文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、「企業活動を通して社会に貢献する」を基本理念として掲げております。当社グループは将来にわたって社会からの信頼を高めるべく、企業の社会的責任を最重要視し、公明正大な事業活動を通して企業価値の向上及び持続的成長、株主利益の拡大を図ることを基本方針としております。
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症に伴う行動制限が緩和され、景気は緩やかに持ち直しの動きが見られました。当社グループは、このような経営環境のもと2021年度を初年度とする中期経営計画(2021~2023年度)に基づき、「日本が誇る農業ソリューションカンパニー」「世界へ向けて素材の機能性を創出する肥料・化学品メーカー」へと成長するための事業基盤・収益基盤を固めるべく各施策に取り組んでまいりました。
当社グループは、2021から2023年度までの3年間を対象とした中期経営計画を策定しております。最終年度である2023年度には、親会社株主に帰属する当期純利益1,100百万円の数値目標の達成を掲げております。一方で、主力の肥料事業においては、安定供給を果たすべく常時一定量保有している原料及び製品について、高騰していた原料相場が反転下落していることから、肥料価格値下がりを想定したマイナス影響を見込まざるを得ない状況となっております。
以上のことから、昨今の特異的な原料情勢を勘案した結果、中期経営計画の方針・戦略に変更はないものの、最終年度数値目標の達成は困難であると判断致しました。大きく変化する事業環境へ柔軟に対応し、中期経営計画で掲げた施策を着実に遂行しながら当社グループが「日本が誇る農業ソリューションカンパニー」「世界へ向けて素材の機能性を創出する肥料・化学品メーカー」へと成長するための事業基盤・収益基盤の構築を進めてまいります。
親会社株主に帰属する当期純利益 (単位:百万円)
(今後の事業戦略)
肥料事業においては、当社製品・技術を通じて日本農業へ貢献することが「持続可能な開発目標(SDGs)」の実現に繋がると考えております。
片倉コープアグリは「2030年にはプラスチックを使用した被覆肥料に頼らない農業に。」を理想に掲げ、これからの時代にマッチした肥料製品ラインナップを充実させ、利便性の向上と自然環境への負荷軽減に向けてさらに努力するとともに、引き続き以下の施策への取り組みを進めてまいります。
①ペースト二段施肥機を用いた実証展示圃を全国各地で展開
②資源循環の取り組みとして、国内の未利用資源の活用を進め、堆肥を混合した肥料や、再生リンを原料に使用した肥料の開発・拡販
③当社の技術力を活用した植物が本来持っている収量・品質等のポテンシャルを引き出し、化学農薬使用回数低減に資するバイオスティミュラント資材の普及
④農業従事者の施肥労力を軽減する機能性肥料の開発・拡販
化学品事業においては、グローバル展開を進めるなか、顧客に対する製品品質やサービスにおいて、より高い安心や満足を保証することを目的とし、2022年10月1日、品質保証部を新設しました。現状の品質保証体制を強化し、より満足いただける製品への改善を図りながら、引き続き以下の施策への取り組みを進めてまいります。
①化粧品原料では、サステナブルな化粧品開発・生産を目的としたグローバル認証であるCOSMOS認証の取得に向け取り組みを進めるほか、”美と健康”を追求した高機能素材の開発や、HALAL認証と新たに取得したVEGAN認証を活かした化粧品原料の更なる海外フィールドへの展開
②無機素材では欧州で発表されたリサイクル環境規制(Proposal for a revision of EU legislation on Packaging and Packaging Waste)の基準を達成するための機能性素材を開発・提案
③化成品では工業用リン酸において取得したHALAL認証及びKOSHER認証を活用した更なる拡販
不動産事業においては、現状の賃貸物件による安定的収益の確保、渋谷駅前に有する土地については、今後新たに店舗・事務所用途の建物を建設し賃貸事業を行うべく進めてまいります。
その他事業においては、新型コロナウイルスを背景に進捗が遅れている、中国上海に設立した「片倉(上海)農業科技有限公司」の中国国内における微生物資材の製造・販売と土壌診断及び指導事業について、早期収益化に向けて取り組んでおります。
(資本政策の基本的な方針)
当社グループは、持続的な成長と企業価値の向上を図るため、資本効率の向上と財務健全性とのバランスを確保することを資本政策の基本方針と致します。
中期経営計画では不動産事業の渋谷駅前に有する賃貸物件、及び海外事業の中国の合弁会社での事業展開の収益を織り込まないため、具体的な数値目標は立てないものの、 株主資本当期純利益率(ROE)を資本効率向上の重要な指標ととらえ、新規事業分野への投資、付加価値の高い製品の開発、効率的な生産・販売体制の構築を追求し、連結当期純利益の増大を図り、株主資本当期純利益率(ROE)の向上を図ってまいります。
