当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2020年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、素材と技術による価値創造を通じて暮らしや社会と産業に貢献することで、株主の皆さまのご期待にお応えしていくことを目指しております。そのために、世界最高水準の技術や品質の追求とともに生産性の向上に絶え間なく努めながら、世界中の顧客と安定した取引関係を築き、経済情勢や市況の変化に的確に対応できる経営を進めております。また、持続可能な開発目標(SDGs)を念頭に置いて、多面的にそれに資するよう事業を行ってまいります。当社グループの製品、事業及び操業の仕方は、もともとSDGsと親和性があると認識しており、それをさらに高めていきたいと考えております。
(2)目標とする経営指標、中長期的な会社の経営戦略
目標とする経営指標は、年次ごとの増収、増益であります。当社の主要製品の中には、市況をはじめとした事業環境の変化の影響を受ける製品があります。短期間で急変する市況の中で各事業の経営を行うためには、外部環境の変化に速やかに対応していくことが必要です。前項の「会社の経営の基本方針」に記載しました方針をもとに、毎日、毎月そして毎年の経営を着実に行い、売上、収益を成長させていくことに注力しています。人間社会の持続的な発展とその質の向上を、環境負荷を抑えつつ実現する必要性の高まる今日、効率を極めることが必須です。データの高速処理、自動運転、IoT、5G、AIなどの技術はこの目的のために活用され、進歩していくはずです。そのために当社が担い、果たせる役割は大きいと信じています。当社の多くの製品がこうした目的に資するよう取り組むとともに、この目的に向かって新製品開発の実を上げてまいります。
(3)経営環境及び優先的に対処すべき課題
世界経済は、コロナ禍の真っ只中にあります。コロナ禍のもたらす景気後退や経済変動がどのようなものかは目下のところ特定できず、当社に及ぼす影響はまだ見通せません。その影響を最小限に抑えるべく最善を尽くし、かつ「コロナ禍後」に備えます。需要の掘り起こしを市場に貼りついて行います。それと同時に、顧客からの供給要請に応えていくために、最適な生産能力を適切に手当てしていきます。加えて、新規製品の上市を加速します。
塩化ビニル事業では、米国のシンテック社で、主要原料であるエチレンの生産工場が稼働を開始し、それを長期的なコスト競争力の伸長に役立てます。塩化ビニル樹脂製造工場の新設は計画通りに進めており、その一方で第2期の検討に入りました。
シリコーン事業では、主要拠点でのシリコーンモノマー並びに最終製品の生産能力増強を進め、全世界の顧客への供給体制と品揃えの拡充に取り組んでいます。顧客の課題解決に貢献する製品及び用途開発をより一層推し進めます。
機能性化学品事業では、セルロース事業で、日米欧の3拠点から多様な製品群の安定供給を図ります。これまで注力してきました製剤用特殊品や産業用機能品に加え、食品用でも需要の広がりに応えていきます。フェロモン製品も適用品種を増やして、農産物収穫向上に貢献していきます。ポバール他の現有製品についても拡販を推進します。
半導体シリコン事業では、半導体デバイス市場の短期的な変動はあるものの、長期に亘る成長は確実ゆえ、高品質なシリコンウエハーの安定供給継続のため、あらゆる手立てを施してまいります。今後とも、顧客と市場の動向を見極めつつ、競争力を高めてまいります。
電子・機能材料事業では、希土類磁石事業で、日本とベトナムの2拠点での原料の精製から最終製品までの一貫生産体制を活かす一方で、安定供給体制の見直しも行います。封止材料や基板材料で5G対応をはじめとする新製品を繰り出していきます。光ファイバー用プリフォームは、唯一のマーチャントサプライヤーとして顧客の要請に応えていきます。合成石英基板では、高品質とサイズ対応の迅速さで需要に応えていきます。フォトレジストでは、引き続き先端品の開発と安定供給を中心に据え、マスクブランクスでも先端品を基板からの一貫生産体制で需要に応えていきます。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)においては、これらのリスクの発生を防止、分散、あるいはヘッジすることによりリスクの軽減を図っております。しかし、予想を超える事態が生じた場合には、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
なお、記載した事項は、当連結会計年度末(2020年3月31日)現在において当社グループが判断したものでありますが、当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではありません。
① 経済動向および製品市況による影響
