文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは『グループの総合力を最大限に高め、社会のニーズにタイムリーに応える事業活動を展開する。以て盤石な経営基盤を構築し社会的貢献を希求する』ことを経営理念としております。
(2)経営戦略等
電子材料事業、酸化チタン・亜鉛事業(化粧品材料)、樹脂添加剤事業、触媒事業、化学その他事業(高屈折材料)、医療事業の6つの事業領域を中心に収益向上を図り、そのための戦略投資として190億円を計画し、数値目標として掲げた営業利益80億円以上、営業利益率7%以上、ROE6%以上を達成し、新たな堺化学グループ像の創造に挑戦します。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
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2024年3月期目標 |
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営業利益 |
80億円以上 |
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営業利益率 |
7%以上 |
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ROE |
6%以上 |
(4)経営環境
当社グループを取り巻く環境は、米中の貿易摩擦や各国の金融政策、為替動向等の影響による景気減退のリスクが懸念されるものの、電子材料や化粧品分野で需要は底堅く推移すると見込んでおります。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
当社グループは2019年3月期を最終年度とする中期経営計画『共創2018』において、売上高900億円、営業利益54億円、ROE5.0%以上を目標数値に掲げて取り組んでまいりましたが、未達に終わりました。
前中期経営計画では、「稼ぐ力」の早期回復に向け、電子材料や化粧品材料を中心に積極的な設備投資を行い、樹脂添加剤事業ではタイ国の企業を傘下に収め、東南アジア地域を中心とした拡販体制の基礎を築くなど、一定の成果を出しました。しかし、期間中に上市予定であった新製品が計画より遅れるなど、まだ道半ばであります。
これまでの基本路線を踏襲しつつ、さらなる発展を遂げるため、本年4月より新中期経営計画『SAKAINNOVATION 2023』をスタートさせました。当計画では以下の経営課題を掲げ、数値目標達成と持続的成長を目指して取り組んでまいります。
①稼ぐ力へ再挑戦し確実な増益体質を実現
②再構築投資による環境と人にやさしい工場・オフィスの実現
③10年先の社会を見据えた新事業へ取り組む
④総還元性向30%以上を目標とした安定的・継続的な配当を実施
当社グループの事業その他のリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を以下に記載いたします。但し、これらは当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではありません。
また、本項においては、将来に関する事項も含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断しております。
(1)資材等の調達
重油や非鉄金属などの原燃料や、調達先が限られる特殊な原料、資材等の価格高騰、供給の逼迫、遅延等が生じた場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(2)公的規制
事業活動を行っている国及び地域が多岐にわたることから、それぞれ投資に関する許認可や輸出入規制のほか、商取引、労働、特許、租税、為替等の各種関係法令の適用が異なる場合があります。これらの法令の改変により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(3)環境規制
化学事業を主とするため、資源やエネルギーの大量消費による環境負荷が大きな問題の1つであります。よって環境負荷低減のための設備や管理体制の整備を図る一方、生産効率すなわち資源やエネルギーの原単位向上など、環境負荷の低減に取り組んでおります。しかし、環境税の導入や、環境関連規制の強化により大規模な設備投資等の必要が生じた場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(4)製造物責任
メーカーであることから、製品については最適な品質を確保するよう、全力を挙げて取り組んでおります。しかし、予期せぬ事情により製造物責任が発生する可能性が皆無ではなく、この場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(5)訴訟
国内及び海外事業に関連して、訴訟の対象となるリスクがあり、多額の損害賠償請求訴訟等が提起された場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(6)自然災害・事故災害の影響
災害による生産活動の中断によって生じる悪影響を最小限に抑えるため、全設備において定期的な防災点検及び設備保守を行っております。しかし、想定外の大規模災害(大地震・津波、停電またはその他の混乱を含む)が発生した場合、その影響を完全に予防または軽減することはできません。
