文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
エア・ウォーターグループの経営理念は、次の通りであります。
「創業者精神と誇りを持って、空気、水、地球、そして人にかかわる事業の創造と発展に、英知を結集する」
この経営理念は、当社ならびにエア・ウォーターグループが産業ガス業界のリーダーとして、さらに新時代に挑む全く新しい企業として成長、発展していくための経営の基本的な方針です。
(2) 経営環境、目標とする経営指標及び対処すべき課題
今後の国内経済につきましては、雇用、所得環境の改善とともに緩やかな回復基調が続き、加えて東京五輪関連の需要の本格化も追い風となり、企業の設備投資も堅調に推移するものとみております。海外経済につきましては、米国や欧州経済も堅調に推移し、中国やアジア新興国においても緩やかに景気回復が進む一方、各国間の貿易摩擦をはじめ一部の国や地域における地政学的リスクが高まっております。
このような経営環境の中、今年度は、1兆円企業ビジョンの第3ステップとして定めた3ヵ年中期経営計画「NEXT-2020 Ver.3」の最終年度にあたり、当社グループにとって、1兆円企業ビジョン実現に向け、試金石となりうる重要な1年になります。この中期経営計画では、「1兆円企業ビジョン実現に向けての体質作り」と「2020年度以降の成長にむけての礎づくり」の2つを経営課題に挙げるとともに、「構造改革と持続成長へのさらなる挑戦」を基本コンセプトとして、①極限のソリューションサービス追求とイノベーションの実現、②事業構造改革の実践による企業体質の強化、③ポスト2020年に向けての課題への挑戦、という実行施策に関する基本方針を定めています。これらの基本方針に基づく施策を着実に実行することにより、最終年度の目標達成を目指しております。
今後の事業全体の基本戦略としましては、8つの事業を中核とするコングロマリット経営の推進です。産業系の事業である産業ガス関連、エネルギー関連事業につきましては、国内製造業の底堅さを背景に、着実な成長で収益基盤を支える事業として位置づけ、設備の更新投資やコスト合理化をはじめとした施策により、収益力の強化に向けた構造改革に引き続き取り組んでまいります。ケミカル関連につきましては、事業体質を大きく変える決断を当連結会計年度におこないました。完全子会社となる川崎化成工業株式会社を中核として機能化学品分野への事業転換を実施していきます。生活系の事業である医療関連、農業・食品関連、物流関連、その他の独立系事業につきましては、高い成長力で会社業績を牽引する事業として位置づけ、更なる事業拡大を進めてまいります。医療関連につきましては、国内の少子高齢化の加速を背景とした治す医療から支える医療への転換を見据え、全国の拠点を活用した病院施設への複合サービスの提案をしていきます。農業・食品関連につきましては、異常気象による原料調達リスク、人手不足による人件費の高騰など、事業環境は厳しい中、機械化による省力化等を進め、収益性を高めてまいります。物流関連につきましては、ドライバー不足や軽油価格上昇に伴う物流費の高騰が続いておりますが、グループ物流の内製化や積極的な拠点づくりを進め、得意である低温機材の開発、特長ある低温物流網の構築により、更なる事業拡大に取り組みます。独立系事業である海水関連につきましては、製塩事業、マグネシア事業を中心に事業拡大を図り、エアゾール関連につきましては、新工場稼働に伴う化粧品の受託市場への本格算入により更なる収益拡大を図ります。
国内の事業戦略といたしましては、引き続き、地域密着型のビジネスを強化してまいります。全国に8社ある地域事業会社を基軸として、多種多様なグループ商材を活用した顧客への提案力の強化により、地域ならではのビジネス創造と事業間シナジーの創出を図ります。海外の事業戦略といたしましては、北米、アジアを中心に拠点整備を進めていき、クロスボーダーM&Aも含めた事業展開を図ります。
当社は、2000年の発足時以来、「創業者精神と誇りを持って空気、水、地球、そして人にかかわる事業の創造と発展に、英知を結集する」という経営理念の下、「全天候型経営」「ねずみの集団経営」を標榜し、「全事業がコア事業」との方針で、グループ全社でシナジーを創出し、その成果を確固たるものにするために、「脚下照顧」「横議横行」を行動指針としてきました。
