第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針

当社グループにおきましては、下記に掲げる企業理念に基づき、持続的に成長し、中長期的な企業価値を向上させ、最良のコーポレートガバナンスを実現することを経営の基本方針とします。

(企業理念)

1.私たちは、常に新たな価値の創造に挑戦し、人と社会に豊かさと快適さを提供します。

2.私たちは、オープン、フェア、クリアーな企業風土のもと、人間性の尊重を基本とします。

3.私たちは、革新的な技術開発と環境の調和を志し、最高品質の商品とサービスを世界に届けます。

「他社がつくれないものを、またお客様が本当に欲するものを提供していきたい。」との考えのもと、独りよがりな技術を一方的に提供するのではなく、お客様と議論を重ね、共に製品開発に取り組む中で、真のニーズを引き出す姿勢を忘れません。

また、中間素材メーカーとしての基礎体力を維持していくために、基礎研究に真摯に取り組み、豊かな創造力
を以て幅広い応用研究へと発展させてまいります。

(2)目標とする経営指標

当社グループは、事業活動の成果を表す経営指標としては収益性を重視し、自己資本当期純利益率(ROE)8%を中長期の目標といたします。

(3)中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、自動車用部材や建築用資材、記録材料、電子部材やアメニティー用途、機能性食品や精密化学品用途など、私たちの身の回りのあらゆる物の機能を高める商品で、人と社会に豊かさと快適さを提供します。

その為に、基礎研究・応用研究を充実させ、環境と調和した革新的な技術で開発した、最高品質の商品とサービスを世界に届けます。

(4)会社の対処すべき課題

当社グループは、この変化の激しい時代において企業価値を維持向上させるため、次の項目に重点を置いて経営を進めてまいります。

①新たな価値の創造に挑戦する研究開発の活性化。

②自動車用部材、建築用資材等、既存分野での新製品投入によるシェア拡大。

③電子部材、精密化学品用途などの成長分野への新製品開発。

④アジアを中心とする世界に向けた販売体制の確立。

⑤環境保全を重視した商品開発・製造体制の維持向上。

⑥ITを活用した効率的な生産体制の構築。

⑦オープン、フェア、クリアーな企業風土のもと、人間性の尊重を基本とし、ステークホルダーの利益を考慮したコーポレートガバナンスの実現。

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)原料の調達について

当社グループが調達する原料には特定少数の仕入先からしか入手できないものがあり、また、海外からの調達等のため、仕入先の国の政治・経済や為替動向により仕入量及び単価が大きく変動し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(2)知的財産権の保護について

当社グループは他社製品との差別化を図るために独自の技術開発と知的財産権の保護に努めておりますが、第三者による当社グループの知的財産を使用した類似製品の製造販売を完全に防止できないことや、当社グループの製品が他社の知的財産権の侵害をしていると判断されることが生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(3)貸倒れリスクについて

当社グループでは売上債権管理として与信年齢調べ、回収条件の厳正運用、引当金の設定などを行い、不測の事態に対応すべく努力しておりますが、取引先の信用不安などによる予期せぬ貸倒れにより当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(4)製品の品質と責任について

当社グループは顧客に信頼されるべく品質第一に製品開発を行い、国際的な品質管理システムに則り製品を設計、製造しております。また、生産物責任賠償保険に加入しておりますが、これらを超える重大な品質トラブルが発生した場合、当社グループ及び製品への信頼を失う恐れがあり、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(5)事故及び災害について

当社グループは事故及び災害による製造設備の停止を防止するための対策を充実させる一方、生産拠点の分散を図るなど製品の安定供給体制整備に努めております。しかしながら予想を上回る大規模な産業事故、大規模災害などによる製造設備の損壊を被るような事態が発生した場合、可及的速やかに生産再開を図るため事業継続計画を立案しておりますが、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(6)繰延税金資産の取崩しについて

当社グループは将来の課税所得に関する予測・仮定に基づき、繰延税金資産の回収可能性の判断を行っておりますが、将来の課税所得の予測・仮定が変更され、繰延税金資産の一部ないしは全部が回収できないと判断された場合、繰延税金資産は減額され、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(7)固定資産の減損について

当社グループは固定資産の減損に係る会計基準を適用しております。将来、業績の大幅な悪化や不動産価格の下落等があった場合、減損損失が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における世界経済については、為替相場は2018年初より円高傾向となったものの比較的安定に推移し、原油相場は産油国による減産合意の継続、ベネズエラの経済破綻等の要因から期初より上昇を続けたものの、世界の株式相場も上昇基調にあったことから、投資や生産が上向き、貿易量も順調に増加し、世界同時好況にあったと言えます。