また、製品によっては、代替生産できないものもあり、一時的または長期にわたる生産の中断があった場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(7)システム障害の影響
社内及び当社グループ間のネットワークシステムについては、システムの更新、ウィルスやハッカーの侵入・攻撃に対する防御システムの導入のほか、定期的な保守点検を実施しております。しかし、未知のコンピュータウィルスの侵入や情報への不正アクセス、突発的な事故等により、ハードまたはソフトウエア障害もしくはネットワーク障害等が発生し、長期間にわたり正常に機能しなくなった場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(8)為替レートの変動
当社グループの海外における事業展開に伴い、外貨建取引から発生する資産等の日本円換算額が影響を受ける可能性があり、換算時の為替レートが予想を超えて大幅に変動した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(9)株式相場の変動
保有有価証券の多くは、市場価格のある有価証券であるため、株式相場が大幅に下落した場合、減損が発生し、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
経営成績等の状況の概要
(1)経営成績
当連結会計年度の当社グループの売上高は、前半は国内景気の緩やかな回復基調により堅調に推移しましたが、米国の通商政策による貿易摩擦の激化や年度後半の中国景気の減速の影響を受け、前連結会計年度比2.7%増の89,541百万円にとどまりました。
営業利益は、年度を通じた原燃料価格や物流コスト等の上昇が収益を押し下げるとともに、生産トラブルによる操業度低下や修繕費増によるコスト上昇のため、前連結会計年度比6.1%減の4,404百万円となりました。
経常利益は、休止工場にかかる固定費など営業外費用が減少し、前連結会計年度比6.4%増の4,553百万円となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比54.8%増の3,606百万円となり、ROEは4.6%となりました。
セグメントの業績は、以下のとおりです。
(化学事業)
売上高は前連結会計年度比4.7%増の81,256百万円となりましたが、営業利益は前連結会計年度比3.8%減の6,326百万円となりました。
電子材料
誘電体のチタン酸バリウムは、当社が得意とする水熱合成法を活かして高付加価値品を開発しましたが、当連結会計年度は本格採用に至りませんでした。一方、誘電体材料の高純度炭酸バリウムは、需要家からのさらなる増産要請に対応するため小名浜事業所、堺事業所の両拠点で設備増強を進め、売上、収益を伸ばすことができました。
酸化チタン・亜鉛製品
中国の環境規制により酸化チタンの国内需給がひっ迫するなか、当社は繊維・フィルム用途など特殊な分野で拡販を進めるとともに、原料鉱石および燃料の価格高騰に対応するため価格転嫁を実施しましたが、設備トラブル等による製造原価の上昇が想定以上に大きく、採算が悪化しました。
太陽光に含まれる紫外線(UV)遮蔽機能をもつ超微粒子酸化チタン・酸化亜鉛は、国内出荷は化粧品のインバウンド需要などが堅調に推移するとともに、新興国の人口増加や経済成長に伴いスキンケア化粧品の需要が世界的に大きく伸長しました。当社はこの需要を取り込むために設備投資を進め、売上、収益を大きく伸ばすことができました。
樹脂添加剤
国内向けはパイプおよびIT関連設備に使用するPVC 工業板が低調であったことに加えて原料価格の上昇もあり、収益性は悪化しました。
一方、東南アジアを主とした海外向けについては、非鉛系安定剤が堅調に推移するなかで、当連結会計年度中にはSIAM STABILIZERS AND CHEMICALS CO., LTD.(タイ)を新たに連結子会社に加え、海外事業の拡大を進めました。
衛生材料
世界人口の増加や東南アジア地域の高い経済成長、国内社会の高齢者増加の影響で、紙おむつの市場規模は拡大基調にあり、部材であるフィルム、テープなどの衛生部材の販売の伸びが収益の向上に貢献しました。また、生産拠点であるPT.S&S HYGIENE SOLUTION(インドネシア)においても、生産効率の改善に取り組んだ結果、工場の安定操業が実現し、収益性の向上に大きく貢献することができました。
有機化学品
チオ製品が屈折率調整で使用されるプラスチックメガネレンズ市場は、新興地域におけるメガネ需要の拡大や高屈折率レンズの普及により堅調に推移しています。その需要増に応えるためチオ製品工場のさらなる生産効率改善に取り組み、プラスチックメガネレンズ向けの販売を伸ばすとともに、IT関連部材向けにチオール開発製品への拡販が図れました。
医薬品原薬・中間体の生産受託につきましては、中間体は大口顧客からの受託数量が減少しましたが、原薬が伸び、収益が回復いたしました。
触 媒
樹脂の水素添加工程などで使用されるニッケル触媒は、最終用途の光学フィルムや紙おむつ向け接着剤原料の市場拡大に伴い、販売を大きく伸ばすことができました。