当社グループは、当社及びグループ会社250社から成る一大集団となりました。更なるガバナビリティの強化と独自のコングロマリットの理想的な経営・運営をおこなうために、現在のグループ会社250社を6割程度にまで再編する作業に入っており、機能、事業、エリアなどを基準に関係会社を統合・再編する予定です。それに伴い、コーポレートガバナンスやリスクマネジメント体制の強化につきましても、引き続き取り組んでまいります。また、グループ全体の人的資源を最大限活用できるように、「若手の育成」、「女性の活躍」といったダイバーシティ(人材の多様性)を加速させ、社員一人ひとりが能力を発揮できるような環境整備も進めてまいります。
当社グループの事業展開上、事業の状況、経理の状況等に変動を与え、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループが製造・販売する酸素や窒素などの産業ガスは鉄鋼、エレクトロニクス、自動車や造船業界を大口顧客としております。そのため、当該業界の需要動向によっては産業ガスの販売に影響を及ぼす可能性があります。
原油等の価格高騰などにより電力費用が上昇した場合、当社グループが製造・販売する酸素や窒素などの産業ガスの製造費用が増加します。この費用増分を顧客に転嫁できない場合は、産業ガスの収益に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが販売しておりますLPガス・灯油はCP価格・原油価格などの影響を受けますが、仕入価格の変動を販売価格に速やかに転嫁できない場合は、LPガス・灯油の収益に影響を及ぼす可能性があります。
原油価格が上昇した場合、軽油費、燃油費、船舶利用費、航空利用費などの運送原価が増加します。これら費用増分を顧客に転嫁できない場合は、収益に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは医療機関向けに医療用ガスや医療サービスを提供しております。そのため、薬価改定の内容によっては医療用ガスや医療サービスの販売に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは高圧ガス保安法や液化石油ガス法に則り高圧ガスなどを製造・販売しておりますが、工場事故などが発生した場合、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは薬機法に則り医療用ガスや医療機器を製造・輸入販売しておりますが、リコールや製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは食品安全基本法・食品衛生法・JAS法(品質表示基準)などに則り冷凍食品やハム・デリカなどの食品を製造・販売しておりますが、品質などの問題が発生した場合には消費者の信用を失い、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは近年積極的にM&Aを展開し業容の拡大を図っております。事業投資が当初計画から乖離する場合、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの各事業において様々な競合会社が存在し、異業種からの新規参入などの潜在的な競合リスクも存在します。そのため、事業の拡大やコスト削減などの競合会社への対応が遅れた場合、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは国内外において、環境関連法規の規制を受けており、環境関連法規を遵守した事業活動を行っておりますが、環境関連法規の改定によって規制強化が図られた場合、対応コストの増大により当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
地震などの自然災害が発生したことにより、当社グループの製造拠点が重大な損害を受け、生産能力の大幅な低下もしくは生産活動の遅れが生じた場合、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、事業を遂行する上で訴訟、規制当局による措置その他の法的手続に関するリスクを有しており、当社グループに対して損害賠償請求や規制当局による金銭的な賦課を課され、又は事業の遂行に関する制約が加えられる可能性があり、こうした訴訟、規制当局による措置その他の法的手段は、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
