(1)業績
当連結会計年度における世界経済は、米国では個人消費、非製造業を中心とした雇用の増加に支えられ堅調に推移しました。昨年12月には予定通り0.25%の利上げを実施し、金融の緩和から引き締めへと向かい始めました。但し、年明け以降の急激なドル高、株安といった世界経済の不安定な状況から、利上げペースについては慎重に進めていくものと思われます。一方、欧州はデフレ回避に一層の金融緩和を実施いたしましたが、多発するテロ行為・中東地域から押し寄せる難民に混迷の度合いを深めております。中国は、過剰設備の調整を進めており、景気減速感が一層鮮明となりました。
また、日本経済については、原油価格の大幅な低下の恩恵もあり、企業収益は順調に推移し、低水準の完全失業率、実質賃金の上昇から個人消費も緩やかな回復傾向にありましたが、年明け以降の大幅な株安、円高に翻弄されている状況にあります。
このような状況下、当社グループにおきましては、中期的な利益拡大を目指した製品群の立ち上げ、エネルギーコストの低減を図るため製造工程の見直しを実施し、顧客ニーズに基づく新製品の開発、取扱商品の増強を進めました。
業績につきましては、当社グループ製品の売上高は微減となりましたが、取扱商品につきましては、新たな商流の開拓により順調に増加し、売上高は過去最高を記録いたしました。
売上高は120億56百万円(前年同期比6億60百万円、5.8%増)となりました。これは主に塗料、シーリング材向け商品・製品の販売拡大によるものです。営業利益につきましては、販売平均単価の上昇、省エネ等による生産コストの改善により、4億5百万円(前年同期比62百万円、18.3%増)となりました。経常利益につきましては、4億83百万円(前年同期比5百万円、1.1%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、3億9百万円(前年同期比19百万円、5.8%減)となりました。
次期の経済見通しにつきましては、原油を中心とする資源価格の低迷、乱高下する株価・通貨レート、減速感を強める中国経済、欧州難民問題等不安定要素が多岐に渡り、国内外ともに予断を許さない状況が続きます。このような情勢下当社グループにおきましては、自動車用部材、建設用資材等の既存分野の顧客からの要求にスピーディに応えシェアの維持拡大を図ると共に、電子部材、精密化学品用途等の成長分野でのシェア拡大を目指してまいります。また、ITを活用した効率的な生産体制の構築に力を注いでまいります。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ5億18百万円増加して16億36百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は12億60百万円で、これは主に税金等調整前当期純利益4億74百万円、減価償却費7億77百万円、仕入債務の増加1億69百万円などの資金増加に対し、未払金の減少75百万円、法人税等の支払94百万円の資金減少によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は4億55百万円で、これは主に有形固定資産の取得4億13百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果減少した資金は2億73百万円で、これは主に長期借入金の借入4億円の収入に対し、長期借入金の返済5億3百万円、短期借入金の返済1億円、配当金の支払い67百万円などの支出によるものです。
(1)生産実績
当連結会計年度におけるグループ生産実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
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品目 |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
化合炭酸カルシウム(百万円) |
4,586 |
94.2 |
|
重質炭酸カルシウム(百万円) |
965 |
100.5 |
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その他(百万円) |
303 |
89.3 |
|
合計(百万円) |
5,855 |
94.9 |
(注)1.金額は、販売価格によっております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)受注状況
製品について見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
(3)販売実績
当連結会計年度におけるグループ販売実績をグループ内での製造品・グループ外からの購入品の別及び品目別に示すと、次のとおりであります。
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品目 |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
|
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化合炭酸カルシウム(百万円) |
4,648 |
99.5 |
|
グループ内 |
重質炭酸カルシウム(百万円) |
971 |
101.8 |
|
製造品 |
その他(百万円) |
308 |
91.0 |
|
|
小計(百万円) |
5,928 |
99.4 |
|
|
化合炭酸カルシウム(百万円) |
160 |
102.9 |
|
グループ外 |
重質炭酸カルシウム(百万円) |
2,386 |
105.3 |
|
購入品 |
その他(百万円) |
3,581 |
119.1 |
|
|