米国経済は堅調な個人消費、順調に伸びる雇用者数、史上最高水準の株式相場、IT関連企業の業績拡大等により好調を維持し、FRBは利上げ、金融緩和縮小を進めております。欧州経済もドイツを中心に好調に推移し、ECBも金融緩和縮小に動き出しました。中国経済も個人消費並びに輸出が好調に推移し、共産党の体制強化とも相まって持ち直しました。ロシア・ブラジル等の資源国も資源価格の上昇により経済はプラス成長となりました。

日本経済も世界同時好況を背景に、輸出は増加し、企業収益も拡大、失業率は3%を下回り、インバウンド需要も順調に増加、物価も1%程度上昇してまいりました。

このような状況下、当社グループにおきましては、グループ全体での生産性向上を図り、また、前期に終了したOEM生産2億77百万円の売上減少をカバーすべく、新商材の拡充に努めました。

売上高は120億36百万円(前年同期比2億28百万円、1.9%増)とまず順調に推移いたしましたが、人件費、原材料費、電力費、燃料費等の上昇、設備維持費用の増加によるコストアップから、営業利益は5億4百万円(前年同期比64百万円、11.3%減)、経常利益は2018年初からの円高による為替差損もあり6億14百万円(前年同期比77百万円、11.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、工場施設見直しによる固定資産除却関係費用の増加もあり3億83百万円(前年同期比1億13百万円、22.8%減)となりました。

 

次期の経済見通しにつきましては、世界同時好況の流れは続くと予想されるものの、原油を中心に上昇基調にある資源価格の動き、米国の保護主義的政策発動による世界経済の混乱、中東・東アジアにおける地政学的混乱等不安定な状況が続きます。このような情勢下、当社グループにおきましては、精密化学品用途等の成長分野、国内外で拡大する自動車用部材分野での供給拡大、活況が続く国内建設用資材分野での安定供給、製品改良によるシェアの維持拡大を目指してまいります。また前期新設したRC推進室を中心とした環境に配慮した生産を一層推進してまいります。

次期の経営成績の見通しにつきましては、売上高は120億円(前年同期比36百万円、0.3%減)と前期並みを予想いたします。

利益につきましては、人件費、原材料費、電力費、燃料費等の上昇、安定供給のための設備能力増強投資を見込み、営業利益は4億15百万円(前年同期比89百万円、17.8%減)、経常利益は4億90百万円(前年同期比1億24百万円、20.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は3億15百万円(前年同期比68百万円、17.9%減)と減益を予想しております。

 

財政状態の状況につきましては、当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ1億9百万円増加し142億30百万円となりました。これは主に受取手形及び売掛金の増加3億3百万円、その他流動資産中の前渡金の増加1億4百万円、借入金返済並びに未払金支払に伴う現金及び預金の減少2億68百万円によるものです。

負債は、前連結会計年度末に比べ2億92百万円減少し58億98百万円となりました。これは主に、1年内返済予定の長期借入金を短期へ振替たこと等による短期借入金の増加2億95百万円、約定返済進行並びに短期への振替による長期借入金の減少5億83百万円、設備代金支払に伴う未払金の減少35百万円によるものです。

純資産は、前連結会計年度末に比べ4億1百万円増加し83億32百万円となりました。これは主に、利益剰余金3億4百万円、非支配株主持分76百万円の増加によるものです。自己資本比率は前期から1.7ポイント上昇して55.4%となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益が5億88百万円(前年同期比91百万円、13.5%減)、減価償却費が6億34百万円(前年同期比24百万円、3.7%減)と減少し、売上債権の増加2億93百万円(前年同期比2億87百万円、4,796.6%増)、有形固定資産の取得による支出4億80百万円(前年同期比19百万円、4.1%増)、長期借入金の返済による支出3億67百万円(前年同期比86百万円、19.1%減)、法人税等の支払額2億48百万円(前年同期比1億1百万円、69.4%増)等の資金減少要因により、前連結会計年度末に比べ2億10百万円減少して16億59百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果増加した資金は6億6百万円(前年同期比7億81百万円、56.3%減)で、これは主に減価償却費6億34百万円、税金等調整前当期純利益5億88百万円などの資金増加に対し、売上債権の増加2億93百万円、法人税等の支払2億48百万円などの資金減少によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動に支出した資金は4億31百万円(前年同期比1億89百万円、30.5%減)で、これは主に有形固定資産の取得4億80百万円などの支出に対し、定期預金払戻による66百万円の収入によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果減少した資金は3億82百万円(前年同期比1億42百万円、27.1%減)で、これは主に長期借入金の返済3億67百万円、配当金の支払76百万円、自己株式の取得による支出60百万円などの資金減少に対し、短期借入金の純増75百万円、非支配株主からの払込による収入49百万円などの資金増加によるものです。

