第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下の通りであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2018年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

当社は、安全を最優先の行動原理として、公正な企業活動を行い、素材と技術による価値創造を通じて暮らしや社会と産業に貢献することで、株主の皆さまのご期待にお応えしていくことを目指しております。そのために、世界最高水準の技術や品質の追求とともに生産性の向上に絶え間なく努めながら、世界中の顧客と安定した取引関係を築き、経済情勢や市況の変化に的確に対応できる経営を進めております。

また、持続可能な開発目標(SDGs)を念頭に置いて、多面的にそれに資するよう事業を行ってまいります。当社グループの製品、事業及び操業の仕方は、もともとSDGsと親和性があると認識しており、それをさらに高めていきたいと考えております。

(2)目標とする経営指標、中長期的な会社の経営戦略

目標とする経営指標は、年次ごとの増収、増益であります。当社の主要製品の中には、市況をはじめとした事業環境の変化の影響を受ける製品があります。短期間で急変する市況の中で各事業の経営を行うためには、外部環境の変化に速やかに対応していくことが必要です。前項の「会社の経営の基本方針」に記載しました方針をもとに、毎日、毎月そして毎年の経営を着実に行い、売上、収益を成長させていくことに注力しています。

(3)経営環境及び対処すべき課題

世界経済は、景気が総じて良いものの、多くの不確定要因をかかえており、予断を許しません。

当社グループは、世界の市場を見据え、需要動向を的確に捉えた販売活動を積極的に展開するとともに、世界の最適地での製造拠点の建設や既存設備能力の増強による事業展開を加速させてまいります。また、生産性と品質の向上に引き続き注力するとともに、顧客に価値ある製品開発と製品の安定供給に努めてまいります。そのために、健全な財務内容を保ちつつ、かつそれを活かして、適時適切な投資を遂行してまいります。

今後とも、顧客、市場及び社会のニーズに、長期的に応える価値作りに取り組み、持続的な社業の成長を図ってまいります。

総じて、各事業でフル操業を行っており、需要の増加、顧客からの供給要請に応えていくために、最適な製造能力の手当てをしていく必要があります。市場を的確に捉えるとともに投資効率を踏まえ、リスク管理を効かせつつ、積極的に取り組んでまいります。加えて、将来を見据えた生産体制の構築も前広に行ってまいります。

塩化ビニル事業では、米国のシンテック社が、原料からの一貫生産体制の強化のため、主要原料であるエチレンの生産工場建設の完遂に向けて取り組んでいます。また、現有生産能力や米国の有利な原料事情を活用するとともに、日米欧の3拠点から全世界の需要動向を的確に捉える販売によって、今後も世界最大の塩化ビニル樹脂メーカーとして諸策を適時に講じてまいります。

半導体シリコン事業では、半導体デバイス市場の拡大が期待される中、顧客に高品質なシリコンウエハーの安定供給を行うための手立てを施してまいります。また、半導体市場の変動に備え、あらゆる分野で競争力を維持してまいります。

シリコーン事業では、日本、タイ、米国ほかの拠点で生産能力増強を進め、全世界の顧客への供給体制の拡大に取り組んでいます。また、テクニカルセンターを増やして、新製品及び新規用途の開発を推進してまいります。今後とも、研究、製造、営業が一体となり、さらなる事業拡大をはかってまいります。

希土類磁石事業では、ベトナム工場の生産能力増強を進めるとともに、原料の精製から焼結までの一貫生産を推進し、コスト競争力のある体制の構築に努めています。さらに、自社リサイクルや調達先の多様化によって原材料の安定調達も進め、自動車向けを中心に拡大している需要に応えてまいります。

その他の事業につきましても、セルロース事業では、日本とドイツの2拠点で製品の多様化に対応する設備投資を進めつつ、米国の新工場での生産増をはかります。また、日本と中国の計3拠点で増強を決定した光ファイバー用プリフォーム工場のほか、マスクブランクス第2工場や台湾で建設中のフォトレジスト工場などの拠点を活かし、主要サプライヤーとしてさらなる飛躍を目指してまいります。

