当連結会計年度におけるわが国経済は、緩やかな回復基調がみられたものの、中国や新興国経済の成長鈍化、英国のEU離脱問題などによる世界経済の減速懸念、米国新政権の政策動向などにより先行き不透明な状況で推移いたしました。
このような状況のなか、当社グループは市場が求める安全・安心な製品やサービスを供給することを基本とし、安定的な収益確保に向けた販売体制の強化や生産体制の効率化に取り組んでまいりました。その結果、当連結会計年度の売上高は757億67百万円(前連結会計年度比0.5%減少)、営業利益は45億15百万円(前連結会計年度比1.6%減少)、経常利益は51億5百万円(前連結会計年度比0.9%減少)、親会社株主に帰属する当期純利益は33億26百万円(前連結会計年度比7.7%増加)となりました。
当社グループのセグメント別の状況は次のとおりであります。
ガス事業を取り巻く環境は、建設、土木、造船、鉄鋼、電機、化学、自動車等仕向け先全般にわたり回復力が弱く、下期にかけて一部の業種において緩やかな持ち直しの動きがみられましたが、依然として不透明な状況で推移いたしました。
このような事業環境のなか、当事業では地域に密着したシリンダーガスビジネスの収益力強化を推し進めるとともに、安全確保と環境保全のため、既存製造設備の更新及び整備等の投資を行なってまいりました。
『溶解アセチレン』は、主要需要先である建設、土木等の工事向けが減少し、売上高は前連結会計年度を下回りました。『その他工業ガス等』は、アルゴン、窒素、炭酸ガス、特殊ガスが新規需要先等の獲得により増加しましたが、LPガス等の石油系ガスが新規需要先の獲得による販売数量の増加にもかかわらず、輸入価格の大幅な下落に伴ない販売価格が低下し、売上高は前連結会計年度を下回りました。『溶接溶断関連機器』は、溶接ロボットや工作機械等の需要が回復し、また、ガスエンジニアリング工事の積極的な受注獲得に伴ない、売上高は前連結会計年度を上回りました。『容器』は、消火設備装置向けの需要が増加し、また、半導体・電子向け特殊容器の需要の増加により、売上高は前連結会計年度を上回りました。
以上の結果、当事業の売上高は574億99百万円(前連結会計年度比0.2%減少)、営業収入は2億59百万円(前連結会計年度比6.4%増加)、営業利益は43億73百万円(前連結会計年度比1.5%減少)となりました。
化成品事業を取り巻く環境は、住宅着工件数は増加したものの、改修需要は回復せず、依然として厳しい状況が続きました。
このような事業環境のなか、当事業では新しい技術の開発に注力し、環境にやさしい製品やユーザーニーズに合った付加価値の高い製品の開発を行ない、国内はもとより中国、東南アジア地域の新規需要先への展開に努めてまいりました。
『接着剤』は、ぺガールが新規需要先の獲得により紙用、塗料用、土木・建築用に需要を伸ばし、シアノンが海外向けに為替の影響を受けて減少したものの、ペガロックが国内向けに新規需要先を獲得し、また、海外向けに高機能品が弱電分野の市場開拓により増加し、売上高は前連結会計年度を上回りました。
『塗料』は、エアゾール製品が製造ラインの増強により防水スプレーなどが増加したものの、建築用塗料が改修需要の低迷と天候不順により工事が減少し、売上高は前連結会計年度を下回りました。
以上の結果、当事業の売上高は175億92百万円(前連結会計年度比0.3%増加)、営業収入は0百万円(前連結会計年度比99.4%減少)、営業利益は12億47百万円(前連結会計年度比15.5%増加)となりました。
『その他事業』は、新商材「ディスプレイタグ」の拡販を進めたものの、LSIカード関連が、鉄道事業者向けに伸び悩み、バス事業者向けも大きく減少し、また、海外向け光学機器の需要が大幅に減少し、売上高は6億75百万円(前連結会計年度比34.0%減少)、営業利益は55百万円(前連結会計年度比77.4%減少)となりました。
(各事業別の売上高、営業収入および営業利益)
(単位:百万円)
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事 業 区 分 |
売 上 高 |
営 業 収 入 |
営 業 利 益 |
|||
|
金 額 |
前年同期比(%) |
金 額 |
前年同期比(%) |
金 額 |
前年同期比(%) |
|
|
ガス事業 |
57,499 |
99.8 |
259 |
106.4 |
4,373 |
98.5 |
|
化成品事業 |
17,592 |
100.3 |
0 |
0.6 |
1,247 |
115.5 |
|
その他事業 |
675 |
66.0 |
― |
― |
55 |
22.6 |
|
合計 |
75,767 |
99.5 |
260 |
101.7 |
5,677 |
98.4 |
