の柱
当社グループでは、次の飛躍に向け、2023年度より始動する5か年の新たな中期経営計画「Moving on to our New Stage 115 Plan」(略称:MNS115Plan)を策定いたしました。新中期経営計画におきましては、5本の活動の柱(強化していく力)を軸に、事業環境変化に対応し、持続可能な成長の実現に向けて全社グループ一丸となって取り組んでまいります。
活動の柱及び重点実施項目は以下のとおりであります。
活動の柱1. 事業の競争力強化 “稼ぐ力”
〔重点実施項目〕
1) 既存の価値・ビジネスモデルを常態とせず、革新に挑戦するマインドの継続
2) 競争力を維持する高い商品力と契約で担保された確かなビジネスモデルの実践
3) 全社一体型システムの展開によるグローバル経営の強化
活動の柱2. 新規製品の事業化 “伸ばす力”
〔重点実施項目〕
1) 市場変化・顧客ニーズ・利便性に基づく新製品を、独創性あるビジネスモデルで事業化
2) 関連会社も参画した新製品・新事業開発によるグループ連結での成長を実現
活動の柱3. モノづくりの改革 “継続する力”
〔重点実施項目〕
1) 「改善と維持」の継続的な実践によるナレッジワーカーの育成で、現場力を強化
2) 国内・海外工場の一体運営を可能にするOne Factory構想の実現
3) データ(DX)とメカニズム(基礎技術)解析による技能の継承と外部の知見の効率的活用
活動の柱4. 企業文化の改革 “変える力”
〔重点実施項目〕
1) 人的資本経営を、「経営」の視点と「従業員(ウェルビーイング)」の視点で実践
2) 目的意識を持った自立型人財と柔軟な組織編成による変化への対応
活動の柱5. ESG経営の推進 “永続する力”
〔重点実施項目〕
1) エネルギーマネジメント・環境経営によるGX推進でCO2排出削減目標を達成
2) SDGsの事業への紐づけによる活動の活性化と定着
3) 高度化する外部要求への対応を通じた業界トップ水準のガバナンス体制の構築
(2) 経営環境及び優先的に対処すべき課題
今後の世界経済の見通しにつきましては、中国における経済成長鈍化の長期化や、米国の関税政策変化を含む地政学リスクの影響など、不安定かつ不透明な状況が継続すると見込んでおります。当社グループにおきましては、事業環境変化に強いビジネスモデルの構築と最新のデジタル技術の導入・展開による歩留り・生産性改善を進め、競争力強化を図るとともに、市場の変化に対し、グローバルで生産体制を機動的かつ柔軟に運営することで、事業への影響を最小限に留めてまいります。
電子事業の市場におきましては、足下は、生成AI用サーバー向けの需要は引続き堅調に推移しておりますが、パソコン及び汎用サーバー向けの需要の回復は緩やかなペースが継続しています。しかしながら、2025年度の下期以降は、AI分野の更なる成長に加えてデータ量の増加に伴う処理能力の向上と省電力ニーズの両立が求められることにより、汎用サーバー向けを含む高機能ICパッケージ基板全体の需要回復が見込まれます。当社におきましては、既存工場の生産能力の有効活用に加えて、大野事業場の量産を計画通り2025年度の下期より立ち上げることで高付加価値製品の受注を最大限に取り込んでまいります。また、デジタル技術の活用による高効率・高品質なモノづくりを目指したOne Factory構想に基づくグローバルでの品質力強化と匠(たくみ)人材の育成による現場力の強化を進めてまいります。
セラミック事業におきましては、DPF・AFP事業の主力である自動車排気系部品市場については、中国経済の停滞リスクは依然としてあるものの、米国をはじめとするEV関連の政策変更に伴い、内燃機関向け製品の需要は継続するとみております。当社におきましては、成長市場としての中国・インドを中心とした新興国市場の産業用車両(トラック・建機など)向けの需要を確実に取込むとともに、将来のEV化再加速に備え、NEV向け安全部材の量産体制を整備してまいります。また、FGM事業においては、各種半導体製造装置向け需要の動向を見極めつつ、自社の競争力が最大限に発揮できる市場に集中的かつ計画的な投資を行うことで、事業を拡大してまいります。
その他事業におきましては、国内グループ各社独自の競争力を持つコア事業の拡大と併せて選択と集中を実施することで、安定した電力事業とともに、当社グループの電子事業・セラミック事業に次ぐ「第3の収益の柱」としての位置づけを確かなものにしてまいります。
当社グループでは、2023年度より始動しております5ヵ年の中期経営計画「Moving on to our New Stage 115 Plan」で掲げている5本の活動の柱(強化していく5つの力)に基づき、事業環境変化に確実に対応するとともに、安定した成長の実現に向け、全社グループ一丸となって取り組んでまいります。また、経営と従業員の視点による人的資本経営を実践し、自立型人財の育成とフレキシブルな組織体への変革を推進することで、社員一人ひとりが働きがいを感じ、能力を最大限に発揮できる環境を整備してまいります。さらに、経営の基盤としてのESG経営を引続き推進することで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