さらに、将来の柱となる事業を生み出すため、世界の新しいニーズを先取りした独自性のある新規製品の研究開発と事業化を加速させるとともに、M&Aなども視野に入れた新しい事業の開拓にも注力してまいります。

また、安全確保、環境保全、コンプライアンスなどの企業の社会的責任を果たし、引き続き企業価値の最大化に努めてまいります。

2【事業等のリスク】

 当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の経営成績、財政状態およびキャッシュ・フロー等の業績に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。

 当社グループにおいては、これらのリスクの発生を防止、分散、あるいはヘッジすることによりリスクの軽減を図っております。しかし、予想を超える事態が生じた場合には、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 なお、記載した事項は、当連結会計年度末(2018年3月31日)現在において当社グループが判断したものでありますが、当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではありません。

① 経済動向および製品市況による影響

当社グループ製品の主要な市場がある国および地域の経済環境の動向は、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、主要製品の中には、世界的な需給環境により大きな価格変動が起きるものもあります。当社グループは事業の多角化・グローバル化等によってそのリスクをヘッジしておりますが、製品の需要が減少あるいは価格競争が激化した場合、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

② 為替相場の変動による影響

2018年3月期の当社グループ連結売上高の海外売上高比率は74%となっており、今後も高い水準で推移するものと思われます。在外連結子会社等の財務諸表項目の円換算額は、為替相場に左右され、大幅な変動が生じた場合、当社グループ全体の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、外国通貨建て取引についても、為替予約等によりリスクを軽減させる措置を講じておりますが、同様な可能性があります。

③ 自然災害・事故災害の影響

当社グループは、生産活動の中断により生じる損害を最小限に抑えるため、製造設備に対し定期的な防災点検及び設備保守、また、安全のための設備投資等を行うとともに、生産拠点の複数化に努めております。しかしながら、突発的に発生する災害や天災、不慮の事故等の影響で、製造設備等が損害を被った場合は、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

④ 公的規制

当社グループが事業活動を行っている国及び地域では、投資に関する許認可や輸出入規制のほか、商取引、労働、特許、租税、為替等の各種関係法令の適用を受けています。これらの法令の改変は、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 資材等の調達

 当社グループの生産活動には、種々の原材料を使用しており、原材料ソースの多様化により安定的な調達に努めておりますが、これらについて供給の逼迫や遅延、また、それに伴う価格上昇等が生じた場合、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

⑥ 新製品の開発

 当社グループの主要販売先の一つであるエレクトロニクス業界は、技術的な進歩が急速であり、当社では常に技術革新に対応できる最先端の材料開発に努めております。しかしながら、当社グループが業界と市場の変化に的確に対応できなかった場合、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

⑦ 環境問題について

 各種の化学物質を取り扱う当社グループは、環境に関する各種法律、規制を遵守するとともに、地球温暖化防止に向けた省エネルギーや環境影響物質の排出抑制に積極的に取り組んでおります。しかしながら、環境に関する規制が予測を超えて厳しくなり、大きな新たな設備投資等の必要が生じた場合、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

⑧ 製造物責任

当社グループでは、製品の特性に応じた最適な品質の確保に全力を挙げて取り組んでいますが、予期せぬ事情により品質問題が発生した場合、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

   当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の経営成績、財政状態及びキャッ

  シュフロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要及び経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識

  及び分析・検討内容は次のとおりであります。

  なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2018年3月31日)現在において判断したものであり

 ます。

 