火力発電所やごみ焼却施設で使用される脱硝触媒は、中国で環境規制が一段と強まるなか、現地メーカーとの品質差別化を図った製品で納入実績を重ね、さらには現地の鉄鋼業向けなどの民間需要を取り込みました。
受託加工
受託ビジネスは昨年に引き続き、売上、収益を伸ばしました。
(医療事業)
売上高は前連結会計年度比7.1%減の8,285百万円となりましたが、新製品の治験終了による委託外注費の減少などにより、営業利益は前連結会計年度比184.6%増の376百万円となりました。
医療用医薬品
バリウム造影剤は、薬価引き下げや2016年厚生労働省発出の「がん検診実施のためのガイドライン」による受診年齢の引き上げ、胃内視鏡検診への移行など厳しい環境のもと、当社グループは、国内における大口需要先の更なる開拓や韓国、台湾への輸出拡大に取り組んでまいりました結果、国内市場の縮小を最小限に止めることができました。
消化性潰瘍・逆流性食道炎治療薬「アルロイドG」は、薬価引き下げや原料価格の上昇により収益率はやや低下しましたが、後発品メーカーの撤退により需要奪回に努めた結果、売上高は大幅に回復しました。
医療機器
内視鏡洗浄消毒器は、機器本体の販売台数は高水準を維持したことに加え、メンテナンス契約獲得や消耗品販売が伸長し、収益性が大幅に向上しました。
一般用医薬品・その他
かぜ薬「改源」など一般用医薬品は、量販店主導の国内市場が伸び悩む中、台湾市場へのさらなる商品投入に向け、着実に準備を進めました。一方、新規事業として位置付けている美容医療機関向け事業が拡大し、特に日焼け対策サプリ「ソルプロ」シリーズは好調に推移いたしました。
(2)財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は61,318百万円となり、前連結会計年度末に比べ578百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金が2,896百万円減少したものの、商品及び製品が1,450百万円、仕掛品が570百万円、原材料及び貯蔵品が1,018百万円それぞれ増加したことによるものであります。固定資産は58,763百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,017百万円増加いたしました。これは主に投資有価証券が2,333百万円減少したものの、有形固定資産が4,241百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は、120,082百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,596百万円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は23,994百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,984百万円減少いたしました。これは主に短期借入金が3,895百万円減少したことによるものであります。固定負債は15,796百万円となり、前連結会計年度末に比べ7,053百万円増加いたしました。これは主に長期借入金が6,847百万円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は、39,790百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,068百万円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は80,291百万円となり、前連結会計年度末に比べ472百万円減少いたしました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益3,606百万円、剰余金の配当867百万円、及び自己株式の取得2,001百万円によるものであります。
この結果、自己資本比率は64.3%(前連結会計年度末は66.3%)となりました。
(3)キャッシュ・フロー
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動によるキャッシュ・フローは2,755百万円と前連結会計年度に比べ1,185百万円減少しました。これは、主に税金等調整前当期純利益が1,660百万円増加したものの、たな卸資産の増減額(△は増加)が2,109百万円減少したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動によるキャッシュ・フローは△5,458百万円と前連結会計年度に比べ4,971百万円減少しました。これは、主に有形固定資産の取得による支出が3,119百万円減少したことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動によるキャッシュ・フローは64百万円と前連結会計年度に比べ4,273百万円増加しました。これは、主に短期借入金の純増減額(△は減少)が2,338百万円減少したものの、長期借入れによる収入が7,500百万円増加したことによるものです。
以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ2,673百万円減少し、11,175百万円となりました。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