当社グループといたしましては、これらの経営課題・リスクに着実に対処することで、収益基盤を一層強固なものとし、中期経営計画の目標達成とともに、その先の永続的・安定的な成長を実現するための取組みを継続してまいります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
2024年度より、当社を取り巻くサステナビリティを含めたリスクと機会に関わる課題を、経営層で議論するサステナビリティマネジメント委員会を設定しております。サステナビリティマネジメント委員会では、グローバルリスクの動向や事業へのインパクト、並びに当社の事業活動が社会に与える影響から、重要性の高い事象を議論し、決定しております。また、課題への対応策は、経営層より実行組織である各部門に展開されています。当委員会は、代表取締役社長を委員長として、毎年2回以上開催されます。なおサステナビリティに関して特に重要な課題については、取締役会へ付議・報告されます。
サステナビリティに関連するガバナンス体制図は次のとおりであります。

(2)サステナビリティ課題への対応(サステナビリティに関する重要課題とリスク管理)
全社的なリスクマネジメントの推進体制として、代表取締役社長を委員長とする「リスクマネジメント全社推進委員会」を設置し、毎年1回以上開催し、重要リスクの対策内容や進捗状況の報告などを行っております。全社的リスクマネジメント(ERM)を具体的に進めるため、リスクカテゴリー毎の主管部門を配置し、社内及び国内・海外グループ会社の状況、業務形態に応じた活動を推進しております。
また、サステナビリティマネジメント委員会の中で、事業活動に影響の大きい環境、社会側面の課題として、気候変動、大規模自然災害への対応、及び労働人口減少に対応するための人的資本経営の実践を認識しています。以上のサステナビリティ課題は、それぞれGX推進部門、安全衛生部門及び人事部門が主管部門となり、環境/安全衛生全社委員会、中央労使委員会などの社内会議体において、経営層らによって方針と進捗などを、確認・評価しております。なお、2024年度は重要課題の中から、気候変動対策、労働安全並びに健康経営に関して、取締役会へ付議・報告が行われています。

なお、当社のサステナビリティに関する取り組みは多岐に渡っています。開示にあたっては、当社の事業活動に重大な影響を与える気候変動対策、人的資本経営に関する事項については、有価証券報告書を含む幅広い媒体で開示しています。また、水資源を含む資源の有効活用など、事業活動が社会に影響を与える事項を含むその他の課題は、統合報告書又はウェブサイト上で開示しております。
(3)気候変動、大規模自然災害への対応
(ア)ガバナンス
当社を取り巻く気候変動のリスク/機会とその対応案を、毎年1回以上開催する環境/安全衛生全社委員会で審議し、実行責任者である各本部長により、社内に展開しています。全社の対応計画及び実績は、GX推進担当役員により定期的に取締役会に報告され、監督を受けています。また方針を全社員が参加する活動に展開するため、事業場ごとの環境委員会などで、各部門の活動項目を議論し決定しています。
(イ)戦略
環境負荷を緩和し次世代へと受け継ぐために、環境ビジョン2050を定め、地球環境との共存に向けて取り組んでいます。当社は、気候変動対応を重要な経営課題の一つに位置づけ、事業成長と気候変動対応の両立に向け、低炭素での操業を可能にする生産技術の革新と、脱炭素社会に貢献する技術開発をグループ一丸となって進めております。
また、気候変動に関連するリスク及び機会を正しく認識するため、事業戦略に及ぼす影響を評価し、将来の事業戦略策定に活用していくためシナリオ分析を実施しております。シナリオ分析を通じて、現状の対応の妥当性と将来の課題の確認を行っております。気候変動に伴う事業環境の変化とその影響から、重要性の高い事業リスク及び機会を認識し、中期経営計画の中で対応を進めてまいります。
●気候変動のシナリオ分析について

なお、最新のシナリオ分析の結果は、
(ウ)指標及び目標
環境ビジョン2050の実現に向けた温室効果ガス排出削減の2030年度目標を策定しております。
カーボンニュートラル目標として、2040年代のできるだけ早い段階で、温室効果ガス排出の実質ゼロを達成することとし、その2030年度マイルストーン目標として2017年度比で、排出総量を30%削減、及び排出原単位を50%以上削減することを掲げております。(2017年度 温室効果ガス排出量(注)1(注)2:666千トン-CO2e)
温室効果ガス排出の実質ゼロに向けた考え方として、排出を減らす、排出を変える、排出を回収するの3つの段階で活動を進めております。現在は、排出を減らす活動として、新設備の導入、工場棟の建設など投資のタイミングと合わせ、よりエネルギー効率の高い設備や排出の少ない技術の導入、及び排出を変える活動として、自家発電をはじめ再生可能エネルギーの活用と導入、実用化が進む新エネルギーの積極的な導入の検討を進めております。
