第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)が判断したものであります。

 

 

(1) 財政状態の状況

当第1四半期連結会計期間末の総資産は、営業債権及びその他の債権の減少などにより前連結会計年度末に比べて90億2千6百万円減少し、8,906億7千3百万円となりました。負債は、営業債務及びその他の債務の減少などにより前連結会計年度末に比べて106億4千4百万円減少し、5,372億4千万円となりました。資本は、親会社の所有者に帰属する四半期利益の積み上げなどにより前連結会計年度末に比べて16億1千7百万円増加し、3,534億3千2百万円となりました。

なお、1株当たり親会社所有者帰属持分は前連結会計年度の1,460.00円から1,462.80円に増加し、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度の36.9%から37.4%となりました。

 

 

(2) 経営成績の状況

当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)の感染拡大により緊急事態宣言が発出され、休業要請や外出自粛要請が企業活動や個人消費を大きく収縮させるとともに、世界経済も各国政府が感染拡大防止の緊急措置を講じたことで急激に悪化するなど、予断を許さない状況で推移しました。

このような経営環境の中、当社グループは、感染拡大防止策を徹底し、産業ガスや医療用ガスをはじめとした諸製品の安定供給体制を継続しました。また、コロナ禍における市場ニーズの変化に対応するため、次世代通信規格(5G)やIoTを背景に需要が拡大しているエレトクロニクス関連向けの機器・材料や、医療関連事業における感染症対策分野を中心に、高付加価値製品の開発や新たな市場開拓の取り組みを進めました。

さらに、デジタル化を基軸とした働き方改革や営業改革を進めるなど、コロナショックを契機とする「新常態(ニューノーマル)」に対応すべく、業務改革や企業風土の革新に取り組んでおります。

また、国内8地域事業会社の業績は、新型コロナの影響を打ち返して着実に成長し、当社グループの強みである安定性が地域事業の底力として発揮される結果となりました。なお、今後の国内における収益力の向上と持続的な成長を牽引する強力な事業基盤を構築するため、本年10月1日付をもって現状の地域事業会社8社を統合し、新生3社とする経営改革を実施します。

当社グループでは、引き続き、産業ガスをはじめ、医療・衛生、エネルギー、農業・食品、物流といった、人々の命や暮らしを支える様々な事業領域を有するコングロマリット経営の強みと、地域に密着した事業基盤を活かしながら、ウィズ・コロナ社会における新たな課題解決に取り組み、さらなる企業成長を図ってまいります。

当第1四半期連結累計期間における当社グループの売上収益は1,802億5千9百万円(前年同期比98.3%)、営業利益は87億1千9百万円(同79.5%)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は44億5千1百万円(同62.3%)となりました。

 

 

各セグメントの概況は次のとおりであります。

 

<産業ガス関連事業>

当セグメントの売上収益は406億2千6百万円(前年同期比94.7%)、営業利益は前年同期に土地売却益などを計上した反動減もあり、39億2千8百万円(同82.6%)となりました。

ガス事業において、鉄鋼向けオンサイトガス供給は、主要顧客の高炉停止などの影響を受け、販売数量が減少し、厳しい状況が続きました。一方、エレクトロニクス向けガス供給は、データセンターや5G関連の需要拡大による国内半導体メーカーの増設・増産に対応するガスプラントの設置を段階的に進め、販売数量は堅調に推移しました。ローリー・シリンダーによるガス供給は、地域のガス需要が減少した影響を受けましたが、充填所の新設や地域の有力なガスディーラーとの連携強化を着実に進め、シェアの拡大を図りました。本年6月には、新たに山形県において19号機目となる高効率小型液化酸素・窒素製造装置「VSU」が営業運転を開始しました。

機器・工事事業は、顧客工場における設備投資の一部先送り等の影響を受けましたが、半導体製造装置向け高精度加熱冷却部品やエレクトロニクス向け特殊材料供給装置などの販売が拡大し、堅調に推移しました。

海外事業は、前連結会計年度にPraxair India Private LimitedおよびLinde India Limitedから産業ガス事業をそれぞれ譲り受けたAir Water India Private Limitedの新規連結効果がありました。なお、当第1四半期連結累計期間におけるインドでの産業ガス事業は、ロックダウン(都市封鎖)による影響があったものの、主力である高炉向けオンサイトガス供給は本年6月にはほぼ新型コロナ発生前のレベルに回復しました。

 