当社グループ製品の主要な市場がある国および地域の経済環境の動向は、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、主要製品の中には、世界的な需給環境により大きな価格変動が起きるものもあります。当社グループは事業の多角化・グローバル化等によってそのリスクをヘッジしておりますが、製品の需要が減少あるいは価格競争が激化した場合、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
② 為替相場の変動による影響
2020年3月期の当社グループ連結売上高の海外売上高比率は73%となっており、今後も高い水準で推移するものと思われます。在外連結子会社等の財務諸表項目の円換算額は、為替相場に左右され、大幅な変動が生じた場合、当社グループ全体の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、外国通貨建て取引についても、為替予約等によりリスクを軽減させる措置を講じておりますが、これにより当該リスクを完全に回避できる保証はなく、同様な可能性があります。
③ 自然災害・事故災害の影響
当社グループは、生産活動の中断により生じる損害を最小限に抑えるため、製造設備に対し定期的な防災点検及び設備保守、また、安全のための設備投資等を行うとともに、生産拠点の複数化に努めております。しかしながら、突発的に発生する災害や天災、不慮の事故等の影響で、製造設備等が損害を被ったり、サプライチェーンの分断が発生した場合は、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
④ 公的規制
当社グループが事業活動を行っている国及び地域では、投資に関する許認可や輸出入規制のほか、商取引、労働、特許、租税、為替等の各種関係法令の適用を受けています。これらの法令の改変は、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 資材等の調達
当社グループの生産活動には、種々の原材料を使用しており、原材料ソースの多様化により安定的な調達に努めておりますが、これらについて供給の逼迫や遅延、供給国の通商政策の変更、また、それらに伴う価格上昇等が生じた場合、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 急速な技術革新
当社グループの主要販売先の一つであるエレクトロニクス業界は、技術的な進歩が急速であり、当社では常に技術革新に対応できる最先端の材料開発に努めております。しかしながら、当社グループが業界と市場の変化に的確に対応できなかった場合、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、上記以外の業界向け製品についても、競争力の高い代替製品の出現により、同様の影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 環境問題について
各種の化学物質を取り扱う当社グループは、環境に関する各種法律、規制を遵守するとともに、効率を極めることにより、地球温暖化防止に向けた省エネルギーや環境影響物質の排出抑制に積極的に取り組んでおります。しかしながら、環境に関する規制が予測を超えて厳しくなり、技術的に対応が難しくなったり、大きな新たな設備投資等の必要が生じた場合、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 製造物責任
当社グループでは、製品の特性に応じた最適な品質の確保に全力を挙げて取り組んでいますが、予期せぬ事情により品質問題が発生した場合、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 新型コロナウイルスの影響
新型コロナウイルスの影響を最小限に抑えるため、当社グループの事業拠点では安全衛生対策を徹底しております。しかしながら、今後の同ウイルスの蔓延や、それを受けた各国における経済活動抑制の方針が当社製品に対する需要の大幅な減少や当社事業拠点を含むサプライチェーンに損害を生じさせた場合、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の経営成績、財政状態及びキャッ
シュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の世界経済は、全般的に成長は鈍化し続け、各所で調整が見られていた中で、今年に入りコロナ禍と言われる事態に直面しました。当該年度においては、コロナ禍が当社事業全般に及ぼす影響は限定的でした。このような状況のもと、当社グループは、継続的な業績伸長のため、予断をもってあたることなく、常に変化に迅速に対応してまいりました。また、顧客との関係を深耕し、かつ顧客層を拡張するとともに、顧客に密着した製品開発、品質の向上と技術における差別化を推し進めました。加えて、的確な納期対応と厳格なコスト管理を継続し、顧客と市場の需要に応えるための投資を適宜に行ってまいりました。