温室効果ガス排出量の削減活動として、新規工場の省エネ設備導入・既存工場の生産設備への省エネ技術の導入と稼働の効率化、並びに海外拠点における再生可能エネルギー活用の継続・拡大を行っておりますが、新規工場である大野事業場の立ち上げが開始したことにより昨年度より温室効果ガス排出量が増加し、2024年度の温室効果ガスの排出量(スコープ1と2の合計) (注)1(注)2は、283千トン-CO2eを見込んでおります。
温室効果ガスの排出実績、排出基準は、当社ウェブサイト「環境データ集」及び統合報告書で情報を開示しております。2024年度の確定値は同ウェブサイト及び統合報告書2025で2025年9月末に開示の予定です。
また、気候変動の影響による異常気象やそれに伴う洪水、その他地震等大規模な自然災害が発生した場合には、自社工場の操業の停止、又はサプライチェーンの寸断等、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。影響を最小限にするため、洪水や地震など自然災害への局所的な対策の強化、災害発生時の緊急事態対応の体制や初動対応マニュアルの整備、サプライチェーンの確保をはじめとする、事業継続・復旧計画の策定を継続的に進めております。

●温室効果ガス排出量(注)1(注)2の推移

(注)1.温室効果ガス排出量の目標と実績については、GHGプロトコル、並びに日本国関連法令(地球温暖化対策推進法、省エネ法)に基づき算定しており、目標はスコープ1と2を対象としております。なお、測定の対象としている範囲は、イビデングループで、国内外の生産に関わる拠点をカバーした数値です
(注)2.算出時の排出係数は、日本国の環境省・経済産業省「算定・報告・公表制度における算定方法・排出係数一覧」、並びに電力供給会社、ガス供給会社提供の係数を使用しています。2020年度よりスコープ2の排出量算出にあたり、より実態に近い情報を提供するため、電力会社の排出係数が不明確な場合は、国際エネルギー機関が公表する換算係数(IEA Emissions Factors)に見直して算出を行いました。なお、すべての情報は2025年4月時点で公開されている各種係数に基づいて算出したものとなっています。
(4)人的資本経営の実践に関する対応
(ア)戦略
社員は事業を展開し、社会に価値を提供する主体です。一人ひとりが会社の方針、戦略をよく理解し、会社の成長と社会に貢献できる役割を持つ、働きがいのある職場づくりに取り組んでおります。
当社は、中期経営計画の中で、企業文化の変革を柱の一つに置き、人的資本経営の実践を重点実施項目に掲げております。「経営」と「従業員(ウェルビーイング)」の視点で議論を重ね、成長に必要な施策から成果指標を定め、活動を進めております。
中期経営計画でめざす経営戦略の達成に向けて、事業環境の変化に柔軟に対応できる組織編成を進めるとともに、目的意識を持った自立型の人財を育成し、DX人財の確保によりデジタル技術の活用を進めることで、社員一人ひとりが持つ能力を最大限に活かせる体制を構築してまいります。また、性別、国籍など属性に囚われない多様な英知を持つ社員が、活躍できる環境を提供することで個人としての成長を促します。そこからもたらされる会社の成長を通じて、社員が社会の発展に貢献できる役割を実感することで、個人のワークライフバランスが一層充実し、全社員がいきいきと活躍できる環境の整備を進めてまいります。
(イ)指標及び目標
中期経営計画の実現に向けた経営側面の指標と、従業員側面の指標を策定しております。
経営側面の指標として、日本国内で事業を拡大する中で必要な人財を確保し、正規労働者・非正規労働者の最適な人員バランス構成を維持するとともに、個人の成長を促すために一人当たりの教育時間を指標として教育の拡充を進めております。また、労働者が安心して働ける環境を整備し、安全第一の意識を徹底することで労働災害度数率の削減を進めてまいります。
当社は、中期目標として2027年度に一人当たり教育時間を21時間/年の達成(24年度に目標見直しを実施)、並びに重大災害ゼロを継続するとともに労働災害度数率を0.10以下とすることをめざしております。また、従業員側面の指標として、福利厚生や社員の定着といった社内指標に加えて、ダイバーシティの成果の一つとしての女性管理職比率を指標としております。当社は、中期目標として2027年度に女性管理職比率3%以上をめざして活動を進めております。
上記を含む人的資本に関する指標の実績は、
(注)1.一人当たり教育時間は、地域によって教育体系や人事制度が異なり、統一した指標の設定が困難であり、女性管理職比率については、国内法を基本とした取り組みであり、海外拠点は対象としていないため、イビデン及び国内グループ会社を範囲としています。
(注)2.各社の業態に応じて教育を実施しており、目標は設定していません。
(注)3.女性管理職比率は、課長級であるミドルマネージャー以上における女性の比率です。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの事業は、複数の事業セグメントから構成されており、その中でも主たる事業である電子部門は、主に半導体メーカー及び各種エレクトロニクス製品を製造するメーカーに、またセラミック部門は、主に自動車メーカーに製品を供給しております。当社グループの製品は厳しい競争下にあるため、常に研究開発の継続による新製品の開発が求められております。