<ケミカル関連事業>

当セグメントの売上収益は69億7千8百万円(前年同期比147.1%)、営業利益は2億5千1百万円(前年同期は2千9百万円の営業損失)となりました。

機能化学品事業は、ディスプレイ向けに新規用途が拡大したことなどにより電子材料の拡販が進展しました。また、データセンターにおけるハードディスクドライブの需要拡大を背景に精密研磨パッドの販売が拡大した㈱FILWELおよび酢酸ナトリウムの国内トップメーカーである大東化学㈱の新規連結効果が寄与しました。

川崎化成工業㈱は、無水フタル酸の販売が減少した影響を受けましたが、ナフトキノンの販売回復と入浴剤向けコハク酸の販売拡大により、その影響を補いました。

 

<医療関連事業>

当セグメントの売上収益は405億5千2百万円(前年同期比97.0%)、営業利益は6億3千5百万円(同58.6%)となりました。

設備事業は、新型コロナ影響により、手術室を中心とした病院設備事業において工事の延期や遅延が発生したほか、シンガポールでの設備工事事業においても、感染拡大防止に向けた経済活動の制限による影響を受けました。加えて、周術期分野における医療支援システムや歯髄再生事業に関連した研究開発を進めたことで、先行費用が発生しました。

なお、医療従事者と患者の院内感染リスク低減にも寄与する機器として、本年5月より遠隔診療支援システム「NOALON(ノアロン)」の販売・レンタルを開始しました。

医療サービス事業および医療ガス事業は、手術件数の減少や外出自粛により通院患者数が減少した影響を受けました。一方、衛生材料事業は、医療従事者向け防護具や手指消毒剤などの感染管理製品の販売が拡大し、好調に推移しました。また、在宅医療事業は、院内感染対策を背景とした入院患者の在宅療養への移行などにより新規患者数が増加し、堅調に推移しました。

 

 

<エネルギー関連事業>

当セグメントの売上収益は110億3千7百万円(前年同期比97.2%)、営業利益は7億6千1百万円(同119.3%)となりました。

LPガス事業は、飲食店舗や工場向けの需要が減少したほか、輸入価格に連動した販売単価の下落により売上面で影響を受けました。こうした中、民生用においては販売店の商権買収や増客活動の推進による顧客数増加に加えて、巣ごもり需要を受けて1世帯当たりの単位消費量も増加しました。また、これらに加えて直売比率も高まり、利益面では堅調に推移しました。灯油は前年並みの販売数量となりましたが、原油価格の下落により販売単価が低下しました。機器・工事は新型コロナによる新規受注の減少や工事延期の影響を受けました。

なお、前連結会計年度にM&Aを実施したベトナムのLPガス事業者であるPacific Petoroleum Import and Export Trading Joint Stock Companyを新規連結しました。

 

<農業・食品関連事業>

当セグメントの売上収益は315億8千8百万円(前年同期比91.6%)、営業利益は3億2千3百万円(同37.5%)となりました。

農産・加工事業は、外食・ホテル・給食向けを中心に業務用冷凍・加工食品の需要が急減し、厳しい状況になりました。農産・加工分野においては、前年度に豊作だった農作物の在庫処理に伴う影響がありました。一方、ハム・デリカ分野においては、業務用需要が減少しましたが、巣ごもり需要に対応した業務用宅配商材に注力し、その影響を補いました。また、スイーツ分野においては、収益改善が進展し、回復基調に入りました。

飲料事業は、外出自粛や在宅勤務の広がりを受けイベントやオフィス向けの需要が減少し、受託生産量が大幅に落ち込みました。なお、本年3月より北海道の生産工場において最新鋭のPETボトル充填ラインの稼働を開始し、今後の受注拡大に向けた生産体制の増強を図りました。

その他の事業は、青果小売分野において店舗の時短営業や休業の影響を受けましたが、既存店舗の収益改善を進め、利益面では前年同期を上回りました。また、農業機械分野においては、除草用農機等の販売が堅調に推移しました。

 

<物流関連事業>

当セグメントの売上収益は130億4千6百万円(前年同期比106.3%)、営業利益は6億6千2百万円(同112.7%)となりました。

運送事業は、経済活動の停滞により自動車や建材関連を中心に荷扱量が減少しましたが、飼料関連の荷扱量が堅調だったことに加え、軽油価格の下落に伴うコスト改善も寄与し、その影響を補いました。また、当第1四半期連結累計期間にM&Aを実施した西日本を中心に運送、倉庫業を展開する㈱桂通商を新規連結しました。

食品物流を中心とする3PL事業は、外出自粛を背景にスーパーマーケット向けの荷扱量が増加したことに加え、低温物流センターの稼働率向上が寄与したほか、人件費上昇の影響を受託料金の適正化によって補い、順調に推移しました。