その結果、当連結会計年度の業績は、売上高は、前期に比べ3.2%(505億1千1百万円)減少し、1兆5,435億2千5百万円となりました。営業利益は、前期に比べ0.6%(23億3千6百万円)増加し、4,060億4千1百万円となり、経常利益は、前期に比べ0.7%(29億3千1百万円)増加し、4,182億4千2百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に比べ1.6%(49億2百万円)増加し、3,140億2千7百万円となりました。
セグメントごとの経営成績の概要及びその分析等は、次のとおりであります。
塩ビ・化成品事業
塩ビ・化成品は、米国のシンテック社において、塩化ビニル、か性ソーダともに高水準の出荷を継続しましたが、市況の影響を受けました。欧州拠点も販売数量の維持に努めたものの、市況の影響を受けました。国内拠点は堅調に推移しました。
その結果、当セグメントの売上高は、前期に比べ7.6%(399億4千8百万円)減少し、4,843億2千2百万円となり、営業利益は、前期に比べ13.5%(143億3千4百万円)減少し、921億8千7百万円となりました。
シリコーン事業
シリコーンは、機能製品を中心に拡販を進めましたが、汎用製品の価格下落の影響を受けました。
その結果、当セグメントの売上高は、前期に比べ2.8%(65億1千1百万円)減少し、2,268億7千2百万円となり、営業利益は、前期に比べ5.0%(29億4千4百万円)増加し、614億9千万円となりました。
機能性化学品事業
セルロース誘導体は、医薬用製品は底堅く推移しましたが、建材用製品が振るいませんでした。フェロモン製品は堅調な出荷となりましたが、ポバール製品は市況の影響を受けました。
その結果、当セグメントの売上高は、前期に比べ5.2%(63億4千7百万円)減少し、1,147億9千6百万円となり、営業利益は、前期に比べ4.2%(11億1千4百万円)増加し、277億1千7百万円となりました。
半導体シリコン事業
半導体シリコンは、半導体デバイス市場での調整局面が続きましたが、販売価格と出荷水準の維持に努めました。
その結果、当セグメントの売上高は、前期に比べ1.9%(72億8千2百万円)増加し、3,876億3千1百万円となり、営業利益は、前期に比べ8.6%(113億円)増加し、1,432億9千8百万円となりました。
電子・機能材料事業
希土類磁石は、産業機器向けが需要鈍化の影響を受けましたが、環境対応自動車向けを中心に販売を維持しました。フォトレジスト製品は、ArFレジストやEUVレジストを中心に総じて好調でした。マスクブランクスも堅調に推移しました。光ファイバー用プリフォームは市況悪化の影響を受けて厳しい状況となりましたが、大型パネル用フォトマスク基板は好調に推移しました。
その結果、当セグメントの売上高は、前期に比べ0.4%(9億8千7百万円)減少し、2,251億1千1百万円となり、営業利益は、前期に比べ2.3%(15億4千7百万円)増加し、685億4千万円となりました。
加工・商事・技術サービス事業
信越ポリマー社の半導体ウエハー関連容器が、半導体デバイス市場関連投資の減速の影響を受けました。
その結果、当セグメントの売上高は、前期に比べ3.7%(39億9千9百万円)減少し、1,047億9千1百万円となり、営業利益は、前期に比べ11.5%(15億2千8百万円)増加し、148億2千4百万円となりました。
当連結会計年度末(以下「当期末」という。)の総資産は、前連結会計年度末(以下「前期末」という。)に
比べて1,917億6千8百万円増加し、3兆2,304億8千5百万円となりました。主に有形固定資産及びたな卸資産
が増加したことによるものです。
当期末負債合計額は、前期末に比べ11億8千2百万円増加し、5,073億4千3百万円となりました。
当期末純資産は、剰余金の配当874億1千万円などにより減少した一方、堅調な業績により親会社株主に帰属する
当期純利益が過去最高の3,140億2千7百万円となった結果、2兆7,231億4千1百万円となりました。
この結果、自己資本比率は81.1%から1.0ポイント増加し、82.1%となり、1株当たり純資産額は、前期に比べ
462円46銭増加し、6,377円93銭となりました。
投下資本利益率(ROIC)は21.5%から2.1ポイント減少し、19.4%となり、自己資本利益率(ROE)は、
12.8%から0.5ポイント減少し、12.3%となりました。年間配当金につきましては、前期に比べ20円増配し、1株
当たり220円といたしました。
②キャッシュ・フローの状況
当期末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期末に対して10.0%(832億2千万円)
減少し、7,451億2千5百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の営業活動の結果得られた資金は4,123億8千4百万円(前期比116億9千7百万円増加)とな