①電子部門の製品に関しては、当社グループ製品が採用されているサーバー及びパソコン市場において、技術革新や製品ニーズが大きく変化する可能性があります。こうした市場の変化による影響を最小限にとどめるため、技術革新に向けた情報収集と技術構築、受注製品構成の変化に柔軟に対応できるリソース配分と生産体制の構築を図っております。
②セラミック部門の自動車関連製品に関しては、排気ガス関連規制の延期、EV・ハイブリッド車の普及加速などによる内燃機関向け製品需要の変化に備え、顧客ニーズの変化や競合を含む市場動向を確認しながら、成長市場へ注力した生産・供給体制への移行とEV化対応の製品開発と販売拡大を図っております。
競争環境下で、高水準の新製品開発投資を継続して行う必要がありますが、技術革新の目覚しい市場において、顧客のニーズを満足させる新技術を的確に予想することは容易ではなく、当社グループが常に技術の変化に対応し、新製品をタイムリーに開発・供給できるとは限りません。また、想定外の世界の経済情勢の悪化や製品市場の急激な変化により、当社グループの製品の需要が大幅に落ち込んだ場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、事業展開している各国の生産拠点で所定の品質基準に基づき、各種製品を生産しております。当社グループが提供する製品は、高い信頼性が求められるものが多いため、更なる信頼性の向上のため品質データの自動検証システムの整備を進めるなど、製品の品質には細心の注意を払っておりますが、全ての製品について欠陥がなく、将来にわたっても重大な品質問題を引き起こさないという保証はありません。
万一、大規模な製造物責任賠償につながるような製品の欠陥及び品質不良が発生した場合には、製造物責任保険で賄いきれない賠償責任を負担する可能性があると同時に、信用の失墜による売上高の低下を招き、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、顧客ニーズへの迅速な対応及び製品供給を行うために、販売・生産拠点の現地化を重要な企業戦略の一つとして、積極的に生産拠点の拡充を進めてきました。
当社グループの生産拠点及び販売先がある特定地域の持つ政治的、社会的な緊張から来る、突然の制度、法規則の変更等による突発的な調達・出荷・操業等の停止が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。これに対応して当社グループは、グローバルな生産体制、ネットワークを活用した代替出荷や生産、原材料の複数購買化、代替材料の採用検討など、特定地域での突発事象の影響を緩和する柔軟な運用を図っております。
しかしながら、特定地域での突然の制度、法律又は規則の変更等の政治的要因、市場環境の急激かつ大幅な変化(悪化)等の経済的要因等に起因する予期し得ない事態が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、多数の外部の取引先から原材料及び部品、エネルギー等を調達しておりますが、当社グループ製品の製造に必要とされる主要原材料・部品、エネルギーには、限られた供給元に依存しているものがあります。当社グループは、継続して市場に製品を供給し続けるため、使用効率の改善を行うとともに、原材料・部品を長期安定供給及び低価格での供給を受けるための努力を行っております。
しかしながら、当社グループが制御できないものを含め、需要の急増に伴う供給不足、供給先からの供給遅延及び供給停止等、継続的に安定供給に影響を与える多くの要因があります。このような事態が発生した場合や原材料等の市場における需給バランスの変化等によりその価格が高騰した場合には、当社グループの生産活動に影響を及ぼし、顧客への製品の納入や品質確保に支障をきたす可能性があります。また、製造原価の上昇に伴い、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
①システム障害の発生について
当社グループは、製造・研究開発・経営情報管理・会計・人財マネジメントを含む様々なビジネスプロセスや活動を管理・支援するために、様々な情報技術ネットワークやシステムを利用しています。これらの情報システムの利用に当たっては、安全対策が施され、加えてシステムのバックアップ体制の構築や障害発生時の早期復旧策の構築をはじめとする対策を講じておりますが、外部からのサイバー攻撃やインフラの障害などにより、操業が一時的に停止する可能性があります。
②技術情報等の流出について
当社グループは、事業運営に関連する技術、営業、個人及び経営全般に関する情報等を多数保有しております。これらの情報管理には、社内規程の整備、従業員教育等の対策を講じておりますが、予見し難い状況の発生、又は故意、過失の如何に関係ない人為的な行為に起因する理由等によって、外部に情報が流出し、第三者が不正取得・使用する可能性があり、このような事態が生じた場合には、この対応のために生じる多額の費用負担や顧客等からの信頼の失墜が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、国内外に多数の事業拠点を有しており、地震、洪水等大規模な自然災害が発生した場合には、自社工場の操業の停止、又はサプライチェーンの寸断等、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。これらの影響を最小限にするため、自然災害による局所的な災害時の事業継続・復旧計画の策定、サプライチェーンにおける複数拠点調達化を図ってまいります。