また、株主に対する利益還元を経営の重要政策と位置づけ、安定的かつ継続的に業績に見合った成果の配当を行うことを基本とし、引き続き配当性向50%を目標と致します。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、サステナビリティ関連を含む事業リスクの管理組織として、コンプライアンス委員会を設置しております。2023年4月1日、リスク顕在化の未然防止並びに会社や顧客からの信用力の向上を目的に、リスク・コンプライアンス室を新設し、リスク管理及びコンプライアンスに関する啓蒙強化、不正行為の発生を未然に防止、社内秩序の維持・強化に努めています。また、コンプライアンス委員会をリスク・コンプライアンス委員会へと改称し、委員会におけるリスク管理活動を明確化しております。
当社グループにおける、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針等については、次の通りであります。
「人的資本」は当社において最重要資産の一つであると考えております。すべての従業員が働きやすい環境で持てる力を十分に発揮できるとともに、従業員がやりがいを持って働くことのできる会社をめざし、各種取り組みを行っております。
①採用方針
当社の持続的な発展に貢献できる有能な人材の確保のため、新卒採用を中心に、様々な経験・スキル・資格を有し、即戦力となる中途人材の採用も積極的に行い、多様性のある持続可能な組織集団を目指しております。
②環境整備
年齢・性別・国籍・障がいの有無等に関係なく、すべての従業員が持てる力を十分に発揮し活躍できる環境整備に取り組んでまいります。
(職掌(コース)制度の拡充)
従業員が適性発揮、希望実現や育児・介護等のライフステージでの継続勤務により会社生活を充実させるとともに、これらの方針のもと、会社がすべての従業員を有効活用できるよう柔軟な職掌(コース)制度の拡充に取り組んでおります。これらの方針のもと、2023年4月よりエリア総合職コースと専門職コースを導入致します。
また、社内公募制による職掌転換制度を導入し、自らチャレンジをする環境や従業員のライフスタイルに合わせたコースを選択できる環境構築を行います。
③人材育成
従業員個々、特に総合職コースの従業員が専門性と総合力を備え、多様なビジネスプロフェッショナル集団を構成し、企業力を高めることが会社の持続的な発展へと繋がると考えております。当社においては人材育成の指針として「人材育成ガイドライン」を導入し、3つの育成ローテーション「育成ローテーション」「プロフェッショナルローテーション」「レベルアップローテーション」に分けて従業員それぞれの特性・適性に合わせて質の高い教育を従業員に提供し、様々な知識や経験をもった将来会社の幹部となる人材育成を行います。
また、2023年度より入社1~2年目社員を対象とした総合職新卒教育指導員制度を導入致します。
④多様性の確保
当社は社内教育のみでは得られない知見を持つ人材確保のため、中途人材の採用を積極的に行ってまいります。2023年度より優秀な中途人材確保のため専門職コースを導入し、多様な人材を年齢・性別等関係なく採用してまいります。また、新卒採用者、中途採用者の区分なく能力本位で管理職への登用を行ってまいります。
当社グループは、サステナビリティ関連を含む事業リスクの影響を把握・評価しております。事業活動を行うにあたって、重大な危機の発生を未然に防ぐこと、及び万一重大な危機が発生した場合に事業活動への影響を最小限にとどめることは最重要課題と認識し、モニタリングを行いながら定期的に見直しを図っております。また、検討・対応内容については、必要に応じて経営会議及び取締役会に報告しております。
<ガバナンス・リスク管理体制の模式図>

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下の通りであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)事業に関するリスク
① 国内の農業環境の変化によるリスク
当社グループの主力事業である肥料事業は、政府の農業政策とそれによる国内農業の変化により大きな影響を受けます。人口減による農産物消費量の減少、農産物輸入の拡大、農業者の高齢化や都市化による耕地面積の減少等を要因に、農産物生産の減少に伴う肥料需要の減少が顕在化した場合、当社グループの業績・財務に影響を及ぼす可能性があります。
また、農業資材費低減、減肥政策等の農業経営の見直しも、肥料需要の減少に繋がると予想され、当社グループの業績・財務に影響を及ぼす可能性があります。
② 肥料流通の変化によるリスク
肥料の国内流通は、全国農業協同組合連合会他の系統組織が大きなシェアを占めており、当社グループも肥料販売の大半を系統組織に依存しておりますが、何らかの理由で系統の流通シェアが大きく減少した場合や流通が困難になった場合、当社グループの業績・財務に影響を及ぼす可能性があります。
③ 販売における与信リスク