りました。これは、税金等調整前当期純利益4,260億1千7百万円、減価償却費1,311億7千2百万円などにより
資金が増加した一方、法人税等の支払額1,078億2千4百万円などで資金が減少したことによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の投資活動の結果使用した資金は3,945億4千7百万円(前期比2,129億9千4百万円増加)と
なりました。これは、有形固定資産の取得による支出2,683億6千5百万円、有価証券の取得による支出1,170億
円、定期預金の純増額1,275億2千5百万円などにより資金が減少した一方、有価証券の償還による収入1,159億
3千6百万円などにより資金が増加したことによるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の財務活動の結果使用した資金は940億5千5百万円(前期比704億8千3百万円減少)となり
ました。これは、配当金の支払額874億1千万円、自己株式の取得による支出105億6千6百万円、などによるも
のであります。
なお、当社グループ(当社及び連結子会社)の重要な資本的支出の予定につきまして、当期末後1年間では当期実績に比べ約10%減少の総額2,400億円を見込んでおり、その資金は、自己資金で賄う予定であります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
塩ビ・化成品事業 |
485,073 |
(-) 6.9 |
|
シリコーン事業 |
224,420 |
(-) 4.6 |
|
機能性化学品事業 |
120,168 |
(-) 3.1 |
|
半導体シリコン事業 |
387,317 |
(-) 2.6 |
|
電子・機能材料事業 |
228,471 |
(-) 0.6 |
|
加工・商事・技術サービス事業 |
68,553 |
(-) 2.6 |
|
合計 |
1,514,004 |
(-) 4.1 |
(注)1.生産金額は期中販売価格により算出したものであります。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当社グループ(当社及び連結子会社)は主として見込み生産を行っているため、受注実績を記載しておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
塩ビ・化成品事業 |
484,322 |
(-) 7.6 |
|
シリコーン事業 |
226,872 |
(-) 2.8 |
|
機能性化学品事業 |
114,796 |
(-) 5.2 |
|
半導体シリコン事業 |
387,631 |
1.9 |
|
電子・機能材料事業 |
225,111 |
(-) 0.4 |
|
加工・商事・技術サービス事業 |
104,791 |
(-) 3.7 |
|
合計 |
1,543,525 |
(-) 3.2 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文
中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因として、コロナ禍が挙げられます。世界経済は、コロナ禍の真っ只中にあります。コロナ禍がいつどのように終息するか、世界経済への毀損がどのくらいになるのか、現時点では見通せません。このような状況下、従業員の健康と安全の維持、生産の継続と販売の確保、債権保全ほかの事業要件に注力します。顧客との意思疎通を密にして、顧客にとって価値ある製品の開発と製品の安定供給に引き続き努めてまいります。コスト競争力と品質の向上への取り組みも継続してまいります。決定した投資案件は目下計画に沿って実行しています。また、事業の成長のために適時適切な投資を遂行してまいります。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「(1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社の連結会計年度末の現・預金及び譲渡性預金を含む有価証券(流動資産)の合計額は1兆878億2千5百万円(期間が3カ月を超える分を含む)と流動性を十分に確保しております。また、「1.主要な経営指標等の推移(1)連結経営指標等」に記載のとおり、安定的に「営業活動によるキャッシュ・フロー」を獲得しておりますことから、当面の間は運転資金や設備投資への対応も自己資金で賄える水準にあります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成にあたり、期末時点の状況をもとに見積りと仮定を行っておりますが、連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目は下記になります。
・固定資産の減損