  (1)経営成績

  当連結会計年度の世界経済は、緩やかな回復基調となりました。米国では景気の着実な回復が続き、日本や欧

州、新興国地域でも緩やかに回復しました。中国では、景気の持ち直しの動きが続きました。

 このような状況のもと、当社グループは、継続的な業績の伸長を達成すべく、

(ⅰ)顧客との関係を深耕し、かつ顧客層を拡張し、

(ⅱ)顧客に密着した製品開発、品質の向上と技術における差別化を絶えず遂行し、

(ⅲ)的確な納期対応と厳格なコスト管理を継続するとともに、

(iv)需要増に応えるための投資を適宜に行ってまいりました。

 その結果、当連結会計年度の業績は、売上高は、前期に比べ16.5%(2,040億2千7百万円)増加し、1兆

4,414億3千2百万円となりました。営業利益は、前期に比べ41.2%(982億5百万円)増加し、3,368億2千2百

万円となり、経常利益は、前期に比べ40.5%(981億7千5百万円)増加し、3,403億8百万円となりました。ま

た、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に比べ51.3%(903億2千3百万円)増加し、2,662億3千5百万

円となりました。

 なお、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益には、米国税制改正による繰延税金資産及び負債の

取崩額298億9千1百万円(益)が含まれております。

 

セグメントごとの経営成績の概要及びその分析等は、次のとおりであります。

 

塩ビ・化成品事業

塩ビ・化成品は、米国のシンテック社がフル操業を継続する一方、塩化ビニルに加えてか性ソーダも需給関係の改善が進み、業績を大きく伸長させました。日本と欧州の拠点でも同様に業績を上げました。シンテック社を中心に、拠点地域と全世界で綿密に売上を増やしたことが、増益に寄与しました。

その結果、当セグメントの売上高は、前期に比べ21.8%(897億4千6百万円)増加し5,013億4千6百万円となり、営業利益は、前期に比べ75.3%(400億5千万円)増加し932億3千6百万円となりました。

 

シリコーン事業

シリコーンは、全分野・用途で需要が伸び、機能製品に加え、汎用製品も全世界で拡販した結果、業績を伸長させました。

その結果、当セグメントの売上高は、前期に比べ15.1%(269億9千3百万円)増加し2,062億6千8百万円となり、営業利益は、前期に比べ22.1%(94億5百万円)増加し519億5千4百万円となりました。

 

機能性化学品事業

セルロース誘導体は、医薬用製品、建材用製品及び塗料用製品が底堅く推移し、フェロモン製品やポバール製品ほかも総じて堅調な仕上がりとなりました。

その結果、当セグメントの売上高は、前期に比べ8.5%(91億3千9百万円)増加し1,171億9千7百万円となり、営業利益は、前期に比べ15.7%(34億9千6百万円)増加し257億2千9百万円となりました。

 

半導体シリコン事業

半導体シリコンは、旺盛な半導体デバイス需要にけん引され、300mmをはじめとする全ての口径のウエハーで高水準な需要に対応するとともに、製品価格の修正を行ったことで、業績を大きく伸長させました。

その結果、当セグメントの売上高は、前期に比べ22.1%(557億7千8百万円)増加し3,083億9千万円となり、営業利益は、前期に比べ66.0%(369億7千2百万円)増加し929億6千3百万円となりました。

 

電子・機能材料事業

希土類磁石は、ハイブリッド車をはじめとする自動車向けや産業機器向けが好調な出荷を継続し、売上を伸ばしました。フォトレジスト製品は、KrFレジスト、ArFレジスト及び多層レジスト材料のいずれも堅調に推移し、また、マスクブランクスも伸長しました。光ファイバー用プリフォームは、世界的な需要増を取り込むとともに、中国での新しい合弁会社の生産も期後半より寄与し、販売を伸ばしました。LED用パッケージ材料も堅調な出荷となりました。

その結果、当セグメントの売上高は、前期に比べ10.4%(195億1千6百万円)増加し2,074億5千4百万円となり、営業利益は、前期に比べ11.6%(64億2千2百万円)増加し616億3千1百万円となりました。

 

加工・商事・技術サービス事業

信越ポリマー社の自動車用入力デバイスや半導体ウエハー関連容器が、好調に推移しました。

その結果、当セグメントの売上高は、前期に比べ2.9%(28億5千6百万円)増加し1,007億7千5百万円となり、営業利益は、前期に比べ19.8%(18億9千8百万円)増加し114億8千2百万円となりました。

 

 

(2)財政状態

        当連結会計年度末(以下「当期末」という。)の総資産は、前連結会計年度末(以下「前期末」という。)