気候変動の加速を受けた気候変動関連の規制強化がエネルギー調達コストの上昇を招くリスクと捉え、発電効率の高い発電設備の増強などエネルギー効率の高い生産プロセスの実現・自社再生可能エネルギーの効率的な活用を図っております。
当社グループでは技術を支えるのも事業を支えるのも人が根幹であり、多様な人財こそが当社グループの持続的成長の生命線と捉えております。しかしながら、日本国内で進む少子高齢化から来る労働人口の減少による人財の不足により人財の確保・育成が計画通りに遂行できなかった場合、技術者不足による事業の停滞から、当社グループの事業戦略及び業績に影響を及ぼす可能性があります。これに対し、当社ではデジタル技術(AI及びDX)を活用した業務の効率化、自動化の促進と多様性のある人財の活躍支援に取り組むと共に、社員エンゲージメントの向上とブランディング強化を進めることで、人財の確保を図っております。
①為替変動について
当社グループは、海外での販売比率が高く、また世界各国に事業を展開していることから、当社グループの外貨建ての輸出入取引や子会社の現地通貨建ての収益、費用、資産、負債は連結財務諸表作成のために円換算されるため、為替相場の変動の影響を大きく受けることになります。
当社グループにおいては、為替相場の変動リスクを縮小あるいはヘッジするための対策を講じておりますが、為替相場の変動による影響を完全に排除することは不可能であり、米ドル、ユーロ等の主要通貨及び現地通貨に対して、円高が急激かつ長期に進行した場合には、当社グループの業績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
②保有有価証券の価格変動について
当社グループは、主に銀行や取引先等との関係構築・維持のための政策上の投資として株式を保有しておりますが、株式相場の大幅な下落、又は株式保有先の財政状態の悪化や倒産等により、保有する株式の価額が著しく下落し、しかも回復可能性が認められない場合は、保有する株式の減損処理により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③繰延税金資産の回収可能性の評価について
当社グループは、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金に対して、将来の課税所得を合理的に見積った上で回収可能性を判断し、繰延税金資産を計上しておりますが、実際の課税所得が予測と異なり回収可能性に疑義が生じた場合、もしくは税率の変更等を含む各国の税制の変更があった場合には、繰延税金資産の計算の見直しが必要となります。その結果として、繰延税金資産の取崩が必要となった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④設備投資について
設備投資に関して、当社グループは、電子部門及びセラミック部門の国内外での生産体制整備のため、今後も設備投資を行う予定でおります。
設備投資について、当該設備を事業の用に供した時期に機械装置などの本勘定に振り替え、減価償却を開始しております。固定資産の取得に関して適切な会計処理が行われるように、資産計上予定表に基づき事業の用に供した時期の承認を行うなどの内部統制を構築しております。
投資にあたっては、将来の需要予測と当社グループの競争力を基に、投資効率を勘案して決定しておりますが、競合他社の開発・市場参入動向、最終製品の需要動向の変化により、当初予想した受注量を確保できない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
⑤減損会計について
当社グループは、事業用の設備、不動産など様々な有形・無形の固定資産を所有しております。こうした資産は、時価の下落や、期待どおりのキャッシュ・フローを生み出さない状況になるなど、その収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなることにより、減損処理が必要となる場合があり、減損損失が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における世界経済は、総じて回復基調にはありましたが、欧米における政策金利動向や為替及び株式市場の大きな変動、中国における経済成長の停滞、さらには米国の政策変更に伴う影響が一部で顕在化するなど、不安定な状況が継続しました。国内経済においても、物価上昇の継続や世界経済の情勢変化を起因とした下押し圧力による影響を受けるなど、楽観視できない状況が継続しました。