当社グループは販売の大半を系統組織に依存しており、その与信リスクは些少でありますが、その他一般の販売先向けは一定程度の与信リスクを負担しているため、与信管理規程によるリスク管理を行っておりますが、販売先の経営状況によっては、当社グループの業績・財務に影響を及ぼす可能性があります。
④ 肥料市場における競争激化によるリスク
肥料の国内市場において、需要の減少に伴うメーカー間の競争が激化し販売価格が低下した場合、業界の統合再編により他社の競争力が当社グループを上回る状況になった場合、当社グループの業績・財務に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 工場操業停止によるリスク
当社グループは全国21カ所に工場を有しております。組織的な労働安全衛生体制及び保安防災管理体制の構築・運用並びに設備の保全・保安等の対応策により、労働災害及び生産設備等の事故防止に取り組んでおります。しかしながら、重篤な労働災害や重大な災害・事故等完全に防止することはできないため、それらのリスクが顕在化し、一時的又は長期にわたる工場操業停止により当社グループの業績・財務に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 原料事情によるリスク
主要原料の多くを海外に依存している肥料事業及び化学品事業の一部品目において、原料市況、運賃市況、外国為替市況、エネルギー市況、社会不安(戦争、テロ、感染症、地政学的リスク等)等によっては、原料の価格高騰や調達の難航、供給不足が予想され、当社グループの業績・財務に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 原料及び製品在庫に関するリスク
肥料事業の一部品目においては原価に占める原材料費の割合が高いため、原料市況が大きく下落した場合、安定供給のため保有している原料及び製品在庫が当社グループの業績・財務に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 飼料の需要及び市況に関するリスク
国内の畜産物の需要減により配合飼料が減産もしくは生産停止となった場合、また、国内外の飼料原料の市況の変動により代替原料の使用が増加した場合、当社グループの業績・財務に影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 化粧品原料及び化粧品凍結乾燥品に関するリスク
化粧品原料及び化粧品凍結乾燥品に関する安全性については細心の注意を払っておりますが、当社グループの製品に起因する予期せぬ副作用等が発生した場合、当社グループの業績・財務に影響を及ぼす可能性があります。
⑩ 食品・農産物に関するリスク
当社グループが取り扱う食品・農産物については、その安全性を確保すべくトレーサビリティを重要視しておりますが、何らかの理由で食品衛生法等関連法規上の問題が発生した場合、当社グループの業績・財務に影響を及ぼす可能性があります。
⑪ 海外展開におけるリスク
当社グループは海外市場への展開を図っております。今後、海外展開に伴い、現地における地政学的問題、法規制、労働環境や習慣等に起因する予測不可能な事態の発生、社会的又は政治的混乱等が発生した場合、当社グループの業績・財務に影響を及ぼす可能性があります。
(2)法的規制、研究開発、訴訟、自然災害その他に関するリスク
① 法的規制に関するリスク
肥料事業、化学品事業、その他当社グループが行う事業は、肥料の品質の確保等に関する法律、農薬取締法、飼料安全法、食品衛生法等を始めとした様々な関連法規によって規制されており、当社グループはこれら法規の遵守を徹底すべく細心の注意を払っております。
しかし、過失や事故等により法規違反を犯す可能性は否定できず、違反を起こしたことで、当社グループの事業活動を制限する何らかの行政命令や罰金、それに起因する損害賠償の請求等があった場合、当社グループの業績・財務に影響を及ぼす可能性があります。
また、何らかの環境変化のため、予期せぬ法的規制の変更や新設により、既存の事業活動が制限を受ける場合、既存の原料の使用ができなくなる場合、当社グループの業績・財務に影響を及ぼす可能性があります。
② 研究開発に関するリスク
当社グループは、製品の品質向上、技術水準の維持に加え、新商材の開発のために研究開発活動を行っておりますが、何らかの理由で商材の開発を断念する場合、開発した商材の上市ができなかった場合、研究開発コストの回収ができず、当社グループの業績・財務に影響を及ぼす可能性があります。
③ 知的財産権に関するリスク
当社グループは特許権等の知的財産権の管理には細心の注意を払っておりますが、当社グループの保有する知的財産権が第三者によって侵害され利益を遺失した場合、第三者の保有する知的財産権を侵害し損害賠償を請求された場合、当社グループの業績・財務に影響を及ぼす可能性があります。
④ 訴訟に関するリスク