    に比べて2,526億円増加し、2兆9,083億円となりました。主に現金及び預金並びに有形固定資産が増加したこ

    とによるものです。

        当期末負債合計額は、前期末に比べ297億円増加し、4,953億円となりました。

   また、当期末純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益2,662億円により利益剰余金が増加した結果、2

  兆4,130億円となりました。

         この結果、自己資本比率は80.3%から0.5ポイント増加し、80.8%となり、1株当たり純資産額は、前期に比

     べ509円82銭増加し、5,511円98銭となりました。

   投下資本利益率(ROIC)は14.0%から4.2ポイント増加し、18.2%となり、自己資本利益率(ROE)

  は、8.5%から3.4ポイント増加し、11.9%とそれぞれ高めることができました。年間配当金につきましては、

  前期に比べ20円増配し、1株当たり140円といたしました。また、2018年5月には消却前の発行済株式総数の

  1%に相当する自己株式を消却しました。

 

  (3)キャッシュ・フロー

      当期末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期末に対して6.4%(471億4千3百万

    円)増加し、7,804億4千9百万円となりました。

 

  営業活動によるキャッシュ・フロー

   当連結会計年度の営業活動の結果得られた資金は3,327億7千6百万円(前期比419億4百万円増加)となりま

  した。これは、税金等調整前当期純利益3,403億8百万円、減価償却費1,120億1千6百万円などにより資金が増

  加した一方、法人税等の支払額747億9千1百万円、売上債権の増加額422億8千7百万円などで資金が減少した

  ことによるものであります。

 

  投資活動によるキャッシュ・フロー

   当連結会計年度の投資活動の結果、資金は2,376億2百万円減少(前期は12億8千1百万円の獲得)しました。

  これは、有形固定資産の取得による支出1,623億1千1百万円、有価証券の取得による支出950億円などにより資

  金が減少した一方、有価証券の償還による収入505億6千万円などで資金が増加したことによるものであります。

 

  財務活動によるキャッシュ・フロー

   当連結会計年度の財務活動の結果使用した資金は500億6百万円(前期比128億7百万円増加)となりました。

  これは、配当金の支払額533億1百万円などによるものであります。

 

  なお、重要な資本的支出の予定及びその資金の調達源につきましては、当期末後1年間で当社グループ(当社及び連結子会社)は、当期実績に比べ約40%増加の総額2,500億円の設備投資を見込んでおり、自己資金で賄う予定であります。

 (4)生産、受注及び販売の実績

 ①生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

塩ビ・化成品事業

499,156

20.8

シリコーン事業

201,383

16.8

機能性化学品事業

117,512

12.9

半導体シリコン事業

309,114

27.1

電子・機能材料事業

208,637

11.2

加工・商事・技術サービス事業

66,871

10.4

合計

1,402,677

18.7

(注)1.生産金額は期中販売価格により算出したものであります。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

 ②受注実績

 当社グループ(当社及び連結子会社)は主として見込み生産を行っているため、受注実績を記載しておりません。

 

 ③販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

塩ビ・化成品事業

501,346

21.8

シリコーン事業

206,268

15.1

機能性化学品事業

117,197

8.5

半導体シリコン事業

308,390

22.1

電子・機能材料事業

207,454

10.4

加工・商事・技術サービス事業

100,775

2.9

合計

1,441,432

16.5

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

4【経営上の重要な契約等】

技術提携契約

契約会社名

契約相手先

契約発効日

契約の内容

信越化学工業株式会社(当社)

日立金属株式会社(日本)

2014年7月9日

希土類磁石の製造・使用・販売に関する特許の実施権を相互に許諾している。

 

 

 