小計(百万円) |
6,128 |
112.9 |
|
合計(百万円) |
12,056 |
105.8 |
|
(注)上記金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度におけるグループ販売実績を用途別に示すと、次のとおりであります。
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用途 |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
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合成樹脂(百万円) |
5,154 |
102.7 |
|
|
塗料(百万円) |
3,680 |
117.9 |
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|
輸出(百万円) |
974 |
104.8 |
|
|
食品・飼料(百万円) |
783 |
97.8 |
|
|
ゴム(百万円) |
727 |
102.2 |
|
|
その他(百万円) |
735 |
90.1 |
|
|
合計(百万円) |
12,056 |
105.8 |
|
(注)1.最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、当該割合が10%以上の相手先がないため記載を省略しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループにおきましては、下記に掲げる企業理念に基づき、持続的に成長し、中長期的な企業価値を向上させ、最良のコーポレートガバナンスを実現することを経営の基本方針とします。
(企業理念)
1.私たちは、常に新たな価値の創造に挑戦し、人と社会に豊かさと快適さを提供します。
2.私たちは、オープン、フェア、クリアーな企業風土のもと、人間性の尊重を基本とします。
3.私たちは、革新的な技術開発と環境の調和を志し、最高品質の商品とサービスを世界に届けます。
「他社がつくれないものを、またお客様が本当に欲するものを提供していきたい。」との考えのもと、独りよがりな技術を一方的に提供するのではなく、お客様と議論を重ね、共に製品開発に取り組む中で、真のニーズを引き出す姿勢を忘れません。
また、中間素材メーカーとしての基礎体力を維持していくために、基礎研究に真摯に取り組み、豊かな創造力
を以て幅広い応用研究へと発展させてまいります。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、事業活動の成果を表す経営指標としては収益性を重視し、自己資本当期純利益率(ROE)8%を中長期の目標といたします。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、自動車用部材や建築用資材、記録材料、電子部材やアメニティー用途、機能性食品や精密化学品用途など、私たちの身の回りのあらゆる物の機能を高める商品で、人と社会に豊かさと快適さを提供します。
その為に、基礎研究・応用研究を充実させ、環境と調和した革新的な技術で開発した、最高品質の商品とサービスを世界に届けます。
(4)会社の対処すべき課題
当社グループは、この変化の激しい時代において企業価値を維持向上させるため、次の項目に重点を置いて経営を進めてまいります。
①新たな価値の創造に挑戦する研究開発の活性化。
②自動車用部材、建築用資材等、既存分野での新製品投入によるシェア拡大。
③電子部材、精密化学品用途などの成長分野への新製品開発。
④アジアを中心とする世界に向けた販売体制の確立。
⑤環境保全を重視した商品開発・製造体制の維持向上。
⑥ITを活用した効率的な生産体制の構築。
⑦オープン、フェア、クリアーな企業風土のもと、人間性の尊重を基本とし、ステークホルダーの利益を考慮したコーポレートガバナンスの実現。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)原料の調達について
当社グループが調達する原料には特定少数の仕入先からしか入手できないものがあり、また、海外からの調達等のため、仕入先の国の政治・経済や為替動向により仕入量及び単価が大きく変動し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)知的財産権の保護について
当社グループは他社製品との差別化を図るために独自の技術開発と知的財産権の保護に努めておりますが、第三者による当社グループの知的財産を使用した類似製品の製造販売を完全に防止できないことや、当社グループの製品が他社の知的財産権の侵害をしていると判断されることが生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3)貸倒れリスクについて
当社グループでは売上債権管理として与信年齢調べ、回収条件の厳正運用、引当金の設定などを行い、不測の事態に対応すべく努力しておりますが、取引先の信用不安などによる予期せぬ貸倒れにより当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4)製品の品質と責任について
当社グループは顧客に信頼されるべく品質第一に製品開発を行い、国際的な品質管理システムに則り製品を設計、製造しております。また、生産物責任賠償保険に加入しておりますが、これらを超える重大な品質トラブルが発生した場合、当社グループ及び製品への信頼を失う恐れがあり、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5)事故及び災害について