(注) 各事業別営業利益合計56億77百万円と連結損益計算書「営業利益」45億15百万円の差額11億62百万円は、各事業に帰属しない一般管理費であります。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、法人税等の支払額が17億20百万円、有形固定資産の取得による支出が25億69百万円、短期借入金の返済による支出が9億80百万円あったものの、税金等調整前当期純利益が51億3百万円(前連結会計年度比2.2%増加)、減価償却費が18億59百万円あったため、5億33百万円の増加(前連結会計年度比37.2%減少)となり、現金及び現金同等物の期末残高は、161億81百万円(前連結会計年度比3.4%増加)となりました。
当連結会計年度における営業活動の結果、得られた資金は52億6百万円(前連結会計年度比12.3%増加)と前連結会計年度と比べて5億73百万円増加しました。これは主に税金等調整前当期純利益が前連結会計年度と比べて1億11百万円増加し、未払消費税等が4億22百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度における投資活動の結果、使用した資金は26億81百万円(前連結会計年度比6.7%減少)と前連結会計年度と比べて1億94百万円減少しました。これは主に有形固定資産の取得による支出が前連結会計年度と比べ2億22百万円減少したことによるものであります。
当連結会計年度における財務活動の結果、使用した資金は19億82百万円(前連結会計年度比120.9%増加)と前連結会計年度と比べて10億85百万円増加しました。これは主に前連結会計年度と比べ、短期借入金の返済による支出が前連結会計年度と比べて9億50百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
生産高(千円) |
前年同期比(%) |
|
ガス事業 |
7,894,101 |
99.1 |
|
化成品事業 |
9,037,291 |
101.5 |
|
その他事業 |
― |
― |
|
計 |
16,931,393 |
100.4 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しています。
2 金額は、製造原価であります。
3 その他事業については、生産活動は行なっていません。
4 上記金額には、消費税等は含まれていません。
受注生産は行なっていません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
|
ガス事業 |
57,499,033 |
99.8 |
|
化成品事業 |
17,592,569 |
100.3 |
|
その他事業 |
675,925 |
66.0 |
|
計 |
75,767,529 |
99.5 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しています。
2 上記金額には、消費税等は含まれていません。
(1)経営方針
当社グループの企業理念
1.「人と技術と環境の調和。無限の可能性に挑む。」という理念のもと、「創業の精神を忘れずに、アセチレンバウム(アセチレンの樹)の夢を追い求めて、限りない可能性の炎をもやし続ける」グループ企業をめざします。
2.「株主」及び「取引先」各位ならびに「従業員」を三位一体と考え、公正妥当な倫理基準に基づいた事業活動を通じて、社会に貢献できる経営を行ないます。
3. 全般的な経営の効率化を地道に推進し、企業体質の健全性を維持しながら、企業価値を高め、事業規模の拡大をはかります。
4.「安全・安心をすべての基本姿勢」とし、創業以来一貫して、この姿勢を貫いております。
5.「地域に密着した企業ブランド」を構築し、存在感のあるグループ企業をめざします。
(2)中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、2016年度(第84期)に中期経営計画「チェンジ&チャレンジ'20」をスタートさせました。最終年度の2020年度(第88期)には、売上高1,000億円、営業利益65億円をめざします。この中期経営計画の経営目標を達成するため、ガス事業、化成品事業、ITソリューション事業の3つの事業を柱に、健全で持続的な成長を可能とする企業体質を確立させるために、組織の機能整備と体質強化、積極的な戦略投資により、コア事業の拡大ならびに収益を生む新規事業にチャレンジしてまいります。
(3)目標とする経営指標
目標とする経営指標につきましては、株主価値の最大化を図るために資本効率を高め、売上高経常利益率及び株主資本利益率(ROE)を現在の水準よりさらに向上させることをめざしてまいります。
(4)経営環境及び対処すべき課題
①ガス事業
ガス事業は、国内需要の減少が続くなか、当社グループとの連携を一層深めながら、地域に密着したシリンダーガスビジネスの強化に努めてまいります。また、ユーザー層の変化に対応すべく、生産の効率化、物流の合理化を推し進めるとともに、安全・保安を第一に掲げ、技術力の向上に努めてまいります。
ガス事業の新しい展開として、浸炭炉向けに開発したアセチレン容器の特徴を生かした新規開拓やITを駆使した農業用炭酸ガスの普及を進めてまいります。