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第120期 |
第121期 |
第122期 |
第123期 |
第124期 |
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営業利益(百万円) |
4,164 |
4,615 |
4,551 |
4,690 |
4,404 |
|
営業利益率(%) |
4.8 |
5.4 |
5.4 |
5.4 |
4.9 |
|
ROE(%) |
3.0 |
3.0 |
2.6 |
3.0 |
4.6 |
生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前連結会計年度比(%) |
|
化学 |
52,838 |
3.6 |
|
医療 |
3,957 |
△1.3 |
|
報告セグメント計 |
56,796 |
3.3 |
|
その他 |
- |
△100.0 |
|
合計 |
56,796 |
2.5 |
(注)1 金額は、販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 セグメント別の生産高を正確に把握することは困難なため、概算値で表示しております。
3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)受注実績
当社グループの主要製品については主に見込み生産を行っております。
(3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前連結会計年度比(%) |
|
化学 |
81,256 |
4.7 |
|
医療 |
8,285 |
△7.1 |
|
報告セグメント計 |
89,541 |
3.5 |
|
その他 |
- |
△100.0 |
|
合計 |
89,541 |
2.7 |
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、いずれの相手先についても当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積もり
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たっては、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積もり及び判断を行っております。
(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況の分析
「経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの製品に対する需要は、化学業界、電子・電気業界などの市場動向の影響を受けます。また、製品の販売先は、日本国内のほか、アジア、北米、ヨーロッパ、中東など多岐にわたっており、各地域の経済情勢の影響を受けます。
また、生産活動については、重油や原材料の価格の影響を受けます。
(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当社は機動的、安定的な資金調達を長期的に実現することを目的として、株式会社三菱UFJ銀行をアレンジャー兼エージェントとするシンジケート方式のコミットメントライン契約(貸付極度額:80億円)を締結しております。
また、当連結会計年度末における短期借入金の残高は7,159百万円、長期借入金の残高は10,369百万円、現金及び現金同等物の残高は11,175百万円となっております。
(5) 経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めております。
該当事項はありません。
当社グループの研究開発活動については、研究開発本部、堺開発部、小名浜開発部、経営企画部が連携してグループ会社との協力体制を深めながら、有望開発品の上市に向けてスピードアップを図っております。また、研究開発本部内の中央研究所は中長期的なテーマを、堺、小名浜開発部は早期上市が見込めるテーマを、グループ会社の各々の開発部門は取り扱う各製品の品質向上あるいは新製品上市やプロセス改善のための研究開発を行っております。
中央研究所では、当社グループが得意とする粉体プロセシング技術を核として、また、大学や公的研究機関との産学連携も視野に入れて、機能性材料の開発を進めております。主には、各種発光材料、燃料電池用電極触媒、機能性超微粒子誘電体材料等の開発に取り組んでおります。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費用は、
セグメントごとの研究開発活動を示すと、次のとおりであります。
(化学)
(1) 電子材料
電子材料事業においては、電子材料用途向けにチタン酸バリウムの開発を行っております。チタン酸バリウムに関しては、電子部品の小型化・高容量化、自動車部品の高信頼性の要求があり、水熱合成法の特長を活かした微粒子・高結晶・粒度均一な材料開発を進めております。
(2) 酸化チタン・亜鉛製品
化粧品材料事業においては、従来の日焼け止め分野に加え、用途拡充としてメイクアップ化粧品向けに、肌触りの良化を目指して開発した「六角板状酸化亜鉛XZシリーズ」や「板状集積型球状酸化亜鉛CANDY ZINC」を上市、拡販に鋭意注力しております。