半導体・電子部品業界の市場は、パソコン市場においては、新型コロナウィルス感染症の拡大によって発生した特需の反動減を主要因とした在庫調整は一巡したものの、全体として回復は力強さに欠ける水準で推移し、サプライヤー間の価格競争が激化しました。サーバー市場においては、生成AI関連を中心とした成長領域は好調に推移した一方で、既存のデータセンター向けサーバー市場は、大口ユーザーの投資水準に底打ち感は見られたものの、半導体メーカー間の競争環境の変化が続いております。
自動車業界の排気系部品市場は、中国国内の景気減速及び世界的な景気停滞に加え、国内自動車メーカーのエンジン認証問題に伴い、グローバルでの自動車生産台数の伸びは鈍化しております。
このような情勢のもと、当社におきましては、2023年度より始動しております5ヵ年の中期経営計画「Moving on to our New Stage 115 Plan」に基づき、強靭かつしなやかなビジネスモデルの構築を中心とした事業競争力強化や、DXを活用したモノづくり改革など、5本の活動の柱(強化していく5つの力)と製造業としての基盤活動を軸に、事業環境変化への対応と、持続可能な成長の両立に向けた取り組みを進めております。
これらの結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度末における総資産は1兆816億84百万円(前年同期比4.3%減)となりました。流動資産は5,495億80百万円(同8.5%減)、固定資産は5,321億3百万円(同0.6%増)となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、5,843億85百万円(同7.0%減)となりました。流動負債は3,277億17百万円(同8.6%減)、固定負債は2,566億68百万円(同4.9%減)となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は4,972億98百万円(同0.9%減)となりました。
当連結会計年度の売上高は3,694億36百万円と前連結会計年度に比べ10億74百万円(0.3%)減少しました。営業利益は476億21百万円と前連結会計年度に比べ52百万円(0.1%)増加しました。経常利益は478億90百万円と前連結会計年度に比べ32億50百万円(6.4%)減少しました。親会社株主に帰属する当期純利益は337億4百万円と前連結会計年度に比べ22億14百万円 (7.0%)増加しました。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
電子事業の売上高は1,972億23百万円となり、前連結会計年度に比べ3.4%増加しました。同事業の営業利益は、268億47百万円となり、前連結会計年度に比べ1.6%減少しました。
セラミック事業の売上高は840億68百万円となり、前連結会計年度に比べ12.9%減少しました。同事業の営業利益は122億18百万円となり、前連結会計年度に比べ8.5%減少しました。
その他事業の売上高は881億44百万円となり、前連結会計年度に比べ5.8%増加しました。同事業の営業利益は87億6百万円となり、前連結会計年度に比べ23.4%増加しました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、3,906億56百万円となり、前連結会計年度末より529億27百万円減少しました。
各キャッシュ・フローの概要は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって得られた資金は、1,188億95百万円となり、前期に比べ、263億35百万円の資金の減少となりました。これは主に前受金の増加額が減少したこと、棚卸資産の増減額が減少から増加に転じたことによって資金が減少したことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用された資金は、1,641億82百万円となり、前期に比べ、869億7百万円の資金の減少となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出額が増加したことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によって使用された資金は、71億13百万円となり、前期に比べ、746億40百万円の資金の減少となりました。これは主に転換社債型新株予約権付社債の発行による収入が減少したことによります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、販売価格によっております。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セラミック及びその他部門は主として見込生産であります。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりです。
※前連結会計年度のNVIDIA Corp.及びAdvanced Micro Devices Inc.の販売実績は、総販売実績の10%未満であるため記載を省略しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、これらの記載には将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断しております。