土浦研究所では、新規ガスの開発、新しい用途の提案等による新市場の発掘に努めてまいります。
②化成品事業
化成品事業は、ITを利用した原料・製品在庫の最適化、物流の合理化を行ない安定供給を確保するとともに研究開発、営業開発に力を入れ、環境にやさしい製品の提供に努めてまいります。
国内接着剤市場においては、引き続き住宅設備資材業界、家庭用品や化粧品等、生活に密着した業界への拡販をはかるとともに弱電、医療分野へも力を注いでまいります。また、雨音、振動を低減させる効果のある制振材「サウンドプルーフ」(特許取得済)を住宅建材用途に広めてまいります。
塗料市場においては、省エネを目的とした遮熱塗料の差別化を進めるとともに、既存住宅の改修需要に対応し、外壁サイディングボード用の新製品「WBアート」を投入しており、さらに拡販してまいります。
海外市場においては、ベトナム工場を活用し、中国・東南アジアへの市場開拓を進めてまいります。
③ITソリューション事業
ITソリューション事業は、鉄道業界、産業機器業界へ、電子ペーパーとRFタグを融合した「ディスプレイタグ」、無線機能を搭載したLSIカード、次世代高速大容量LSIカードなどを使用したシステムを積極的に販売してまいります。
④経営基盤の強化
当社グループの持続的な成長に向けた新たな経営戦略に沿った組織の改編を実施しました。今後も、経営環境の変化に対応した事業展開を実現するため、組織体制の整備を行なってまいります。また、多様な人材の活躍推進、働き方改革など、時代の変化に適切に対応し、社員一人ひとりが活躍できる組織風土づくりをさらに推し進め、当社グループの成長を牽引する人材の確保と育成をめざした人事改革に取り組んでまいります。
当社グループといたしましては、引き続き「安全」・「安心」をすべての基本姿勢とし、企業体質の健全性に留意して事業規模の拡大をはかり社業の発展に努めてまいる所存でございます。また、企業理念、企業倫理行動指針に基づいたコーポレート・ガバナンス体制の整備と強化に真摯に取り組んでまいります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において、当社グループが判断したものであります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループで製造する石油系ガス及び化学品の主原料はナフサであり、原材料の仕入価格は国際的な原油市場と関係があるため、原油価格の大幅な価格変動が数ヵ月後の原材料価格に影響を及ぼす傾向があります。
従って、原油産油国等の政情不安によっては国際石油価格の著しい価格変動が起きる可能性があり、素材価格の上昇によって当社グループの経営成績は影響を受ける可能性があります。
当社グループで製造する溶解アセチレンはアセチレンガス特有の分解爆発を防止するために多孔質物を充填した容器にアセトン等の溶剤をしみこませアセチレンガスを加圧溶解し安定させたもので、工業ガスとして広く安全に使用されております。アセチレンガスは他の可燃性ガスに比べて火焔温度が高く、作業性の良さは他に類を見ないガスであり、鉄鋼・造船・鋳造等の溶接切断加熱作業に最も適したガスであります。
アセチレンガスは、可燃性ガスでありますので、空気中に漏洩しないよう、平素より、災害発生の未然防止を図るため、社員教育の徹底、保安設備の維持管理ならびに保安確保について周知徹底を実施しておりますが、当社グループの事業場において爆発事故が発生した場合、当社グループの経営成績は影響を受ける可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループ(当社及び連結子会社)は、環境にやさしい、人にやさしい製品開発に取組むとともに、変化する顧客ニーズに即応できるよう常に製品の応用研究開発活動を行なっています。
当社の大阪研究所を主体として、需要の多様化に備え既存製品に係る用途や周辺機器の研究開発に取組んでいます。
当社の東京研究所及びスズカファイン㈱において、酢酸ビニルエマルジョン系、アクリルエマルジョン系及びシアノアクリル系接着剤、ならびに塗料建材についての溶剤系から水系への時代要請に沿って、環境対応型で人にやさしい製品開発に取組むとともに変化する顧客ニーズに即応できるよう常に製品の応用研究開発活動を行なっています。
当社の情報システム部において、LSIカード及びリーダライターの研究開発に取り組んでいます。
当連結会計年度の研究開発費は3億21百万円であります。