トラック・ボディの設計・架装を行う車体事業は、修理や整備の需要を取り込み、堅調に推移しました。

 

 

<海水関連事業>

当セグメントの売上収益は83億7千7百万円(前年同期比95.8%)、営業利益は2億3千6百万円(同46.5%)となりました。

塩事業は、外食・給食向けを中心とした業務用塩の販売量が減少したことに加え、讃岐工場における大型定期修繕の実施により、減益となりました。環境事業は、顧客工場の稼働率低下に伴い、排煙脱硫に使用される水酸化マグネシウムの販売が低調となり、厳しい状況で推移しました。下水管更生事業は、引き続き旺盛な需要が継続し、堅調に推移しました。発電事業は、持分法適用会社であるサミット小名浜エスパワー㈱の小名浜発電所において隔年実施の定期修繕に伴う稼働日数の低下による影響を受けました。なお、本年10月稼働開始予定の赤穂第2バイオマス発電所の建設は計画通り順調に進捗しました。

マグネシア事業は、耐火煉瓦向けをはじめとした一般窯業用マグネシアの販売が減少しましたが、電磁鋼板用マグネシアの価格改定に加え、ヒーター用電融マグネシアの原料価格が低下したことにより収益改善が進展し、利益面では堅調に推移しました。

 

<その他の事業>

当セグメントの売上収益は280億5千2百万円(前年同期比104.0%)、営業利益は7億1千万円(同52.0%)となりました。

エアゾール事業は、化粧品のOEM受託が減少したものの、感染予防対策として需要が高まったアルコール除菌剤の受託が拡大したことにより、利益面では堅調に推移しました。

海外エンジニアリング事業は新型コロナの感染拡大により産業ガス関連機器分野ではマレーシアにおける工場の稼働制限による影響を受けたほか、高出力UPS(無停電電源装置)分野ではシンガポールや欧州において経済活動が停滞した影響を受けました。

その他の事業では、電力事業において木質バイオマス・石炭混焼発電所(山口県防府市)の安定操業が継続しました。なお、2021年4月稼働開始予定の福島県いわき市で進めている木質バイオマス専焼発電所の建設計画は計画通り順調に進捗しました。

また、機械用シール部品の製造・販売を行うOリング事業は、半導体製造装置向けの販売が増加し、堅調に推移しました。

 

 

(3) キャッシュ・フローの状況の分析

当第1四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前四半期利益及び減価償却費などから法人所得税の支払などを差し引いた結果、前第1四半期連結累計期間に比べ57億7千7百万円収入が増加し、138億2千6百万円の収入となりました。

当第1四半期連結累計期間の投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出などは減少したものの、前第1四半期連結累計期間に計上した事業譲渡による収入の反動で収入が減少したことなどにより、前第1四半期連結累計期間に比べ112億2千9百万円支出額が増加し、160億9千2百万円の支出となりました。

当第1四半期連結累計期間の財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払いに加え、短期借入金による支出が増加したことなどにより、前第1四半期連結累計期間に比べ13億8千2百万円支出額が増加し、43億4千万円の支出となりました。

以上の結果、現金及び現金同等物の当第1四半期連結会計期間末残高は、前第1四半期連結会計期間末残高に比べ35億2千1百万円増加し、361億1百万円となりました。

 

 

(4) 研究開発活動

当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は8億7千万円であります。

 

 

(5) 主要な設備

当第1四半期連結累計期間において、新規連結に伴い下記の設備が新たに当社グループの主要な設備となりまし
た。

 

㈱桂通商

2020年6月30日現在

事業所名
(所在地)

セグメント
の名称

設備の
内容

帳簿価額(単位 百万円)

従業
員数
(名)

土地

建物及び
構築物

機械装置
及び運搬具

その他

合計

面積(㎡)

金額

京都物流センター
(京都市南区)

物流関連

販売設備

9,400

1,676

210

381

0

2,268

87

西脇物流センター
(兵庫県西脇市)

物流関連

販売設備

80,083

650

782

89

0

1,522

23

 

(注) 1 帳簿価額には、建設仮勘定の金額を含んでおりません。

2 帳簿価額のうち「その他」は「工具、器具及び備品」及び「無形資産」等の合計であります。

3 帳簿価額には、使用権資産の金額を含めております。

 

前連結会計年度末において計画中であった重要な設備の新設について、重要な変更はありません。

当第1四半期連結累計期間において、新たに確定した重要な設備の新設計画はありません。

 

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。