①予期しえない法律、規制、不利な影響を及ぼす租税制度の変更
②社会的共通資本(インフラ)が未整備なことによる当社グループ活動への悪影響
③不利な政治的要因の発生
④テロ、戦争、伝染病などによる社会的混乱
⑤予期しない労働環境の急激な変化
⑥予測を超える為替の変動
流動資産は、受取手形及び売掛金の増加などにより前連結会計年度末に比べて309億3千6百万円増加し、2,874億2千万円となりました。
固定資産は、有形固定資産の増加などにより前連結会計年度末に比べて348億6千1百万円増加し、4,074億9千3百万円となりました。
以上の結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて657億9千8百万円増加し、6,949億1千4百万円となりました。
負債は、支払手形及び買掛金や借入金の増加などにより前連結会計年度末に比べて519億4百万円増加し、4,002億6千9百万円となりました。
純資産は、非支配株主持分の減少などがあったものの、親会社株主に帰属する当期純利益の積み上げなどにより前連結会計年度末に比べて138億9千4百万円増加し、2,946億4千4百万円となりました。
当連結会計年度における我が国経済は、雇用・所得環境の改善が進むとともに、個人消費や企業の設備投資も堅調に推移するなど、全体として景気は緩やかな回復基調で推移しました。また、海外経済においても、米国の通商政策等の対応や一部の国や地域における地政学的なリスクの高まりによる警戒感は残るものの、米国や欧州の経済が堅調に推移したことに加え、中国やアジア新興国においても緩やかな景気回復が継続しました。
このような経営環境の下、当社グループにおきましては、「既存事業の構造改革」と「M&Aによる成長戦略」の両輪を成長戦略の基軸に据え、当連結会計年度を実行期間の2年目とする3カ年中期経営計画「NEXT2020-Ver.3」に掲げた諸種の実行施策を各事業分野において着実に推進しました。また、新たに物流カンパニーの新設をはじめとした事業ポートフォリオの再構築を行うとともに、地域代表役員の設置を中核とした地域事業戦略の強化を推進し、当社グループの多種多様な事業基盤と全国8つの地域事業会社の機能との融合によるグループ総合力の最大化に取り組みました。さらに、新事業の育成として、発電事業や海外戦略の強化に向けた取り組みを着実に実行しました。
当連結会計年度の業績といたしましては、産業ガス関連事業は、国内製造業の幅広い業種で底堅いガス需要が継続したことを背景に、ローリーおよびシリンダー供給を中心とする地域のガス事業が順調に推移しましたが、電力料金の上昇に加え、高炉向けのオンサイトガス供給において顧客工場の設備トラブルによる操業変動の影響を受けたことから前年並みに留まりました。
一方、今後の成長分野と位置付け、積極的なM&Aにより事業の拡大を進めてきた医療関連事業および農業・食品関連事業が順調に推移したことに加え、その他の事業セグメントを構成する各事業がそれぞれ堅調に推移したことが全体の業績拡大を牽引し、当社グループの経営戦略である「全天候型経営」と「ねずみの集団経営」が強みを発揮する結果となりました。
さらに、前年度までタール蒸留事業を中心に業績が低迷していたケミカル関連事業は、製品市況の回復と機能化学品分野における構造改革の進展等によって業績の改善が進みました。
以上の結果、当連結会計年度における当社グループの売上高は7,535億5千9百万円(前年同期比112.4%)、営業利益は423億9千8百万円(同102.6%)、経常利益は446億9千1百万円(同108.3%)、親会社株主に帰属する当期純利益は251億7千3百万円(同112.7%)となりました。
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|
売上高 |
営業利益 |
経常利益 |
親会社株主に帰属する当期純利益 |
|
平成29年3月期 |
670,536 |
41,341 |
41,251 |
22,337 |
|
平成30年3月期 |
753,559 |
42,398 |
44,691 |
25,173 |
|
前年同期比(%) |
112.4 |
102.6 |
108.3 |
112.7 |
セグメントの業績及び概況につきましては、次のとおりであります。