5【研究開発活動】

 当社グループ(当社及び連結子会社)は、現有事業分野の研究では国際競争力を強化し、技術・品質・コストでトップを目指すこと、新規事業分野では独自技術を追求し、早期事業化を目指すことを研究開発の基本方針として、計画的、効率的かつ迅速な研究開発を行っております。特に新規分野では、エネルギー関連、半導体周辺材料、光・通信関連、ヘルスケアー関連、ワイドギャップ材料等5分野の研究開発を推進しております。
 当社グループの主な研究拠点は、当社の6研究所即ち塩ビ・高分子材料研究所(茨城県)、シリコーン電子材料技術研究所(群馬県)、精密機能材料研究所(群馬県)、合成技術研究所(新潟県)、新機能材料技術研究所(新潟県)および磁性材料研究所(福井県)、ならびに信越ポリマー(株)の研究開発センター(埼玉県)、信越半導体(株)の半導体磯部研究所(群馬県)と半導体白河研究所(福島県)、ドイツのSEタイローズ社などであります。

 

(1)塩ビ・化成品事業

 塩化ビニルに関する研究は塩ビ・高分子材料研究所で行っております。同研究所は、米国、欧州にも展開する塩化ビニル事業での世界の研究センターとしての役割を担っております。

 

(2)シリコーン事業

  シリコーンに関する研究は、シリコーン電子材料技術研究所が海外も含めた総合的な機能を担い、一部合成技術研究所でも研究を実施しております。

 

(3)機能性化学品事業

 セルロース誘導体に関する研究は合成技術研究所及びドイツSEタイローズ社で行っております。

 

(4)半導体シリコン事業

半導体シリコンに関する研究は信越半導体(株)の2つの研究所で実施され、シリコンウエハーの生産技術の向上、更なる品質の向上、デバイスの微細化進展に対応する最先端の技術開発に取り組んでおります。また、デバイスの更なる低消費電力、高速化に対応する薄膜SOIウエハー及びFZウエハーなど将来有望視される次世代向け技術開発にも取り組んでおります。化合物半導体では、超高輝度4元系(AlInGaP)の赤色LED用エピタキシャルウエハー及びチップの製品化において高い評価を得ており、更なる高輝度化、高信頼性、多色化等の高機能を目指した新製品の開発を進めております。また、一般用LED照明の色調改善や植物育成用照明用途への赤色LED採用が進められており、この分野へも注力していきます。

 

(5)電子・機能材料事業

電子産業用有機材料はシリコーン電子材料技術研究所で、電子産業用希土類磁石は磁性材料研究所で研究が行われております。また、半導体製造プロセスで使用されるKrFおよびArFエキシマ用フォトレジストは新機能材料技術研究所で開発されました。フォトレジストは、ネガ現像のArF液浸レジスト、多層材料の性能改善を実施し、7nm世代の開発が最終段階を迎えております。また、5nmの基礎検討が開始され、5nm以細の候補リソ技術のEUV用レジスト開発にも取り組んでおります。同じく半導体製造プロセスで使用されるマスクブランクスも新機能材料技術研究所で開発しており、耐照射性に優れたArFハーフトーンブランクス及び10nmデザインルール用新構造ブランクスの主要顧客への認定が終了し量産出荷が開始、現在は7nm世代向けの開発に注力しています。合成石英製品のうち、光ファイバー用プリフォームは精密機能材料研究所、半導体用マスク基板や液晶用大型マスク基板は合成技術研究所が担当しております。酸化物単結晶及び超高純度窒化ホウ素に関する研究は精密機能材料研究所が担当しております。光ファイバー用プリフォームでは、世界トップレベルの品質を維持向上すべく、光通信分野での積極的な研究開発を進めております。レア・アース、一般用希土類磁石は磁性材料研究所で研究を実施しております。希土類磁石は、環境に優しいハイブリッドカーや風力発電のモーター用として採用され、需要の伸びが期待されます。また、液状フッ素ゴムの開発はシリコーン電子材料技術研究所で行われており、自動車や電子部品、事務機での需要が伸びております。

 

(6)加工・商事・技術サービス事業

 信越ポリマー(株)では、塩化ビニル、シリコーンなどの加工技術の開発を行っております。

  当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費は51,768百万円であります。このなかには、複数事業部門に関する研究および現有事業に関連を持たない研究も多数含まれていることから、セグメント別の研究開発費は記載しておりません。