当社グループは事業遂行にあたり、コンプライアンスを最重要事項に位置づけ、企業活動を行っておりますが、各種関連法規違反の有無に係わらず、製造物責任、知的財産権、環境問題等の問題において訴訟を提起される可能性があります。訴訟が提起された場合は、その結果の如何に係わらず企業イメージや顧客信頼度の毀損、あるいは損害賠償負担等により、当社グループの業績・財務に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 保有資産に関するリスク
当社グループの保有する土地・建物や有価証券等の資産価値が下落することで、当社グループの業績・財務に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 退職給付に関するリスク
当社の年金資産の運用にあたっては、社内に設置した退職給付信託・年金信託財産運用委員会で許容できるリスクの範囲内で常に年金資産の極大化に努めております。しかしながら、証券市場の低迷等により年金資産が減少した場合、退職給付費用が増加し、年金資産の積み増し等が必要となることがあります。また、退職給付債務の割引率や昇給率等が、実際の数値と異なる場合、退職給付債務の金額に変動が生じる可能性があります。これらの場合には、当社グループの業績・財務に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 天候・自然災害に関するリスク
主要事業である肥料事業が農業に依存することから、台風、大風、大雪、大雨、旱魃、日照不足等の異常気象や悪天候に加え、大規模自然災害やそれに伴う農地や環境被害による影響を受ける可能性があります。
また、生産設備に対する減災に向け、自主防災組織の結成や環境保安査察による定期的な設備点検を実施するほか、当社グループとして可能なバックアップ体制を構築しておりますが、地震等の大規模自然災害による被害を受け減産や生産停止した場合、コンピューターシステムへの被害等が起こった場合等、被害の程度によっては、当社グループの業績・財務に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 人材の確保に関するリスク
当社グループの将来の業績を支えるのは有能な人材であると認識しており、新卒採用の強化や中途採用を実施しているほか、現状に即した人事制度となるよう定期的に制度の見直しを行っております。労働市場の変化により、有能な人材の採用や育成ができない場合、有能な人材が流出した場合、当社グループの業績・財務に影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 感染症に関するリスク
当社グループは、感染症への対策として、WEB会議システムの活用や在宅勤務及び時差出勤等、安全対策を実施しております。しかし、感染症拡大が長期化した場合、当社グループや主要取引先における納品の遅延や原料調達への影響等により、当社グループの業績・財務に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。
当連結会計年度末(以下「当年度末」という。)の資産の合計は49,393百万円となり、前連結会計年度末(以下「前年度末」という。)に比べ6,327百万円増加しました。
同じく負債の合計は24,561百万円となり、前年度末に比べ4,513百万円増加し、純資産の合計は24,832百万円となり、前年度末に比べ1,813百万円増加しました。
この結果、自己資本比率は前年度末の53.3%から50.2%となり、1株当たりの純資産額は前年度末の2,565.65円から2,765.88円となりました。
当社グループの主力である肥料事業では、世界的な食糧生産や人口増加に伴う旺盛な肥料需要のなか、ロシアのウクライナ侵攻等、世界有数の肥料輸出国の政治的問題を背景に世界的な需給が逼迫し、肥料原料の国際市況は一時史上最高値まで上昇致しました。その後、穀物相場の下落や端境期での需給緩和により一部原料は国際市況が軟化しておりますが、当連結会計年度における肥料原料価格は高い水準で推移したことに加え、燃料価格の高騰や各国の金融引き締め政策等による急激な円安、物価の上昇等の影響により、市場動向は極めて不透明な状況で推移してまいりました。
当連結会計年度の経営成績につきましては、売上高は51,031百万円(前年同期比31.0%増)、営業利益3,557百万円(前年同期比216.7%増)、経常利益3,525百万円(前年同期比191.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,172百万円(前年同期比112.4%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は以下の通りであります。
(肥料事業)
肥料事業は、原価に占める原材料費の割合が高いため、原料価格が大きく上昇あるいは下落する会計期間においては、安定供給のため保有している原料及び製品在庫が損益に大きく影響を与えます。当連結会計年度については、原料価格高騰に伴う6月及び11月の二度に亘る肥料価格値上がりにより、売上高41,847百万円(前年同期比35.7%増)、利益面においては肥料価格値上げ前に調達した原料に起因する売買差益等により、セグメント利益は3,820百万円(前年同期比199.8%増)となりました。