製品の主要な市場がある国および地域の経済動向、また世界的な需要減に伴う価格競争の激化などにより、業績に悪影響を及す場合、減損を考慮していく必要があります。減損を検討するにあたっては、グルーピング、減損の兆候の判定から測定に至るまでの見積りプロセスが複雑かつ主観的であり、また、将来キャッシュ・フローの見積りは多くの仮定に基づくものであるため、前提条件などを慎重に見込む必要があります。その結果算定された将来キャッシュ・フローの額によっては、固定資産の減損損失を計上する可能性があります。
なお、会計上の見積りに対する新型コロナウイルス感染症の影響については「第5.経理の状況 (追加情報)」に記載しております。
技術提携契約
|
契約会社名 |
契約相手先 |
契約発効日 |
契約の内容 |
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信越化学工業株式会社(当社) |
日立金属株式会社(日本) |
2014年7月9日 |
希土類磁石の製造・使用・販売に関する特許の実施権を相互に許諾している。 |
当社グループ(当社及び連結子会社)は、現有事業分野の研究では国際競争力を強化し、技術・品質・コストでトップを目指すこと、新規事業分野では独自技術を追求し、早期事業化を目指すことを研究開発の基本方針として、計画的、効率的かつ迅速な研究開発を行っております。特に新規分野では、エネルギー関連、半導体周辺材料、光・通信関連、ヘルスケアー関連、ワイドギャップ材料等5分野の研究開発を推進しております。
当社グループの主な研究拠点は、当社の6研究所即ち塩ビ・高分子材料研究所(茨城県)、シリコーン電子材料技術研究所(群馬県)、精密機能材料研究所(群馬県)、合成技術研究所(新潟県)、新機能材料技術研究所(新潟県)および磁性材料研究所(福井県)、ならびに信越ポリマー(株)の研究開発センター(埼玉県)、信越半導体(株)の半導体磯部研究所(群馬県)と半導体白河研究所(福島県)、ドイツのSEタイローズ社などであります。
(1)塩ビ・化成品事業
塩化ビニルに関する研究は塩ビ・高分子材料研究所で行っております。同研究所は、米国、欧州にも展開する塩化ビニル事業での世界の研究センターとしての役割を担っております。
(2)シリコーン事業
シリコーンに関する研究は、シリコーン電子材料技術研究所が海外も含めた総合的な機能を担い、一部合成技術研究所でも研究を実施しております。
(3)機能性化学品事業
セルロース誘導体に関する研究は合成技術研究所及びドイツのSEタイローズ社で行っております。
(4)半導体シリコン事業
半導体シリコンに関する研究は信越半導体(株)の2つの研究所で実施され、シリコンウエハーの生産技術の向上、更なる品質の向上、デバイスの微細化進展に対応する最先端の技術開発に取り組んでおります。また、デバイスの更なる低消費電力、高速化に対応する薄膜SOIウエハー及びFZウエハーなど将来有望視される次世代向け技術開発にも取り組んでおります。化合物半導体では、超高輝度4元系(AlInGaP)の赤色LED用エピタキシャルウエハー及びチップの製品化において高い評価を得ており、更なる高輝度化、高信頼性、多色化等の高機能を目指した新製品の開発を進めております。また、一般用LED照明の色調改善へも注力していきます。
(5)電子・機能材料事業
電子産業用有機材料、5G関連材料はシリコーン電子材料技術研究所で、電子産業用希土類磁石は磁性材料研究所で研究が行われております。また、半導体製造プロセスで使用されるKrFおよびArFエキシマ用フォトレジストは新機能材料技術研究所で開発されました。フォトレジストは、デバイスの微細化に対応するため、ArF液浸レジストや多層材料の性能改善は継続されており、7nm世代は既に量産へ移行しています。現在は、5nm以細のEUV用プロセス材料を中心に開発を強化しています。同じく半導体製造プロセスで使用されるマスクブランクスも新機能材料技術研究所で開発しており、耐照射性に優れたArFハーフトーンブランクス及び7nmデザインルール用新構造ブランクスの主要顧客への認定が終了し量産出荷を開始、現在は5nm世代向けの開発に注力しています。合成石英製品のうち、光ファイバー用プリフォームは精密機能材料研究所、半導体用マスク基板や液晶用大型マスク基板は合成技術研究所が担当しております。酸化物単結晶及び超高純度窒化ホウ素に関する研究は精密機能材料研究所が担当しております。光ファイバー用プリフォームでは、世界トップレベルの品質を維持向上すべく、光通信分野での積極的な研究開発を進めております。レア・アース、一般用希土類磁石は磁性材料研究所で研究を実施しております。希土類磁石は、環境に優しいハイブリッドカーや風力発電のモーター用として採用され、需要の伸びが期待されます。また、液状フッ素ゴムの開発はシリコーン電子材料技術研究所で行われており、自動車や電子部品、事務機での需要が伸びております。
(6)加工・商事・技術サービス事業
信越ポリマー(株)では、塩化ビニル、シリコーンなどの加工技術の開発を行っております。
当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費は