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末と比べ39億24百万円増加して798億29百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末と比べ10億62百万円増加して446億13百万円となりました。これは主に売上債権であります受取手形及び売掛金が4億3百万円減少したものの、現金及び預金が5億33百万円、電子記録債権が8億63百万円増加したことによるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末と比べ28億61百万円増加して352億16百万円となりました。これは主に、有形固定資産が前連結会計年度末と比べ12億39百万円、投資有価証券が16億77百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末と比べ3億21百万円増加して284億3百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末と比べ20億84百万円減少して227億95百万円となりました。これは主に、仕入債務であります支払手形及び買掛金が5億50百万円、その他で営業外電子記録債務が3億61百万円増加したものの、短期借入金が9億80百万円、1年内返済予定の長期借入金が20億56百万円減少したことによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末と比べ24億5百万円増加して56億8百万円となりました。これは主に、長期借入金が19億66百万円、繰延税金負債が5億30百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末と比べ、36億3百万円増加して514億26百万円となりました。これは主に、利益剰余金が25億53百万円、その他有価証券評価差額金が11億1百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度と比べ4億46百万円減少して757億67百万円(前連結会計年度比0.5%減少)となりました。
売上高が減少した主な要因は、主力製品である「溶解アセチレン」は、主要需要先である建設、土木等の工事向けが減少し、「その他工業ガス等」は、アルゴン、窒素、炭酸ガス、特殊ガスは新規需要先の獲得により増加しましたが、LPガス等の石油系ガスが新規需要先の獲得による販売数量の増加にもかかわらず、輸入価格の大幅な下落に伴ない販売価格が低下し、売上高は前連結会計年度を下回りました。「接着剤」はペガールが紙用、塗料用、土木・建築用に需要が増加、シアノンは海外向けが為替の影響を受け減少、ペガロックは海外向けに高機能品の市場開拓により、国内向けに新規重要先の獲得により増加し、売上高は前連結会計年度を上回りました。「塗料」は、エアゾール製品は販売が増加したものの、建築用塗料が改修需要の低迷と天候不順による工事が減少し、売上高は前連結会計年度を下回りました。
当連結会計年度の売上総利益は、前連結会計年度と比べ1億88百万円増加して214億68百万円(前連結会計年度比0.8%増加)となり、売上総利益に営業収入を加えた営業総利益は、前連結会計年度と比べ1億93百万円増加して217億28百万円(前連結会計年度比0.8%増加)となりました。
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、運賃、人件費、減価償却費等の増加により前連結会計年度と比べ2億67百万円増加して172億12百万円(前連結会計年度比1.5%増加)となりました。
当連結会計年度の営業利益は、売上総利益の増加があったものの販売費及び一般管理費の増加により前連結会計年度と比べ74百万円減少し、45億15百万円(前連結会計年度比1.6%減少)となりました。
当連結会計年度の経常利益は、48百万円減少して51億5百万円(前連結会計年度比0.9%減少)となりました。
当連結会計年度において特別利益として退職給付に係る負債戻入益31百万円を計上し、特別損失として、関係会社株式清算損7百万円、減損損失8百万円及びゴルフ会員権評価損13百万円を計上しています。
税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度と比べ1億11百万円増加して51億3百万円(前連結会計年度比2.2%増加)となり、税効果会計適用後の法人税等負担額は、前連結会計年度と比べ1億15百万円減少して17億24百万円(前連結会計年度比6.2%減少)、非支配株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比べ11百万円減少して53百万円(前連結会計年度比18.2%減少)となりました。その結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比べ2億38百万円増加して33億26百万円(前連結会計年度比7.7%増加)となりました。
なお、セグメント別の売上高及び営業利益の概況については、「第2 [事業の状況] 1 [業績等の概要](1)業績」に記載のとおりであります。
当連結会計年度末におけるキャッシュ・フローの状況の主な要因につきましては、「第2 [事業の状況] 1 [業績等の概要](2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。