(化学品事業)
化学品事業は、原料価格高騰による工業用リン酸販売価格の見直し及び飼料の販売が好調に推移したことにより、売上高7,222百万円(前年同期比19.5%増)、利益面においては化粧品原料及び無機素材の販売数量が減少したことにより、セグメント利益は600百万円(前年同期比3.9%減)となりました。
(不動産事業)
不動産事業は、渋谷駅前に有する物件のテナント変更等により賃料収入が増加し、売上高429百万円(前年同期比7.4%増)、セグメント利益は173百万円(前年同期比20.2%増)となりました。
(その他事業)
その他の事業は、連結子会社において食品農産物の販売が減少したことにより、売上高3,058百万円(前年同期比1.7%減)、利益面においては設備工事等の受注が増加したことにより、セグメント利益は73百万円(前年同期比42.9%増)となりました。
当年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前年度末に比べ96百万円減少し1,844百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度(以下「当年度」という)における営業活動による資金の減少は1,209百万円(前連結会計年度(以下「前年度」という)は341百万円の増加)となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益(3,158百万円)及び減価償却費(1,255百万円)、仕入債務の増加(697百万円)、化学肥料調達支援緊急対策事業費補助金の受取額(910百万円)により増加しましたが、売上債権の増加(△2,008百万円)及び棚卸資産の増加(△4,805百万円)、未払消費税の減少(△277百万円)、法人税等の支払額(△216百万円)により減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当年度における投資活動による資金の減少は1,242百万円(前年度は529百万円の減少)となりました。これは、主に有形固定資産の取得(△891百万円)及び有形固定資産の除却による支出(△313百万円)によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当年度における財務活動による資金の増加は2,354百万円(前年度は624百万円の減少)となりました。これは、主に短期借入金の増加(3,010百万円)及び配当金の支払額(△511百万円)によるものであります。
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
(注) 金額は販売価格によっております。
当社グループは、製品の大部分について見込生産方式を採っておりますので、記載しておりません。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
(注) 1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次の通りであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 財政状態の分析
当連結会計年度末(以下「当年度末」という。)の資産の合計は49,393百万円となり、前連結会計年度末(以下「前年度末」という。)に比べ6,327百万円増加しました。
(流動資産)
流動資産残高は31,714百万円となり、前年度末に比べ6,669百万円増加しました。これは主に原料価格高騰に伴い、受取手形及び売掛金が2,007百万円、商品及び製品が2,768百万円、原材料及び貯蔵品が1,847百万円増加したことによるものであります。
(固定資産)
固定資産残高は17,679百万円となり、前年度末に比べ341百万円減少しました。これは主に建物及び構築物が165百万円減少したことによるものであります。
当年度末の負債の合計は、24,561百万円となり、前年度末に比べ4,513百万円増加しました。
(流動負債)
流動負債残高は21,315百万円となり、前年度末に比べ5,002百万円増加しました。これは主に短期借入金が3,010百万円増加したことによるものであります。
(固定負債)
固定負債残高は3,245百万円となり、前年度末に比べ488百万円減少しました。これは主に退職給付に係る負債が363百万円減少したことによるものであります。
(純資産)
純資産の合計は24,832百万円となり、前年度末に比べ1,813百万円増加しました。これは主に利益剰余金が1,659百万円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は前年度末の53.3%から50.2%となり、1株当たり純資産額は前年度末の2,565.65円から2,765.88円となりました。