産業ガスは、鉄鋼、化学、自動車、建設関連向けなど、国内製造業の幅広い範囲で底堅いガス需要が継続したことに加え、高効率小型液化酸素・窒素製造プラント「VSU」によるガス生産拠点の拡充を基軸に、全国8つの地域事業会社が地域の有力パートナーとの連携を強化することで国内ガス事業の深耕を図る「VSU」戦略が奏効し、ローリーおよびシリンダー供給を中心とする地域のガス事業は総じて順調に推移しました。なお、当連結会計年度には、宇都宮工場のプラントリプレースによって国内15基目の「VSU」が稼働を開始したほか、新たに岩手県でも16基目の建設に着手しました。
また、エレクトロニクス関連業界の好調を背景に、ガスアプリケーション機器であるドライアイススノー精密洗浄システム「クイックスノー」の販売が伸長したほか、エレクトロニクス向けのオンサイトガス供給も顧客工場において高稼働の生産が継続したことから堅調に推移しました。
一方、当社にとって最大のガス需要先となる高炉向けのオンサイトガス供給は、第1四半期に発生した顧客工場の設備トラブルによる操業変動の影響が第3四半期まで継続したことにより、厳しい状況となりました。また、電力料金の上昇により産業ガスの製造コストが増加しました。
エンジニアリング関連では、M&Aによって新たにガス精製装置および排ガス処理装置に関する事業領域を補完したほか、産業ガス分野における本格的な海外進出の布石として、海外におけるエンジニアリング事業の強化を図りました。
以上の結果、当セグメントの売上高は1,592億5千万円(前年同期比99.4%)、経常利益は161億7千万円(同99.4%)となりました。
コールケミカル事業では、コークス炉ガスの精製処理量が前年の水準を下回りましたが、市況変動に伴い精製ガスの単価が上昇し、売上高が増加しました。基礎化学品の主力である粗ベンゼンは、減産等による影響から販売数量が減少しましたが、炭素材や精密化学品の販売が順調に推移し、利益面の影響を補いました。持分法適用会社であった㈱シーケムが行うタール蒸留事業は、電気炉電極用ニードルコークスの需給がタイト化し、製品市況が回復したことから、事業環境の改善が進みました。
ファインケミカル事業は、不採算設備の停止により収益が改善するとともに、産業用ロボット向けに高機能回路製品が伸長し、堅調に推移しました。また、当社グループの川崎化成工業㈱は、同社が世界で唯一、商業生産しているナフトキノンとその誘導品の販売が農薬原料や光増感剤等の用途で大幅に拡大するとともに、主に可塑剤原料として使用される無水フタル酸の販売回復と輸出市況の改善により、総じて好調に推移しました。
以上の結果、当セグメントの売上高は679億8千4百万円(前年同期比110.8%)、経常利益は18億5千4百万円(前年同期は6億8千2百万円の経常損失)となりました。
以上の結果、前年度に実施したM&Aによる新規連結効果もあり、当セグメントの売上高は1,708億9千7百万円(前年同期比131.5%)、経常利益は103億1千7百万円(同112.5%)となりました。
LPガスと灯油は、輸入価格の指標となるCP価格に連動して販売単価が上昇したことに加え、積極的な増量増客策に取り組んだことで販売数量が順調に増加し、売上高が拡大しました。しかしながら、販売促進費の増加や第4四半期以降にCP価格が大きく低下した影響もあり、利益面では前年並みに留まりました。
増量増客に向けた主な取組施策としては、商権買収を通じて販売軒数の拡大と直販比率の向上を図ったほか、一般家庭向けには、「WAON」ポイントに加え、新たに北海道電力㈱との業務提携による「L電ポイント」の付与サービスを開始し、新規顧客の獲得を進めました。また、工業用のLPガスについては、新たに本州地区の重点地域に自社運用のLPGローリー車を配備して供給体制を拡充するとともに、全国の地域事業会社と連携し、産業ガス分野の顧客を対象に重油からLPガスへの燃料転換を推進しました。
LPガスと灯油以外では、30周年を迎えた「ハローガス秋の大感謝祭」を通じた販促活動の強化により、給湯器等の関連機器やGHP(ガスヒートポンプ)の更新工事が順調に推移したほか、産業ガス分野で培った極低温技術を活かしたLNGタンクローリーの受注も計画どおり進展しました。
以上の結果、当セグメントの売上高は514億5千9百万円(前年同期比114.3%)、経常利益は39億3千6百万円(同100.4%)となりました。