また、インキやフィルムなどのUV遮蔽用のグレード開発にも着手、更なる用途展開に注力しております。
(3) 樹脂添加剤
樹脂添加剤事業においては、2018年8月にタイ王国で塩ビ樹脂安定剤の製造・販売を行うSIAM STABILIZERS AND CHEMICALS CO., LTD.の株式の90.0%を取得し、Sakai Chemical(Vietnam) Co., Ltd.とのグループシナジーを最大限に発揮すべく、長年培った塩化ビニル安定剤の技術に基づいて、堅調に成長している海外市場をターゲットとした開発に取り組んでおります。また、当社が得意とする表面処理技術・粒子制御技術をハイドロタルサイトや塩化ビニル安定剤原料に応用し、特殊ハイドロタルサイト、独自性の高い塩化ビニル安定剤を展開し、性能の差別化に注力しております。同時にハイドロタルサイトを含め、各種配合剤の自社生産化や高効率化により、コストパフォーマンスに優れる製品の開発を進めております。
(4) 有機化学品
SC有機化学㈱では、イオウ、リンを含むヘテロ有機化合物合成技術をベースとして、光学材料、電子材料、自動車向け材料等の有機化成品材料の開発に取り組んでおり、耐水性に優れた新規グレード「マルチチオール」製品の上市、拡販に注力しております。
中央研究所では有機系機能性材料開発を強化すべく開発体制の見直しを行い、開発品チオール変性マレイミド樹脂の市場開拓に注力しています。この開発品は高い耐熱性と柔軟な屈曲性という特徴を生かす用途として炭素繊維強化プラスチックスや耐熱接着剤に向けて顧客へのサンプルワークを進めております。
(5) 触媒
中央研究所では、固体高分子型燃料電池の電極材料開発に注力しています。カーボンに替わる無機系の導電性材料としてサブミクロンの低次酸化チタンENETIA(エネティア)の開発を進めています。また、産学連携による人工光合成に用いる光触媒の研究開発も進めております。環境・エネルギー・化学プロセスは当社の重要な研究開発分野であり、これからの水素エネルギー社会が求める技術開発に貢献していくよう取り組んでまいります。
堺開発部では、環境負荷の低減に特化した触媒の開発に取り組んでおります。化学プロセス分野では、脱水素反応、水素添加反応用触媒として有害成分であるクロムを含有しないクロムフリー銅系触媒の開発に注力しており、ポリエステル重合用触媒としてはアンチモンのような重金属を含有しないチタン系触媒の開発に取り組んでおります。
(6) 受託加工
レジノカラー工業㈱では、長年の着色剤ビジネスで培った分散技術や原料選択などの技術力と、ユーザーとの綿密な調色作業で養われたサービス力に基づいて、機能性フィラーの分散に取り組んでおります。近年、多様化する顧客ニーズへの対応分野が広がっており、従来の電子機器向け導電インキや自動車向け機能性インキに加え、赤外線遮蔽インキ・マスターバッチなどの環境対応型製品の開発にも取り組んでおります。
また、新たな加工機を導入し、クリーン環境を実現した新工場での入浴剤・化粧品向け製品及び機能性インキ・マスターバッチの要求も増えてきており、開発に一層注力しております。
(7) その他
中央研究所では、発光材料の中でも応力発光体の実用化展開に注力しております。現状、従来型が服飾デザイナーの注目を得て靴や衣服への展開が進んでいますが、さらなる用途拡大を目指し、約2倍の能力の高発光型の開発を進めております。また、昨年開発した高感度型は従来型では困難であった様々な成型物の検査や設計妥当性の検証への展開が考えられ、顧客での実用試験を進めているところです。化粧品用蛍光体は2017年度に赤・緑・青の3色を取り揃え、これらを混合した白色発光による美しい肌の色を演出する機能性色材として顧客への紹介を進めております。
その他に、機能性超微粒子誘電体材料の開発を産学連携で進めております。
小名浜開発部では、酸化チタン・酸化亜鉛・亜鉛末及びバリウム化合物を中心素材として、触媒用途、電子材料用途などの高機能性材料の開発や、粉体表面処理技術を活かした2次電池向け材料の開発に取り組んでおります。
堺開発部では高屈折率材料の酸化ジルコニウム、電子材料や歯科材料用途向けなどの球状シリカの開発に注力しております。
大崎工業㈱では、視覚障がい者用誘導標示点字シート「ステップガイド®」に続く新タイプの一体型点字シート「セグリダ®」の開発・施工数の確保に注力しております。「セグリダ®」は、現場での設置作業工程(時間)が少なく、また工事仕上がりの品質安定化に大いに貢献する新製品です。更に景観との調和を大切にしながら、交通安全の向上に貢献するため、スクールゾーンや自転車レーン用のカラー路面標示用溶着塗料の拡販・改良にも取り組んでおります。
以上のほかに無機・有機化成品の新製品の開発に取り組んでおります。なお、化学事業に係る研究開発費用は
(医療)
カイゲンファーマ㈱では、2019年6月に、内視鏡下での消化管疾患治療を補助する医療機器の発売を開始いたします。さらに、従来からの注力領域である検診領域において、既存のX線検査造影剤に加えて、新しいがん検査用試薬の販売を開始しており、更なるラインナップの拡充を進めております。
またこれら以外にも、従来から注力している医療用医薬品、医療機器分野の製品に加え、美容医療向けの製品開発にも、産学連携の枠組みも活用しながら積極的に取り組んでおります。
なお、医療事業に係る研究開発費用は