 

③生産、受注及び販売の状況

a.生産実績

当連結会計年度におけるグループ生産実績を品目別に示すと、次のとおりであります。

品目

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

  至 平成30年3月31日)

前年同期比(%)

化合炭酸カルシウム(百万円)

4,977

103.7

重質炭酸カルシウム(百万円)

989

101.8

その他(百万円)

7

2.9

合計(百万円)

5,974

98.9

(注)1.金額は、販売価格によっております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

b.受注実績

製品について見込み生産を行っているため、該当事項はありません。

c.販売実績

当連結会計年度におけるグループ販売実績をグループ内での製造品・グループ外からの購入品の別及び品目別に示すと、次のとおりであります。

品目

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

  至 平成30年3月31日)

前年同期比(%)

 

化合炭酸カルシウム(百万円)

4,956

102.3

グループ内

重質炭酸カルシウム(百万円)

986

101.2

製造品

その他(百万円)

7

2.7

 

小計(百万円)

5,950

97.5

 

化合炭酸カルシウム(百万円)

177

111.8

グループ外

重質炭酸カルシウム(百万円)

2,335

101.4

購入品

その他(百万円)

3,572

110.3

 

小計(百万円)

6,085

106.7

合計(百万円)

12,036

101.9

(注)上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

当連結会計年度におけるグループ販売実績を用途別に示すと、次のとおりであります。

用途

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

  至 平成30年3月31日)

前年同期比(%)

合成樹脂(百万円)

5,281

99.6

塗料(百万円)

3,005

92.2

輸出(百万円)

1,207

125.3

食品・飼料(百万円)

760

96.4

ゴム(百万円)

703

100.8

その他(百万円)

1,078

135.9

合計(百万円)

12,036

101.9

(注)1.最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、当該割合が10%以上の相手先がないため記載を省略しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、採用した重要な会計方針及び見積りは、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、期初予想に対し売上高で4億36百万円(期初予想116億円、3.7%増)、営業利益で1億44百万円(期初予想3億60百万円、40%増)、経常利益で1億84百万円(期初予想4億30百万円、42.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益で93百万円(期初予想2億90百万円、32.1%増)上回る事が出来ました。

これは、売上高については、旺盛な国内外の需要に対し、グループ全体で生産性の向上を図り、また新規商材の獲得も加わった結果です。利益については、資源価格、電力費、人件費等の上昇に対し、工場稼働率の向上、付加価値の高い製品の売上増強を図りました。

第71期についても、精密化学品用途等の成長分野での研究開発の推進、国内外で拡大する自動車用部材分野、活況が続く国内建設資材分野での安定供給・シェア拡大を意図して、設備投資を7億10百万円(第70期比2億円増)実行する予定です。

資金調達については、主に純利益並びに減価償却にて行いますが、資金繰りの安定の為一部外部調達も予定いたします。

中長期の目標経営指標としては、自己資本当期純利益率(ROE)8%を目指しております。当期は5.0%(前期7.0%)であり、上記に記した施策にて更なる収益構造の改善に努める所存です。

 

4【経営上の重要な契約等】

特記すべき事項はありません。

5【研究開発活動】

当社グループは、最近ますます求められております商品に対する高機能化、高性能化、あるいはユーザー最終商品の差別化に応えるため、新製品の開発を強力に進めるとともに、今後の事業発展に向けての長期的視点から、事業推進の核となる新技術を確立するため、炭酸カルシウムを中心とした各種無機粉体の基礎研究及び新規用途拡大のための応用研究まで幅広く積極的に取り組んでおります。

現在、当社グループの研究開発は当社中央研究所により推進されており、その研究開発スタッフは全体で27名であり、これは当社グループ総従業員数の10.4%に相当いたします。

当連結会計年度中に支出した研究開発費の総額は3億26百万円(消費税等抜き)となっております。

当連結会計年度における主な研究開発状況及びその成果は、次のとおりであります。

(1)近年の商品開発速度に即応すべく新規無機素材の開発と、環境に配慮し効率的な製造技術の研究を進めております。

(2)炭酸カルシウム等を中心とした各種無機粒子の合成、粒子形状と粒子サイズの制御、単分散化、表面改質等の基礎研究を行っております。

(3)応用研究開発としましては、炭酸カルシウム等の無機素材について従来のシーラント、合成樹脂、食品等の分野でのより一層の機能性付与の検討と、一方、新規分野への用途開発の研究を進めております。

(4)主な成果としましては、建築用資材分野での製品の開発、既存製品の用途拡大、食品、農業分野での研究実績等を挙げる事ができます。