農産事業は、天候不順による農作物の入荷不足や価格高騰による影響を受ける一方で、夏場には好天気による豊作から価格低迷という事態も発生しました。このような中、農産加工分野において野菜加工の効率化や生産性の向上に取り組むとともに、北海道で高いシェアを有する農業機械の販売やメンテナンスが順調に推移したことでその影響を補いました。
食品ソリューション事業は、製造コストの上昇等による影響からスイーツ分野が厳しい状況となりましたが、ハム・ソーセージ分野において主力製品である生ハムの販売が拡大するとともに、原料調達の一元化や物流の最適化などのコスト削減が進展しました。また、加工食品分野においてもブロッコリーをはじめとした冷凍野菜の販売が拡大したほか、過年度に実施した設備の更新投資等により生産性が向上した結果、食品ソリューション事業全体では、ほぼ前年並みの業績となりました。
飲料事業は、健康志向の高まりから年間を通じて野菜系飲料が伸長するとともに、非需要期である冬場においてもホットの茶系飲料やコーヒー飲料が伸長するなど、飲料事業は総じて順調に推移し、農業・食品事業全体の業績拡大を牽引しました。
以上の結果、当セグメントの売上高は1,337億2百万円(前年同期比112.9%)、経常利益は48億5千万円(同118.1%)となりました。
食品物流を中心とする3PL(サード・パーティー・ロジスティックス)事業は、大手コンビニチェーン向けの配送業務が商品配送量の増加や新規エリアでの受託に伴う拠点開設等により、配送量・エリアともに大きく拡大しました。一般貨物輸送を担う運送事業は、本州地区に2カ所の新規拠点を開設するなど、積極的な設備投資により地域事業と幹線輸送の強化を図りました。
一方で、ドライバー不足に伴う配送費の増加や人件費、軽油価格の上昇等によるコストアップの影響を受けるなど、厳しい事業環境が続いたことから、顧客に対する運賃の適正化に努めました。
また、各種トラックボディ等の設計・架装を行う車体事業は、製造工場の増築や製造ラインの更新といった継続的な設備投資が奏効し、トラック・トレーラーの販売台数が増加するなど、順調に推移しました。
以上の結果、当セグメントの売上高は449億3千3百万円(前年同期比105.9%)、経常利益は18億8千8百万円(同83.5%)となりました。
海水事業のうち、塩事業は、製塩分野において工場の動力エネルギーコストが上昇した影響を受けましたが、リード吸着剤をはじめとした環境分野や水処理設備分野が拡大し、堅調に推移しました。また、マグネシア事業は、中国の環境規制強化を背景にヒーター用電融マグネシアの原料価格が高騰した影響を受けましたが、電力インフラの変圧器などに使用される電磁鋼板用マグネシアの拡販が進んだほか、工業用ヒーターやMI(無機絶縁)ケーブル向けに展開するマグネシアセラミックの販売も拡大し、堅調に推移しました。
エアゾール製品のOEM供給を行うエアゾール事業は、製缶原料をはじめとした製造コストの上昇による影響を受けましたが、インバウンド・アウトバウンド需要の拡大を背景に、化粧品やUVカットスプレーなどの人体用品の受注が大幅に増加した結果、堅調に推移しました。
基礎化学薬品や電気・電子材料などの仕入販売を行う情報電子材料事業は、エレクトロニクスや自動車関連向けに電気・電子材料の販売が拡大し、順調に推移しました。また、機械用シール部品の製造・販売を行うOリング事業は、半導体製造装置や産業機械向けの需要が大幅に増加し、好調に推移しました。
以上の結果、当セグメントの売上高は1,253億3千1百万円(前年同期比110.7%)、経常利益は82億1千3百万円(同107.8%)となりました。
②生産、受注及び販売の実績
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セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
産業ガス関連事業 |
51,653 |
103.6 |
|
ケミカル関連事業 |
53,985 |
120.9 |
|
医療関連事業 |
32,688 |
133.4 |
|
エネルギー関連事業 |
3,035 |
110.3 |
|
農業・食品関連事業 |
82,872 |
108.2 |
|
物流関連事業 |
3,484 |
105.9 |
|
その他の事業 |
44,363 |
109.5 |
|
合計 |
272,084 |
112.3 |