当社グループは事故及び災害による製造設備の停止を防止するための対策を充実させる一方、生産拠点の分散を図るなど製品の安定供給体制整備に努めております。しかしながら予想を上回る大規模な産業事故、大規模災害などによる製造設備の損壊を被るような事態が発生した場合、可及的速やかに生産再開を図るため事業継続計画を立案しておりますが、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6)繰延税金資産の取崩しについて
当社グループは将来の課税所得に関する予測・仮定に基づき、繰延税金資産の回収可能性の判断を行っておりますが、将来の課税所得の予測・仮定が変更され、繰延税金資産の一部ないしは全部が回収できないと判断された場合、繰延税金資産は減額され、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7)固定資産の減損について
当社グループは固定資産の減損に係る会計基準を適用しております。将来、業績の大幅な悪化や不動産価格の下落等があった場合、減損損失が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
特記すべき事項はありません。
当社グループは、最近ますます求められております商品に対する高機能化、高性能化、あるいはユーザー最終商品の差別化に応えるため、新製品の開発を強力に進めるとともに、今後の事業発展に向けての長期的視点から、事業推進の核となる新技術を確立するため、炭酸カルシウムを中心とした各種無機粉体の基礎研究及び新規用途拡大のための応用研究まで幅広く積極的に取り組んでおります。
現在、当社グループの研究開発は当社中央研究所により推進されており、その研究開発スタッフは全体で34名であり、これは当社グループ総従業員数の12.7%に相当いたします。
当連結会計年度中に支出した研究開発費の総額は2億99百万円(消費税等抜き)となっております。
当連結会計年度における主な研究開発状況及びその成果は、次のとおりであります。
(1)近年の商品開発速度に即応すべく新規無機素材の開発と効率的な製造技術の研究を進めております。
(2)炭酸カルシウム等を中心とした各種無機粒子の合成、粒子形状と粒子サイズの制御、単分散化、表面改質等の基礎研究を行っております。
(3)応用研究開発としては、炭酸カルシウム等の無機素材について従来のシーラント、合成樹脂、食品等の分野でのより一層の機能性付与の検討と、一方、新規分野への用途開発の研究を進めております。
(4)主な成果としては、シーラント、フィルム等の分野での新製品の販売量増加、農業用材料分野での研究実績等を挙げる事が出来ます。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
(1)財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ7億27百万円減少し132億6百万円となりました。これは主に減価償却等による有形固定資産の減少5億44百万円、上場株式の相場下落による投資有価証券の減少8億32百万円、現金及び預金の増加5億36百万円などによるものです。
(負債)
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ4億69百万円減少し61億57百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金の増加1億27百万円に対し、長短借入金の減少2億4百万円、投資有価証券の減少に伴う繰延税金負債の減少2億53百万円によるものです。
(純資産)
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ2億57百万円減少して70億49百万円となりました。これは利益剰余金の増加2億41百万円、その他有価証券評価差額金の減少5億11百万円によるものです。自己資本比率は50.8%となりました。
(2)経営成績の分析
当連結会計年度における売上高は120億56百万円(前連結会計年度比6億60百万円、5.8%増)、売上原価は98億34百万円(前連結会計年度比6億51百万円、7.1%増)、売上総利益は22億21百万円(前連結会計年度比8百万円、0.4%増)、販売費及び一般管理費18億16百万円(前連結会計年度比54百万円、2.9%減)、営業利益は4億5百万円(前連結会計年度比62百万円、18.3%増)、経常利益は4億83百万円(前連結会計年度比5百万円、1.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は3億9百万円(前連結会計年度比19百万円、5.8%減)となりました。
売上高6億60百万円増加の主な要因は、塗料、シーリング材向商品、製品の販売拡大によるものであります。
売上原価6億51百万円増加の主な要因は、商品販売高増加によるものであります。
販売費及び一般管理費54百万円減少の主な要因は、運賃の見直しによるものであります。
以上の結果、営業利益は62百万円、経常利益は5百万円それぞれ増益、親会社株主に帰属する当期純利益は19百万円減益となりましたが、いずれも期初予想を上回る業績を達成することが出来ました。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
日本経済全体が世界経済の動向に左右される度合いを強める中、当社グループにおきましても、海外売上高の増加に伴う為替変動リスクが増加しております。また、原材料においては、国際価格の変動が直ちに調達価格に反映される等、コスト面における価格変動リスクが増加しております。
(4)キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2[事業の状況]1[業績等の概要](2)キャッシュ・フロー」に記載しております。