当連結会計年度末における総資産は1兆816億84百万円(前年同期比4.3%減)となりました。流動資産は5,495億80百万円(同8.5%減)、固定資産は5,321億3百万円(同0.6%増)となりました。
流動資産の減少の主な要因は、現金及び預金が529億27百万円減少したことによります。
固定資産の増加の主な要因は、建物及び構築物が876億97百万円増加したことと、投資有価証券が513億69百万円、建設仮勘定が328億89百万円減少したことによります。
当連結会計年度末の負債合計は、5,843億85百万円(同7.0%減)となりました。流動負債は3,277億17百万円(同8.6%減)、固定負債は2,566億68百万円(同4.9%減)となりました。
流動負債の減少の主な要因は、前受金が119億86百万円増加したことと、設備関係電子記録債務が467億23百万円減少したことによります。
固定負債の減少の主な要因は、繰延税金負債が124億18百万円減少したことによります。
当連結会計年度末の純資産合計は4,972億98百万円(同0.9%減)となりました。
純資産合計の減少の主な要因は、利益剰余金が281億8百万円増加したことと、その他有価証券評価差額金が292億41百万円減少したことによります。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の43.80%から45.35%となりました。また、1株当たり純資産額は、前連結会計年度末の3,543円06銭から3,513円31銭となりました。
売上高は、3,694億36百万円(前年同期比0.3%減)となりました。
売上原価は、2,561億8百万円(前年同期比4.5%減)となりました。売上原価率は3.0ポイント改善し、69.3%となりました。
この結果、営業利益は、476億21百万円(前年同期比0.1%増)となりました。
営業外損益は、前連結会計年度の35億71百万円の利益(純額)から当連結会計年度は2億68百万円の利益(純額)となり、利益(純額)が減少しました。主な変動要因は、為替差損益が24億15百万円減少したことによります。
この結果、経常利益は、478億90百万円(前年同期比6.4%減)となりました。
特別損益は、前連結会計年度の37億5百万円の損失(純額)から当連結会計年度は35億60百万円の利益(純額)となり、利益(純額)が増加しました。主な変動要因は、投資有価証券売却益が244億11百万円増加したことと、減損損失が180億14百万円増加したことによります。
この結果、税金等調整前当期純利益は、514億51百万円(前年同期比8.5%増)となりました。
法人税等は、前連結会計年度の156億85百万円から当連結会計年度は174億円となり、増加しました。
この結果、当期純利益は、340億50百万円(前年同期比7.2%増)となりました。
非支配株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の2億59百万円から当連結会計年度は3億46百万円となり、増加しました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、337億4百万円(前年同期比7.0%増)となりました。
1株当たり当期純利益は、241円32銭となりました。
ROE(自己資本当期純利益率)は、6.84%となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、第2「事業の状況」 3「事業等のリスク」に記載のとおりであります。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、特に定めておりませんが、連結中期経営計画「Moving on to our New Stage 115 Plan」の2年目にあたる2025年3月期の期初に掲げました売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益の計画に対する達成状況は、以下のとおりであります。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討事項は、次のとおりであります。
電子事業におきましては、生成AI用サーバー向けの受注が堅調に推移したことにより、売上高は前連結会計年度に比べ増加したものの、パソコン及び汎用サーバー向けの高機能ICパッケージ基板の需要が減少したことに加えて、価格競争が激化する中、採算性を重視する受注方針によって一時的に生産稼働が低下したことなどにより、営業利益は前連結会計年度に比べ減少しました。
以上の結果、電子事業の売上高は1,972億23百万円となり、前連結会計年度に比べ3.4%増加しました。同事業の営業利益は268億47百万円となり、前連結会計年度に比べ1.6%減少しました。