(注) 1 金額は、販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 当連結会計年度において、生産実績に著しい変動がありました。これは、医療関連事業におきまして、前連結会計年度期中に川本産業㈱を新規連結したことなどに伴うものであります。
製品のほとんどが見込生産であります。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
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産業ガス関連事業 |
159,250 |
99.4 |
|
ケミカル関連事業 |
67,984 |
110.8 |
|
医療関連事業 |
170,897 |
131.5 |
|
エネルギー関連事業 |
51,459 |
114.3 |
|
農業・食品関連事業 |
133,702 |
112.9 |
|
物流関連事業 |
44,933 |
105.9 |
|
その他の事業 |
125,331 |
110.7 |
|
合計 |
753,559 |
112.4 |
(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。これは、医療関連事業におきまして、前連結会計年度期中に川本産業㈱を新規連結したことなどに伴うものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
(現金及び現金同等物)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ79億7千8百万円減少し、224億3千3百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益及び減価償却費などから法人税等の支払額などを差し引いた結果、前連結会計年度に比べて111億8百万円減少し、477億6千4百万円の収入となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ172億7千9百万円支出額が増加し、616億3千7百万円の支出となりました。
その結果、フリー・キャッシュ・フローは前連結会計年度に比べ283億8千8百万円減少し、△138億7千2百万円となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払いなどがあったものの、社債発行による収入などにより、前連結会計年度の85億5千3百万円の支出に対して、44億8千9百万円の収入となりました。
(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)
当社グループは、持続的な成長のために積極的な投資を継続しており、必要な資金については財務の健全性に留意しながら銀行借入並びに社債発行等により資金調達を行うこととしております。資金の流動性については、財務の安全性に留意しながら資金の効率化に努めております。
以上の結果、1株当たり純資産は前連結会計年度の1,312.55円から1,422.60円に増加しております。また、自己資本比率は前連結会計年度の40.7%から40.0%となりましたが、目標水準の40%を維持しております。また、自己資本利益率は前連結会計年度の9.1%から9.4%となり、目標水準である10%の達成を目指しております。
平成30年3月2日、当社は新日鐵住金株式会社(以下、新日鐵住金)および新日鉄住金化学株式会社(以下、新日鉄住金化学)との間で、ケミカル関連事業の一部であるコークス炉ガスの精製事業および当該コークス炉ガスの精製に伴い分離される副産品の販売事業を譲渡する契約を締結いたしました。
(1)譲渡する事業の内容
①当社から新日鐵住金に譲渡する事業
コークス炉ガスの精製事業および当該コークス炉ガスの精製に伴い分離される副産品(硫酸、硫酸アンモニウム、液体アンモニウム等であり、粗ベンゼンを除く)の販売事業
②当社から新日鉄住金化学に譲渡する事業
コークス炉ガスの精製に伴い分離される副産品(粗ベンゼン)の販売事業
なお、本販売事業は、本販売事業に関する商権によってのみ構成され、その他の資産、負債および権利義務等の財産は含まれておりません。
(2)事業譲渡を行う主な理由