b. 経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、主に原料価格高騰に伴う二度に亘る肥料価格の値上がりにより、前年度に比べ12,070百万円(31.0%)増収の51,031百万円となりました。
(売上総利益)
売上総利益は、主に肥料価格値上げ前に調達した原料に起因する売買差益等により、前年度に比べ2,723百万円(40.5%)増益の9,449百万円となりました。
(営業利益)
営業利益は、前年度に比べ2,434百万円(216.7%)増益の3,557百万円となりました。
(経常利益)
経常利益は、前年度に比べ2,317百万円(191.9%)増益の3,525百万円となりました。
(税金等調整前当期純利益)
税金等調整前当期純利益は、前年度に比べ2,009百万円(174.9%)増益の3,158百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は、前年度に比べ1,149百万円(112.4%)増益の2,172百万円となりました。
この結果、1株当たりの当期純利益は、前年度の114.23円から242.50円となり、自己資本利益率は前年度の4.5%から9.1%となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの主要な資金需要は、営業活動では、製品製造のための原材料費・労務費・経費、販売費及び一般管理費等の運転資金、投資活動では、設備の新設・更新によるものであります。また、財務活動では、期日の到来した借入金の返済及び配当金の支払いによる株主還元であります。なお、株主還元についての資本政策における基本的な方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)中長期的な会社の戦略及び対処すべき課題(資本政策の基本的な方針)」に記載しております。
当社グループは、安定した事業活動に必要な程度の確保と財務の健全性・安定性維持の観点から、これら資金需要を満たすための財源として、営業活動により生み出されるキャッシュ・フロー及び内部留保資金のほか、金融機関からの借入れにより調達することを基本方針とし、資金の流動性を十分に確保しております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
当社グループは、2022年10月28日開催の取締役会におきまして、下記の通り固定資産を譲渡及び取得することを決議し、2022年11月24日付で土地交換契約及び不動産売買契約を締結致しました。
長期的な安定収益と資産価値の最大化のため、以下の固定資産を譲渡及び取得することと致しました。
(2)譲渡資産
(3)土地交換により取得する資産
(4)譲渡先の概要
(5)譲渡及び取得の日程
所有権移転は、土地Bにある建物の解体完了時(2024年2月予定)とし、土地Bに新たに店舗・事務所用途の建物を建設し賃貸事業を行う予定であります。詳細はまだ検討中でありますが、所有権移転後できるだけ速やかな建設工事着工を目指してまいります。
(6)連結損益へ与える影響
土地Aの譲渡は、固定資産の交換の特例による圧縮記帳を適用するため、当社業績に与える影響はありません。
当社グループの研究開発は、現在の事業活動を拡大する開発研究と将来に向けての基礎的研究を、筑波総合研究所を中心として展開しております。
当連結会計年度の研究開発費の総額は
セグメントごとの研究開発活動を示すと次の通りであります。
(1)肥料事業
肥料事業については、農業資材のコスト低減、高付加価値化志向など農業の生産様式の多様化に対応して新肥料・新技術の開発を行うとともに、環境に調和した持続的な農業生産に資する、次のようなテーマを中心に研究開発を行っております。
① ペースト肥料やバイオスティミュラント資材など機能性肥料の開発と普及のための試験研究
② 土壌微生物の機能を利用した資材の開発および普及のための試験研究
③ 堆肥や食品工業廃材など未利用資源の肥料利用
④ 多様な栽培形態に対応し、環境に配慮した肥料・施肥技術の試験研究
⑤ 産学官連携による基礎的研究にもとづく新技術・新商材の開発
⑥ スマート農業に関わる新たな農業支援技術の開発
当連結会計年度における研究開発費の金額は
(2)化学品事業
化学品事業については、農業以外の新素材関連の研究開発を行い、各種天然素材を用いた化粧品原料の開発及び合成雲母・合成スメクタイトの開発・改良を次のようなテーマで行っております。
① 天然素材からコラーゲンなど高付加価値原料の抽出・精製技術の開発
② 各種天然由来原料の老化抑制作用、美白作用などの機能性評価
③ 各種植物原料の醗酵による新たな機能性製品の開発
④ 食品包装フィルムのバリア機能の向上に向けた開発
⑤ 化粧品(ファンデーション)用途ではより薄く且つ平滑性を高めた新銘柄の開発
⑥ 電子材料用途ではナノ分散可能な新銘柄(有機スメクタイト)の開発
当連結会計年度における研究開発費は