自動車排気系部品であるディーゼル・パティキュレート・フィルター(DPF)は、中国経済の減速に伴う影響を受け、売上高は前連結会計年度に比べ減少したものの、エネルギー費用を中心としたコスト上昇分を顧客との合意に基づいて販売価格に転嫁したことや、受注に合わせた柔軟な生産体制の構築が寄与したことなどにより、営業利益は前連結会計年度に比べ増加しました。
触媒担体保持・シール材(AFP)は、中国経済の減速及び国内自動車メーカーにおけるエンジン認証問題による販売数量減の影響が続いたことなどにより、売上高・営業利益ともに前連結会計年度に比べ減少しました。
特殊炭素製品(FGM)は、総じて受注が堅調に推移したことにより、売上高は前連結会計年度に比べ増加したものの、市況変化による一部顧客の在庫調整及び能増投資に伴う償却費増加などの理由により、営業利益は前連結会計年度に比べ減少しました。
以上の結果、セラミック事業の売上高は840億68百万円となり、前連結会計年度に比べ12.9%減少しました。同事業の営業利益は122億18百万円となり、前連結会計年度に比べ8.5%減少しました。
建材部門におきましては、住宅着工件数の落ち込みによる販売棟数の減少影響を受けたものの、2023年度に実施した買収の効果もあり、売上高・営業利益ともに前連結会計年度に比べ増加しました。
建設部門におきましては、発電設備・排水処理設備の建設工事の受注が堅調に推移したことに加え、大型工事が順調に進捗したことにより、売上高・営業利益ともに前連結会計年度に比べ増加しました。
その他部門におきましては、ヘルスケア事業において特定健診制度改正に伴う受注が好調に推移したことに加え、その他事業全体を通じて各種費用改善が寄与したことなどにより、売上高・営業利益ともに前連結会計年度に比べ増加しました。
以上の結果、その他事業の売上高は881億44百万円となり、前連結会計年度に比べ5.8%増加しました。同事業の営業利益は、87億6百万円となり、前連結会計年度に比べ23.4%増加しました。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、設備投資に必要な資金及びその他の所要資金には手元資金を充当することを基本的な方針とし、グループ内ファイナンスの活用による効率的な資金運用を行っております。また、資金運用の柔軟性を保つため、必要な都度、借入等による資金調達を行うこととしております。
当連結会計年度の当社グループのキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリーキャッシュ・フローは、マイナス452億86百万円となりました。また、財務活動によって使用された資金は、配当金の支払額等により71億13百万円となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高(資金)は3,906億56百万円となりました。
この資金の運用については、当社グループは、資金の流動性を考慮して、短期的な預金などとして運用する方針です。さらに、当社グループでは、旺盛な顧客需要に対応するために、ICパッケージ基板の生産能力増強を図る目的で設備投資を継続しており、これらの資金需要に対して資金を充当してまいります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
当社グループにおける研究開発活動は中核となる当社の技術開発部門、生産技術部門並びに各事業本部の技術部門及び関係会社において幅広く進めております。
技術開発部門におきましては、顧客の将来ニーズと社会課題を素早くキャッチし、事業化に素早く結び付けるために多機能を取り込んだ事業開発体制を築いています。既存のコア技術の進化に加えて、新領域での事業の創出にも取り組んでおります。
生産技術部門におきましては、DXを活用して生産性・品質をより向上させるための支援、及び新たな工法や設備開発に継続して取り組んでおります。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、
主な研究開発活動状況は次のとおりであります。
(電子事業)
進化する市場(IoT、5G通信、AI、データセンター、車載)への事業拡大に向けた製品設計、要素技術、プロセス技術の開発を進めております。高速伝送・低ロス化の要求に対応した高密度、高機能のパッケージ基板やプリント配線基板などの開発を行っております。
研究開発費の金額は、
(セラミック事業)
NEV分野の安全性向上に貢献する部材や半導体関連に必要とされる部材、さらには引き続き要望がある高機能排気システムに対応した部材の開発を行っております。
研究開発費の金額は、
(その他事業)
上記以外の新領域として、農業関連では、農作物の収穫量向上を目指した植物活性化材(商品名:LEAFENERGY)の事業拡大を推進しております。
また、脱炭素関連の製品開発については、産官学との連携を積極的に推進し、開発リードタイムを短縮し早期に社会実装を具現化してまいります。
農畜水産物加工業では、即席麺用の各種乾燥具材やご飯用ふりかけなどで使用される乾燥具材製品や植物性タンパク質を用いた動物性タンパク質食材の代替品の研究開発を行っております。
建設関連については、造園に係る壁面緑化システム(いこいの壁)の改良などや、法面保護新工法・新技術の開発を行っております。
研究開発費の金額は、