当社グループのケミカル関連を取り巻く事業環境は、平成26年頃から中国をはじめとするアジア新興国や資源国等の景気減速による製品全般の需要減少ならびに原油価格の下落および円高の影響によって石油化学製品の製品価格が下落したこと等により厳しい状況が継続しました。また、昨年から原油価格の上昇等による製品市況の改善が進展し、一定程度の回復が見込まれてはいるものの、依然として市況変動が大きく、将来の事業環境は必ずしも安定的とは言い難いものと受け止めております。
こうした中、当社グループは、グループの経営戦略である「全天候型経営」と「ねずみの集団経営」に基づき、事業環境の変化に左右されず、常に安定した収益を生み出す事業ポートフォリオの最適化に取り組んでまいりましたが、製品市況や需給の変動に加え、原料調達面で製鉄所の操業動向に大きな影響を受けるコークス炉ガスの精製事業、当該コークス炉ガスの精製に伴い分離される副産品の販売事業については、当社グループの事業規模ではその事業環境の変化が全体業績に与えるインパクトが大きく、且つ、当社独自の判断により事業の構造改革を進めることは困難を伴うことから、この度の事業譲渡を決定いたしました。
(3)事業譲渡予定日
平成31年4月1日
(4)法的形式を含む取引の概要
受取対価を現金とする事業譲渡
(5)譲渡する事業が含まれている報告セグメントの名称
ケミカル関連事業
当年度の研究開発活動につきましては、引き続き、研究開発投資効率の最大化を目指し、各事業部門及び各事業会社と研究部門が「横議横行」を重ね、事業戦略に合致した研究開発戦略を策定し、経営資源の最適化を図りつつ、スピーディに事業の創造と発展を成すべく、活動を推進しています。
これからもエア・ウォーターグループの持てる技術力を結集し、地域に密着した顧客ニーズへの対応から環境・医療・食料等の将来を見据えた取組みまで、社会に貢献できる成果の結実に鋭意努力してまいります。
セグメントごとの研究開発活動について、以下に示します。
(産業ガス関連事業)
・基幹事業である産業ガス事業においては、ガス製造プロセスの高度化とコスト削減、ガスを利用するアプリケーション開発、ガスの用途開発について、日々研鑽を積み、着々と成果を上げております。
・アプリケーション機器では、炭酸ガスを利用するドライアイス洗浄システムが本格的な市場投入を果たしました。
・用途開発では、金属表面との反応速度の高い新浸炭ガスが、お客様の量産炉での効果の実証が進み、採用に向けて交渉を進めております。
(ケミカル関連事業)
・電子材料を中心に高度なお客様のニーズに対応したファインケミカル関連の研究開発を推進しております。
・平成27年度に開発した高温環境下の使用に向けた高耐熱性硬化剤や高周波に対応できる低誘電正接硬化剤は、それぞれお客様が確定し、環境負荷の低減や情報高速化などへの社会貢献を期待しております。
(医療関連事業)
・医療用機器、病院関連施設、歯科材料、ガス性医薬品等の高度医療やくらしの医療に対する技術開発を積極的に推進し、社会貢献を果たしてまいります。
・要介護者の移乗動作の負担を軽減した居室用シャワー入浴装置を日本医療研究開発機構の補助金を受け、開発を完了し、近々市場投入いたします。
(エネルギー関連事業)
・将来のエネルギー変革に向けて、LNG関連技術や水素関連技術について、技術の蓄積、洗練、高度化を積極的に実施いたします。
・独自開発した竪型遠心式低温液化ガスポンプは、LNG関連用途への採用が増えてきており、防爆検定の取得と船級の取得をいたしました。これにより、防爆検定の要求がある大手ユーザーからの引合いや船舶搭載の引合いに対応が可能となり、今後のLNGの普及に貢献できることを期待しております。
(農業・食品関連事業)
・植物の栽培並びに保存技術や飲食物の品質の改善に向けた開発を推進しております。
・植物の栽培では、成長促進技術に取り組んでおります。作物の保存技術では、期間延長に効果的な手法の開発に取り組んでおります。
(その他の事業)
・SiC基板関連技術開発では、GaNパワーデバイスを主な用途として、最先端のお客様のニーズに対応した技術開発を推進し、順次工場へ技術移管しております。また、これらの技術を反映した SiC on Si基板や、さらには GaN on SiC on Si基板が工場で製造され、お客様へのサンプル供給、評価が進み、採用に向けて取り組んでおります。
なお、当連結会計年度の研究開発費用の総額は27億7千5百万円であり、産業ガス関連事業が5億1百万円、ケミカル関連事業が5億9千3百万円、医療関連事業が5億4千7百万円、エネルギー関連事業が8百万円、農業・食品関連事業が3億3千9百万円、その他の事業が7億8千5百万円であります。